CV:引坂理絵
人物
『HUGっと!プリキュア』の主人公。元気のプリキュア・キュアエールに変身する。
新学期にシャインヒル学園という中学校からラヴェニール学園へ転校してきた中学2年生。
口癖は「フレフレ、○○!」「めちょっく!」
生年月日は2005年1月20日。第17話でのルールーの分析から判明した。なお、この年は初代主役キュアであり、何度か共闘した仲である美墨なぎさの現役最終年にあたる。つまり、二人の年齢は本当は15歳(一回り以上)も離れているという凄まじい事になっている。生年月日が判明している先輩の一人である春野はるかとも三歳の差があり、意気投合し、共闘した夢原のぞみとも(近年の派生作で示唆されたが)本来は十二歳もの差がある。このように生年月日がはっきり判明している主役キュアでは最年少に近い若さである。
ちなみに1月生まれのプリキュアは前作の宇佐美いちかに続き2人目。
苦手なものはキュウリ(はな曰く、キュウリは河童になるとのこと)。
容姿
ウェーブのかかった濃いピンク色の髪で両サイドに緑色のヘアピンを付けている。
実はショートヘアと言えるほど短くない、結べる長さの髪をデフォルトでは結ばずに下ろしている主人公は2023年現在はなだけである。
一番の特徴は、転校初日の朝(第1話冒頭)に、心機一転のために自分でヘアカットした前髪。
本人は大人っぽく斜めにふんわり流した前髪にしたかったのだが、カットをミスしてしまいぱっつんの斜めバージョンみたいになってしまった(しかも若干切れ目も入っている)。
デビュー失敗と本人は落ち込んでいたが、周囲からは意外と好評だった。
髪を切る前とは印象がだいぶ変わったが、視聴者からは元の髪型も結構似合っているという声も。(→散髪前はな)
薬師寺さあやからはその容姿がマウンテンブルーバード(の雛)に似ていると称されたことがある。
第7話予告部分でもこの件を知らないはずの輝木ほまれから何故かネタにされていた(ちなみに、さあやの変身後のキュアアンジュも、青いモコモコだったりする)。
また、はなは番組のプレゼントコーナーで「ピンクとブルーどっちが好き!?」と囁いたことがある。
身長は153cm。さあや・ほまれと並ぶと、頭半分ほど低く、妹のことり(小6)にも「身長がもうすぐ追い抜きそう」とまで言われている。
ただ、キュアエールに変身した時は若干背が伸び、さあやのキュアアンジュやほまれのキュアエトワールとの身長差が、あまり感じられなくなっている。
本作のプリキュアたちの力の源であるアスパワワは「未来を信じる想いの力」であるため、変身後の姿は、プリキュアに選ばれた少女たちが夢見る未来の姿に近しいと推測される。
つまりはなはキュアエールに変身することにより「自分が憧れる大人っぽいスタイル」に近くなるのかもしれない。
服装
私服
春~秋:トップスが薄ピンクのパフスリーブのシャツの上に濃いピンク色のキャミソール、ボトムスが水色のスカート、靴は黄緑色のソックスとピンク色のスニーカーの組み合わせ。
冬:白いブラウスと胸元にリボンが付いたピンクのジャンパースカート。
余談だが本作のプリキュア達の私服は春~秋の間は春服に統一され、冬の時期に冬服に衣替えする仕様となっている。(次作以降も同様)
制服
学生服は後ろがYのサスペンダーを使用。
これははなを含むラヴェニール学園の一部の女子生徒に共通しているデザイン。
他にはピンクのブラウスとピンクのラインが入ったグレーのスカートを着用している。
性格
自他共に認める「元気でお茶目」な女の子だが、いつかは「超イケてる大人のお姉さん」、つまり格好いい大人になることを夢見ている。
しかし夢ばかりが先行して形から入って空回りしたり、後先考えずに行動を起こして大変な目に遭ったり(第20話参照)、さらにドジかつおっちょこちょいで、作中ではよく転んだり池にも落ちたりしている。
しかし、第2話の「委員長と話しているんじゃないもん、さあやちゃんと話しているの!」という台詞に見られるように、ハイスペックにもかかわらず自己肯定感が低かったさあやから積極的な反応を引き出したり、心を持ったばかりのルールー・アムールや、彼女との件で思い悩む愛崎えみるの相談に応じたりする事からも、歴代の桃キュアに劣らないコミュニケーション能力を始め、他者への憧れや長所を率直に口に出せる素直さ、何があっても比較的立ち直りが早い芯の強さを併せ持つ。
さあやをはじめとした周囲の友人たちは、そんな実直で素直な性格こそが「はなのイケてる部分」だと感じているが、当のはな自身は自分のそういう部分を「子供っぽい」と感じており、正直なところ褒められるのは嬉しいが少し複雑な心境のようである。
それに加えて頑固な面もあり、ハリーに「ルールーに騙されていた」と言われても「騙されていない!」と頑なに否定したり、正人の態度に「人の心を縛るな!誰だってヒーローはいるんだよ!」と反発したり、わがままだと分かっていながらも、「悲しいアンリくんを放っておけない!だから、応援したいの!」と口にするほど。
その一方で、約束を破るなどの自分の行為で他者を巻き込むと自己嫌悪に陥ったり(第10話、スーパースターズなど)、ジョージがクライアス社のボスであった事実を知って以来、彼の正体も含めて時間が止まり未来が消える恐怖に怯えたり、終盤で仲間が痛めつけられるのを目の当たりにして「みんなを苦しめたくないから、時間が止まってもいい」とジョージの意見に同意しかける弱さも持ち合わせ、ナイーブになってしまう傾向もあった。
表面的には明るいけれど、心にどこか暗い影を持つのも桃キュアの定番ではあるが、はなは苦しい時も楽しい時もその理由を直感的に理解し、言語化して相手に伝えることができる。
自分の弱さや苦しさを抱え込み、誰にも悟られないまま「努力して」笑顔でいようとしている場面が何度かあるが、それは痛々しさや悲劇ではなく、むしろ心の芯がしっかりしているという彼女の魅力として肯定的に描かれている(第34話では阿万野ひなせのセリフで直接的に示されている)。
そして笑顔の裏に辛さを感じたなら、ハグして優しく寄り添ってあげるのが友達だとしている。辛さを癒してあげるために、作り物であっても笑顔を否定する必要はないのだから。
スペック
学力・身体能力は普通以下のようで、第13話ではルールーに「優れた点は特に見当たらない」と評されており、はな本人も「勉強も運動もできない」と事ある度に嘆いている。
しかし第1話でリングノートに描いていた理想の自分像や、第2話で描いたキュアエールの絵は中々のクオリティであり美術は並かそれ以上。実際劇中でもほまれやジョージから絵の出来を褒められている。
本人曰く「頭の中にあるイケてるものが目の前に広がるのが楽しい」とのことで、実際衣装画のように(ある程度過去に蓄積されたベースラインがあるにせよ)ゼロから考える必要があるものも資料なしで見事に描き切ってしまう。
脳内イメージを絵で完全にアウトプットするのはプロでも案外難しいことなので、絵の才覚自体は相当なものがあるようだ。
第18話では歌のテストの練習の際音程を取るのに苦労しており、音楽についてはかなり苦手なようである。
第10話のフードフェスティバルでたこ焼き屋を手伝った縁によりたこ焼きの作り方を教わって、翌々話のパジャマパーティーで美味しく作って出せていることから、料理の腕ならびに相応の学習能力はある模様である。
特技は応援と自称しており、上述の「フレフレ○○!」等で周囲や自分をよく応援する。
ただしこれについては「応援なんて誰がやっても同じようなもので、特技とは言えない」という周囲からの辛辣な反応を受けることもある。さらに本作では「応援は時に重荷になる」という応援が持つ負の側面も序盤から強調されている。
それでもはなは自分の意志をその都度貫くが、はなが「応援」とどのように向き合っていくのかも物語の見所となっている。
わたしがなりたい"野乃はな"
はなは「超イケてる大人のお姉さん」になりたいという夢を持っている。
しかし仮になれたとしても、それで何をやりたいのかというのは全く決まっていない。
序盤の頃から「なりたい"野乃はな"がある」と折に触れて語っているが、それは「大人になりたい」という自分の気持ちをそう形容しているに過ぎない。第10話では「大人になればなんでもできるようになると思っていた」と吐露しており、さあややほまれと比べると現実の厳しさをあまり理解していない感じがある。
はなが「超イケてる大人のお姉さん」に憧れているのは、後述するクラス内での孤立の影響で心が壊れかけた時に母親の野乃すみれが寄り添ってくれたことで救われたからである。つまりはなの「超イケてる大人のお姉さん」のロールモデルはすみれである。しかし重要なのはここで「優しいお母さんになりたい」とならなかったことであり、はなの中には母のような「超イケている大人のお姉さん」なら、血の繋がっている相手でなくても本当に必要な相手に手を差し伸べてあげるはずだという強い期待・憧れが根源にある。
(そしてはなの母のすみれは、ルールーの犯した罪を許して家族として受け入れているので、はなの憧れは間違ってはいなかったことになる)
端的に言えば、はなは母親そのもの、もしくは職業に憧れているというより、母の「生き方」に憧れている。
そんなわけで、はなはどうすれば母のような「超イケている大人のお姉さん」になれるのかはいまだ模索中であり、はなの「なりたい自分」はニュアンスとしては精神的なビジョンに近いことは付記しておく。
秘められた過去
「応援が特技」という設定ゆえに、はなは「他人の心に踏み込む」という役割になることが多いのだが、そのはな自身の人格形成に関する情報は本編前半時点では非常に曖昧であった。
そして中盤の第23話にて断片的に反芻された過去のシーンでは、転校前のシャインヒル学園在籍時にいじめの現場を「格好悪い」と諌めた結果、自分にいじめのターゲットがシフトし、それを誰も助けてくれずにクラス内で孤立してしまっていた。
具体的な描写はさすがにボカされていたが、当時のはなはこのことで心を苛まれ、最終的にはかなり精神的に追い詰められていた様子である。
第31話ではさらにいくつかの事実が明るみに出たが、それはより救いのないものであった。はながイジメから庇ってあげた子は、実ははなの親友だったが、はながイジメられるようになってからは距離を取るようになり、はながイジメられている様子を見て見ぬ振りをし続けたのである。
その当時のはなの心のダメージは、親友に見捨てられたというより、「余計なことをして彼女に嫌われた」という思い込みが大きなウェイトを占めていて、それ以上に、落ち込んでうつむき、前を向くことができない自分を「格好悪い」と決めつけていた様子であった。
正しいことをしたはずの自分が傷つき、はなの価値観が揺らぎかけていた時、母は「大丈夫!はなは間違っていない。もう我慢しなくていい、はなの未来は無限大!」と、今のはなを肯定して、優しくハグして励ましてくれた。
その母の愛により、はなはアスパワワを失わず、未来への確固たる希望を抱けるようになった。そして新しい未来を掴むためにラヴェニール学園へと転校することになり、それが第1話となる。
家族構成
父:野乃森太郎
母:野乃すみれ
妹:野乃ことり
祖父:庵野草介(故人)
祖母:庵野たんぽぽ(別居)
プリキュアシリーズではそう珍しくなくなった共働きの家庭で、父の森太郎はホームセンター「HUGMAN」の店長、母のすみれは記者として働いている。妹のことりは小学6年生。妹がいるピンクチームのプリキュアは春野はるか以来3年ぶり。
第12話以降はルールー・アムールも居候の身になっている。プリキュア主人公の実家にプリキュアが居候するケースは十六夜リコ・花海ことは以来2年ぶり、光堕ちキュアとしては東せつな以来9年ぶりである。
祖母のたんぽぽは和菓子屋「たんぽぽ堂」を営んでいる。若い頃、草介と一緒に立ち上げた店であり、夫亡き今も一人で守り続けている。
ちなみにこの祖父、若い頃の顔が微妙にあの人に似ている。フラグではないかと思われた時期もあったが、結果として違ったようである。
余談
声優について
担当声優の引坂理絵氏は前作『キラキラ☆プリキュアアラモード』でヤパパや光岡じゅんこといった、
多数のモブキャラクターのCVを担当していた。
初めてのアニメの主役に抜擢された引坂は「役が決まったと聞いた時自身の身にこんな事が起こるのかと衝撃でいっぱいだった」とコメントしている。
また、オフィシャルコンプリートブックでの座古SDの発言では、彼女が主役に起用された理由は「個性がすごいとか演技が素晴らしいとかいうわけではなかったが、キャラと一緒に成長していくシンクロ感が出せそうだから」としている。
また、シリーズ構成の坪田文はアニメージュのプリキュア増刊号やオフィシャルコンプリートブックなどで引坂女史が演じるはなになんとも言えない”切なさ”を感じていたとして、「はなが学校で孤立していたネガティブな過去を描くべきかどうかは迷いもあったが、引坂さんの演じるはなを見て”はなは自分が辛い過去を経験したから、他人の辛さを抱きしめれる”ことを描かないわけにいかないと思った」としている。
その他
- 桃キュアでは花咲つぼみ・星空みゆき以来3人目の転校生キュアである。また、(十六夜リコ等の、人間界で仮の名前を名乗っている者はそちらを名前としてカウントした場合)フルネームが平仮名表記で4文字と歴代で最も短い。
各話ネタ
『キラキラ☆プリキュアアラモード』第49話(最終話)話
- 前作『魔法つかいプリキュア』の宇佐美いちか(キュアホイップ)に続いての特別ゲストとして先行登場。先行登場は2回目。
- はぐたんを抱っこしてキラキラパティスリーのチラシを持っていちご坂を訪れるも道に迷う。そのとき声をかけられた女性を見て「ステキなお姉さま~!」と目を輝かせる。
- その女性・琴爪ゆかりについていくとようやくキラパティに到着。彼女がここの店員であることにびっくりする。
- はぐたんがスイーツを食べたそうにしていたので赤ちゃん用のアニマルスイーツ「ひよこのピュレアニマルプレート」を作ってもらい、はぐたんに食べさせた後自分も味見してそのおいしさに感動。
- スイーツを持ち帰る途中で、そのスイーツからあふれ出たキラキラルがある物体に流れ込んで巨大化し、はぐたんとともにびっくりする。その物体はなんと長老の肉体だった。
- そしてキュアエールに変身し苦戦するプリアラメンバーに加勢、プリアラメンバーがやらない肉弾戦を披露し、さらにポンポンを振って彼女らを応援する。プリアラメンバーが勝利した時は姿を消していた。
- 闇のキラキラルで強化された怪物に対しては光のキラキラルを叩き込む以外は有効な攻撃にならないのは『キラキラ☆プリキュアアラモード』の根幹の世界設定なのだが、「別の世界観」を背景にもつキュアエールにはその理屈もさすがに通用しなかったようだ。
- エンディング終了後のバトンタッチでは、キュアエールとしてはぐたんを連れて登場。キュアホイップとともに「キラキラキラルン、キラキラル」と唱える。
本編
■第1話
- 転校初日の朝、大人っぽいイケてる髪型にするためにこの日の為に伸ばしてきた前髪を自分でカットするが、思うようにいかず、修正を繰り返す内におでこが丸見えの失敗した髪型へ。
- 転校初日から遅刻の危機となり急いで学校へ向かうも、大きい荷物を持ったおばあさんめがけて野球のボールが飛んできた場面に遭遇。身を挺しておばあさんをかばおうとした時、どこからか聞こえてきた赤ちゃんの泣き声と共に周囲の時間が止まった。が、次の瞬間にはおでこにボール直撃というお約束展開で、「めちょっく!」と悲鳴を上げながらダウン。
- おばあさんの荷物を持ってあげたために結局遅刻。既に始まっていたホームルームに飛び込み自己紹介をするも、教室に入る時に見事にコケたり自己紹介で笑われたり、最後には「遅刻したから後で職員室へ」と内富士先生に言われる始末。転校デビューは失敗と感じていたはなだったが、薬師寺さあやは元気なはなに好意的な視線を送っていた。
- 職員室に呼び出された後、はな以上に遅刻してきた輝木ほまれとすれ違う。背が高く足も長いほまれに見とれるも、失敗した前髪を見たほまれが笑っていたような気がして、「美人に笑われた…」と落ち込む(実際は好意的な笑みであった)。
- 朝に聞こえた謎の赤ちゃんの泣き声が再び聞こえ、学校の屋上へ行くとそこにいたのはさあやとほまれ。空には流れ星が流れるなど不思議な現象が起きていたが、さあやが学校を案内してくれるという流れになり不思議な現象の正体はわからずじまいだった。
- その夜、「超イケてる大人のお姉さんになりたい」という目標を胸に夜空を見上げていると、空から光り輝く赤ちゃんがはな目掛けて降ってきた。驚愕するが、その赤ちゃんの可愛さにメロメロになり、「はぐたん」という名前をつけると、喋るハムスターハリハム・ハリーまで登場。ハリーは「これはおまえの未来のためなんや!」とこの赤ちゃんのお世話をはなに強引に任せようとする。
- 赤ちゃんの世話なんてしたことないし家族にどう説明するかも困るし、「それはちょっと困る」と素直に呟いたところで、ことりが夕食の時間だと部屋を訪れたため、はぐたんとハリーをぬいぐるみがある場所に隠してやり過ごす。あからさまに怪しい動作になってしまったのを「ダンスの練習してて」と言い訳し、変なステップと「ポーウ!」という奇声で誤魔化している間に、はぐたんとハリーはどこかに消えていた。
- 翌日、はぐたんについて「夢だったのかな?だけど確かに温かかった」などと考えているうちに、学校にクライアス社のチャラリートが襲来。トゲパワワの影響で生徒達が続々倒れ、わけのわからないまま避難しようとしたところ、校庭に現れた巨大な怪物・オシマイダーと、はぐたんを発見する。はぐたんを助けるため駆けつけようとした時、オシマイダーが投げつけた岩石が目の前に落下。一歩間違えれば潰されていた恐怖で足がすくんで動けなくなってしまった。
- だが、そのオシマイダーが今度ははぐたんに襲い掛かろうとした時、はなは迷うことなくはぐたんを守るようにその前に立ちはだかった。「どけ!」と迫るチャラリートにも「どかない!」と抵抗し、そのままオシマイダーをけしかけられるも、震える自分を鼓舞するかのように果敢に言い放つ。「ここで逃げたら格好悪い!わたしがなりたい野乃はなじゃない!」
- その勇気ある心から溢れたアスパワワによってミライクリスタル・ピンクが生まれ、はなはキュアエールに変身。突然の出来事に困惑する……かと思いきや、はなは変身した自分の姿を見て「めっちゃイケてる!」と超感動。溢れるパワーをその勢いで弾けさせ、オシマイダーを見事に撃退した。
■第2話
- 本作でもアバン冒頭の挨拶と前話のおさらいを継続、うらポジのように画面下から顔を出したはなが飛んでカメラの位置を下げ、全身が映った所で腕をぶんぶん振り回しながら挨拶する。
- 先日の謎の怪物から皆を守ったキュアエールという謎のヒーローのことでクラスの話題は持ちきり。その人気にはなもご満悦で思わずお礼を言ってしまうも、「えっ?」というクラスメイトの反応と、ハリーから正体を言うなと口止めされていることを思い出し、「ありがとうってわたしも言いたい」とはぐらかす。「言いたくても言えない、ヒーローはつらいよ」と独り言。
