概要
CV:洲崎綾
酒場『豊穣の女主人』の猫人(キャットピープル)の女性店員。21歳。アーニャ・フローメルやルノア・ファウスト共々、酒場の中でも癖の強い問題児組の一人。特にアーニャとはおバカ猫1、2という扱いを受けている。シル・フローヴァやリュー・リオンともよくつるんでおり、調子に乗りすぎたときは彼女達から制裁を受けることも。
元々は依頼達成率ほぼ100%と噂された『黒猫』(非公式)という異名で知られる暗殺者で、場合によっては残虐な拷問なども行ってきた。
人物像
黒い髪と尻尾が特徴的で、時折腹黒い一面を見せる女性。ほっそりとした体形と尻尾から「くーるびゅーてぃー」を自称しているが、胸があまり無い事を気にしている(同僚のリューよりはずっとあるが)。
賭博が大好きで現在も人目を盗んで行っており(しかもイカサマ)、周りから白い目で見られることもある。
そして、自他共に認める最大の性癖もとい特徴は重度のショタコン。暗殺者時代は、依頼金でショタによる逆ハーレムを夢見ていたこともあった。今でもその性癖は健在で、ベル・クラネルのお尻もお気に入り。その執着さは、どこまでいってもブレる事はない。彼の事は「少年」と呼んでいる。
一方、暗殺者としての経歴も長いためか、リューのベルに対する感情の変化に一人察するなど、観察眼にも長けている。
ちなみに、フリーの暗殺者時代は、暗殺の規則として『殺す相手は屑か、殺される覚悟のあるものだけ』、『子供、特にショタ(曰く世界の宝)は殺さない』をモットーとしている。
アーニャ同様、猫人らしい「ニャー」という語尾を付けたふざけた口調で話すが、これはおちゃらけた神々を真似た処世術であり、本来の性格は泣き虫で怖がりだという。キャラ作りをやめれば普段のおバカな言動は鳴りを潜め、真面目な口調で会話する。
ただし、Episodeリューにおけるアーニャの台詞によると、語尾に「ニャ」を付けたりする会話は、本来猫人(キャットピープル)特有の訛りであるらしく、標準語で会話するのは「キツい」とされている等、設定に矛盾がある。
現在はオラリオ近郊の港町『メレン』にファミリアを構える【ニョルズ・ファミリア】に所属しているが、あくまでもステイタス更新のみが目的の為、正式な団員ではない。
主神であるニョルズとは、彼の弱味(おそらく、海で暴れ回るモンスターを駆除する為に闇派閥から食人花を提供してもらっていた件)を握って眷族になったが、ニョルズとの関係自体は悪くないどころか彼からは暗殺業に疲れ切っている事を見抜かれており、ファミリアへの正式な入団を提案してくれた事もあった。
しかし、暗殺者として生きてきた自分が今更改心など滑稽だとして断っているが、脛に傷を持つ自分が善良な派閥である【ニョルズ・ファミリア】の一員になるのは迷惑になるというのが本心と思われる。
作中での活躍
本編開始前
元はオラリオ外に存在する犯罪組織系【セクメト・ファミリア】の構成員で、名前を付けられる前から殺し屋となることが宿命付けられていた。ある日、母親(自分に最後まで素性を明かさず、姉貴分だと思っていた女性)に命を庇われたことを切っ掛けに、ファミリア脱退を決意。主神である女神に、脱退の条件としてとある王国のLv.3の上級騎士殺害という無理難題な条件を提示されるも、これを何とか達成した事で犯罪組織を抜け、自由の身となる。
以降は様々なファミリアに入っては改宗(コンバージョン)を繰り返しているが、今まで殺し屋として生きていた為か、【セクメト・ファミリア】から抜けた後も、殺しを生業とした生き方でしか食い扶持を稼ぐ方法が無かった様で、世界を渡り歩きながら殺し屋稼業を続けていた。
だが、依頼を失敗してこなかった事やオラリオ外の世界でLv.3になった才能もあって(オラリオ外では、Lv.3でも卓越した実力者の部類に入る)、向かうところ敵無しとすっかり調子に乗り始めていた頃に、当時『暗黒期』という最も治安が悪かった時期である7年前にてオラリオにやって来てしまう。
