「ピリカピリララ ポポリナペペルト」(後節解説)
プロフィール
概要
『おジャ魔女どれみ』シリーズの主人公である女の子。
無印の時点では小学校3年生。イメージカラーはピンク。
『おジャ魔女どれみお笑い劇場・おジャ魔女大喜利』での名前は春風亭どれみ。
小学3年生の時に「マキハタヤマリカの魔法堂」で、魔女のマジョリカの正体を見破ってしまった事をきっかけに「魔女見習い」となり、魔法の修行をすることとなる。
魔法の呪文は「ピリカピリララ ポポリナペペルト」。
マジカルステージでの呪文は「ピリカピリララ のびやかに」。
ポロンに組み込まれている楽器は(おもちゃの)ピアノ。幼い頃母親から習っていた事と、コンクールでの挫折、両方の思い出を持つ成長の象徴。
パートナーである妖精の名前は「ドド」。
人物
容姿
お団子頭の髪型が特徴。このお団子は睡眠中でもそのままであり、これが解かれたシーンは4年間の放送中でも『♯』の序盤と終盤のたった2回しかない。下ろすと腰まで届くほどのロングヘアである。
櫛を使って結うこともできるようだが、物凄い動作音がする謎の装置を使うと簡単にできるらしい。
中学時代、失恋をした(と勘違いした)ために、一度は髪を切りショートカットになっていたが、高校入学前の同窓会が切っ掛けで再びお団子頭となった。ただし、髪の毛の長さがかつてと違いかなり短くなっているため、半球状の普通の「シニヨン」となっている。
この失恋については後に誤解が解け、その結果『16 Naive』以降、周囲に煽られるまま美空高校サッカー部のマネージャーとしても活動していくことになる。
服装は無印と『♯』はピンクの半袖のシャツとその上に紫のタンクトップ、薄い小豆色のキュロットパンツを着用し、足には薄ピンクの三つ折りソックスとピンクの厚底スニーカーを履いている。
『も~っと!』以降はピンクのシャツとスニーカーはそのままに、紫のノースリーブの上着と薄紫のベルト付きのキュロット、薄ピンクのニーハイソックスに変更された。
なお、私服は全季節共通となっている。
性格
一人称は「あたし」。
基本的にはドジでおっちょこちょいなキャラクター。魔女見習いになった日に、いきなり高度な魔法を成功させて才能の片鱗を見せるものの、基本的には魔女見習いとしての成績は悪く、最初の魔女見習い試験に不合格となってしまい、後で魔女見習いになったはづきやあいこに置いてけぼりをくらうこともあった。そのためマジョリカにも「お邪魔な魔女で『おジャ魔女』」だと言われてしまう。
しかし、物語が進むにつれて魔法を自在に使いこなせるようになり、魔法はあくまで「困っている人を助けるために使うもの」というスタンスを持つようになる。そのため自分の欲求を満たすために魔法を使うことには否定的な考えを示す。
特に『♯』ではハナちゃんの誕生に立ち会った縁で魔女界の女王様から彼女の養母になることを命じられた当初は初めての経験や自身の考えの甘さからお世話が疎かになった結果風邪を引かせてしまうなど、親として未熟な面も目立った。しかし子育てを通じて「母親としての責任」を学んだ事で、後のシリーズでも魔法に頼ることを控えるなど、ファンからは「どれみさん」と呼ばれるまでの精神的な成長を見せた。やがてドッカ〜ン!』終盤では自身や卒業後にそれぞれ別々の道を歩むことになった仲間たちの人生を左右する決断を迫られることになる…。
それでもドジだけは最後まで治らなかった。そのため幼馴染の小竹哲也からは幾度となく「どじみ」と揶揄されていた。『おジャ魔女どれみ16』では高校生として登場するが、やはりドジなところは変わっていない。
他にも相手に気を遣ってとった言動が裏目に出てトラブルになり、保身や相手を思いやる気持ちから嘘を吐いてしまうこともあった。そのため母・はるかや妹・ぽっぷ、マジョリカ達に叱咤されることもしばしばあったが、最後にはきちんと自分の行動に責任を取り周囲からの信用を取り戻すことに成功している。