- 図書室の場所をはなに案内したり、阿万野ひなせが吹奏楽部の部活に出る関係で代わりにプリントの提出を請け負うなど、さあやが他の人にも優しく接するのを見ると、百井あきと十倉じゅんながさあやの評判を語る。それを聞いた上で図書室に向かう時にまじまじとさあやを見たはな、「たしかにかわいい」とさあやを評価。
- 放課後、ハリーとはぐたんの元へ向かう。はなが生み出したミライクリスタルの力でハリーが次元圧縮されていたコテージを実体化。以後はここがプリキュアたちの拠点となる様子。そしてハリーからクライアス社が未来を作る力・アスパワワを略奪しようとしていることを聞かされた。アスパワワが奪われ尽くされるとその世界から未来が失われ「時間が止まる」らしい。それを防ぐために一緒に戦う仲間を集めるよう請われるも、はなは「プリキュアはわたし1人でやる。はぐたんはわたしが守る!それに1人の方がかっこいいじゃん、目立つ!」と、頼もしくも能天気な宣言。
- 翌日、図書館で学級新聞を書くさあやに接近。「マウンテンブルーバードに似てる」という謎の褒め言葉?をもらう。
- どんな記事を書くのか悩むさあやに、そのマウンテンブルーバードのことや、プリキュアの記事を書くよう勧め、イラストは自分が描くという積極的なはなに、編集で悩んでいたさあやも笑顔になった。
- ハリーの家にてはぐたんを抱っこしながらお昼寝していると、ハリーから説明されたような時間が止まった世界でオシマイダーと戦う少女4人の夢を見る。1人の少女が、力尽き倒れた3人からミライクリスタルを託されたところで目が覚めた。途端にはぐたんが泣き出して大慌てしていると、何故かハリーの家に入ってきたさあやと対面する。持参のパソコンで素早く調べ、手際よくミルクを作るさあやに、はなもハリーも感心。
- 実はさあやも、転校初日にはなが経験した時間停止現象に遭遇していた。なぜかわからないが、赤ちゃんの泣き声がする方向へ行くとはなといつも出会い、今日もそうやってハリーの家に来たのだと言う。
- 頭も良く優しい彼女を褒めると、当のさあやは「わたしにできないことがあなたにはできます。あなたにできないことがわたしにはできます。力を合わせれば素晴らしいことがきっとできるでしょう。」というマザー・テレサの言葉を口にして、自由な発想となりたい自分の未来を持つはなの方がずっとすごいと謙遜する。しかし「わたしには何もないから」と、どこか淋しげな表情を見せるさあやを放っておけず、「委員長と話しているんじゃないもん、さあやちゃんと話しているの!」と彼女を励ましエールを送る。そして先程の言葉に思うところがあったようで、さあやにある「お願い」をしようとしたが……。
- その時、オシマイダーが出現。はぐたんのアスパワワが失われるのを見て、さあやの目の前で自らプリキュアであることを明かし、キュアエールに変身する。オシマイダー相手に1人で奮戦するエールの姿に、さあやの心にもアスパワワが溢れ、ミライクリスタル・ブルーが誕生。さあやはキュアアンジュへと変身する。
- 「クレーンは重心が高いから、足元を狙えばバランスを崩すわ」という賢いアンジュのアドバイスを素直に実践してオシマイダーを倒したあと、はなはさあやに改めて「お願い」をする。「さあやちゃん!わたしと一緒にプリキュアやろう!」
■第3話
- はぐたんがご機嫌斜めで泣き止まず、はな・さあや・ハリーは大弱り。ハリーが取り出したミライパッドで検索し、はぐたんのご機嫌を良くするものを探しに行くことに。
- 着いた先は移動動物園。しかし動物を見せてもはぐたんにそっぽを向かれたばかりか、その泣き声がうるさいと、サラリーマン風のオッサンに絡まれてしまう。だがそこへほまれが現れ、オッサンに一歩も引かず反論して場を収めてくれた。かっこよく大人っぽいほまれに、はなは惚れ惚れ。
- さらにそこへ、母のすみれと妹のことりが登場。のびのび町名物ののびのびタワー(なんつー名前だ)を取材に来たとのこと。赤ん坊を連れている姿を見られてたじろぐも、人間態のハリーの子だと思い込んでくれたため、騒ぎにはならずに済んだ。はぐたんもすみれに抱かれてようやく笑顔になり、リラックスして寝入るはぐたんの姿に、はなは改めて母の経験力の偉大さを知る。
- ハリーにはぐたんの母親のことを聞くと、暗い顔になったハリーの口から、彼らの世界がクライアス社によって時間が止まってしまったことが語られる。アスパワワを奪われて未来がなくなった世界はそうなるのだという。だがハリーはミライクリスタル・ホワイトの力によって自らの時間が停止する前にこの世界へと逃げることができた。ホワイトのクリスタルはその転移で力を使い果たしたが、はぐたんに8個のミライクリスタルのアスパワワを与えることができれば時間は再び動き出すのだとハリーは語った。
- そこへ、チャラリートが率いるオシマイダーが出現し、のびのびタワーを揺さぶり始める。母・ことり・ほまれや、他の人々を守るべく、はなとさあやはプリキュアに変身して戦い始める。その最中、オシマイダーの素体にされたのがさっき絡んできた男性と知り「おっさんだけじゃなくお前らみーんな明日は来ないから」と笑うチャラリートに、怒ったエールは反撃。「はぐたんのためにも!わたしはもっともっと大きくならないといけないから!イケてる大人に!かっこいい大人に!」と強烈なパンチでオシマイダーを圧倒し、浄化する。目覚めた男性も、心からトゲパワワが消えて晴れ晴れとした表情で去って行った。
- 戦いが終わり、すみれに抱きついて安らぎを感じるはな。ことりに「甘えちゃって子供みたい」とからかわれつつも、ここで妙な恥ずかしさとか出さないのははなのいいところ。
- はぐたんにミルクをあげるためにハリーは野乃家の台所を借りることになったが、今後もはぐたんのことで困ったら、いつでも野乃家にお邪魔して良いと言われ、こちらも一安心。途中で帰ってしまったほまれのことを思い出して気になるが、ミライパッドにはプリキュアであるはなとさあや、それともう一人の誰かを示す光のマークが増えていた。
■第4話
- ハリーが「ヘアメーク、ファッション、その他女子の憧れがなんでも揃うショップ」を始めると聞き、「それいい!わたしもカリスマ店員になる!」と調子の良いことを言い出すはなだったが、ハリーから「いや、お前はやることあるやろ! 残りのプリキュア捜しや!」と釘を刺される。もちろんはなの脳裏に浮かぶのは、ほまれ一択。
- 早速さあやに、ほまれをスカウトしたいのでどこに行けば会えるか聞こうとしたところ、当のほまれが教室に登場。完全に意表を突かれ、「にょほ~!」と奇声を上げ、北斗百裂拳のように手をバタつかせて大慌て。実はほまれはクラスメートで、しかもご丁寧に、はなの真後ろの席なのであった。
- ところが百井あきと十倉じゅんなは「ほまれは不良だから気をつけろ」と言う。フィギュアスケートをやっていてスポーツ特進クラスから移ってきたのだが、突然スケートをやめてしまい、学校にも全然来ていないらしい。おかげではなとも転校以来教室で一度も顔を合わせていなかったわけだが、はなはその話を聞いても、ほまれがそんな悪い人間とは思えなかった。
- さあや・ハリーと買い出しの途中、動物病院から出てきたほまれとばったり。迷い犬を、飼い主が見つかるまでの間、その病院で預かってもらっているとの事。トラックに轢かれそうになったところをほまれが救ったのだが、その時、一瞬時間が止まったのだという。はなやさあやが遭遇したのと同じ現象だった。
- 小学生と中学生らしき少年達が、バスケットボールの場所を巡って言い争っている場面に出くわし、「意地悪ダメ!」と割って入る。なし崩しに3対3のバスケ勝負になり、ほまれが目の覚めるような動きを見せ、最後ははなのシュートがマグレで入って勝利した。喜んでほまれに抱きつこうとするもコケて「めちょっく!」。ほまれに聞かれて「『めちょっく!』ってめっちゃショックの略なの、イケてるでしょ!」と笑顔。ほまれも吹きだした。
- 帰り道、「ほまれちゃん!」と呼び掛け、いきなり「ちゃん」付けで呼ばれて戸惑うほまれに「わたし、ほまれちゃんと仲良くなりたい、またね!」と手を振るも、ほまれは無言で去って行った。
- ほまれがフィギュアをやめたのは怪我が原因と知り、さあやと共に悩んでいるところにオシマイダーが現れ、駆け付けるとそこにはほまれと素体にされた梅橋先生の姿が。先生を救うべく、2人はほまれの前でプリキュアに変身する。
- ルールーの分析によるプリキュア攻略データがインストールされた今回のオシマイダーは今までよりもはるかに難敵で、そのパワーに叩きのめされて地に伏すエールとアンジュ。チャラリートからさっさとギブアップしてクリスタルを寄越せと挑発されるが、「プリキュアはあきらめない!」と2人は立ち上がった。その不屈の姿に胸を打たれたほまれの心からミライクリスタル・イエローが生まれるも、そのミライクリスタルはほまれを試すかのように頭上より高い空中を飛んでゆき……
- 「それはお前の未来や!」とハリーに言われたほまれは全力で追いかけ、ジャンプしてそれを掴もうとするが、怪我をした時の恐怖を払拭できていなかったために失敗し、クリスタルは消えてしまった。「無理……わたし、跳べない…」と嗚咽しながら倒れこむほまれ。その姿を見たオシマイダーも「俺は何て不甲斐ない教師なんだ…」と苦しみ始める。素体となった梅橋先生の心が色濃く残っていたのだ。
- そんな2人の苦悩を目の当たりにしたエールの心に火がついた。「フレフレほまれちゃん!フレフレ先生!負けないで、負けちゃダメ!」と応援を送りながら、すさまじい勢いとパワーでオシマイダーに猛攻撃し、浄化して先生を助け出した。
- 一件落着したものの、ほまれの顔は暗く沈んでいた。「なんか、ごめんね」とほまれから謝られてしまったはなは再度エールの言葉を送ろうとするが、ほまれは「やめて!……ごめん、今のわたしには…」と心を閉ざしてしまう。
- これ以上自分が何か言ってもほまれを追い込むだけ。はなは自分の気持ちをぐっと抑えながら、去っていくほまれの背中に「また明日、また明日ね!」とだけ声をかけ、ずっと見送っていた。
■第5話
- ビューティーハリーショップの開店を間近に控え、さあやと内装をするも「何かが違う」と感じ、ほまれに助けを求める。しかし、何かがというか、根本的に大間違いな有り様になっていたのだが。幸い、ほまれのアドバイスにより、シンプルでお洒落に飾り直したお店はキュアスタで評判になり大盛況。
- なぜプリキュアになれなかった自分を誘ってくれたのかと問うほまれに、「プリキュアとか関係なく、ほまれちゃんが好きだし仲良くなりたい」と答えるが、ほまれはうつむいて外へ出て行ってしまった。戸惑うもやはり放っておけず、さあやと共に後を追う。
- 怪我をして以来、素直に人と接することができなくなってしまった自分を省みるほまれは、前回、はなの応援を拒絶してしまったことを謝る。はなも上手く言葉にすることができず、フレフレしか言えなかった自分を悔やんでおり、2人はお互いに自分にはないものを持っている相手を羨ましく思っていた。「わたし、なりたい野乃はながあるの、だから頑張るの」というはなに、ほまれははっとさせられる。
- 「『ほまれちゃん』と呼ばれるのは恥ずかしい」と言われ、どう呼んでよいのか思案していると、現れたチャラリートがほまれを攫っていってしまう。駆け付けた先では、ほまれの心から誕生したオシマイダーが暴れ出しており、はなとさあやはプリキュアに変身。
- 高速回転するオシマイダーに苦戦しながら、何としてもほまれを救おうと奮戦する内に、ほまれは自分の弱さと決別しキュアエトワールに覚醒。力を合わせた3人はオシマイダーを見事倒した。
- 戦い終わっての別れ際、「また明日ね、ほまれちゃん…じゃなくて、また明日ね、ほまれ!さあや!」と「ちゃん」付けを通り越して呼び捨てに変わる。はなのぐいぐいっぷりにさあやも追従し、ほまれも「呼び方なんて何でもいいのに」と言いつつ笑顔になった。自分をどう呼んでくれるのか待ち構えていると「ののはな」となぜかフルネームで呼ばれるも、「イケてる」と言われて有頂天になり、浮かれてはしゃいだ弾みに川に転落。しかし笑い合う3人は、本当の友達になったのだった。
■第6話
- 「明日の土曜日、みんなでデートしよう!」と言い出し、どこへ行くかと思えばホームセンター。「服もアクセサリーもスポーツ用品も何だってそろうんだよ!あぁ~もう~!ホームセンターやばくない?」と大はしゃぎ。イケてる大人のお姉さんを通り越して昭和のオバちゃん臭いこと言い出したはなのセンスに仲間たちも苦笑い……と、思いきやさらに斜め上の方向で目を輝かせる人がいた。
- このホームセンター「HUGMAN」は、はなの父・森太郎が店長を務める店舗だった。フラワーショップの咲田マリが、バイトが病欠して手が足りなく困っているのを見て、ミライパッドでエプロン姿にチェンジ。父に許可をもらって店を手伝う事に。
- 「花は生きている。愛情を持って接すれば、花は必ずわたし達に笑顔をくれる」というマリの言葉にはなは感銘を受ける。しかしはなが店内に水をこぼしてしまったせいで、マリは客の女性にクレームをつけられてしまう。
- その頃はぐたんがいなくなって一騒ぎ。はな・さあや・ほまれ・ハリーは「棚に座っていたはぐたんをお持ち帰りしてしまう幼児&それに気づかない母親」や、「飛んできたはぐたんが背中のリュックにすっぽり入ったことにも、『は~ぎゅ~』という声にも全く気付かない青年」等、ツッコミどころ満載のモブキャラの皆さんに振り回されるが、森太郎がはぐたんを保護してくれた。
- その間にもひっきりなしに携帯に電話がかかってくるなど忙しそうだが、森太郎は「毎日一つ一つの仕事を一生懸命やることが、お客様みんなや家族の未来の幸せを作る」と笑顔。はなはそんな父の背中に「フレフレ、パパ!」と応援を送る。
- そこへパップルがタクシーで到着、客の叱責で落ち込むマリの心からオシマイダーを出現させる。「ミライクリスタルを手に入れ、明るい未来を消す事がクライアス社の仕事」と嘯くパップルだが、先刻の「皆の幸せの為に一生懸命仕事をする」という森太郎のものとはあまりに対照的で非道な台詞に「そんなひどい事、仕事なんて言わせない!」と怒ったエール達の、3人力を合わせた攻撃の前では、オシマイダーは敵ではなかった。
- 先程の客の女性も「ここの花が一番きれい」と戻ってきてくれて、マリも笑顔になり一件落着。はなは「みんなを笑顔にする仕事をもっとやってみたい」と思う。ところがやってきた母・すみれが、さあやに「あなた、さあやちゃんじゃないの?『野菜少女』の」と声をかけると、さあやの顔は戸惑いと共に曇り出し……
■第7話
- さあやが「野菜少女」と知って、CMソングを歌ったりしてはしゃぐ。その時現れた一条蘭世によって、さあやが大女優・薬師寺れいらの娘である事を知らされ、「あのCMの綺麗な人」とようやく気づきさあやにサインをねだる。
- しかし、当のさあやはその頃の自然に演技できていた自分と、周囲の目を気にして考え込んでしまう今の自分とのギャップに悩んでいた。そんな彼女にはなとほまれはそれぞれのエールを送り、笑顔が戻ったさあやと3人で水をかけてはしゃぎ、笑い合う。
- オーディションの日、固くなっているさあやをリラックスさせるべく、オーディション会場を間違えたという設定でほまれとCA姿で会場に乱入。「フライト中にかわいいもの欠乏症にかかった搭乗客をCAが応急処置する」というプロットの謎コントをハリーやはぐたんと共に披露し、その流れでさりげなくさあやをハグした。結果的にほまれ、はぐたん、ハリー共々審査員から追い出された。
- プリキュアのデータを分析し尽くしたルールーの指揮するオシマイダーの前に大苦戦。いわく「あなたの動きは直線的で読みやすい」との事。良くも悪くも嘘をつけない直情的な桃キュアの伝統だから仕方ない。
■第8話
- いきなり現れてほまれをハグした若宮アンリは、彼女をモスクワに連れて行こうとする。「ほまれを縛るのをやめてくれないか、君達とほまれは住んでいる世界が違う」と言うアンリの言葉にはなは悩む。
- ほまれと別れたくはない、しかしここは彼女のスケートの才能を輝かせられる場所なのだろうか……?悶々としながらも、ほまれに電話をかける。とりとめのない会話であったが、お互いを思う気持ちの伝わったはなとほまれは笑顔になった。
- 翌日はほまれの発案でピクニック。「♪丘を越え行こうよ~」と元気に若干微妙な歌唱力で歌う。もぐもぐを散歩させていると、アンリが再びほまれを説得しているところに出くわす。
- 「君、ほまれのために何ができるの?」と問われて「ほまれの夢を応援する」と答えるが、「君って無責任だね。応援なんて誰にでもできる。その無責任な『がんばれ』が彼女の重荷になってるんだよ」と辛辣な言葉を投げかけられてしまう。そしてほまれもアンリの差し伸べた手を握るかに見えたが、同時にはなの手も握り、「一緒には行けない、見て欲しいものがある」と言い出す。
- 皆をスケートリンクに連れてきたほまれは「わたしは一度逃げた。でもそんなわたしにはなとさあやが新しい世界を見せてくれた」と言い、はなに「フレフレして」とリクエストする。はなが笑顔で応援を送る中、ほまれは転倒してももはや挫けることなく、遂にジャンプを決めた。はなやさあやとの出会いが、ほまれにもう一度飛びたいという強い気持ちを蘇らせたのだ。「よかった、よかったね!」とはなは大泣き。
- アンリも今のほまれを認めてモスクワ行きを諦め、はなとも和解して一件落着したが、彼の「応援なんて誰にでもできる」という言葉は、まだはなの心に引っ掛かっていた。そんなはなの前に不思議な男性が現れる。綺麗な模様の描かれた本を持つ彼は、「かつて『楽園』と呼ばれた世界の美しい物語」を口にする。それが彼の持っていた本の内容なのか、それとも何かの例えだったのかはわからなかったが、はなは「大人の人だ…」と呟きながら、夕陽の中去ってゆく男性の後ろ姿を見送っていた。
■第9話
- 今日はのびのびケ原にレッツ・ラ・クッキン…じゃなくてレッツ・ラ・ハイキング。勢いよく出発しようとするはな達のまえに、ことりの同級生の愛崎えみるという女の子が現れる。道端の小石から始まって、ハイキングのありとあらゆる危険性を主張する超心配性なえみるに、呆気に取られるはな達。
- お腹が鳴ったのでおやつターイム!と、リュックの中からバナナを取り出そうとするが、なぜか出てきたのはキュウリ。
- さらにえみるが「河童の里に連れ去られ、河童にされてしまう」と脅かしたものだから、「河童になりたくなーい!」とパニックになってあさっての方向に走り出し、えみるを巻き込んで川に転落。
- メロディタンバリンを猿に取られ、はなが後を追い、制止しようとしたえみるも一緒に追いかける内に、仲良く迷子になるお約束の展開に。さらに、穴に落ちそうになったはぐたんを助けようとして、結局えみるもはなも穴に転落するというこれまたお約束のアクシデント発生でピンチ。ギャグ回とはいえ、今日はすっかりトラブルメーカー扱いである。あァァァんまりだァァアァ!
