概要
正式名称は『海上学術機関特区』で、通称『学区』。
超巨大な浮遊艦を学び舎とし、世界各地を巡って優秀な人材を集め育てる移動教育機関。
彼等を「世界の中心」とまで称されるオラリオに集結させ双方に利益を生み出す背景のもと今日まで続けられている。『ギルド』のエイナ・チュールや【ロキ・ファミリア】のレフィーヤ・ウィリディスの出身である。
特徴
「『探求への礎』を育むこと」を理念としている。
『学区』に入学できる生徒は、六歳から十八歳の子供ならどんな人物でもあらゆる種族でも関係なく入学資格を有し、しかも入学金などもいらない。ただし、定員枠は非常に少なく、レフィーヤの時は定員枠がわずか六人に対し、倍率はなんと二百倍と非常に狭き門である。だが、入学試験は神々による『面接』のみで、能力の優劣などではなく何を成し遂げたいかという強い『意志』が重要視される。
また、一般的な教育機関とは大きく異なり、『学区』では入学と卒業の時期は決められておらず、大概はどこかの国や街に帰港するとそれを狙った入学希望者が殺到して入学試験を行い、卒業は生徒が旅する中で「ここ!」と決めた場所に、神や教師達から「問題無し」と認められると容易に船から降りて卒業が出来る(ちなみに、最速で三ヶ月で卒業した者もいる)。
『ラキア王国(【アレス・ファミリア】)』や『テルスキュラ(【カーリー・ファミリア】)』みたいに一柱の主神が治めているわけではなく、創立者である神バルドルを筆頭とする十のファミリアが集まった『派閥同盟(ファミリア・ユニオン)』である。だが、オラリオとは違い、あくまで教育機関として【〇〇・ファミリア】ではなく、【〇〇・クラス】と呼称されている。また、各クラスの教師陣が団長を始めとした幹部で、一部の生徒が幹部候補の監督生となり大半の生徒が団員という立場になっている。
監督生とは各【クラス】の代表生徒であり自身の判断で生徒に懲罰を与える裁量と権限を持つ事実上の準教員であり『学区』の教員になるための一番の近道である。
クラスでは冒険や戦いをメインとする『戦技学科』や勉学をメインとする『教養学科』、鍛冶をメインとする『鍛冶学科』など様々な学科がある。また、『授業科目』も膨大で、一年目で選べる科目だけでも何十種類も存在する。
オラリオには、三年周期で大点検大修理(オーバーホール)のために港町・メレンに帰港し、そこで優秀な生徒達を狙って都市内のファミリアがこぞって『眷族募集(リクルート)』や『派閥体験(インターン)』を行っている(一時的に『学区』の生徒になっていたベル・クラネルでさえ、『学区』の生徒達を英雄の様に歓迎するあまりの待遇の違いに、自分がオラリオに来たばかりの時に爪弾きにされ続けていた経験と思わず比べてしまう程)。『ギルド』は『学区』に多額の投資をしており、その見返りとして生徒のスカウトや稀少素材の供給などをしてもらっている。
各地を巡る過程で魔物達と戦うことが多く、生徒達の実力はオラリオと比べれば劣るものの、中にはステイタスがLv.3までランクアップしている優秀な生徒も存在する。また、教師の中に世界に二人(後に新たに三人が追加される)しかいないLv.7の眷族の内の一人を有するなど、極めて高い戦力を保持している。
しかし、世界中の魔物が関わる紛争を解決してきた自負心もあってか、生徒の中には『学区』に不法侵入しようとする輩がいる等もあって、冒険者の事を「野蛮なゴロツキ」と偏見を抱いている者が多く、中にはルーク・ファウルの様に迷宮(ダンジョン)での魔物との戦いを軽視するあまり、オラリオの外での活躍が少ないオラリオの冒険者を自分達よりも格下で役立たずな存在と見下す者さえもいる。
こういったある種のエリート意識の強さから、ボールスなど一部のオラリオの冒険者からも『学区』の生徒達はあまり好かれておらず、『怪物進呈(パス・パレード)』やぼったくりをされる事がしばしばで、基本的に双方とも仲が悪い事になっている。