そんな彼女ではあるが、困っているものは敵であろうとも放っておけず友人や教師たち、更には女王様も認めるほどの友達想い。親しい人が問題に直面した際には自分の事情や感情さえも二の次にしてまで救おうとする悪く言えばお人好しかつおせっかいだが、良く言えば誰にでも分け隔てなく接し、非常に面倒見が良く心優しい性格である。このため出会った当初は対立しがちだったあいこ、おんぷやカルチャーショックに悩んでいたももこたちの心境に大きな変化を与え、自身の成長もあって名実ともにおジャ魔女達のリーダー格となった
一方で自分の私情を限界まで抑え込んででも周囲の問題解決に尽力しようとする分、限界まで抑え込みすぎた感情が暴発すると自制を効かなくなる程に暴走してしまうこともあった。
こうした人情に厚い性格も相まって、クラスメイトほぼ全員から誕生日パーティを開かれ祝福される(『も〜っと!』25話)、不登校の女の子を学校に復帰させる、そして自身が卒業式をボイコットしようとMAHO堂に立て籠もった際にはわざわざ卒業式を中断して、学年中の生徒や教師が説得に来る(『ドッカ〜ン!』最終回)程の人望の持ち主である。
ステーキが大の好物で、並々ならぬ情熱を持っている。キャラクターソングの歌詞にもたびたびステーキという単語が出るほど。ついにはステーキについての愛で一曲歌い上げてしまう(「ス」のつく恋人)。
が、今までに食べることができたのは幼少期たったの1度のみ。まさに一途。
『おジャ魔女どれみ16』では、高一からステーキハウス(飯田かなえの実家)でバイトをし、週1でまかないとしてステーキを食べられるハズであったが、「MAHO堂」の営業再開により、その野望は未然に阻止されてしまった。
また、夏場は麦茶がないと死んでしまうほどである。
ちなみに典型的なアホの子で、学業の成績はあまりよろしくない。苦手な教科は算数をはじめとする理系科目で、しばしば悲惨な点数をとっては嘆いている。また、活字を見ると数秒で眠れる体質を持つ(『も〜っと!』20話・34話)。
一般常識にも疎い。電子メールを知らなかったり(『無印』48話)、ケーキに入れる人参を千切りにしたり(『も〜っと!』27話)、甲子園を知らず野球のルールを把握していなかったり(『ナ・イ・ショ』9話)と枚挙に暇がない。
その分発想力は柔軟で、なぞなぞが得意である(『無印』8話)。
高校以降に嗜むようになったサッカーの応援では、熱くなりすぎて相手チームを壮絶にコキ下ろして野次るという、フーリガンもかくやというレベルの悪い意味での名物サポーターになりつつある。当然のごとく美空小新任初日にサッカーマニアの教え子にツッ込まれて照れ隠しに笑うハメとなった。物語内においては描写は軽くサラッと流されているが現実問題としては笑いごとにならないですよ先生!(『おジャ魔女どれみ19』より)
なお、このことからも判るように『16』で始まった小竹との交際は、一応現在も続いているものと目されている。
将来の夢
夢破れた母の影響で、幼い頃はピアニストを目指していた。しかし、あまりのプレッシャーにより発表会で失敗してしまい、以降は小学4年生の秋までピアノから離れていた。(その時食べたのがステーキである)
将来の夢が固まるのはおジャ魔女たちの中で一番遅く、「美人ピアニスト」を諦めて以降「白衣の天使」(『無印』ドラマCD)「世界一幸せな花嫁」(『も〜っと!』10話)「ステーキ屋さん」(『ドッカ〜ン!』20話)などと二転三転していた。それ故進路について悩む描写も作中でしばしば見られた(『ドッカ〜ン!』40話『おジャ魔女どれみ16』『17』等)。
『17 2nd』で起こったとある事件をきっかけに、教師を志すことを決意する。