- 「みんなに迷惑をかける自分はダメ人間」と落ち込むえみるを、「友達が怪我をしたり危ない目に遭わないように、隠れて皆を守るえみるはヒーロー」と励ます。実際、お腹が空いたはぐたんがぐずり出しても「わたし達が慌てるとはぐたんが余計不安になる」とえみるが落ち着いて歌を歌いだすと、はぐたんは笑顔になった。誰かのために一生懸命になれるえみるとはなは、何だかんだ言っても似た者同士なのであった。
- ちなみにこの時はなはいきなりえみるを呼び捨てにしており、えみるからは馴れ馴れしいとまで言われてしまっていたが、はなは気にも留めていなかった。ただ、これまでの話の流れを見る限り、はなにとって相手を呼び捨てにするというのは、むしろ相手への敬意に近いようだ。
- えみるの歌声を聞きつけたさあやとほまれが駆けつけ、無事救出されるが、今度は河童型のオシマイダーが現れる。えみるはオシマイダーと戦うプリキュアがはな達だとは知る由もなかったが、「ヒーローはみんなを守るためにどこでも駆け付けるの!」と言うエールの姿に目を輝かせていた。
- 一件落着した後、えみるは「ありがとうございました、はな先輩」と丁寧に礼を言う。なんだかんだ言って、遭難した時にはなが励ましてくれたことはえみるにとって支えになっていたようだ。
- 一方はなは初めての「先輩扱い」に大喜び。でも何か忘れてるような……その忘れていたメロディタンバリンは無事に猿から返してもらった。
■第10話
- 「はぐくみフードフェスティバル」にて、お仕事体験をすることに。「大人っぽいイケてるわたしになるために頑張るぞ!」と張り切ったまではよかったが、ミライパッドで衣装チェンジしたところ、さあやとほまれはウエイトレスなのに、はなだけはなぜか鉢巻・法被・腹巻のテキ屋スタイルになってしまった。ハリー曰く「ミライパッドはんにも考えがあるんかもしれん」とのことだが……。
- スタイルがスタイルだけに、半強制的にたこ焼き屋の屋台の専属にされてしまうはな。ところがこのたこ焼き屋、オヤジが愛想のない頑固一徹なタイプで、味はいいのに毎年イベントで客がつかないらしい。はなは客の呼び込みに精を出すが、逆にオヤジから怒鳴られてしまう。味だけで勝負できる自信があるのだから静かにしていろという昔気質のオヤジに「すびばせ~ん!」とすっかり萎縮。
- 一方、さあやは来客に適切な情報を提供し、ほまれはローラースケートで素早く料理を運ぶなど大活躍。はなは二人の仕事ぶりを真似しようとするが知性も体力も両者ほどではないはなは上手く仕事をこなせず、逆にドジを踏んで二人に助けられる始末。
- 格好だけでなく、仕事でも差をつけられてしまい、「同じ年なのに何でこう違うんだろう?新しいミライクリスタルも、わたしだけない…」とはなは落ち込む。さあやとほまれに励まされても、ひなせに「野乃さんは野乃さんにしか出せない音を奏でればいい」と温かい言葉をかけられても、「わたしには何もない…」と、今日のはなはどうしても前向きにはなれなかった。
- それでも何とか頑張らなくてはと「おいしいたこ焼きいかがですか~!」と呼び込みをしていると、「ウチのたこ焼きを食べたこともないのになんで美味しいと客に呼びかけられるんだ」と、オヤジは自分が作ったたこ焼きを勧めてきた。食べてみたはなはあまりの美味しさに「おいひいおいひい、あふくておいひい!」とオーバーリアクションでその感動を表現、周囲の客からは笑い声が返ってきた。それは好意的なものであったが、ネガティブモードのはなは、「笑われた、余計なことをしてしまった」と解釈してしまい半ベソで逃げ出す。
- なお実際にはその時のはなのリアクションが受けて、タコ焼き屋には人が集まるようになるのだが、逃げ出した彼女がその「仕事を頑張った成果」を知る事はなかった。また、はなが半ベソで逃げ出した様子を目の当たりにしたオヤジは、はなを自分の口下手で追い詰めたと自責の念にとらわれており、それがトゲパワワを生み出してオシマイダーの素体に選ばれてしまう事になる。
- ハリーとはぐたんに「大人になったら何でもできると思っていたのに、何もできない」と苦しい胸の内を吐露しているところにオシマイダーが出現。ところが、何度プリハートを振りかざしても変身できない。未来への迷いでアスパワワが減衰してしまったのか、キュアエールに変身できなくなってしまっていたのだった。
- 駆け付けたさあやとほまれが変身して戦い始めるが、エールを欠いた2人は苦戦を強いられる。しかし傷つきながらもアンジュとエトワールは「何もできないんじゃない、何をやるかだよ!」と逆にはなを励ます。その言葉で我を取り戻したはなは「フレフレアンジュ!フレフレエトワール!」と精一杯の応援を送った。今できることはこれだけ、しかしそうだとしても全力でやるしかない。声を限りにはなは叫ぶ。
- それでも現実は非情である。浄化技はこの時点ではエールしか使えず、アンジュとエトワールはオシマイダーの放った巨大鉄球を必死に食い止めるのが精一杯。鉄球はそのまま転がり続け、離れて応援していたはなやハリー達の方へと転がっていった。大慌てで逃げ出すはな達だったが、はなが転んで逃げ遅れてしまう。鉄球に押し潰されそうになった瞬間、ハリーが抱いていたはぐたんから眩い閃光が迸った。
- 血相を変えてやめさせようとするハリーの声も聞かず、はぐたんは力を振り絞って周囲を光で包み、それを浴びたオシマイダーは浄化された。だが命拾いしたと思ったのも束の間、はぐたんは気を失い、目を覚まさなくなってしまった……。
■第11話
- 昏睡状態に陥ったはぐたんは目を覚まさぬままで、激しい自責の念に苛まれるはなは「わたし、プリキュアもうできない!」と言い出す。「わたしには何にもない。わたしはさあやとほまれとは違うもん!だからプリキュアにもなれなくなっちゃったんだ!」と、すっかり責任感と自己嫌悪の泥沼に落ち込んでしまい、さあや・ほまれ・ハリーの声も振り切って出て行ってしまう。
- その夜、悶々として眠れずにいると、娘の異変を感じ取ったすみれがやってくる。「どうしてわたし、何も持っていないんだろう」と悩みを打ち明けると、すみれは優しく頭を撫でながら「はなが生まれてきた時とてもうれしかった。今もそう、あなたの笑顔がママ達を幸せにしてくれるのよ」と言ってくれた。その言葉に涙が止まらなくなり「今のわたしめっちゃカッコ悪い、どうしたらいいのかもう分かんない!」と泣きじゃくるはなをすみれは「フレフレはな!」といつもの娘の口癖でエールを送り、「悩むのは、はなが少し大人になった証拠。前を向いて今を頑張れば、すてきな未来がきっとやってくる」と励ました。
- 翌日、少し前向きな気持ちが出てきて、鏡の中の自分に「フレフレわたし、頑張れ頑張れ!」と気合を入れて出かけようとすると、家の前でさあやとほまれが待っていた。「わたしが憧れたはなの良いところは一杯ある。だから何もないなんて言わないで!」とさあやは言い、ほまれは何も言わずはなをハグしてくれた。心から自分を心配してくれる2人を前に、ようやく笑顔を取り戻した。
- ミライパッドがのびのびタワーを映し出し、はぐたんを元気にするヒントがあるかもと、一同はタワーに向かう。そこでは、ひなせ達吹奏楽部の演奏会が行われていた。「楽器1つ1つの個性が合わさって、想像を超えた素敵な音が奏でられる」という彼の言葉を思い出したはなは、目を閉じて耳を澄ます。聞こえるのははぐたんの呼吸と、心臓が脈打つ音。小さいながらも一生懸命生きている証の音だった。「はぐたん聞こえる?わたしの心の音はどんな感じかな?聞いた人が、はぐたんが元気になれるような音が鳴ってるかな?」とはなははぐたんに語りかけ、さあやとほまれも一緒にはぐたんに寄り添い心音を聴かせる。そんなみんなの思いが通じたのか、遂にはぐたんは目を覚ました。
- ミルクを作ろうと走り出すが、うっかり通りすがりの人にぶつかってしまう。それは先日の夕暮れ時に出会った、美しい表紙の本を持つ男だった。「この物語は君に運命を感じているのかもしれないね。明日を失いつつある世界のため、剣は何も持たない少女を選んだ」と、手にする本の一節らしき言葉を彼は口にする。だがそれが終わらぬうちに、タワーのすぐ側にオシマイダーが出現する。
- 変身しようとするも、前回の変身失敗が脳裏をよぎり躊躇するはなを「きっとできるよ!」「フレフレはな!」と励ますほまれとさあや。その声に応え、再びキュアエールに変身を果たす事が出来た。だが今日のオシマイダーはいつもに増して手強く、凄まじいパワーを発揮して、「クリスタルよこせ!」と叫びながら襲い掛かってくる。そんな中、瓦礫に押し潰されそうになる妹・ことりと愛崎えみるの姿を見たエールは、懸命に2人を守る。「わたしは逃げない…わたしはプリキュアだから!みんなの笑顔が好き…みんなを元気にしたい!フレフレみんな、フレフレわたし!」
- その愛と勇気溢れる心から、ミライクリスタル・ローズと、プリキュアの剣が生まれた。
- 漲る力に誘われるまま、オシマイダーに剣を振り下ろそうとするエールだったが、その刹那、オシマイダーの中に怯える何者かの心がある事を感じ取る。度重なる失敗の末に、怪物化させられたチャラリートの成れの果ての姿だったのだ。
- すんでのところで攻撃を止めたエールは「違う…これはわたしのなりたいプリキュアじゃない!」と呟く。そしてチャラリートも「いつも中途半端、何にもできない、何にもなれない!何でオレは何も持ってないんだ!」ともがき苦しみながら、等身大へと縮んでゆく。それはまるで昨日までの自分の姿を見ているようだった。
- そんな彼をそっとハグしたエールは「こころが苦しいの分かるよ。わたしもそうだもん、わたしも頑張れない時がある。大丈夫だよ、その気持ちわたしが抱き締めるから」と優しく語り掛ける。「なぜとどめを刺さないのか」と問いたげにプリキュアの剣は近づいてくるが、「違うよ、必要なのは剣じゃない」とエールは返す。そして剣はその想いに応えてメロディソードに姿を変えた。敵を斬り捨てるのではなく、その心を理解して抱き締め、救うための力。「これがわたしの応援、わたしのなりたいプリキュアだ!」エール・アンジュ・エトワールは、プリキュア・トリニティコンサートでチャラリートを浄化したのであった。
- 一件落着し、元気になったはぐたんを抱き締めるとなんとはぐたんが「まーま!」としゃべる。そんなはぐたんの成長を喜ぶはなには、いつもの元気な笑顔が戻っていた。
■第12話
- ここんとこいろいろ大変だったから、今日はパーッと明るく楽しみましょう!という事でパジャマパーティー開催。「栄養のバランス管理があるからお菓子は食べない」と言うほまれにも、「なし!今日はそういうのなし!」とダメ出しして目を輝かせながら山のようにお菓子を買い込む。
- ビューティーハリーショップにてみんなパジャマにお着替え(そして家主のハリーには事後承諾というお約束)。先日のたこ焼き屋のオヤジに教えてもらったとの事で、鮮やかな手さばきを披露(明確には語られてないが、何らかのフォローはあったようだ)。
- はぐたんに「ママ!」と呼ばれてご満悦になるも、続けてさあや・ほまれ・たこ焼きに至るまで何でも「ママ」と呼ぶことがわかり「めちょっく!」。そのはぐたんに歯が生えてきたので離乳食にトライし、ニンジンを裏ごし。
- はぐたんを寝かしつけたところで”パジャマパーティーの醍醐味"映画鑑賞"へ。ホラー映画『恐怖の訪問者』シリーズをまとめて借りてくるという、いかにもはならしいチョイスだったが、さあやとほまれの新たな一面を引き出すのには役に立った。
- その夜ハリーははな達に、自分とはぐたんは遠い未来からやってきたと告白する。「プリキュアの剣をメロディソードに変えたお前らなら、明るい未来を切り開ける」と言うハリーに、「ちょっと待った!未来の人ってネズミになっちゃうの!?」と明後日の方向からのクエスチョンをぶつける。ええ話しとったのにそう来るかい……。
- そこへパップルとオシマイダーが出現。自販機型オシマイダーが放つ空き缶ミサイルの不規則な動きに翻弄されるが、3人が背中合わせにフォーメーションを組む事で対抗。「性格も個性も違うもんが力を合わせた時に、びっくりするような力が生まれるんや」とハリーが言った通り、3人のチームワークはオシマイダーを一蹴した。
- 戦い終わってさあ寝ようとするも、『恐怖の訪問者』のおかげで眠れず、朝までおしゃべりする事に。しかしその間に真の『恐怖の訪問者』が野乃家に侵入していた。帰宅したはなは家の鍵が開いていたのを不審がるが、すみれはそれに答えず「知り合いの娘を預かる事になった」と1人の少女を紹介する。その少女こそが鍵を開けて忍び込みすみれに催眠暗示をかけた張本人であり、正体がクライアス社の社員・ルールーであることは、はなは未だ知る由もない。
■第13話
- ルールーに「会ったことありますよね、はなさん」と挨拶され、思い出せず内心では困惑しつつも、表向きは「ひ、久しぶり?! はなでいいよ!」とフランクぶった調子で笑顔でハグ。しかし当のルールーにはハグの意味が通じず「理解不能です」と言われてしまう。それでもヘコむことなく「外国の人が家に来るのってホームステイだよね!」と前向き。
- ルールーの「会ったことありますよね」は皮肉でも牽制でもなかったのだが(第7話の戦闘時のことか「知り合いの娘」という立場上の嘘かは不明)、どちらにせよ直接の初対面であるはなが気づく訳もなく、ここからしばらくの間、ルールーのことを「覚えているふり」を続けることになる。
- 教科書は全て暗記、スポーツもバッチリ、男子にもモテる完璧超人のルールーをもてなすために、サプライズで手巻き寿司パーティーを行うことに。しかしそういった気遣いや思いやりを理解することを知らないルールーは、無表情なまま一切を「理解できません」「必要ありません」と否定し、気まずい雰囲気にさせてしまう。ルールーが去った後、手巻き寿司の具をちらし寿司にして持ち帰って貰おうと一同をフォロー。
- ちなみにその手巻き寿司を作る際、「キュウリも入れなさい」「やだ、カッパになる!」というやり取りがあり、第9話の「カッパの里に連れて行かれる」話がいまだ残っている様子。
- 翌日の下校時「今日はわたしに話し掛ける生徒が昨日より80%減りました。昨日の一件が影響しているのでしょう」と淡々と分析するルールー。自分が置かれている状況を客観的に把握しているのにそれを改善することに興味を全く示さないルールーには、さすがのはなも困り果て、距離を少しとってしまうことに。
- だけどはなはその程度でめげる子ではない。サプライズ失敗の穴埋めに、今度は遊園地に連れて行こうと画策するが、「その頑張り方は少し違うんじゃないか、同じ屋根の下で暮らしているボクたちは何だい?」と森太郎に窘められた。もてなすようではいつまで経っても心の距離は縮まらないと気づいたはなは…
- だがその頃ルールーは、日が過ぎるごとにクラスメートだけではなく「はなが自分に話しかける回数」も減少していることを懸念していた。他の人々からどう思われようと気にしないが、観察対象であるはなに悪印象を与えてしまっていたならばこれ以上の接近調査は不可能と判断し、「文房具を買いにいく」と嘯いて外出、いつも通りにオシマイダーを暴れさせてプリキュアの戦力分析を行うことに。だがはなは、ルールーが買い物に行った街の方にオシマイダーが出現したと聞き、キュアエールに変身して戦いながら、ルールーの名を呼び続ける。そのオシマイダーを操るUFOに乗っているのが、当のルールーであるとも知らずに。
- 空飛ぶオシマイダーに食らいつき、「どうして邪魔するの!ルールーを探さなくちゃいけないのに!」と叫ぶエールの姿は、ルールーにとってはもはや理解不能という次元を超えていた。遂に振り落とされ、一瞬気を失ったエールの心にルールーはテレパシーで語り掛ける。
- 「なぜわたしを探しにきたのですか?」と問い掛けるも、エールはとにかくルールーが無事だったことを喜ぶ。そんな事で非効率な戦いをして無駄な傷を負うなど、不合理でますます不可解。しかしそういう無機質な疑問を投げかける彼女に対しエールは、「余計な気をまわし過ぎて壁を作っていた。家族になろう。タイプが違ってぶつかることもあるかもしれないけど、何とかなるって!」と無邪気な笑顔で答え、「何とかなる根拠はあるのですか?ないなら無理です」と畳み掛けられても「ルールーが好きだから!それじゃ…ダメ?」と訴える。その言葉を聞いたルールーははっとなり、今まで経験したことのない痛みを胸の奥に感じた。
- その直後、目を覚ましたエールはルールーとの会話を夢と認識。すぐさまオシマイダーを浄化した。ルールーもプリキュアの力の源を解明できなかったこともあり、もうしばらく野乃家に滞在することを決める。
- 昨日の手巻き寿司の残りをちらし寿司にしてルールーに食べさせ、反応を見守る野乃家一同。その感覚をどう表現したらよいのかわからないルールーに、はなは「そういう時はこう言うんだよ」と耳打ちする。そしてぎこちないながらも「おいしいです」と口にしたルールーに一家は笑顔になった。
- さらにはなはルールーの部屋に「朝までおしゃべりしよう」と押し掛ける。はなは自分が以前ルールーと会ったことを覚えていないと打ち明けて、「どこで会ったんだっけ?」と素直に告白。そんな無邪気なはなにルールーは何かを言おうとしたが、はなはすでに寝落ちしていた。フリーダムすぎる。
- ルールーは困惑しながらいつものように「理解不能」と口にしつつ、「わたしの正体を知ってもあなたは…」と呟きかけて、「何を言っているのでしょう、わたしは」とすぐに打ち消した。しかしパップル曰く「心がない機械人形」であるはずの彼女の中に、今まで存在しなかった何かが芽生えかけていた。
■第14話
- さあやが翌日に備えて夜遅くまで勉強し、ルールーが潜入レポートをまとめている頃、はなは「それはご無体ですよ、はぐたん」と幸せそうな顔で謎の寝言を言っていた。どういう夢を見ていたのやら。
- そして翌朝、今日も今日とて起こしに来たことりに「むにゃむにゃ、あと50分」とか言いながらぐっすり。だが今朝はすみれに「いざとなったら引きずり出しちゃっていいわよ」と頼まれたルールーがいきなりベッドを垂直に倒したため流石に起きた。