艦内では「ラグナー」という独自の紙幣通貨が使われており、ヴァリス金貨しかない場合は学生銀行(バンク)で換金する。オラリオ発祥といわれるジャガ丸くんが売られているが、まるで呪文かのように長々とトッピングを豊富に注文出来る。だが、出来上がるのは、飲み物とシロップたっぷりのクリームの上におまけでジャガ丸くんが突っ込んだ物であり、ベル曰くヘスティアとアイズからは「こんなものは邪道!」と激怒するレベルであると推測している。
学び舎
学び舎として使われている浮遊艦の正式名称は「超巨大船『フリングホルニ』」で、艦船としては世界最大の大きさを誇り、直径700Mの円状の形の船体を持つ。三層の巨大な円盤状の船体(パンケーキと揶揄されている)で構成されており、校舎を始めとした建造物や大型競技場などの施設が存在する。
船底には浮力発生装置である大型魔石装置が五百基備わり、これによって浮遊することが出来る。
船首は存在するが、「長針が飛び出した時計」のような鳥の頭部を彷彿させる形になっており、360°に稼働する仕組みになっている。また、船首には世界で一基しか存在しない推進力場発生器が存在する。
前身は『海上要塞』であり、かつては三大クエストの一角の海の覇王・リヴァイアサン討伐にも使われ、冒険者達が戦う足場として活躍した(しかし、船体が大破するほどの激しい損傷を受けていた)。また、外部パーツの一つに、壮麗な『羽根』のようにみえる『調光器』は、リヴァイアサンのドロップアイテム「海覇王(リヴァイアサン)の蒼鰭(そうき)」で出来ている。
構成員
神
【バルドル・クラス】の主神。『学区』の校長で創立者。
『学区』の総責任者。ヘルメスとは旧知の仲。
- イズン
【イズン・クラス】の主神。
フレイヤとは同郷の処女神。
学区の教員を務めることがある。テンションは高め。口癖は「アオハル」。
教師
Lv.7
【バルドル・クラス】の団長で、『学区』の教師筆頭。
- マリク
教師の一人。バルドルからレフィーヤ救出に向かうレオンに同行者として連れていく許可が出されていた人物。
- アドラー
教師の一人。モノクルを掛けたドワーフ。
生徒
- アリサ・ラーガスト
【バルドル・クラス】の監督生。レフィーヤの旧友のヒューマンの女子生徒。
典型的な委員長タイプで、レオンの非公認ファンクラブの会長。
Lv.2
【バルドル・クラス】所属。
『第三小隊』小隊長のハーフエルフの少女。
エイナ・チュールの妹。
- ラピ・フレミッシュ
Lv.1?
【バルドル・クラス】所属。
『第三小隊』の茶髪の兎人(ヒュームバニー)の少年。
だが、その正体は……
- イグリン・マーズ
Lv.2
【バルドル・クラス】所属。
『第三小隊』のドワーフの少年。貴公子然とした態度を取るが、周囲の意見を聞かずスタンドプレーに走ることが多い。
- レギ・ギギ
Lv.2
【バルドル・クラス】所属。
『第三小隊』の黒妖精(ダークエルフ)の少女。口数が少なくやや根暗。
- クリスティア・エルヴィア
Lv.2
【バルドル・クラス】所属。
『第三小隊』の小人族(パルゥム)の少年(?)。自信家で芝居が掛かった喋り方が特徴。
Lv.3
【バルドル・クラス】所属。
『第七小隊』小隊長のヒューマンの少年。
オラリオの冒険者が外部に目を向けないことを不満に感じている。
- ナタリノーエ・クラッドフィールド
Lv.3
【バルドル・クラス】所属。
『第七小隊』のヒューマンの少女。ルークとは幼馴染の関係。
突っ走りがちなルークを支えるために強くなっていった。桃色の髪が特徴。
- コール・クスター
【バルドル・クラス】所属。
『第七小隊』の狼人(ウェアウルフ)の少年。斥候を担当している。
- ミリーリア・ソルツ
【バルドル・クラス】所属。
『第七小隊』のエルフの少女。
- ベティ
【バルドル・クラス】所属。
犬人(シアンスロープ)の女生徒。狸人(ラクーン)と牛人(カウズ)の女生徒の二人とよく行動している。
卒業生
現【ロキ・ファミリア】冒険者。
現『ギルド』職員。
現『ギルド』職員。
- バーダイン
【バルドル・クラス】所属。レフィーヤの旧友の牛人(ブルズ)の男子生徒。
巨乳好きを堂々と公言する変態。
- ナッセン
【バルドル・クラス】所属。レフィーヤの旧友の小人族の男子生徒。