当初は治安が悪いなら仕事にも困らない程度の軽い気持ちで足を踏み入れたが、オラリオの冒険者達の実力を舐めてかかった結果、【ガネーシャ・ファミリア】団員暗殺の依頼を受けた際、見事返り討ちに遭い、団長であるシャクティ・ヴァルマの追撃から命からがら逃げる羽目となり(現在もちょっとしたトラウマになっており、シャクティには近寄るのも苦手)、人生初の依頼失敗となってしまった。
それ以降、反省から仕事を慎重に選ぶ様になり、多くの依頼を受け、やがてLv.4ランクアップを果たすも、この頃には尽きる事のない殺しの仕事に鬱屈を感じる様になっていく。
アストレア・レコードの時はあまりの事態のヤバさに手を出さない事を決意する。偶然にもルノアが別の場所で自身と同じ決意をしていた。
本編の5年前、暗殺業を廃業しようと決め、最後の仕事として【疾風】、即ちリュー暗殺の依頼を承諾し、『豊穣の女主人』へ侵入。丁度依頼が重なった当時賞金稼ぎだったルノア、更に騒ぎを聞き割り込んできたアーニャと四つ巴の闘いを繰り広げる事となる。
しかし、実はこの仕事は暗殺者として色々とやり過ぎてしまった上に闇派閥との繋がりについて知っている自身やルノアもリュー諸共始末する為に、依頼したブルーノ商会が仕組んだ「茶番」であり、彼等や雇った悪徳冒険者達によって「口封じ」で始末されそうになるも、4人の共闘であっさりと返り討ちにした。
だが、この闘いによって店をボロボロにしてしまった事で、店長であるミア・グランドの逆鱗に触れてしまい、彼女に叩きのめされた後、1億ヴァリスという法外な借金を背負わされながら、無理矢理『豊穣の女主人』の従業員として働かされることとなった。
本編
『女神祭』では、2日目にシルを【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者達から守るべく戦い、ガリバー兄弟と戦うが奮闘空しくやられる。
フレイヤがオラリオ中に『魅了』を施した時は、「ベルはフレイヤの眷族」と記憶を改竄された上にシルの記憶も消されてしまう。ベルのことを「『シル』という知らない人を尋ねに店に来る迷惑な人」と認識し、快く思ってない(だが、ベルの尻を気に入っていることは変わりなく、むしろ「フレイヤの眷族」の所為で手が出せないことに歯痒く思っていた)。『魅了』が解除されるとベルとシルの記憶が戻り、アーニャの元へ行くと泣き喚く彼女を、ルノアとともに宥めていた。
本編18巻では、ルノアと共にデメテルとニョルズに頭を下げて『豊穣の女主人』の店員たちを自分たちの眷族に改宗してもらった。そして、『派閥大戦』当日にアーニャがベート・ローガに無理矢理拉致されたことを同僚の店員ロシィから聞くと、ルノアたちと共に『戦いの野』までアーニャの匂いを辿って追跡し、『戦いの野』西側の大広間で眠り続けるシル(ヘルン)を見て驚愕した直後、シル(ヘルン)が寝言で自分たちへ謝罪するのを聞いた後、アーニャから「シルを助けたい」という決意を聞き、その言葉を聞いたミア・グランドたちと共に『派閥大戦』に途中参戦する。そして、アーニャが異常魔法【レミスト・フェリス】でアレン・フローメルと彼の率いる『強靭な勇士』たちとガリバー兄弟を弱体化させた後、リリルカ・アーデの作戦で分断されたガリバー兄弟の次男ドヴァリンを幻影魔法【フェレス・クルス】で幻惑した後、複数の毒を塗った短剣『バイオレッタ』でドヴァリンを負傷させ、アーニャの異常魔法でガリバー兄弟の【対異常】アビリティの効果まで下がっていたことで更に『バイオレッタ』で複数の切り傷を与えて、遂にドヴァリンを倒した後にドヴァリンの顔を踏みつけて、控えめに表現しても邪悪な笑顔で笑った。しかし、アレン・フローメルが発動した高速魔法【グラリネーゼ・フローメル】でルノアたちと共に吹き飛ばされて、戦闘不能になった。
『派閥大戦』が終結して【フレイヤ・ファミリア】が解体された後、オラリオを去ろうとするフレイヤの前にリューたちと共に現れて、シルの姿になったフレイヤをルノアと共にからかった後、フレイヤが「私は女神をやめたい。シルとしてみんなと一緒にいたい」という『本当の望み』を聞き、ルノアたちと歓声を挙げた。