- そんなこんなで保育士体験のためルールーも急遽連れて1歳児クラスへ。はぐたんの世話である程度慣れているものの、実際は見ず知らずの赤ちゃんにほっぺつねられトホホ顔。ほまれは感心するだけで助けてくれなかったが、ルールーが折り紙で気を引いたため助かった。
- さあやとルールーによるお世話対決に振り回されつつなんとかお昼寝の時間。ところがオシマイダーが出現し、至近距離の子供達を庇いなら戦うという勝手の違いから徐々に押される。しかも途中オムツ替えを余儀なくされピンチに……しかし、いくら「子育て」が全体のテーマとはいえ、戦闘よりオムツ交換を優先するプリキュアって史上初か。
- その時はぐたんがお昼寝から目覚め、事態を把握するや他の園児達と共にプリキュア達を応援し始めた。その思いに応え再びオシマイダーに立ち向かう。
- 色々あった保育士体験もおしまい。興奮して眠れないはなの側には何故かルールーがいて、自分をあやそうとしている。「わたしは赤ちゃんじゃない」と呆れるはなだが、実際は12秒で撃沈した。ルールー曰く「赤ちゃんより早い」そうである。
■第15話
- 卵が1パック20円という特売のチラシを見て「これは大ピンチののののの家の家計を救う大チャンスだよ、ママ!」と色めき立つも、こんな日に限って皆スケジュールが一杯。「ああっ、めちょっく無念!ノー卵!ノーライフ」と苦悶していると、ルールーがお使い役を志願してくれた。しかし何でそこまで家計が逼迫しているんだ、のののの家。
- はぐたんが「ほまえ」「しゃあや」と、遂にしゃべり、皆大興奮。昨日、一足先に「ハリー」と口にしたとも知り、負けてはおれぬと「はぐたん、わたしも!わたしも!言って言って!『はな』って、『は・な』!」と詰め寄るも、その変顔にはぐたんが耐えられず泣き出したため、今日はお預け。
- 戦闘ではオシマイダーの音波攻撃に手こずるが、身を挺して男の子をかばったえみるの勇敢な姿に「あなたもヒーローだね!」と笑顔を見せ、本物の貫録でオシマイダーを倒した。
■第16話
- 朝から「おはよう、ほまれ!」と挨拶しながら「今日もイケてるのう」と意味なく抱きつく。
- 体育の時間のバスケではりきり、「とりゃあ~!ゴールいただき~!」と、ボールを小脇に抱えて爆走。もちろんほまれには、半ば匙を投げたような顔をされながら「ドリブルしようよ…」と、軽くボールを奪われる。
- 急に雨に降られて走っている途中、ツツジの花壇の中に傘も差さずに佇んでいる、例の不思議な男性の姿を目にする。駆け寄って話し掛けるも、今日もまた「雨は美しい花を咲かせ、恵みとなる。だが時には凍えるような寒さを与える。不意に変わるあの空。どこか似ていると思わないかい?心に……」と謎めいた言葉を口にする彼は、はながふと目を離した隙に消えてしまっていた。
- 百井あきと十倉じゅんなの心から生まれたオシマイダーを倒したのは良かったが、その際にルールーがほまれからプリハートを盗んでいたらしい事、しかも彼女がプリキュアだと知っていた事が明らかになる。戸惑うエールをルールーは乱暴に突き飛ばすが、次の瞬間、エールが立っていた場所に強烈なビームが降り注ぎ、代わりに直撃されたルールーは虚ろな表情のまま動かなくなる。さらに姿を現わしたパップルが「出来損ないの機械人形がわたしの邪魔するなんて。調整し直しね」と吐き捨てながらその頭をつつくと、ルールーは文字通り糸が切れた人形のように地面に横倒しになった。パップルはルールーを連れてそのまま逃げ去り、残されたエール達は非情な真実を受け止めざるを得なかった。ルールーは人間ではなかった。それどころかクライアス社のスパイだったのだ……。
■第17話
- ルールーを探しに行こうとするはな・さあや・ほまれを、ハリーは懸命に引き留め、「ルールーは未来の技術で作られたアンドロイドでクライアス社のスパイ、俺らは騙されてたんや」と言うが、はなは「騙されてなんかない!」と意地になって否定する。さあやもほまれもルールーを信じており、何としてもルールーを助けると言う3人にハリーも「ほんまお人好しばっかやな」と、苦笑しつつ引き下がった。
- とりあえず手当たり次第に探しに走り出すと、公園で待ち構えるルールーを発見。だが喜ぶはなの手を払い除け、ルールーは巨大なパワードスーツを着用して襲い掛かる。戦いたくはなかったが、「このままじゃ話もできないでしょ!」とほまれに促され、やむなく変身。
- 姿を見せたパップルは「あんたらと遊んでた記憶を消し、ルールーは出会う前の機械人形に戻った」と嘲笑う。唯一残っていたプリキュアの戦闘データでエトワールやアンジュを翻弄し、「エールは…特に取り柄はない、スペックではこちらが圧倒している」と、ルールーは力押しでエールを叩き潰そうとする。
- 予想以上に粘りを見せるプリキュアに、「もっとデータが必要」と分析を試みるルールーだったが、消されたはずのはな達との思い出が次々に脳裏に蘇り、苦しみ始める。ルールーが自ら、記憶を抹消されるのを拒んだとしか思えない事態だった。動きが鈍ったパワードスーツにスタースラッシュとフェザーブラストが炸裂し、パワードスーツは破壊された。
- だがルールーは「胸が…痛い!」と叫んで苦悶する。自分自身には破損個所はないのに、胸が張り裂けそうな痛みに耐えかね、「わたしに近づかないで!」と叫びながら再度プリキュア達を攻撃するルールー。さらに竜巻の防御バリアを生み出して身を守ろうとするが、アンジュとエトワールのサポートを受けたエールは、バリア内に単身突入する。
- そんなエールにルールーは、猛烈な拳の連打を見舞いながら、自分がクライアス社製のアンドロイドである事、邪魔なプリキュアの調査が目的だった事、そのためにすみれに偽の記憶を植え付けて野乃家に潜入した事を自ら明かし、「わたしはあなたの家族を、学校のみんなを、町の人々を、みんな騙した!」と叫ぶ。その顔は自分自身を責め、悲しみと苦悩に満ち満ちたものだった。だがエールはその拳を真正面から受け止める。「騙されてなんかない!わたしがそう思ってないからそうなの!」
- まるで駄々をこねる子供のような無茶な理屈。だがその心からの言葉に衝撃を受けたルールーの回路はショートする。再び苦しみながら「やめて…これ以上優しくしないで…こんな痛みに苦しむくらいなら、記憶は消されたままがよかった…」と弱々しく訴えるルールーにエールは語り掛ける。「苦しいのはわたしも一緒だよ…もうルールーと戦いたくない。さっきから体よりも胸の奥の方がずっと痛いんだよ…ルールーのことが好きだもん!今更嫌いになんてなれない!」
- 竜巻のバリアは解除され、崩れ落ちたルールーの頭をはぐたんが「よちよち」と撫でると、ルールーは張り詰めていた何かが切れたかのように声を上げて泣きじゃくる。さらに「さっさと命令を果たしなさいよ!」と立腹するパップルに攻撃を浴びせて追い払った彼女は、もう命令に従順なだけの機械人形ではなかった。
- 先程までの痛みは去り、むしろ温かさを感じるルールー。「バグを抱えたままでは不安だから修理して貰える場所は?」と言う彼女にはな達は「それはバグじゃない、わたし達と同じ心だよ」と説明する。「おかえり、ルールー」とハグするはなにルールーも「ただいま…」とはにかみながら笑顔で応えたのだった。
- だが、はな達は気づかなかった。今回の戦闘から和解までの流れをすべてえみるが目撃していた事を。はな達がプリキュアだと知られてしまった……
■第18話
- クライアス社から自由の身とはなったものの、すみれの記憶を操作して野乃家に入り込んだことを負い目に感じているルールーは「やはりわたしは帰れません。記憶は元に戻しますが、その結果わたしは100%野乃家を追い出されるでしょう」と淋しげに呟く。そこへはなやルールーの身を案じた、森太郎・すみれ・ことりが駆けつけてきた。
- はなはルールーの手を引き、無事を報告するが、ルールーはすみれにかけた記憶操作を解除する。「全部思い出した…」と言うすみれに謝りかけたルールーだったが、すみれは一言も責めることなく、はなとルールーをぎゅっとハグして「怪我はなかった?さあ、帰りましょう」とだけ言ってくれた。その夜の食卓でも皆がポトフからの「復活カレー」で笑顔になる中、「大抵のことはやり直せる、わたしはそう思うわ」と笑顔で言うすみれの想定外の反応にルールーは戸惑うが、「そんなの、ルールーが好きだからに決まってるじゃん」とはなは答える。すみれもはなと同じように、きっかけはどうであろうと、その後の家族として一緒に過ごした時間を大切に思っていたのだった。
- 翌日、はな・さあや・ほまれの机の上に「お昼休み、中庭にて待つのです」と書かれた、果たし状テイストの謎の怪文書を発見。その場所にみんなで行ってみると、キュアえみ~るに扮したえみるが現れた。「どこから侵入してはな達の登校前にその文書を置いた?」「小学校はどうした?」等、視聴者が心の中でツッコむ間もなく、えみるははな達がプリキュアであることを公衆の面前で大声で暴露しようとする。ルールーが咄嗟に取り押さえて事無きを得たものの、はな達は大慌て。
- 前回、はな達が変身解除する場面を目撃していたえみるは、やり方はともかく、何の悪気もなくプリキュアのことについて教えてもらいたかっただけの様子。とりあえず秘密は守るよう言い聞かせたが「プリキュアはヒーローなのです!」とキラキラした瞳でグイグイ迫ってくる。はなは「ハッハッハッ、照れるぜ!」と得意満面になったものの、「憧れのプリキュアがはな先輩だったことはショックでしたが……」と言われて「めちょっく!」
- 来週の音楽のテストに備えて歌の特訓をおこなった。
- ルールーも歌ってみることになったが、機械的な歌声しか出せないルールーは「心に響かない」とえみるに指摘され、「心」とは何なのか理解できず、苦悩するあまりシステムエラーを起こし、ダウンしてしまう。
- ルールーがアンドロイドと聞かされてショックを受けつつも、なんとか元気にしてあげたいと思うえみるに、はなは「大事なのはえみるの気持ちでしょ。ダメならその時また考えればいいじゃん、わたしはその気持ちを応援するよ!」と励ます。戦闘ではオシマイダーに圧殺されそうになりながらも、ルールーを罵倒するパップルに敢然と反論するえみるに今度は励まされ、「友情の!邪魔するなー!」と強烈なアッパーカットを放ち逆転勝利。
■第19話
- 前回の終盤こっそり姿を見せていた若宮アンリが、ファッションショーに出演してほしいと依頼してきた。自分も出演するがそれだけでは面白くないので、ちょっと新しい才能のノイズを入れたいのだという。そこにすかさず食いつき「はわ~!遂に来ちゃったか!はなちゃんの時代、遂に来ちゃった~!謹んでお受けしま…」「君じゃないよ」「めちょっく!」
- アンリが指名したのはえみるとルールー。尻込みするえみるに「♪けれどハート ハグ重ねたら まあるくオッケーだよ」と、前回よりは改善の見られる歌声で2人の歌の一節を引き合いに出し、なんとかなると励ました。
- 翌日学校でアンリに「きっと新しい経験をすることは健全な青少年である我らにとって、かけがえのない財産になるのであります!」と謎の熱弁。要するにお手伝いをして、上手くいったらご褒美としてショーに出してもらえないかという下心丸見えのお願いだったのだが、そんなはなの素直なところが気に入ったアンリは承諾する。しかし、はな達がプリキュアだと明らかに気づいているアンリの言動にはヒヤヒヤ。
- その際、すれ違いざまにアンリのネクタイの締め方に注意した上に、「女子みたいで、男子の中では浮いている」と心配して指摘した愛崎正人にカチンときて、「なんで言い返さないの!?」と立腹するも、当のアンリは「話してもわからない人達を説得するのは時間の無駄」と意に介さなかった。
- 吉見リタの事務所で早速お手伝いすることに。今回のショーのテーマは『女の子だってヒーローになれる』。ミライパッドでお着替えして看板作りに着手すると、はぐたんがいたずらして絵の具で手形を押しまくってしまう。ルールーとえみるは慌てるが、はなは「ダメじゃない。いいよ、はぐたん」とOKを出し、みんなで手形を押した看板は、満開の花が咲いたようなカラフルなものに仕上がった。中学校の文化祭のようなノリでいいのか……いや、何も言うまい。
- ファッションショー当日、正人が控室に乗り込んできて、強引にえみるを連れ帰ろうとする。「女の子がヒーローなんておかしい」と言う正人に怒り、「誰の心にだってヒーローはいるんだよ!人の心を縛るな!」と反発するはな。正人がえみるの兄と聞いて、それ以上口出しすべきかためらってしまうが、今度はアンリが自分のドレス姿を見せつつ加勢してきた。「ボクは自分のしたい格好をする。自分で自分の心に制約をかける、それこそ時間…人生の無駄」と言い放ち、えみるを連れ戻すアンリに、反論もできず正人は立ち尽くす。
- しかしそのプライドを傷つけられた正人のトゲパワワが新幹部ジェロスに目を付けられ、オシマイダーが召喚される。その攻撃からルールーとえみるをかばったアンリは、オシマイダーに捕まってしまう。ピンチながらも「これボク、お姫様ポジションになっちゃってない?」とジョークを飛ばすアンリに、エールは「いいんだよ!男の子だってお姫様になれる!」と声をかけ、アンリを助けるべく戦いへと挑む。
- 正人がオシマイダーの素体になっていると気づいたアンリは、オシマイダーをハグして「そうか、君も苦しいのか。ごめんね、けどボクは君のためにボクを変えることはできない。誰に何を言われたって構わない。ボクの人生はボクのものだ!君も君の心をもっと愛して」と語り掛ける。そして「後は頼むよ、ヒーロー」と託されたエール達はオシマイダーを浄化して正人を救い出した。
- そこへわざとらしく拍手をしながらジェロスが現れる。「友情も愛情も吐き気がする程嫌い」との言い草に思わずカッとなるエールだが、ジェロスは余裕の笑みのまま引き上げてゆく。ルールーもその存在を知らなかったという新たな敵の出現に、プリキュア達は気を引き締める。
- ショーも成功裏に終わり、えみるとルールーは2人でプリキュアになるという思いを新たにする。「きっと2人ならなれるよ!もちろん先輩であるわたし達をないがしろにせず、もっと敬って…」と言う、1人だけ蔑ろにされて敬われていないはな先輩(13)。しかしここで、誰もが忘れていた「プリハートが残り1個しかない」という大問題が発覚。つまりプリキュアになれるのはあと1人だけ。
■第20話
- というわけで大好きな友達の夢を叶えさせるため奮闘することに。はなはフラフラとプリハートに歩み寄ったかと思えば「なんとか2つになんないの~!」とおせんべいよろしく2つに割ろうとする。そんな力尽くで下のイラストのような奇跡が起こるわけもなく、流石にハリーに止められ終了。更にプリハートは未来で作られたものだから現代では手に入らないというさあやの推察に「めちょっく!」
- 各自モヤモヤした気持ちで朝を迎えた朝、ルールーが見たのは高熱を出してゆでダコみたいな状態のはなだった。どうも風邪を引いたらしく家族や友達一同に心配される。「元気が取り柄のはなが?」「何やって風邪引いたの?」と不思議がられるが……。
- その理由は、昨夜えみるとルールーがプリキュアになれるよう流れ星にお願いしている内に寝落ちしてしまったためだった。なんとも子供っぽい話だが、えみるとルールーのためだけではなく、週末にCMのオーディションを控えるさあやや、スケートの予選会があるほまれを思っての事だった。いかにもはならしい話にさあやとほまれは励まされる。
- その週末、家で留守番中にテレビでオシマイダー出現のニュースが流れ、その映像にはえみるとルールーの姿が。2人のピンチを知り駆けつけたはなは変身し、すんでのところでフラワーシュートを撃ち、オシマイダーの攻撃から2人を守った。今頃さあやとほまれはそれぞれの夢に挑んでいる真っ最中で、呼ぶわけにはいかない。たった1人で戦うエールをパップルは「お仲間ちゃんはお休み?薄情ねぇ」と笑うが、エールは「2人は夢に向かって頑張ってるの!友達の夢、応援するのがプリキュアだ!」と叫んで孤軍奮闘する。
- なお、現場には最初からキュアエールとして現れたので変身バンクはカットだったが、披露した名乗りは笑顔に溢れた普段のバンクシーンと異なり凛々しい表情であった。友を支え、1人で戦おうと決意したはなの意が見て取れる。
- その姿を見たえみるとルールーの心があふれ、奇跡が起こった。新たなミライクリスタルと5個目のプリハートが生まれ、遂にえみるとルールーはキュアマシェリとキュアアムールに変身。後輩の大願成就を知ったエールは2人に全てを任せる。
- 結果は大勝利。時を同じくしてさあやは合格し、ほまれも優勝していた。5人揃ったプリキュアチームの誕生をハグで祝うエールだが……「ハクション! あ、あれ?」 元気のプリキュアが本当に元気になるまで、もう少しかかるようだ。
■第21話
- アバンの挨拶をえみるとルールーに取られ、「これからは2人でプリキュア頑張ります!」との宣言に「おーい、だから2人じゃないっす…」と危機感を募らせつつツッコむはな先輩。
- プリキュアとして大切なものは何かとえみるに問われ、「ガシ!ビシ!ポワァ~…ってことかな」と超抽象的な擬音で表現。しかしはなの心はさあやとほまれには伝わっており、前回自分達を気遣って戦闘に呼ばなかった思いやりを感謝される。そんな3人の「ガシ!ビシ!ポワァ~」な信頼関係をえみるはうらやましく見つめ、自分とルールーもそうなりたいと思う。
- ところがプリキュアになったからといってえみるの心配性は治ったわけではなく、空回りの連発で自己嫌悪に陥ったえみるはルールーに八つ当たりしてしまう。そんなえみるに悲しさとわずかな怒りを覚え、「わたしはえみるの敵になってしまったのでしょうか?」と悩むルールーに対し、はなはさあやと共に「それはルールーがえみるを大好きだから。えみるに対する心が溢れているからだよ」と励ました。
- えみるもほまれとハリーの励ましで立ち直り、5人は力を合わせてオシマイダーを撃退。そこまではよかったが、今度はマシェリが「メロディソードがあれば、またピンチの時にアムールを守れます!とにかくください!」と無茶なおねだりをしてきた。もちろん予備などある訳が無く、エールもハリーも大弱り。
- するとはぐたんが不思議な光を照射する。そして先週に続いて奇跡が起こり、新たなメロディソードが……と思いきや、空から降ってきたのは見知らぬ2人のプリキュアだった!