ただし、今まで散々に進路に迷うと同時に部活に集中しすぎた事で受験へのスタートを遅くしてしまったことや、生来のお人好しで受験当日に人助けに至り、自身の余裕を失ってしまったことなどが災いして受験に失敗。一途な性格から滑り止め受験などのリスク分散も行っていなかったため、浪人生となってしまう(『おジャ魔女どれみ18 2nd』)。
最終的には大卒就職時にも希望の職場(美空市小学校職員採用試験)が採用試験を停止させたために1浪。結果、前述の1浪と加算し2浪で美空第一小学校に就職することとなった。
そして入学式の新任挨拶でさっそく「お辞儀で固定マイクにオデコ直撃」という古典ドジをやらかしてしまったため、担任をするクラスの子どもたちから「どじみ先生」と呼ばれる羽目となるも、小学校時代では即解放だった怒りを飲み込んだ上で、逆にその言葉に親しみを抱きながら物語は終了する(『おジャ魔女どれみ19』)。
どれみの「魔法の呪文」について
上述したように、どれみの魔法の呪文は「ピリカピリララ ポポリナペペルト」で、マジカルステージでは「ピリカピリララ のびやかに」である。ララが初めて呪文を解説したときも下記の長音は無い。
だがアニメ等の音声を伴うメディアでは語のリズムと音感や演者である千葉千恵巳の演技から「ピーリカピリララ ポポリナペーペルト」および「ピーリカピリララ のびやかに」と長音が混ざって音声表現されている場合が多い(特に作品初期である無印に顕著)。
そのため、どれみの呪文に関しては長音が混ざった状態で記憶しているファンも多く、こちらを耳コピしたものが正式の表記と勘違いしている人が多くいる。
だが、どれみの呪文がカタカナ(つまり日本語)に音声転写された場合の表記に関しては、公式(特に文芸設定担当の山田氏)は一貫して「ピリカピリララ ポポリナペペルト」と無印当初から長音が無い状態を貫いているので注意。
『なかよし』連載のどれみ漫画版から、のちの『おジャ魔女どれみ16』から『おジャ魔女どれみ19』(作者は栗山緑)果ては『おジャ魔女カーニバル!』での歌詞表記まで文字に転写された呪文には長音が無い。
つまりはどれみのメイン脚本である栗山氏(=シリーズ構成および文芸担当である山田隆司氏)からして「どれみの呪文には長音が無い」ものと認識しているため、これが(あくまでも音声転写表記時における)公式の一貫された立場と言える。
なお、こうした「読みと表記に違いがある」状態については、のちに初代SDの意向でわざとそのように演技指導(ディレクション)されていた事が明らかにされている。
それによると、初代SDがセリフに公式表記には無い長音を仕込んだのは「子どもが親に対して優位に立てるための仕掛け」を作りたかったためであり、いわば親子のコミュニケーションを誘発させるために子どもへと向けた、いわゆるゲームにおけるイースターエッグ的なものといえるものであった。いわば長音は「子どもだけの秘密の音」だったのである。(しかし、山田氏までがこれを容認していたかは不明である)
しかし、これはコミュニケーションを一歩間違えば子どもが親の存在を馬鹿(蔑ろ)にしてもいい(行動を誘発する)メッセージにも捉えられかねず、その捉え方には当然、賛否両論があり注意を要する。(無論、SDには、そんな意図は無かったであろうが)
そのため、どれみの呪文に関しては「表記は長音ナシ」「読みは長音アリ」を基本として、場合によって使い分けるやり方が一番現状に沿っているものと考えられる。
家族構成
- 春風渓介(父)
職業はフィッシングライター。いわゆる釣りバカ。劇場版では父方の祖父祖母も登場している。
- 春風はるか(母)
だらしがなく甘えん坊などれみには厳しく叱咤激励する一方、MAHO堂での修行(表向きは放課後のボランティア活動)を通じて人間として成長していく娘たちを優しく見守っている。
職業は『ナ・イ・ショ』までは専業主婦だったが『16』からは自宅でピアノ教室の講師を始める。
- 春風ぽっぷ(妹)