戦闘スタイル
暗殺者という事や猫人という種族な事もあり、ステイタスは『敏捷』や『器用』に特化したものとなっており、更に発展アビリティ『調合』によって様々な薬品を取り扱い、それらで相手の動きを制限しながらじわじわと追い詰めていく。武器は暗殺に特化し、様々な毒が塗られた危険な短刀《バイオレッタ》。眠りの香や煙玉、投げナイフ、毒に幻影魔法など、豊富な搦め手を用いる実力者である。
ステイタス
Lv.4
※5年前の最終判明ステイタス
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
F301 | G279 | B751 | B776 | E455 |
耐異常 | 調合 | 逃走 | ||
G | H | I |
発展アビリティ
- 耐異常
状態異常に耐性を持つことが出来る。オラリオでは状態異常攻撃を放つモンスターが多いので習得している人間は多いが、彼女の場合は犯罪組織にいた時代、耐性をつけるために毒の服用を受けていた影響かと思われる。
- 調合
回復薬を始めとしたアイテムの効力を『魔法』の段階(傷口を一瞬で癒すなど)に引き上げる事が出来るアビリティ。暗殺の準備に多くの薬を調合してきた事で会得した。
- 逃走
逃走時における速度の上昇補正がかかる。Lv.4ランクアップ時のみ発現し、会得可能なレアアビリティ。
魔法
- フェレス・クルス
詠唱式:【戯れよ】
超短文詠唱で、実体のない術者の幻影(ミラージュ)を生み出す魔法。
一度に出せる幻影の上限は2体まで。実体が無いため攻撃も防御も出来ないが、術者の意のままに操れる為、陽動や撹乱、奇襲などに有用。また煙玉の煙幕と併用する事で、幻影と本物の区別を困難にするといった戦術も駆使する。
装備
- バイオレッタ
鎌の様に先端が曲がっている、暗殺に特化した暗剣。様々な毒を塗って使用する。
作中では、『耐異常』のアビリティを貫通する程の激毒である「毒妖蛆(ポイズン・ウェルミス)の毒液」を使用していた。
- 眠りの香
香りを吸った対象を眠らせる道具。クロエの物は大量の資金を費やされた材料と高熟練度の『調合』アビリティで作成しており、『耐異常』を習得していても気を強く持たなければ眠りに落とすほどの効力を発揮する。
余談
アニメ『ダンまち』シリーズでは、尺の都合によって只でさえ少ない出番を削られてしまっているが、その分アーニャと共にwebサイトでの次回予告を担当。二人して好き放題やっているが、相方や毎回間違った次回タイトルを読み上げるリュー、特別ゲストのキャラクターにツッコミを入れることもしばしば。
またアプリ『メモリア・フレーゼ』でも、アーニャとコンビで活躍する事が多い。
『ダンメモ』でのイベント「異端甘友祭」では、異端児(ゼノス)と遭遇してしまうという事態が発生。その場は人間に近かい容姿をしたレイやフィアがバレンタイン用の衣服を着ていたことで最新のファッションという形で誤魔化せたものの、後編に当たるイベント「迷宮の白い闇(ホワイトアウト)」で言い逃れ出来ない状況になった事で、ついにその存在を知ることとなった。ただし、その後は特に深く追求することなく、物語が終わっている。
またあくまでゲーム内での出来事なので、原作でも同様に認知しているかは不明。
なおアーニャも同様に現場にいたのだが、彼女は前編での最新のファッションという話を信じ切っていたため、結局喋るモンスターの存在を認識することはなかった。
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 豊穣の女主人
シル・フローヴァ リュー・リオン アーニャ・フローメル ルノア・ファウスト
他作品の類似キャラクター
滝壺理后:かつて裏稼業に手を染めていた中の人およびレベル4繋がり。彼女も塀に囲まれた都市に住んでいるが、こちらは親に捨てられた捨て子である。
茅野カエデ:暗殺をテーマにした作品の中の人繋がり。こちらは過去に実の姉を喪っている。ちなみに姉の中の人は九魔姫(ナイン・ヘル)の二代目。