■第22話
- 向こうも訳が分からず一同騒然。「めちょっく!」「ありえない!」と大先輩と息が合った口癖合戦を早速繰り広げる。
- 壊れたギターを巡ってルールーとギクシャクしてしまったえみるは美墨なぎさのアドバイスでキチンと向き合う覚悟を決める。そのために絆の証として先輩と同じようにブレスレットを作る姿を見守るはなだった。
- その後本音をぶつけ合い、互いに絆を確かめる為のブレスレットとギターを贈る2人の姿を見て「愛だねえ……。」としみじみ語る。
- オシマイダーと化したパップルと激闘を繰り広げるブラックとホワイトを見て「すごい……」と感銘を受けている。
■第23話
- 今日のクラスは近頃大活躍のプリキュアの話題でもちきり。特に男子がキュアエールを褒めるとあからさまにデレデレしてしまいほまれに注意される。そんなやり取りの中はながふと思い出したのは、1人寂しく過ごす転校前の自分……。
- 夏休みの予定を話し合おうとするがさあやは撮影、ほまれは次の大会に向けて練習、えみるとルールーはギター練習と各自予定が入っていた。はなはなりたい自分の「具体的な姿」はなんだろうと、いつもさあやがいつも演技の練習をしている池のほとりで、様々なお仕事のスケッチに取り組む。
- この時画面上で確認できるのは絵描きさん、アイドル歌手、フィギュアスケーター、パン屋さん、アイドルダンサー。奇しくも玩具のミライパッドで選択できる職業ばかりである(コスチュームも同デザイン)
- 運悪く雨が降ってしまい東屋へ避難すると、先客のジョージと再会した。大人なのに傘が嫌いで雨が降っても持ち歩かないという変わった一面を持つ彼は「ボクも夢があるんだ。皆が心穏やかに微笑みを絶やさない理想の王国を作りたい」と答える。「その夢、めっちゃイケてる!わたしもそんな未来を作りたいな」と賛辞を贈ると、逆に「君は素敵な女の子だね」と褒められて赤面するはな。「えっ?…あ~、虹!」とごまかすが、振り向くとまたも彼の姿はかき消えてしまっていた。
- オシマイダーが出現し、5人で迎え撃とうとしたところ、ダイガンが登場。だが威勢よく名乗りをあげたのも束の間、ダイガンは背後からドクター・トラウムに撃たれて消滅してしまった。敵とはいえあまりの非情な仕打ちに「仲間じゃなかったの?同じ会社で働いていたんでしょ!?」と叫ぶエール。どこ吹く風で「彼はわが社のお荷物だったんだ」と嘯くトラウムに「お荷物!?人を物扱いするな!」と怒りを爆発させ、彼が召喚した猛オシマイダーに挑むも、その圧倒的な強さに5人揃って叩きのめされてしまう。
- そこへふらりとジョージが現れる。早く逃げるよう促すエールに彼は「君は本当に素敵な女の子だね」と、先刻『野乃はな』に対して言った言葉を口にする。驚いて振り向くエールの耳にハリーの叫び声が届いた。「離れろエール!そいつはクライアス社の社長、ジョージ・クライや!」
- ジョージが手をかざすと、プリキュア達のミライクリスタルとプリハートが吸い寄せられてゆき、全員の変身が解除されてしまう。ついさっき、美しい夢を語ってくれた彼の真の姿にショックを受け、「どうして?夢があるって…みんなが笑顔の国を作るって話して…」と呟くはなに、ジョージは「新たな苦しみがなければ皆笑顔でいられるだろう?だから…時間を止めよう。皆が笑顔のまま暮らせるように。共に終わらぬ永遠を!」と答える。今までミライクリスタルやメロディソードを放置していたのは、溜まりに溜まった明日への希望を絶望に変え、時間を止めることで過去の幸せな思い出に永遠に浸り続けられる楽園を作る力にするためだったのだ。そして世界中の時間が停止した。
- しかしその時の止まった世界の中で、はぐたんの泣き声だけが響く。ジョージは、時間停止現象の中でも動けるはぐたんに興味を持ち、自分の元へ招き寄せようとする。泣き叫びながら「ほまえ~!しゃあや~!えみゆ~!るー!」と皆の名前を呼ぶはぐたん。そして一際大声で「まま~!」と叫んだ時、動けないはなの脳裏に過去の記憶が蘇る。
- 転校する前、はなはいじめられていた同級生を庇ったばかりに、自分が標的にされてしまいクラスの中で孤立してしまっていた。そんな落ち込んで泣いていたはなを、母のすみれは「大丈夫!はなは間違ってない。もう我慢しなくていい、はなの未来は無限大!」と優しくハグして励ましてくれた。
- はながはぐたんの名を叫ぶと、宙を舞っていたミライクリスタルとプリハートははなの元に戻り、エールに再変身。「はぐたんを泣かせるな!」と叫びながら、唖然とするジョージからはぐたんを奪い返すと、時間が動き出し、みんなもプリキュアに再変身できた。そしてミライクリスタルが、感謝するかのごとく力を与え、パワーアップしたプリキュア達は猛オシマイダーを倒した。ジョージはトラウムに後始末を任せ一旦帰社。キュアエールに強い興味を抱いていた。
- 敵首領の恐るべき力を見せつけられ、これから待ち受けているであろう更なる厳しい戦いを想像して、暗い表情のさあや達。だがはなだけは元気で「これまで通りだよ!わたしの13歳の夏休みは1回だけなんだもん。はぐたんと一緒に新しい楽しいことをい~っぱいする。キュアスタを思い出でい~っぱいにする。クライアス社になんか負けない!わたしたちのアスパワワは無限大だ!」と前向き。みんなも元気づけられ、笑顔を取り戻すのだった。
■第24話
- 町内会がナイトプールを開設すると知り、イケてる大人のお姉さん的空間を想像してはしゃぐはな。その「ハグッ!納涼だらけの町内トプール」というネーミングセンスにルールーとほまれは不安しか感じなかったが……。
- 案の定その実態は大漁旗が掲げられ、鯉のぼりが多数吊るしてあるなど、ザ・野郎(というのかオヤジ)な空間だった。想像とあまりにかけ離れた様相に「めちょっく」の言葉すら発せず、開いた口が塞がらなくなり、外れた顎がプールサイドのコンクリートを破壊するというとんでもない顔芸を晒しながら愕然とする。町内会長が「ヤングのアドバイスも取り入れたい」と言ってくれたので、グッズをHUGMANで大量購入し、会場の飾りつけをする事になった。
- 元気一杯で準備にいそしむはなの姿を見て、ほまれは「はなだよねぇ。この間までいろんなことがあったのに、笑っていて…はなだよねぇ」と感じ入る。さあや・えみる・ルールーも、その前向きさと笑顔を見習いたいと思う。
- 出来上がったのはカラフルな風船などで彩られた、まさにイメージ通りのナイトプール。花柄の水着に三つ編み姿で早速飛び込む。他も全員そろって水着を披露!野乃家一同、あきやじゅんな、内富士先生と奥さんなどが姿を見せ、かつてな敵だったチャラリートとパップルも明るい笑顔で現れた。楽しい夜を満喫するはなだったが、その脳裏にジョージの姿がふと現れた。
- 優しい大人だと思っていたジョージに裏切られたという思い、そして彼が語る「時間が止まった幸福な王国」への言いようがない恐怖。先日の一連の出来事ははなの心に爪痕を深く残していた。でも、はなは無理してみんなの前でいつもどおりの笑顔を今日まで演じていたのだ。その演技はほぼ完璧で、特にほまれははなの本心に気付かなかった(ほまれの24話項目参照)
- 目に浮かんできた涙をこらえながら「頑張らないと……みんなが笑顔でいられるように……」と自分に言い聞かせ、はなは笑顔を無理矢理作る。そんなはなの異変に気づいたのは、プールサイドから見ていた、はなのトラウマを唯一知る母・すみれだけだった。
- えみるとルールーのエレキギター演奏で盛り上がる中、ジェロスの猛オシマイダーが出現。会場にはトゲパワワが充満し、客は次々倒れていき、はなはジョージの影に怯えて、体が動かなくなってしまう。だがえみるとルールーが演奏を再開すると皆は笑顔になって、会場に溢れたアスパワワがトゲパワワを吹き飛ばした。はなは気づくのだった。「笑顔は守るだけじゃない。笑顔が、みんなのアスパワワが力をくれる!」
- 不機嫌になったジェロスは猛オシマイダーを暴れさせるが、5人はプリキュアに変身。猛オシマイダーに押し潰されそうになりながらもエール・アンジュ・エトワールは「これが…えみるとルールーの、プールに集まったみんなの、笑顔がくれた力!」とこらえきって反撃、猛オシマイダーを退けた。そんなエールの姿を眺めながらジョージは「こうでなくてはね、キュアエール」と意味深な笑みを浮かべていた。
- えみるとルールーのおかげで元気が出たと礼を述べていると、パップルとチャラリートが2人をスカウトしに来た。何と芸能プロダクションを始めたのだという。さらに生死不明だったダイガンまでも元気な姿を見せ、はなにも笑顔が戻った。すみれも「いい笑顔ね、はな」と呟く。楽しい夏休みはまだ始まったばかりだ。
■第25話
- はぐくみ神社の夏祭りに参加するため、お花をたっぷりあしらった浴衣姿を披露。前回は若干元気がない一幕もあったがようやく本調子になってきた。
- 屋台を見て回ろうとすると、さっそくはぐたんがくまのぬいぐるみに興味を示した。それがパップルのくじ引き屋の一等だと知り挑戦するが結果は案の定5回連続はずれ。更につぎ込もうとしてほまれに止められるが、偶然通りかかったひなせが全財産の500円玉を使ってくじに挑戦すると言い出したのだ。その甲斐あってぬいぐるみをゲットし「僕の気持ち」と称してプレゼントするが……「ほら、お兄ちゃんがはぐたんの欲しかった人形取ってくれたよー!」と見事なフラグクラッシャーぶりを披露する。
- ルールーの発言が元で花火の場所取り組と屋台巡り組に分かれることになる。屋台巡りに同行したはなたちだが、ルールーがトゲパワワの気配を感じ取り現場に急行。
- 走る途中で持っていたリンゴ飴が邪魔になると判断し咄嗟にすれ違ったひなせにパスする。ここからラストシーンの花火まで一切取りに戻らなかったため、渡された側はどうすることもできず困り顔。どうやら気遣いが必要な相手として認識されていないらしい。
■第26話
- 清涼飲料水のCMですっかり有名人になったさあやが羨ましげなはな。「いいなぁ…既に女優へと大きな一歩を踏み出したさあや。ほまれはスケート、えみるはギター、ルールーはアンドロイド。」いや、アンドロイドは職業ではないんですが。
- しかしこれはただのギャグ描写ではなく、「ルールーはアンドロイドでないとできない生き方を目指すという伏線なのでは?」という一部の視聴者の推測もある。少なくとも本作では、ルールーがアンドロイドであるという事実を悲劇として扱わずジェンダーや人種と同じく多様性の1つとして受け入れるという側面が感じられる作風ではある。またはなとしては、ほぼどんな職業でもこなせる万能さを言いたかったのかもしれない。
- 「わたしだけ何も決まってない」と、着せ替え人形チックにいろいろな職業を想像するも、なぜか登山家と電気工事士とバカ殿のコスチュームが。そんな願望あったんかい!「やりたいことは一杯あるけど…わたしまだまだただの野乃はな!」とぼやいて「早口言葉か!」とハリーにツッコまれる。
- さあやに付き添って撮影所に行き、「有名人たくさんいるよね」とミーハー根性丸出しで目を輝かせていると、「有名人をお探しですの?」と一条蘭世に目を付けられ、手持ちの色紙全部にサインされてしまい「めちょっく!」
■第27話
- ルールーとバグマンへ出かけると、生まれてくる赤ちゃんのため買い物に来ていた内富士先生に遭遇。森太郎を立派な父親と褒められ自分のことのように喜ぶ。だが「はなが立派だと言ってるのではありません」とルールーから冷静な指摘が……。
- 内富士先生が父親修行をすることになったが、はなの中で修行は滝行を意味していた。育児とあまりに関係なさすぎるためハリーからツッコまれる。
■第28話
- もぐもぐがタレント猫のりりーちゃんに一目惚れしたと知り色めき立つ。早速愛のキューピッドを買って出て、りりーちゃんと共演できるCMのオーディションに向けた特訓を決意。
- 容姿の審査のためハリーがお洋服をコーディネートすることに。しかしそれは大阪のおばちゃんセンスな動物柄の組み合わせだった……。仲間たちは一目見るなり口々に芳しくない反応を見せ、はなも「イケてない」とバッサリ。
- オーディションにはパップルたちもタレント犬のハルを連れて参加していた。これがかなりのイケメン犬で、純粋にもぐもぐの可能性を信じていたはなも焦りを見せる。
- 勇敢さの審査を残したその時、ビシンが会場に現れた。ハリーがクライアス社に戻らないことを相変わらず非難する。流石に黙ってられず、キュアエールが真っ先に怒りを見せた。続け様にビシンはハリーとプリキュアが相容れられる筈がないと主張し、自分たちにとって大切な仲間だと反論する。
■第29話
- 仲間たちを連れて『たんぽぽ堂』なる和菓子屋へ。そこははなの祖母・庵野たんぽぽが営むお店だった。早速手際よく作られたどら焼きを振舞われ大喜びする一同はお手伝いを申し出る。
- 売り子を買って出たはなはその辺を歩いていた子供に試食用のどら焼きを差し出す元気ぶりを発揮。ところが、常連客の老婦人・ヨネさんは店先でどら焼きを食べるなり「味が落ちた」と感想を漏らした。図星を刺されたたんぽぽは立腹して追い返すが、本当は年老いたことで徐々にいろんなことができなくなっていく自分を歯がゆく思っていた。そんなこと知る由もなく今の味しか知らないはなは「どら焼きおいしいのに……」と一言。
- 目玉商品として巨大どら焼きなる無茶なものを作ろうとしてぎっくり腰になったたんぽぽ。病院に運ばれた後もベッドにふさぎ込み皆を追い出す彼女にそれでも付き添おうとするが、ほまれに促されしぶしぶ退室する。たんぽぽは「もう限界なのかねぇ…年を取るっていうのは嫌なことだよ」と、夫の写真に淋しく語りかけていた。
- 帰り道の途中、米屋で先ほどのヨネさんに再会した。さっきはキツい言い方をしてしまったが本当は『たんぽぽ堂』の和菓子を評価しているのだという。昔から知っているがゆえに、味が落ちたことがどうにも残念でならなかったのだ。そんな話をする中、たんぽぽの夫が生きていた頃作っていたという希望饅頭なる和菓子を知り、それを作ろうと提案。
- しかし当然ながらその場の誰もレシピを知らなかった。仏壇の祖父に向かって「おじいちゃん、かわいい孫のお願いです!希望饅頭の作り方を教えてください!お願いしますだ~!」と神頼みならぬ仏頼みをしてみると、はぐたんが仏壇の上にあったノートを発見。そこには希望饅頭のレシピが記されていた。
- 和菓子作りは重労働の連続だった。これをたくさんのお客様のために、1人で毎日こなしていた祖母を改めて尊敬する。
- みんな粉であちこち白くなりながらも、完成した希望饅頭を持って病院へ。本来のたんぽぽ型ではなくどう見てもシュークリームの出来損ないで、味もたんぽぽに言わせればまだまだ。でも一生懸命作ってくれたことは本当に嬉しくて、希望があふれてきて、とても美味しく感じられた。亡き夫・草介との懐かしい昔を思い出して涙しつつも、たんぽぽは気力を取り戻して退院。というわけで今度は習いながら祖母と孫でレッツ・ラ・クッキング!
- そこへ猛オシマイダーが出現し商店街を暴れまわる。猛オシマイダーの放った流れ弾で『たんぽぽ堂』にも被害が及びそうになるが、果敢にもたんぽぽはヘラで弾を撃ち返してしまった。あの、あなたぎっくり腰から退院したばかりでは…。
- 「『たんぽぽ堂』はわたしの大切な宝物なんだ!誰にも壊させやしないよ!」と啖呵を切るたんぽぽに猛オシマイダーが襲い掛かるが、その強い気持ちに応えて立ち向かうキュアエールの横顔には、祖母がよく知るいつも一生懸命なはなの面影が感じられるのだった。
- 希望饅頭(2回目)は素晴らしい出来だった。まだまだお店を続けたいと奮起するたんぽぽにヨネさんが手伝うと申し出て、腰の心配も軽減される。歳をとっても楽しい日々が待っていると語る祖母に、自分もめっちゃイケてるおばあちゃんになりたいと思うはなだった。
■第30話
- 愛崎家のプライベートジェット機で世界旅行へ。ルールーのアンドロイド発言を怪しむことりを懸命にごまかしたりしつつ、賑やかに旅は始まる。キャビンアテンダントのはなは「ビーフ オア チキン?」をひたすら連呼。空の旅に慣れていなかった辺り、はなの中のCAはそういうイメージだったらしい…
- まずはハワイに到着。記念写真を1枚撮った……と思いきや、ガイド役のさあやから「はい、そろそろ出発します」と驚愕のアナウンス。1日で世界を満喫するためには分刻みのスケジュールでなくてはいけないのであった。(当然水着も無し)
- キュアスタ用の写真を撮り、はぐたんのコスプレ姿を愛でて、ルールーはひたすら食べ歩きつつ、世界の主要都市を回って最終目的地の熱海へ。宿泊先は古く風情のある温泉宿だったが、足湯を堪能している最中に、カラスが1羽飛んで行っただけでビビったえみるが「なんか気味悪いのです」と口走り、はなも「言われてみれば妖怪でも出てきそうな…」などと言うものだから、えみるに加えてほまれもうろたえ出し、一転して2時間サスペンスドラマかホラー映画のような空気に。
- そこに現れたのは昼間なのに全身真っ黒で目だけ光る名探偵コナンの犯人……ではなく、温泉宿「天狗館」の主人だった。昔、天狗がここの温泉に入ったという伝説があるのだとか。「お食事と温泉、どちらになさいますか」と言う主人に、興味津々だったルールーが一も二もなく温泉を選んだ。
- 楽しいひと時を過ごす中、「夏休みが終わるのは淋しい」と呟くえみる。はなは「まだ夏休みは終わってない!キュアスタを夏休みの思い出で一杯にしよう!」と励まし、気を取り直したえみるとルールーのミニライブで盛り上がるが、いつの間にやら宴会場にドクター・トラウムが紛れ込んでいた。
- 猛オシマイダーまで出されては、もちろん戦闘突入。「夏休みが楽しいのなら、時間を止めれば楽しい時間は永遠に続くよ」と嘯くトラウムの言葉に対し、エールは強い怯えの表情を一瞬だけ浮かべる。
- だがそこにマシェリとアムールが「キュアスタには思い出が一杯詰まっている、どんなに時が流れても思い出は心の中にある」と反発する。はなが第23話で口にした、「わたしの13歳の夏休みは1回だけ、新しい楽しいことを一杯して、キュアスタを思い出で一杯にする」という言葉を2人とも覚えていてくれた。
- トラウムは「ならばその思い出を持つお前達ごと消すまで」と、猛オシマイダーで温泉宿ごとプリキュアを吹き飛ばそうとする。その時一陣の突風が吹き、逆に猛オシマイダーが吹き飛ばされた。チャンスを逃さず、マシェリとアムールは猛オシマイダーを浄化して勝利。
- 結局、その気象条件的にも不自然な突風の正体はわからずじまい。なじみの宿を守ろうとした天狗の仕業だったのだろうか(はぐたんだけはその姿を目撃したが、はな達は目にする事はなかった)。そして天狗伝説の話題から、明日から新学期という現実に引き戻された時、はなは宿題が終わっていなかった。そして、えみるの飛行機で国外逃亡したいとまで言い出す始末なのだった。
■第31話
- 夏休みも終わり、楽しい思い出も一杯できた。えみるとルールーもアイドルとして有名になったようで、「夏休み明けも全力で頑張るぞ!」と張り切ったはなだったが、その前にエリという少女が現れた。エリはすぐ去ってしまうが、同時にはなの様子がおかしくなってしまい、仲間達はみんな心配する。
- 翌日、昨日のモヤモヤを引きずったままのはなは気分が沈んだままで、ほまれのダンスレッスンのお誘いも断って、ビューティーハリーでお留守番。はぐたんの成長に目を細めるも、「こうしてまばたきしている間にも時間は過ぎていく」と言うハリーの台詞を聞いて、「過ぎていった時間はどうなるの?」と問い掛ける。「時間は戻せへん、だから今を大切にせんとな」と答えてもらったが、やはりはなの心にはエリとの過去が重くのしかかっていた。
- その頃、偶然エリと出会ったさあやとほまれは、彼女とはなの過去を聞かされる。はながシャインヒル学園にいた頃、チアリーディング部のエリは、センターに抜擢された事で、嫉妬した他の部員達からいじめられていた。そこへはなが「やめて!みんなかっこ悪いよ!」と割って入り助けてくれたが、そのせいでターゲットははなに移り、はなは孤立してしまう。一方のエリははなに寄り添おうとしたのだが、はなに関わるとまた自分がいじめられる立場に逆戻りしてしまう事を恐れ、結局我が身可愛さではなを見捨てる形になった。そのままはなは転校してしまい、エリは罪悪感に苦しみ続け、ずっとはなに謝りたいと思っていたのだった。
- ビューティーハリーに戻ってきたさあやとほまれを見て、平静を装い、「ダンスレッスンどうだった?わたしも行けばよかった…」と言いかけるが、2人はいきなりはなをぎゅっとハグしてきた。驚きつつ「どうしたの?あっ、わたしがいなくて淋しかったんでしょ~?」とおどけるも、2人は「そうだよ」「フフフ…」と笑顔でなおも抱き締める。さあやもほまれも、エリとの辛く悲しい過去をおくびにも出さず、逆に自分達を励まし、笑顔を振りまいてきたはなが愛おしかった。
- さあやとほまれは、はなに謝りたいというエリの気持ちを伝え、預かったチアリーディング部発表会のチラシを手渡す。「無理して会わなくてもいいと思う」と言いかけるほまれを制し、「昨日ごまかしてごめん!やっぱかっこ悪いなって思ったから…」と謝るはな。暗い過去を隠していて、それを明かす事ができなかったことは引け目に感じていた。しかしほまれとさあやは「かっこ悪くなんてない!はながやった事、絶対間違っていない。すごくイケる事だよ!」「格好悪いのは誰かの心を傷つける人達!」と励ます。