どれみの4つ下の妹。友人の人生相談にも乗るほどできた妹。生意気でませた態度を取るが、実は誰よりもどれみのことを慕っている。
- ふぁみ(孫娘)
『ナ・イ・ショ』で登場する謎の女の子。その正体はある目的のため未来からやってきた、どれみの孫。ただし、作中ではその正体は誰にも知られていない。お団子頭でない以外の見た目や性格はほとんどどれみそっくりで、さらに魔女見習いである。姓は不明だが後発作品での描写を見るに、おそらく祖父は……もしどれみが小竹哲也と結婚したら春風から小竹へと苗字が変わる
ふぁみの生きている時代では祖母(どれみ)は亡くなったと思われる
過去に来たのは魔女がいると信じていて人間界との交流は絶えつつも
人間と魔女が共存し合う日はきっと来ると思う節がある
余談
- 東京都杉並区の杉並会館にある、漫画およびアニメの資料館「杉並アニメーションミュージアム」に設置された外装レリーフおよび同ミュージアム案内パンフレット表紙において、東映アニメーションを代表するキャラクターとして、どれみが採用されている。
- 『どれみシリーズ』メイン脚本である、栗山緑(=シリーズ構成・山田隆司)が脚本を担当した回(特にCDくらぶやお笑い劇場のようなギャグ重視の番外編回)では、どれみのトホホぶりに拍車がかかる傾向にある。
- これは栗山(山田)いわく「どれみは他のMAHO堂メンバーと違って、あえて挫折を繰り返した上で、無駄かもしれないと悩み挫けそうになりながらでも努力しないと、何もできず何者にもなれずに社会の底へと落ちていく『普通(属性)の子』(努力しないと普通になれない子)であるから」「本来は凡人なんかが関わりなんか持てない、才能がバリバリのスーパーヒロインたちの中に、何を間違ってか紛れ込んだ凡人がどれみの役割(凡人の視点から他のメンバーの存在の在り方を作品を見ている子どもたちに伝える立場)だから」とのこと。
- 元々は「おんぷ」と名付けられる予定で、妹の名前が「どれみ」だったのだが、「おんぷ」が商標に引っ掛かってしまったため、主人公が「どれみ」、妹には新たに「ぽっぷ」の名が与えられ、「おんぷ」は第1期後半から登場する魔女見習い(当時は所謂ライバル魔法少女)として再起用された。
関連イラスト
関連タグ
おジャ魔女どれみ 主人公 おジャ魔女 おジャ魔女どれみのキャラクター一覧
日向咲、花咲つぼみ、春野はるか、野乃はな:日曜朝8時30分枠の後輩で姉で妹がいるイメージカラーがピンクの主人公繋がり。咲とはなは勉強が苦手、つぼみはキャラデザ、はるかは母親と名前が同じなのが共通する。
夢原のぞみ:こちらも天才肌の仲間に囲まれたアホの娘だが、敵対者とも争いを避けようとする人の好さとリーダーシップに加え後に教師となった点が共通するニチアサの後輩。
星空みゆき:同じくアホの娘だが、ぷっぷのぷーに似た口癖はっぷっぷーや髪を降ろせば美人な点、ロボットにされてしまった点などが共通するニチアサの後輩。
左翔太郎、熱田充瑠:同じくニチアサ枠の番組において、天才肌の周辺人物に囲まれた凡人であるが、周囲の人物を動かしていく潤滑油的役割を担う主人公。
伊達健太、如月弦太朗:ニチアサ枠の番組において、学校の成績は悪いが、後に努力で教師となった点が共通する。
シモン、花垣武道:同じく天才肌の周辺人物に囲まれた凡人系狂言回し型主人公。後者は周辺人物に振り回されたり、貧乏くじを引かされる等の苦労人な点も共通している。
神楽:ポジションはぽっぷと大体同じであるが、暖色系の髪色でシニヨン、ヒロインらしくない顔芸が多い、4文字で頭文字に『す』が付く食べ物が好き(どれみはステーキ、神楽は酢昆布。酢昆布自体はステーキと違い頻繁に食べている。)…と、共通点が多い。余談だが、無印にてどれみはおんぷ初登場回にて神楽のモチーフとなった姫の真似をしていた。
百合カップリング
どれはづ どれあい どれおん どれもも どれハナ どれぽぷ/春風姉妹 どれふぁみ どれかよ マジョどれ