- それを受けてはなは「わたし、ずっとエリちゃんに嫌われちゃったんじゃないかと思ったんだ。わたしがした事、お節介だったんじゃないかって…だから顔合わせると言葉が出なくなっちゃって…」と本音を吐露するが、さあやはエリも同じ事を言っていたと伝える。はなもエリも、自分も十分傷ついているのに、お互いの事を気遣い続けていた。
- 「勇気を出してもう一度エリちゃんの心に触れたとしても、うまくいくかどうかはわからない。けど、はなにはわたし達がいる!」「だってわたし達、はなの事大好きだからさ」と言うさあやとほまれに加え、えみるとルールーも歌ではなを励ましてくれた。はなの瞳から嬉し涙が溢れる。過去はもう過ぎた事、今はこんなに素敵な仲間がいるのだから。「ありがとう、みんな……わたし、みんなに会えてよかった!」
- みんなと共に、エリの発表会を見に来たはな。「まずチアの舞台を見て、終わったら挨拶に行く心の準備をして…」と緊張気味にあれこれシミュレートしていると、シャインヒル学園のメーク担当者が、アクシデントで会場に来れないという会話を聞きつける。困っている人はすぐお助けするのがモットーのはなは、みんなと一緒にミライパッドでメイクさんにお仕事スイッチオン。
- 控室に入っていき、驚くエリにメークを施し始めると、「えっ!?もしかして野乃さん?」「なんでいるの?っていうかどうしたの、その前髪」という部員達の声が聞こえてきた。おそらく中には、かつてエリとはなをいじめた者もいたであろうが、「めっちゃイケてるでしょ!」とはなは堂々と胸を張る。メイク中に涙を流して謝るエリにも「わたし、謝ってほしいなんて思っていないよ。許すとか許さないとかそういうのじゃない、ただわたし、エリちゃんの事やっぱ好きだからさ、また友達になりに来たんだ」と笑顔を見せる。そこに過去に囚われていたはなの姿はもう無かった。
- だがその時、エリや部員達が凍りついたように動きを止める。時間停止装置を使ったジンジン・タクミの仕業だ。しかし試作品である装置のトゲパワワは暴走し、ジンジンとタクミは2つの顔と4本の腕を持つ怪物に変貌してしまう。「苦しい、助けて…ジェロスさん、俺達仲間じゃ…」と救いを求められても、失敗続きの2人をもはや切り捨てる気のジェロスは、「そうよ、私達は仲間=カンパニー。だから最後くらいわたしの役に立ちなさい!」と、にべもない。
- その冷たい言葉に「仲間ってそういうものじゃないでしょ!」「友達ってそうじゃない!」「一緒だから!」「強くなれる!」と、口々に反発するプリキュア達。そして「みんながいてくれたから、わたしは今日、前に進めたんだから!これがわたし達の今!」というエールの叫びに応えるがごとく、新たなミライクリスタル・チアフルとメモリアルキュアクロックが誕生する。「一緒に過ごした時間が今を作る!今を頑張って……輝く未来を!」という想い出の力によってクロックの力を発動させチアフルスタイルへと変身、5人とはぐたんの想い出による力を結集したチアフルアタックでジンジンとタクミは浄化・救済された。
- 発表会も無事終わり、笑顔になったエリに手を振るはな。そしてはな達は、これまでみんなが育んだ友情が生み出した絆の結晶とも言えるミライクリスタル・チアフルと共に記念撮影をするのだった。「何でもない写真、けど今この瞬間はもう二度とないから。いっくよー!」
■第32話
- ほまれの祝勝会で、シャーベットを差し出すハリーと、頬を赤らめながらそれを食べるほまれ。さあや・ルールー・えみるは、そんなほまれの気持ちを薄々察しているようで、微笑ましく見守っていたが、はなだけはよくわかっておらず首を傾げていた。お子ちゃまですから。
- バーチャル空間にエトワールとハリーが閉じ込められ、助け出そうと四苦八苦。マシェリと一緒にキャーキャー騒ぎながら、ドーム化した猛オシマイダーの壁面をポコポコ叩くが、その地味なうるささにイラッとした猛オシマイダーがビームを発射し、一同は童話の登場人物に変えられる。アムールは赤ずきん、マシェリは不思議の国のアリス、アンジュはシンデレラ、そして安定のオチ担当のエールは浦島太郎(老化後)。めちょっくじゃのう…。2度目のビームをかわそうとした時は、腰に来てダウンするという、祖母譲りの腰痛芸も披露。
- それでも必死に「クライアス社なんかにやられてる場合じゃないよ!世界目指すんでしょ!?こんな壁なんて飛び越えていくんでしょ!?」と叫ぶ。バーチャル空間の中で消滅しかけていたほまれはその声援で立ち直って脱出する。
■第33話
- ツインラブはテレビで取り上げられるほど大人気になったが、そうなると厳しい批判が出てくるのは世の常。コメンテーターの言葉を気にして笑えなくなったえみるを「無理して笑わなくていいよ。そういう時、わたしもあるもん」と励まし、アンリの密着取材を代理で請け負う。信じてやってきたことが全ての人に理解してもらえるとは限らない辛さをよく知っているから。
- とは言え、元々華やかなマスコミの仕事に憧れはあったようで、「アナウンサーって、知的なわたくしにぴったりだと思いませんこと?」と調子に乗るはな先輩。その脳内イメージは、昔の少女漫画みたいなタッチの逆作画崩壊された自分の姿で埋め尽くされていた。
- ちなみにこの顔、話の本筋と全く関係ないのに何故かエンドカードの素材にされており、さらに天使イメージのアンリと目がハートの観客プラス正人、憂い顔のジョージ、キュアえみ~るポーズを取るえみる、リストル&ビシン&ハリーまでもがミックスされたために、何の話だかさっぱりわからないカオスな絵面になっていた。
- えみるを励ますことができず落ち込むルールーにアドバイスする。それは才能に恵まれ高みを目指す親友が2人いるはなならではの、現実との向き合い方。「さあやとほまれもね、すごく高いところ目指してるんだ。2人の悩み、理解できるっていったら嘘になっちゃう。でもね、わたしは2人の手を離さない。2人が苦しいときは傍にいたいんだ」
- この言葉は回り回ってえみると密かに色々思い悩んでいたアンリを救うことになるが、それはさておきアイスショーのインタビューで仕事は終わり……と思いきや、例によってアンリが「よろしく頼むよ、プリキュア」と口走ったため「今のカットカット!」と叫ぶ羽目に。
■第34話
- ことりは最近気になる事があった。なぜ、はなの行く先々にプリキュアが現れるのか?「もしかしてわたしのお姉ちゃんって…プ…プ…プリキュア!………にご迷惑をおかけしてるんじゃない!?」そっちかい。その頃、当の姉は「もう食べられないよ~」と暢気に夢を見ていたのだった。
- 野乃家は朝から大騒ぎ。姉を疑惑の視線で見つめることりをルールーが心配して問いかけたところ、はなはことりが自分のオムレツを欲しがっていると勘違い。焦った拍子にオムレツは宙を舞い、見事ハリーのに収まるのだった……めちょっく。
- なお、はなが食べる姿は口を皿に近づけてほおばる幼児そのもののスタイルだった。
- なぜか「お姉ちゃんのおっちょこちょいが原因で怪物が生まれて、プリキュアが戦っているのではないか」と思い込んでしまったことりは、えみるに相談。そこに「キュアエール」という単語を聞きつけて、ふみとが首を突っ込んできた。彼の中でエールは「わたしはキュアエール、アデュー!」と先週に続く逆作画崩壊顔で微笑むなど美化されてしまっており、ことりとひなせも巻き込んでエール探しがスタートする。
- 放課後、はなはたこ焼き屋のお手伝い。そんな中店に来たふみと・ひなせ・ことりがキュアエールファンクラブを結成したと聞いて、「ファンクラブ?照れますな~」と喜ぶも、まさか目の前のはながエールとは知らないふみとは、へっぽこだのおっちょこちょいだの言いたい放題。
- お子ちゃまっぽくておっちょこちょいなはなより、プリキュアみたいなカッコいいお姉ちゃんがほしかったとこぼすことり。だがひなせは「君のお姉さんはいつも笑顔で元気で、誰かのために頑張れる素敵な女の子」だと言う。そんな話をしていると、ことりの帽子が池に落ちてしまった。拾おうとするもバランスを崩してあわや転落……と思われたその時、妹のピンチに気づいたはなが猛ダッシュ…。だが、バナナの皮で足を滑らせ全身ダイブ。格好悪いのも格好いいのも、どちらもはななのだ。
- その後町のコンビニから猛オシマイダーが出現。変身し駆け付けた先では、ことりとひなせが攻撃を受ける寸前だった。エールはすかさずそれを助け、「どこにいても助けるから」とことりに帽子を渡す。
- その言葉に、ことりはふと小さい頃の出来事を思い出した。ある日急に雨が降って公園の遊具に雨宿りするも、雷に怯えて泣いていた自分を、はなは傘もささずびしょ濡れで「どこにいても助けるから」と迎えに来てくれたのだ。その時と同じ台詞を口にし、優しい笑顔を見せるエールに、全然似ていないはずの姉の姿が重なる。
- しかしジェロスが加勢し、猛オシマイダーの反撃でプリキュアたちは叩きのめされて、街中がトゲパワワで覆い尽くされ大ピンチに。そこに「もうプリキュアをいじめないで!」と立ち上がったのはことりだった。「わたしは逃げない!わたしはいつか強くてカッコいいお姉ちゃんみたいな人になりたいんだから!」と、ジェロスに真っ向から啖呵を切ることり。その勇気に触発され、ふみとやひなせの心からもアスパワワが溢れ、トゲパワワの暗雲を打ち払った。そしてプリキュアたちも復活し、猛オシマイダーを倒す。「みんなの未来はわたしたちが守る!」
- 夕方遅く、公園でそ知らぬふりしてことりたちと合流。しかし雪駄の鼻緒が切れてしまったため遊具から転落しながらの登場だった。「たこ焼き屋で張り切り過ぎたかなあ」と言いつつ顔を上げると、何故かひなせが自分の顔を見続けている。
- 夜になって、ことりは本人に直接聞いてみようとはなの自室を訪れるが、そうとも知らず「ははぁ~、さては一緒に寝たいんでしょ?う~ん、甘えちゃって」とうれしそうに妹を歓迎するはな。意を決して「あのさ、お姉ちゃんって…」と口を開くことり……しかし振り向いた時にははなはいつものように瞬間就寝。「お姉ちゃんって本当にお子ちゃまね」と呆れつつも、ことりは笑顔で添い寝する。プリキュアであろうがなかろうが、強くてカッコよくて大好きなお姉ちゃんに変わりはないのだから。
■第35話
- さあやが新しいドラマの役作りのため、内富士先生の子供が産まれた病院に勉強に行くことに。赤ちゃん達を見て「可愛い~!べろべろばー!」とはしゃいでいると、「病院では静かにしてください」と小さい女の子に注意される。イケてるお姉さんへの道は遠い。
- 実地研修させてもらえることになり、えみると一緒に小児科を希望し、子供たちのお世話をするが、しかしここでもオチ担当。小学生のえみるは「お姉ちゃん」呼びされているにもかかわらず、自分だけ「はな~!」と呼び捨て扱いの上、お馬さんごっこの馬になっていた。
- お母さんの出産のために付き添っている川上あやの様子がおかしいことに気づいたさあやが「きょうだいができることに戸惑いがあるのかも」と感づいて、妹が生まれると聞いたときにどういう気持ちだったかとはなに相談。当のはなは「あんまり覚えてないけど、お姉ちゃんになることを知らない人にも自慢して困らせていたらしい」とあっけらかんと述べる。はなはことり誕生時2歳程度であり、覚えてないのも仕方なし。
■第36話
- 冒頭からドクター・トラウムが襲来し、「君たちを倒せるすごい発明をした」とプリキュア達に宣戦布告…と思いきや、なぜかその相手は大人になった前年プリキュアの面々だった(つまり前作エピローグ後の時間軸)。しかも場所はいちご山のキラパティの前。そしてトラウムの攻撃がプリアラのメンバーを無慈悲に襲う・・・という緊迫感溢れるシーンの直後にいつものアバンの挨拶。本来の主人公・はなが改めて「『キラキラ☆プリキュアアラモード』じゃなくって『HUGっと!プリキュア』が始まるよ!」と念を押す。そう、今回と次回は秋映画の公開記念として歴代プリキュアが客演する「TV版プリキュアオールスターズ」なのだ。
- 一方、時と場所が遠く離れたのびのび町。ビューティーハリーに集まっていたはな達だったが、はぐたんが何かの気配を感じ、不思議な力を発動させる。すると何と空からキラパティの面々が降ってきた。はなといちかは、お約束のおでこごっつんこ。 そして彼女らは冒頭の大人の姿ではなく、中学生・高校生の頃の姿に戻ってしまっていた。
- そこへ強化スーツを纏ったトラウムも時空を超えて追撃してきて、さらにトラウムの出現を予言で知っていた伝説の魔法つかいである朝日奈みらいとリコまでもやってきた。トラウムを「災厄」であると認定したみらいとリコは果敢に立ち向かおうとするが、彼女らもまた「リバース・ザ・タイム」ビームを食らって中学生の姿に戻ってしまう。キラパティの面々もこの攻撃で時間を巻き戻されたようだ。はーちゃんの魔法でみんな懐かしのコスチュームに変わり、3つのチームはプリキュアに変身。
- チアフルアタックで強化スーツを撃退したかと思ったのも束の間、トラウムはビームを強化スーツに当てて元通りに復元してしまった。31話で試作段階だった時間を操るテクノロジーをトラウムはついに完成させていたのだ。この力があれば限定的な範囲の時間を止めることも戻すことも自由自在。クライアス社の最終目的である「世界すべての時間を永遠に止める」ことはとてもできないが、プリキュアと戦うにはこれでも十分すぎる力だ。勝ち誇るトラウムだったが、時間を少々戻し過ぎて強化スーツは組み立て前のパーツ状態になってしまった。目をぱちくりさせて呆れるプリキュア達を尻目に、トラウムは慌てて撤退。
- だがトラウムは、ここに来る前にすでにいちご山や魔法界の時間を止めてしまっていた。まほプリやプリアラのチームからすれば、止められた時間を再び動かすためにはトラウムとの対決は避けられない。この3チームだけではトラウムの時間操作には叶わないかも知れないということで、他のプリキュア達の助力を借りようという話になった。そして二手に分かれて他のプリキュアを探しに出かける。といっても、この世代の中でプリキュアオールスターズに参加した経験があるのはまほプリのみらいとリコとモフルンだけ(2016年春映画の『奇跡の魔法』で過去プリキュアと共演しているからである)。なのにチーム分けが「ほまれ・えみる・ルールーにまほプリの3人と妖精たち」「はなとさあやにプリアラの6人」と言う、はなチームにプリキュアオールスターズに参加した人が一人もいないと言う事態に。さらに言えばほまれ達は魔法のホウキで快適な空の旅だったが、はな達は徒歩での探索を強いられていた。そしてほまれチームはモフルンの例の嗅覚であっさりと面識のある桃園ラブと合流したが、はなチームはプリキュア5がいる町の地図だけ渡されて四苦八苦していた。
- チーム分けのバランスがおかしくないかと思わざるを得ないが、みらいとリコとモフルンは同じチームにいないと変身できなくなると言う問題があるので仕方ないのだろう。せめてはーちゃんをはなチームに入れて、ノーブル学園に向かっていれば良かったのでは?という突っ込みも…(2017年春映画の『プリキュアドリームスターズ!』でプリアラチームやはーちゃんと面識があるGo!プリンセスプリキュアと合流できたかもしれないし、Goプリ組ならオールスターズに参加した経験もあるので助っ人集めもスムーズにいったかも)
- 地図とにらめっこしながら本当に自分たち以外のプリキュアなんているのかと不安がるシエルに対し、はなは「いるよ!」と力強く答える。そしてはなの脳裏に浮かぶのは、第22話で自分たちに大切なことを教えてくれたキュアブラックとキュアホワイトの姿。
- プリキュアに関する会話を聞きつけ、1人の男が声を掛けてきた。そのブンビーという男はプリキュア5といい勝負をした事があるらしく、最近クライアス社に引き抜かれたが、トラウムの部署でとんでもないモノ(トラウムの時間操作スーツであるようだ)を作る手伝いをさせられており、いいようにこき使われて、あまりのブラックさに逃げ出してきたのだとか。
- ブンビーの相手はキラパティでいちか達に任せ、はなとさあやは町の散策を続ける。するとさあやに「あなたCMの子でしょ」と一人の少女が話しかけてきた。さあやも有名になったものだと思っていると、その少女は「さあやのCMの曲は友達の春日野うららが歌っている」と言う。そして少女は夢原のぞみと名乗った。はなが「よろしく!」と挨拶した途端、またもおでこごっつんこ。
- その直後、スーツを組み立て直したトラウムが、時間を戻して復活させたオシマイダー軍団と共に出現。のぞみははな達の前でキュアドリームに変身する。のぞみこそが探していたプリキュアの1人だったのだ。
- しかし、トラウムが「ストップ・ザ・ショータイム!」と叫ぶと、再生オシマイダーが時間停止エネルギーを広範囲に放出させると周囲の時間が停止した。トラウムはオシマイダーにも時間操作技術を組み込んでいたのである。
- しかもその影響はこの街だけでなく、歴代のプリキュア達が救った彼女達の故郷の町にも及んでいた。そしてそれぞれの街に住むプリキュアたちもまた時間停止により動かなくなってしまっていた。実は他のプリキュア達がいる街にも再生オシマイダーが派遣されており、いま同時に時間停止エネルギーを発していたのだ。
- 一応、はぐたんの力やミライクリスタルの加護によってハグプリの面々と一緒に行動しているプリキュア達は時間が停止した中でも動くことができている。だが逆に言えば、再生オシマイダーの襲撃を受けた他の町のプリキュア達は時間停止の例外ではない。「残るプリキュアは君達だけ」と嘲笑するトラウムだったが、エールは「そんな事ない!プリキュアはまだいる、絶対に!」と敢然と反発する。そしてその言葉通り、時間の止まった街に凛として立つキュアブラック・キュアホワイト・シャイニールミナスの姿があった。
■第37話
- 世界中の時間を止めたトラウムの巨大メカに挑みかかるプリキュア達。しかしいくらダメージを与えても「リバース・ザ・タイム」ですぐに復元してしまう。だがシフォンの能力で、ほまれチームが合流し、チアフルアタックが炸裂して、ようやく巨大メカを破壊したかに見えたが……
- 周囲に溢れるトゲパワワを吸収し、巨大メカはオシマイダーとして再生した。逃げ遅れたはぐたんを助けようとして、一緒に捕えられてしまったエールは絶体絶命のピンチに。その時、空から2つの鉄拳が降ってきて巨大メカに強烈な一撃を食らわせた。キュアブラックとキュアホワイト、そしてシャイニールミナスが駆けつけてくれたのだ。しかしプリキュアに対する怒りでトラウムの発したトゲパワワは、暴走して暗黒空間を発生させ、プリキュア達は呑み込まれてしまった。
- 全てのアスパワワがトゲパワワに変換された暗黒空間の中で、変身も解除され、宙を漂うはな。仲間達もみんな意識がなく、空しく暗黒空間に浮かんでいる。「力が…入らない…これで…終わりなのかな…」
- その時、虚ろなはなの目に、右手のブレスレットが映った。みんなで作った友情の証。未来への誓い。ここで終わってしまうなんて……「それは…ちょっと…やだな……フレフレわたし…フレフレみんな…!」その心の応援はみんなの魂に響き、外にいるはぐたんや妖精達の声も加わって、己自身と、仲間を鼓舞する大音量のエールに変わってゆく。「フレフレわたし!フレフレみんな!フレフレプリキュア!!」
- そして暗黒空間は打ち破られ、一同は再変身する。怒り狂うトラウムは自らオシマイダーに変貌し、無数のオシマイダーと過去の怪物達の大軍団を出現させた。さすがに多過ぎると一同はたじろぐが、エールは力強く叫ぶ。「大丈夫…わたし達は負けない!フレフレわたし!フレフレプリキュア!」
- その檄に応えるがごとく、Go!プリンセスプリキュアが、ハピネスチャージプリキュアが、時間停止から解放された歴代のプリキュアが応援に駆け付けた。頼もしい仲間たちがいれば、もう怖いものなど無い。プリキュアオールスターズはオシマイダー軍団を蹴散らし、オール桃キュアの総攻撃がトラウムオシマイダーを叩きのめす。
- ところが怒りと屈辱でトラウムオシマイダーのトゲパワワは爆発的に膨れ上がり、なんと地球を凌駕するサイズの超巨大怪物に変貌してしまった。さすがに「こんなの…どうすれば…」と怯みかけるエールだったが、「大丈夫。自分を信じて、仲間を信じて!」「こんな時だってわたし達は絶対に諦めない!」というブラックとホワイトの励ましで勇気を湧き立たせる。
- そのプリキュア達の未来を夢見る希望の力で、プリキュアミライブレスが誕生。プリキュア達や、満と薫、キュアフラワー、ピカリオ、レジーナ、キュアエコーなど、みんなの思いを乗せた必殺技、プリキュア・オール・フォー・ユーで、遂にトラウムオシマイダーは浄化され、消滅した。
- その消滅の刹那、トラウムは過ぎ去った時間を見ていた。誕生した頃のルールーと微笑み合う自分の姿。「戻りたいものだ…」と呟く彼に、ルールーは「時は戻りません。ですが、明日は来ます」と語り掛ける。「そうだな…すまなかった」「いつかまた、お会いしましょう」嬉しそうな笑顔にうっすら涙を浮かべ、トラウムは光の中へ消えていった。
- 元通り時間が動き出した世界。プリキュアがあんなにたくさんいた事に驚きつつ、はなはいつかまた頼もしい仲間達に会えると信じるのだった。「みんな、ありがとう!」
■第38話
- 「んにゅにゅにゅにゅ!ひゅ~どろどろ!ひぇーへっへっへっ!うっひょひょひょひょ!」と、謎のテンションで奇声を上げながら、お絵描きに没頭するはな。ハロウィンイベント用のポスターを描いていたのだが、お化けやモンスターばかり強調した怪奇テイストの絵に、はぐたんは泣きだしハリーはドン引き。
- ちなみにイラスト自体は「ヘタウマな絵の雰囲気をデッサンを崩さずにちゃんと描く」という割と高度な技法が使われていて、ロゴデザインも含めた全体のレイアウトもきっちり計算されていて、はなの美術センスの高さがわかる。
- ハロウィンを知らないハリーとルールーのために、ハロウィンとは何か説明をしようとするも、「仮装もそうだけど、かぼちゃとかコウモリとかお化けとかガイコツとか、あと……お菓子!」という曖昧な解説しかできず。さあやがミライパッドでちゃんとした由来(=失われた魂が現世に戻ってくる日)を調べて教えてくれたが、ハリーやルールー達の時代ではそのような風習はなくなっているという。だったらよけい楽しんでもらわなくてはと、はな達は仮装用の衣装づくりを張り切る。
- ハロウィンイベント会場に佇むハリーを見つけたはなだが、ハリーはなぜか悲しげな表情を浮かべていた。気になって声を掛けるも、いつもの明るい調子で受け答えされ、心にひっかかるものを感じつつもそれ以上は問い質せなかった。
- みんな仮装姿に着替え、いよいよはぐたんの番。様々なコスプレをさせて「きゃわたん!」と興奮する一同だったが、はぐたんの疲労度が78%にアップ(ルールーの計測による)。自分達の好みで着せ替えていた事を謝り、「はぐたんは何になりたい?」と聞くと「ぷいきゅあ!」とのお答え。うれしくなったはな達は、その要望に応え、あと1時間後に迫ったイベントに間に合わせるべく、特急で衣装づくりスタート。
- しかし会場に猛オシマイダーが出現。怒るはなだったが、そこでひらめき、この状況を逆手に取ることを思いつく。あえて自分達の存在をアピールして、「プリキュアショー」として派手に戦うことにしたのだ。逃げ惑っていた人々も、一転してプリキュアを応援する大歓声を送る。その甲斐あって、大盛り上がりの中、猛オシマイダーは倒され、プリキュア達は満面の笑顔で去ってゆく。
- その戦闘後、「あ~、5分で終わっちゃった」という子供の声を聞きながら、苦々しげな顔で撤退するリストルの姿があった。今回、リストルからのクライアス社復帰勧誘を受けて心揺らいだダイガンが猛オシマイダーを出現させたことも、浄化された彼が再度改心したことも、はな達は知る由もない。
- イベントのダンスパーティーの輪に加わろうともせず、ぼうっと眺める元気のないハリー。さあやからハロウィンの由来を聞いて以来、少し様子がおかしいようだ。はなは声を掛けると、ハリーは「時が止まってしまったら、昨日はいつまで経っても昨日のまま。失くしたもんは失くしたまま取り戻すこともできへん。忘れようにも諦めようにも時間が動けへんかったらどうしようもない」と、いつにもなく弱音を吐く。はなはハリーがまだ自分達に明かしていない辛い過去があることを感じ取った。
- そんなハリーを「大丈夫だよ、ハリーにはわたし達がいるよ!絶対に未来を奪わせたりしない。新しい明日をみんなで迎えよう!」と励ますはな。ようやく笑顔が戻ったハリーと共に、ハロウィンの夜へ繰り出そうと仲間達と合流する。この時、はぐたんを抱っこしているはなの姿にハリーは『想い出の人』が一瞬だけオーバーラップして見えた。そう、今夜は永遠の別れを遂げた大切な人と再会できる祭りの日……
■第39話
- ダンスするはぐたんの成長に目を細める一同。そこで運ばれてきたえみるとルールー作のメガ盛りホットケーキを口にしたところ、美味いとか不味いとかという次元を超えた未知の味覚に「メガめちょっく!」
- その時、周囲の風景がノイズのように乱れ出し、気がつくとはな達は、ハリーの故郷であるハリハリ地区に飛ばされていた。ハリーの兄弟分のハリハリ族たちも顔を出し、果たしてここはハリーがいた未来なのかと困惑する一同。ハリーの住んでいた未来は時間が止まってるはずなのに・・・
- しかしハリハリ族たちのキュートな仕草にあまり深いことは考えずに戯れるはな達。ハリーはこれがありえないことだと頭では理解していながらも、在りし日の家族達が自分を歓迎してくれる暖かさに抗えなかった。
- すると突然、ハリハリ族の家族達がバタバタと倒れていく。これはハリーがかつて経験した悲劇の日と同じだ。そこへ一陣の突風が吹き、プリキュアに変身して耐えようとするも飛ばされてしまい、今度は不思議なだまし絵のような空間、『ドクター・トラウム特製の無限迷路』に閉じ込められ悪戦苦闘する。やはりここはクライアス社が作り出したバーチャル空間だった。一方、プリキュアの守りがなくなったハリーの前にはリストルが現れる。
- リストルはハリーからミライクリスタル・ホワイトの情報を聞き出すために彼をこの空間に閉じ込めたのだ。そしてハリーの心を折るために彼がかつて経験した悲劇を追体験させようとしたのだが、ハリーと同じ場所にいたプリキュア達も巻き込まれてここへやってきたため、まずは邪魔者のプリキュアを追い出したのである。
- リストルはハリーに対して「もうクライアス社に逆らうのはやめろ」と説得するが、無論ハリーはそれを拒否し格闘戦が始まる。しかし技量の差もあってハリーは動きを封じられてピンチに。それを見たはぐたんがメロディタンバリンを叩き、「はぐたん、ここ~!」と叫ぶと、その声は無限迷路内のプリキュア達に届き、エール達ははぐたんの声を頼りに空間の壁を破って戻ってきた。驚くリストルに「壁があるなら壊す! ハリーをいじめるな!! はぐたんを泣かせるな!!!」と啖呵を切るエール。
- するとリストルは「私は真実を伝えようとしたのみ」と言い、彼が指を鳴らすと辺りが荒廃した風景に変わった。瓦礫の山と、荒れ果てたのびのびタワー。未来のはぐくみ市の姿だった。トゲパワワが充満し、人々は動かない時間の止まった世界の有り様にエール達は慄然となる。
- 「これがあなた達の守ろうとしている未来ですよ。あなたが思う未来は存在しません」と言いながら、リストルは猛オシマイダーを召喚。トゲパワワの影響でパワーアップした猛オシマイダーに一同は大苦戦する。
- 「まだわからないのか、強大な力の前では我々は無力なんだ!」と言い放つリストル。自分たちがかつてどんな目にあったか思い出せとうながすリストル。バーチャル空間の効果もあってハリーは過去の辛い記憶をリアルに追体験していく。病に苦しむビシンや兄弟分達、子供達を安全な場所で治療させる約束をクライアス社と取り付けたこと。しかしその希望は裏切られ、炎に包まれるハリハリ地区…… 炎を前に泣き叫ぶハリーに「これは私たちのせいではない。未来とは夢見た結果だけを運ぶものではないことは知っていたはず」と空しげに呟くトラウムの言葉…。
- 「小さな力を必死に合わせたとしても、強大な力に勝つことはできない!そんな夢がかなうなら、俺達の故郷は滅びることはなかった!」とリストルに畳み掛けられ、耐え切れなくなったハリーは絶叫する。リストルの言葉を否定できず、過去の思い出に囚われたハリーはその心が折れていく…
- だがその耳に「フレフレ、ハリー!」というエールの声援が聞こえてきた。エールは自分もボロボロなのに「プリキュアはあきらめない!わたし達の未来を掴もう!」と応援を送ってくれる。その姿に、折れかけていたハリーの心は立ち直り、「フレフレ、プリキュア!」と応援で応えた。「その思い、受け止めた!」とエールはハート・フォー・ユーで猛オシマイダーを浄化する。
- そしてリストルとエールは一騎打ちに。「俺は明日などいらない。ただ絶望するための未来など必要ない!」と言うリストルに対し、「そうだね、だから未来は素敵なものにしなくちゃね。はぐたんがダンスをできるようになったり、大きくなっておしゃべりすることが増えたり…それが未来。だから未来はとっても愛おしいものなんだ!」と主張する。
- そのエールの心から溢れるアスパワワとはぐたんの声に応えてミライクリスタルホワイトが輝くと、巨大な金色の女神像が出現。それを見たリストルは「マザー!?」と驚愕する。プリキュア達はマザーハートスタイルにフォームチェンジし、合体浄化技を放つ。リストルは暖かな光の中に包まれて、「明日…オレの願う明日は…」と迷いとも悔恨とも取れる呟きとともに消えてゆく。
- その光の中でエールは、プリキュアによく似た姿の少女に語りかけられていた。「お願い…救って、未来を」と言いながら自分を抱き締める少女が何者なのか、その言葉が何を意味するのか、わからないままエールの意識は薄らいでいった。
- 一方、リストルは浄化も消滅もされなかったが、心身ともに極限状態であざばぶ支社へと帰還していた。「探し求めていたミライクリスタルホワイトがマザーハートへと姿を変えた」とほくそえむジョージの胸倉を掴み、「俺は…お前が憎い!」と睨みつけていた。冒頭ではジョージに「僕が憎いかい?」と問われ、「忠誠を誓った日から私の全てはクライアス社のもの」と答えていたはずなのに、マザーハートの出現で本音が隠しきれなくなっていたのだ。リストルはそこで力尽きて気を失ってしまうが、ジョージはそんな彼に「おやすみ、リストル」と優しく毛布を掛ける……。
- 一方のはな達はリストルの撤退によりバーチャル空間の制御が停止したようで、何とか現実世界に帰還。ハリーがこれまでの経緯を話そうとしたところで、何とトラウムが訪れてきた。
■第40話
- 前回、はな達が未来世界を体験したのはやはりトラウムの仕業だった。トラウムは未来で起きた出来事について語り始める。人形劇風の進行で。未来をなくそうというクライアス社に対抗し、4人のプリキュアが戦っていたと聞き、思わずマペット人形のような顔でノリながら「未来にもプリキュアが!」と間の手を入れるはな。
- そこでプレジデント・クライは、未来を育む女神・マザーハートの力を宿すキュアトゥモローを消し去ることで時を止めることにしたのだという。はなは前回、自分を抱き締めて「未来を救って」と懇願したあの少女こそがキュアトゥモローだったと気づく。
- そこからはハリーが話を引き継いだ。暴走しクライアス社に拘束されたハリーはトゥモローに助け出される。しかしその後の戦いでプリキュア達は敗北し、トゥモローは囚われの身となってしまうが、恩返しとばかりに今度はハリーが、クライアス社を裏切ってトゥモローを救い出し逃亡。マザーハートの力で過去へと逃げる途中、トゥモローは赤ん坊の姿、すなわちはぐたんに変わってしまったというのだ。初めて知らされたはぐたんの正体にびっくりしつつも、はなはそんなハリーの思いを汲んで、改めてはぐたんを守ることを決意する。
- トラウムはクライを止めて欲しくて、今の話をしに来たのだと言うが、その時を止める計画に加担していて、なおかつ自分を捨てたトラウムが、今更なぜやって来て父親面をするのか理解できないルールーは苛立ちが止められず、ビューティーハリーを飛び出してしまう。
- 探していると、たこ焼きをヤケ食いしているルールーを発見。「あのまま彼と向き合っているとシステムエラーを起こしそうだった」と言うルールーに対し、はなは「システムじゃなくて心でしょ」と諭す。自分の名前は「野に咲く花のように強く元気に咲いてほしい」と両親が願いを込めてつけてくれたことを明かし、「アムールは『愛』という意味。トラウムさんもルールーを初めて見た時に愛おしいって思ったんじゃないかな。聞いてみたら?アムールの意味」と、ためらうルールーの背中を押した。
- ルールーを作り上げた頃の思いを告白したトラウムとルールーは和解し、襲ってきたジェロスと猛オシマイダーも退け、一件落着。「はぐたんを未来に帰してあげなくちゃ」と張り切ろうとするが、はぐたんが帰るということは、ルールーも帰らなくてはいけないということと気づいたえみるが大ショックを受けたところで、第40話は終了。
■第41話
- えみるがショックのあまり精神を病み、無感動状態(ことり曰く『変』)になってしまったことを聞かされ驚く。もっとも、自分もああは言ったがお別れは寂しく思っていた。だからこそまずはえみるに元気になってもらおうとする。
- で、その方法がカッパの着ぐるみで迫るというシュールなもの。えみるがカッパ好きと思ってのことだったが別に好きじゃないと返され「めちょカッパ!」
- ビシンからツインラブのことを知らされたえみるの祖父・愛崎獏発が現れ、反対していたギターを続けていたこととそれをそそのかした(と思いこんだ)ルールーたちを非難する。はなが真っ先に怒りを露わにするがアンリに止められてしまう。はな以上にえみるを想い、その気持ちに応えようとする人物……正人が自ら立ち上がったから。
- 改めてきちんと話し合おうとすると、今度は獏発を素体にした猛オシマイダーが現れる。3人が迎え撃ち、直後エールがすかさずフラワーシュートを撃ちこみ時間を稼いで変身できないえみるたちを逃がした。
- 後日。ツインラブのステージが終了すると、改めて別れの話になり今度ははなも泣きだしてしまう。つられて全員涙するが、本当のお別れは笑顔で迎えようと宣言するのだった。
■第42話
- 大会に出るアンリのために、コスチュームをデザインするも「滑りにくそうだから」の一言で却下され「めちょっく!」。しかし「まぁ悪くない」と続けられ、「アンリくんはなんでいつも最初はノーから入るの!?」とツッコむと、「君もボクに詳しくなってきたね」と返される。何だかんだ言いつつ、仲良くなったアンリを精一杯応援しようとはなは思う。
- ちなみに、アバンタイトルで鼻歌交じりにデザイン画を描いているが、このときの鼻歌ははなのキャラソン「フレフレ!アイム・ア・チアリーダー!!」。はぐたん役の多田このみによると、この鼻歌ははな役の引坂の提案によるもので、よく見れば鼻歌に合わせてはぐたんが応援うちわを振りながら「ふれふれ!」と合いの手を入れているのがわかる。
- 公園で「わたしはどんな応援ができるのかな」と考えていると、チャラリートが声をかけてきた。敵対していて、しかもオシマイダーと化した自分を救ってくれた恩義を忘れていないというチャラリートの感謝に照れつつも、「頑張れなくなった時に、今までもらった『頑張れ』が効いてくる。自信持てって」という彼の言葉は、はなを笑顔にさせる。
- ところがアンリは大会当日、会場に向かう途中で交通事故に遭い、再起すら危ぶまれる大怪我をしてしまう。会場でそのニュースを知ったはなは大ショック。さらに絶望するアンリの心はリストルにつけこまれ、「未来なんか壊してしまえ」と闇に沈んだ彼のトゲパワワを糧とした猛オシマイダーが暴れ出す。
- 変身してなんとか彼を助け出そうと奮戦するプリキュア達。だが、さすがのキュアエールももはや「頑張る」ことが許されなくなったアンリに頑張れなんて軽くは言えず「わたし、何て言えばいいのかわかんないよ!」と叫ぶ。だが、それでも・・・「わたしは悲しい顔のアンリくんをほっとけない!わがままかもしれない、けど応援したいの!」
- 「フレフレ!心に聞いてみて!アンリくんはどんな自分になりたいの!?」と応援するエールの声に、アンリの心は苦しみ耳を塞ごうとするが、それでもエールはやめない。そしてアンリは自分が何者になりたかったのかという原点の記憶がフラッシュバックする。
- 「フレフレアンリくん!」と全力で応援を送るエールとプリキュア達の声、そしてミライブレスが奇跡を起こした。アンリはプリキュアに、キュアアンフィニに変身を遂げる。しかもはなが描いたデザイン画とそっくりのコスチュームだった。みんなの心からの応援を受け止めたアンフィニは華麗なスケーティングで猛オシマイダーを翻弄し、勝利へとつないだ。
- 戦闘が終わるとアンリの姿は元に戻り、足も大怪我をした状態に戻ってしまった。ミライブレスが起こした一時的な奇跡だったが、アンリはもはや絶望せず、なりたい自分を新たに探すと誓う。「エールとはフランス語で『翼』。応援はみんなの心に翼を、新しい世界に飛び立つ翼を生やすこと」というアンリの言葉に、「わたし、そういう応援がしたい!みんなの心をフレフレしたい!」と決意を新たにするはなだった。
■第43話
- ほまれの応援のため、みんなで応援幕を作成。デザインがなぜか虎で、それをきっかけにほまれとハリーの口喧嘩が始まるが、どうもほまれの様子がおかしい。パップルによればそれは「恋」らしい。ほまれがハリーに思いを寄せていたことに、お子ちゃまなはな・えみる・ルールーは今まで気づいていなかったのだ。そのような状態で果たして大会に集中できるのか…。
- 夕暮れの歩道橋で「恋か~…どう応援したらいいんだろう?」と思い悩んでいると、いつの間にか背後にジョージが立っていた。血相を変えて「ミライクリスタルは渡さない!」とプリハートを構えようとするはなの手首を掴み、「君に会いに来たんだよ。野乃はなの周りには奇跡が満ちている」と言うジョージ。動揺しつつも「それはみんなが頑張ってるから…もうわかったでしょ?時間を止めるなんてやめて!」と抵抗を試みるはなだったが、「希望とはすぐに絶望に変わるものだと君は気付いている…君は本当に素敵な女の子だ、じゃあまたね」と一方的に言いたいことだけ言って、次の瞬間にジョージは一陣の風と共に姿を消していた。
- その夜、ジョージが以前雨の日に貸してくれたハンカチを見つめながら、「君は本当に素敵な女の子だ」という彼の言葉を反芻する。ジョージは一体何を考えているのか……いくら悩んでもわからない。しかし明日はほまれの応援に集中しなくてはならず、第20話の前科もあるためルールーに促されて、ひとまず今夜はベッドに。
- 大会当日、ほまれ本人より落ち着きがなく、「あ~、緊張する~!お水飲む?それともお菓子?」と騒いでは、ほまれに「わたし達がワタワタしたらダメだよ」と窘められる。そしてほまれに「はな、フレフレして!」と要望されて、さあや・はぐたんと一緒に精一杯のフレフレを送った。
- そしてほまれが準備に向かった後、観客席にいるルールーに連絡し、一緒にいたハリーを、ほまれに引き合わせるよう仕向けた。演技を前に、あえてハリーと対面させることで、ほまれは何らかの形で自分の心に区切りをつけるだろうと読んでの計らいだった。もしハリーからどんな答えが返ってこようと、きっと今のほまれなら前向きになって演技に集中してくれるはずだから。
- そしてハリーの答えは案の定だった。ハリー自身、『あの女性』に気持ちを伝えていない以上、ほまれの思いには応えられないという。涙ながらに走ってきたほまれを、はなは両手を広げて出迎え、ハグする。
- 本作の前半では、はなはジョージを「かっこいい大人」として憧れの目で見ていたことは作中でも強調されているが、『アニメージュ』増刊号でのインタビューでは、これははなにとっての初恋であったとのこと。だが、はな自身がそれを明確に自覚するより前にジョージが敵の首魁であることが判明してしまったのである。「初恋の痛み」を経験したからこそ、はなはほまれを抱きしめられたと言えるかもしれない。
- 声を張り上げて泣きじゃくるほまれを、はな・さあや・えみる・ルールーは、涙を浮かべながら優しく見守った。だが、おかげで心の整理がついたほまれは演技に集中し、高難易度の4回転ジャンプを成功させる。
- そんなほまれの失恋を、ビシンは「あれだけ教えてやったのにバカな奴」とあざ笑うが、「そんなことない!勇気を出して行動した人をバカにする権利なんて誰にもない!」とエール達は反論し、猛オシマイダーに勝利。大会もほまれの優勝に終わり、今度は嬉し涙と共にみんなで喜びを分かち合うのだった。
■第44話
- さあやが母れいらとの共演作「薔薇の騎士と姫の夜明け」の撮影が始まるので揃って見学に。はぐたんも赤ん坊役として特別出演することもあって期待も高まる中、突如空間が歪んだと思ったらはなたちは映画の台本そのままのファンタジーな世界に来ていた。
- はなは勇者、さあやはお姫様、ほまれは武闘家、えみるは魔法使い、ルールーは黒猫のルル。そしてハリーとはぐたんは子連れ狼ならぬ子連れネズミ。女騎士れいらや医師の姿のマキ先生も巻き込まれたこの状況、勇者はなちゃんは「ラスボスを倒せばいいんでしょ!?」と意気込みながら剣を抜くと……なんと剣では無く伝説のカチンコ。れいらもこの状況下撮影する気満々ではなに撮影を開始するよう要求。ルールーの分析によれば以前ほまれが人魚姫の世界に入り込んだ時同様のVR空間に来ており、全員の意識が映画の撮影にあるので、物語を終えれば出られるはず。ならばとはな監督による撮影が始まることに。
- さあやの演技ははなから見れば申し分ない。しかしそこに乱入してきたのはねぎ……ではなく平民役の蘭世。「さあやが他の事に気を取られて芝居の世界に入り込めていない」と看破、れいらも「芝居に心が感じられない」と指摘する。
- 休憩に入り、さあや、ほまれと共におにぎりを食べながら語り合おうとすると、絶叫が聞こえる。えみるとルールーが藪の中をつついたら巨大生物が出現。一同は追いかけられることに。と、その時颯爽と現れた平民役のダイガン。いつも通り「5分で倒す!」と意気込むが踏み潰されて3秒の新記録で瞬殺。あまりのあっけなさにはなも「部長~!」と叫んでしまった。
- ダイガンがマキ先生の治療を受けているころ、外にいるはなは「さあやはお母さんと共演するの迷ってるのかな?」と疑問に思う。「お母さんと共演するのが夢というのはさあやの本当の気持ち」と返すほまれに対し「ワールドジュニアで優勝するという夢を叶えてどんな気分ですか?」とアナウンサー口調で問うはな。ほまれは「もっと新しい世界が見たい」と答えた。
- そして撮影再開。さあやの魂の入った演技に一同は感激するが、さあやはついに本心を明かす。それはこの映画を持って女優を引退し、医師の道を歩むというものだった。
- さあやの決断、受け入れた蘭世やれいら。しかしれいらは娘が巣立つということに心が揺らいでおり、そこをこの空間を作ったリストルにつけ込まれる。れいらを元にした猛オシマイダーが現れ、はぐたんを中に閉じ込めてしまう。エールはエトワールと共にアシストする形でアンジュを中に飛び込ませた。
- 母子との対話を経て猛オシマイダーからアンジュがはぐたんを救い出し、浄化すると元の撮影所。そしてれいらもさあやも自らの言葉で熱演した。
- 撮影終了後、どこかで見たような坂を下ると、ダイガンがクリスマスセールの会議がある事を思い出して猛ダッシュ。季節はもうクリスマス。はなは「サンタさん今年も来てくれるかなあ」とプレゼントを楽しみにしているようだが、その時はぐたんがまたも不思議な力を使う。と、空から振ってきたのはなんとサンタクロース。いつぞやの先輩2人が来たときほどではないものの、まさかの人物が現れ驚く一同。
■第45話
- サンタさんとトナカイが風邪をひいてしまいクリスマス中止!? 「そんなのやだやだー!」ということでお手伝いすることになる。ハリーにトナカイ役をお願いしようと無茶ぶりしたその時、トナカイメカを連れたトラウムが現れ移動手段も確保できた。
- ラッピング用の包装紙に一生懸命お花の絵を描くはなに感心するサンタさん。一方その頃ジョージ・クライも同じように花畑の風景画を描いており、2人の間に奇妙なシンクロニシティがある演出がされていた(カンバスサイズや画力は年齢差のせいか段違いだが、はなもなかなかの腕前)
- 24日当日。サンタ衣装でえみる、はぐたん、トラウムと共にサンタのお手伝いでメカトナカイに乗り込む。サッカー選手志望の男の子も両親を想って泣いていた女の子もMAAの大人もみんなプレゼントを楽しみにしていて、彼らの笑顔が見られるたびこっちまで嬉しくなってきた。
「わたしもサンタさんみたいに、みんなを笑顔にできるお仕事がしたい!」
- 翌日。パーティーの準備をしていたら突如ジェロスが現れた。トゲパワワを飲み干し猛オシマイダーとなって暴れる彼女に立ち向かい変身する。
- 「どうして時間が進むのが怖いの? 未来はきっと……」と問うも、歳若いプリキュアでは加齢を恐れるジェロスの心を開くことができない。彼女らとて大人になる過程でたくさん悩み傷つき立ち上がってきたのだが、そんなこと知る由もないのだから無理ないか。
- そこへ、ジェロスと苦悩を共にしてきたジンジンとタクミがやってきて、ジェロスの心を開くための説得を試みる。そして彼らは敬愛する先輩がこれ以上苦しむのは見てられないとして、彼女を解放するためにプリキュアに協力。その結果、ジェロスを無事浄化することに成功した。
- その後パーティー開始の時間になり仲間や友人が揃って笑顔を見せる。イケてる光景に幸せを噛みしめるはなだがそこはオチ担当、タイマーをセットしカメラの前へかけよるなりずっこけるお約束で2018年最後の放送を締めくくった。
■第46話
- 全員そろって晴れ着で新年のご挨拶。「みんなの新しい一年、キラッキラに輝いてるよ~!」と笑顔で手を振るが……。
- はなは夢を見ていた。なぜかウェディングドレス姿でドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を鑑賞している。その力強く未来を見据える瞳に感嘆しているところにジョージが現れた。だが彼は「美しい輝きは一瞬、人の心は時と共に変わってしまう」と嘆き、涙を流す。そして「今、君は幸せかい?ならば永遠に…」と手を伸ばしたところで、はなは目覚めたが、なぜか自分もまた涙を流していた。一方、ジョージも全く同じタイミングで全く同じ夢を見ていて、彼もまた涙を流していた。
- 祖母のたんぽぽや、MAAの面々、トラウムも集まったにぎやかな正月となり、「お正月って最高!」と喜ぶ。その後も節分・バレンタイン・ひな祭りなども控えているとあって、「わたし達の未来は楽しい事一杯!みんなの未来、輝いてる!」と目をキラキラさせた。
- ちなみにそのイベントカレンダーでは、バレンタインは男子役のほまれにはながチョコを手渡す図、ひなまつりははながお内裏様でさあやがお雛様となっており……うん、ひなせ君どこにもいないね。
- そのただのクラスメート…もといひなせのコンサートのチケットを引き換えにのびのびタワーへ。ところがエレベーターの中でジョージとばったり出くわす。花言葉が『永遠の幸福』であるクラスペディアの花束を差し出すジョージの手をはねのけ、「いらない!時を止めるなんて間違ってる!どうしてみんなを苦しめるの!?」と問い詰めるが……
(時を止めて苦しむ人たちのわかりやすい実例。)
- ジョージは「未来の時を止めたのはボクではなく、そこに生きる民衆だ」と衝撃的な真実を口にした。文明が進化しても人間の心はそれに比例する事はなく、やがて蔓延したトゲパワワがアスパワワを消し去り、世界は荒廃し、文明は滅んだ。そして最終的に世界の時間が止まってしまったというのだ。何度救っても人類が変わることはなかったというジョージは、世界が破滅するより先に自らの手で時間を止め、その中で幸せな思い出を永遠に夢見ることができるように管理することを考えるようになった。それだけが唯一の救済だとして。
- 未来のプリキュアを倒したのも、愚かな人々を救うためにあがく彼女達の苦しみを取り去ろうとしただけだと言うジョージ。しかし「人類が生まれ、命を持つ事。それは悲しみ、悪い事なんだ」というあまりの極論には納得できるはずもなく、「違う!人の心には一杯希望がある!アスパワワは無限に生まれるの!」と反論するはなだったが、「でも君は人間が悪い心を持ってないと言い切れる?」との問い掛けには思わず言葉に詰まった。頭をよぎるのはいじめに遭っていた日々、辛く孤独な時間、背後から感じる悪意の視線……がっくりと崩れ落ちたはなの体からは、トゲパワワが生じ始めていた。
- ジョージは再び「さあ、一緒に行こう」と手を差し伸べるが、はなは気力を振り絞り「行けない…わたしはプリキュアだもん。みんなの未来を守る!」と叫ぶと、漂うトゲパワワを打ち払った。そこにさあやとほまれが駆けつけるも、ジョージは花束を拾い上げると、「またね」と一陣の風と共に姿を消した。
- さぞ怖かったろうとはなを気遣う仲間達。しかしはなは自分の安否よりも、あんな悲しい目をする人間がいた事を憂えていた。ほまれの発案で今晩は皆でビューティーハリーにお泊りする事にし、大切な友達と過ごす時間に安らぎを感じるはな。だが翌朝、店の外に出てみるとクラスペディアをあしらった小さな雪だるまが置いてあった。ジョージがここまで来ていたのだ。どんな贈り物をされようと、理想を語られようと、時を止める事には賛同できないはなは「永遠の幸福…どうしていつも…」と呟く。
- 夜明け前からひなせ達の新春コンサートが開始。日が昇り始め、色づき始めた街の景色に見とれた次の瞬間、空に渦巻く暗雲の中からクライアス社ビルが出現した。そこから発せられたビームで、街中の時間が止まってしまう。「もう時は止まった。君達がどうあがこうと未来は来ない」と言うジョージに対し、「そんなのまだわからないでしょ!」と反発するはな達の体からはまだアスパワワが溢れ出てくる。ジョージは「君達を説得する必要がありそうだ」と大量の猛オシマイダーを召喚した。
- プリキュアと猛オシマイダーの戦いを見物しながら、「いくら君達がアスパワワを増やしても、際限なく人々はトゲパワワを増やす。少女が築いた理想の王国は、人々の望みが尽きなかったが為、希望が欲望へと変わり、王国を狂わせていった」と呟くジョージ。しかしエールは屈せず、「トゲパワワがどんなに増えてもアスパワワは消えない!わたしはみんなとクリスマスもお正月も節分も、バレンタインもひな祭りも過ごしたい!わたし達は負けない!みんなの未来を取り戻す!」と叫び、皆でオシマイダー軍団を浄化した。
- それでもジョージは余裕を崩さず、「君には現実を見せないといけないな」と言うと、ビルを巨大な魔人に変貌させ、はぐたんを吸い込んでしまった。そして助け出そうとするエールの前にはリストルとビシンが立ち塞がり、最後の戦いを挑んできた…!
■第47話
- リストルとビシン、さらに猛オシマイダーの大群が襲い来るが、MMAの3人とトラウムが助っ人に現れた。チャラリートの背後から飛びかかろうとする猛オシマイダーにキックを見舞うと、背中越しにチャラリートは「サンキュー!ちゃんはなのフレフレ、俺ちゃんの心に残ってる!」と礼を言う。かつて敵だった彼が、いまや背中を預けられる味方になった。エールの顔に嬉しそうな笑みが浮かぶ。
- かつてのわだかまりを捨てて共闘するトラウムやダイガンの姿に怒りを募らせるリストルとビシンだが、ハリーの懸命の説得を聞いたリストルは屈し、納得できずに自ら猛オシマイダー化したビシンも、心を取り戻したリストルの訴えの前に涙を流して戦いを止め、プリキュア達によって浄化され救われた。残るはジョージ一人。ジェロス・ジンジン・タクミの協力を得て、プリキュア達は巨大魔人の体内に突入する。
- はぐたんを助けようとするも、エールは鉄の籠に閉じ込められる。アンジュ達4人も枯れ木の中に拘束したジョージは「君がわかったと言うまで続ける」と落雷を浴びせる拷問を加えた。さらに外ではハリーや仲間達が倒されており、皆が傷つけられる有様にもはや耐え切れなくなったエールは「時を止めれば君の悲しみは終わる」と言うジョージの誘いに同意しそうになる。「これ以上みんなを苦しめたくない……だから…時を…」
- しかしその時、「何言ってるの!プリキュアは諦めない!」というアンジュの叫びが耳に届いた。拘束を振りほどき、口々に「これからの人生、まだ色んな事あると思うし!」「こんなの何ともないのです!」「わたし達は一人じゃない!奇跡を信じる!」「奇跡を起こす!」と叫びながら、マシェリとアムールはジョージを護るバリアを、アンジュとエトワールはエールの閉じ込められた鉄籠を破壊しようと挑む。
- 鉄籠の高熱で手を火傷するのも構わず、「わたしにできないことがあなたにはできます、あなたにできないことがわたしにはできます!力を合わせれば、素晴らしい事がきっと…できるでしょう!」「どんな自分になりたいの?はなの目指してきた野乃はなから逃げちゃダメ!」と、かつてお互いに励ましあった言葉で、アンジュとエトワールはエールに檄を飛ばす。そして皆が「プリキュアは諦めない!わたし達の未来を取り戻す!」と叫んだ時、バリアも鉄籠も砕け散った。
- だがやっと同じステージに立ったと思ったのもつかの間、床に大きな穴が開いた。「なんでもできる…」「なんでもなれる…」「輝く未来を抱き締めて…」「負けないで、はな…」励ましの言葉を残し、アンジュ達は暗闇の底へ消えてゆく。「やっと二人きりの世界だ」と微笑むジョージが指を鳴らすと、周囲は一面の花畑に変わった。「ソリダスター、花言葉は『永遠』」……だが負けられない。みんなの夢と未来を賭けた決着の時が来たのだ。
■第48話
- 「時は止まり、仲間ももういない。それでもまだ君は明日を信じると言うのか?」と問うジョージ。しかしもうエールに迷いはない。「あきらめない…みんなの未来を取り戻す!」と挑みかかる。
- エールの猛攻をかわし、「2人で生きよう、傷つける者のない世界で」とジョージは訴えるも、エールは拒否。「世界からトゲパワワが消えることはない」「アスパワワも消えない!」「いくら夢を見ようとかなわぬ夢は綺麗事」「綺麗事でもいい、それでもみんなで明日を信じれば奇跡が…!」とお互いの主張を譲らず戦う2人だったが、痛撃を食らったエールは遂に変身が解け、はなの姿に戻って倒れてしまう。
- それでもなお、はなは屈しなかった。「諦めない…わたしは諦めない…。わたしには何もないと思ってた。なんでプリキュアになれたんだろうって。けど違った。超イケてる大人なお姉さん、わたしのなりたいわたし…それは誰でもない、自分で決めることだったんだなって…」その言葉は仲間や、時間が止まった世界の人々の心に届いた。母・すみれの瞳から涙がこぼれる。
「みんな迷いながら生きてる。生きるって苦しい。でも、だからわたしは応援したい。
たとえバカにされたって、そんなの夢だって笑われたって、傷ついたって、
わたしは何度でも立ち上がる、立ち上がってみんなを応援する!
なんでもできる!なんでもなれる!フレフレみんな、フレフレわたし!
これが…これが…わたしのなりたい野乃はなだ!」
- はなはエールに再変身。そのまばゆい心の光は、暗黒の世界に封印されていたアンジュ達を解き放った。さらに、取り戻したはぐたんをエールが抱き締めると、2人から溢れたアスパワワが世界中に広がり、止まっていた時間が動き出した。
- 呆然とするジョージだったが、乾いた笑い声を上げ「どうしても僕と君は分かり合えない運命のようだな」と呟く。そんな彼をエールは「笑っていてもあなたはいつも泣いているみたい…」と悲しく思うが、ジョージは「僕の時間はもう動くことはない」と言うと、トゲパワワを爆発させて巨大魔人と合体し、全ての人間を消し去ろうとする。まるで悪魔のような姿。しかしエール達にはその恐ろしい咆哮すらも、悲しみに泣いているかのように見えた。
- 街を破壊しようとする魔人ジョージの手を、プリキュア達は全力で押し留める。どんなに辛い時も、傍には仲間がいる。「アスパワワは輝いてる!みんなの心、みんなの未来に!」世界中にアスパワワが満ち溢れ、「フレフレプリキュア!」と応援する人々の声が一つになった。「みんなありがとう!みんなの心にプリキュアがいる!みんなみんな、プリキュアなんだ!フレフレみんな!」
- そのアスパワワに包まれた野乃家の人々、じゅんなやあき、MAA、正人やジェロスに至るまで、
みんなの姿はプリキュアに変わった。そして世界中からの「フレフレプリキュア!」の声援を受け取ったエール達は、魔人ジョージを浄化する。
- 戦いは終わり、クライアス社ビルは崩れ始めていた。だが、エールはその中に走ってゆく。見つけたジョージは、放心したかのように座り込んでいた。敗北を認め、「夢を見ていたのは僕の方だったのかもしれないな」と自嘲するジョージに、エールはいつかの雨の日に借りていたハンカチを差し出した。
「一緒に行こう」
「どこへ?」
「未来へ」
「無理だよ、僕は未来を信じない」
「嘘。本当に未来を信じていないなら、どうしていつもわたしに『またね』って言うの?」
「ハハ……ハハハハハ……」
1粒、2粒と、ジョージの目から床に涙が落ちた。
そうか、自分も心のどこかで、明日が来ることを信じていたのか。
「君は本当に素敵な女の子だね。またね……僕ももう一度……」
そう言うと、ジョージは光の中に消えてゆく。後には一輪のクラスペディアが残されていた。
- 仲間の元に戻ったエールと、笑顔でハグし合うプリキュア達。朝日がまぶしく昇ってゆく。時は今日も進み続けるのだ。「1日が始まる…輝く未来へ!」
■第49話(最終回)
- 「わたし野乃はな、14歳!」アバンでは、14歳として唯一のご挨拶。
- 一つ大人になっても日常は変わらず、いつも通り前髪を整え、いつも通りオムレツに夢中になり、いつも通りことりにからかわれる、平和な朝。だが……はぐたん、ルールー、ハリー、未来から来た人々が元の世界に帰る時が、刻一刻と迫っていた。
- ビューティーハリーではぐたんを囲み、愛おしげに見つめるはな達。その表情には、隠しきれない淋しさが浮かんでいた。「よし、明日はデートしよう!」はなの発案で最後の1日は賑やかに過ごすことになり、ショッピング・映画・ツインラブのステージ・たこ焼き・プラネタリウムと全力で思い出作りをする。
- 「はぐたん、お星さまきれいだったね」と言っていると、来週からの販促…じゃなくて、お星さまのようにきれいなペンが落ちているのを発見。その頃、内富士先生にまたも叱られたふみとのトゲパワワに、なぜかドクター・トラウムの未来帰還用列車メカ『未来へ帰るくん』が反応してしまい、猛オシマイダーが出現する。クライアス社が消滅しても、やはり世界からトゲパワワが消えることはないのだろうか?「そりゃそうだよね、けど…みんなの心にアスパワワが満ちてるんだから!」とはな達はプリキュアに変身。
- 人々がプリキュアに声援を送る中、1人の少女が勇気づけられたかのように「フレ、フレ、わたしも!」と呟く。そして先程のペンを拾おうとしたはぐたんに猛オシマイダーが襲い掛かり、エールがかばった時、見知らぬ新たなプリキュアが立ちはだかった。「わたしの名前は…宇宙に輝くキラキラ星!キュアスター!」彼女に負けてはおれぬと、5人は猛オシマイダーを浄化した。
- 戦闘後、落とし主の少女が現れ、ペンを手渡すと突如光り輝いてはぐたんの顔が浮かび上がった。「キラやば〜っ☆、はぐたんペン!」と喜んだと思ったら、彼女は川に浮かぶ河童の姿を見かけ、追いかけて行ってしまった。その明るく賑やかな背中を見送りながら、「またどこかで会えるといいな」とはなは微笑む。
- その時、午後4時の鐘が鳴った。遂にお別れの時が来てしまったのだ。同じ頃、異国の地を1人旅ゆくジョージも「時計の針は動き出した。命が生まれ、未来が育まれていく」と呟いていた。その瞳は以前のように憂いや悲しみに満ちてはおらず、未来を見つめて彼は何処かへと歩き続けていく……
- ビューティーハリーの店舗も完全に畳み、ハリーは別れを告げる。MAAの面々とも別れの挨拶を交わし、皆が列車に乗り込む中、ルールーとの別れに涙をこらえられないえみるを、はな達は優しくハグした。そろそろ時間となってハリーにはぐたんを渡すと、「いく?どこへ?」「未来や、未来へ帰るんや」「みらい?みらーい!みんないっしょ~!」とはぐたんははしゃぐが、はな達はうつむいてしまう。返事ができない。自分達は一緒に行けないのだから。
- それでも精一杯笑顔を作り、見送ろうとするも、汽笛と共に列車が動き出すと、感情が抑えきれなくなったはな達は走って列車の後を追いかける。はなとお別れだと気づいて泣き出すはぐたんに「はぐたん、絶対また会えるよ!だから一杯食べて、一杯遊んで大きくなるんだよ!」とはなは叫ぶ。
- 次第に速度を上げてゆく列車に併せて全力疾走しながら、はなは精一杯手を伸ばす。はぐたんの小さな手を一瞬握った時、この1年の数々の思い出が脳裏をよぎった。そして大粒の涙を流しながら「はぐたーん!」と絶叫するはなの前で、列車は空へ舞い上がり、時空の彼方に消えてゆく。「ううっ……ウワーーン!!」声を張り上げてはなは泣きじゃくった。でもいつの日か、必ず……
「未来で…待ってて……」
エピローグ
- 時は流れ2030年。テレビには人気タレントになったあきとじゅんなの姿が映り、ひなせもふみとも社会人になっている。どこかで見たような女の子が男の子に対し、「わたしもあのアカルイアス社みたいな会社をサクセスするの!」と指差す先には、大企業アカルイアス社の巨大ビルがそびえ立っていた。
- その最上階にいる社長こそが、すっかり大人になったはなであった。鼻眼鏡をかけ、「超テンション社長Yes!」と社員相手にウケを取ろうとして、逆にスベっているあたり、大人になっても基本的性格は昔のまま。
- 新しいショップのデザインに自信がないと言う社員に「笑われちゃっていいじゃない、誰が何と言おうとわたしはあなた達を信じる!何かあった時はどーんと任せろ!」と答える頼もしいはな社長。と思いきや、今では社長秘書になっているふみとに「こら社長!しばらく会社休めって言ったよな!」と叱られる。実ははなは妊娠中で出産間近だったのだ。そして案の定、陣痛が始まってしまう。
- 女医となったさあやに支えられ、いよいよ出産が始まった。生みの苦しみに絶叫するはな。外国から帰国したほまれも駆けつけ、「はな!フレフレ!」と金メダルを手に握らせる。2人の親友が見守る中、遂に新たな生命が生まれた……
子供の頃、なりたかったわたしにわたしはなれたのかな?
未来は楽しいことばかりじゃない。めげそうになる事もいっぱいある。
けれどそんな時、あの頃のわたしの声が聞こえてくる。
『フレフレみんな!フレフレわたし!』
輝く未来を育んでいく!
さあやとほまれに労われ、我が子を抱きながら、はなは幸せそうに微笑んだ。
「この子の名前、決めてるの。『はぐみ!』よろしくね、はぐたん!」
特別出演
- ひろがるスカイ!プリキュア第11話のヒロガリズムEDのダンスに、日替わりで登場する歴代プリキュアの5番手として登場。また同時に最終話までに平成のみにで放送し(但し再放送は令和での再放送をした。)、かつ2022年9月23日に公開をした短編映画の『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』には登場をせずに、『オールスターズメモリーズ』に登場をした『はぐプリ』以前の作品の歴代メンバーの先陣を切る。また同時に『はぐプリ』と同一世界観の『Yes!プリキュア5シリーズ』と『ふたりはプリキュアSplash☆Star』との同一世界観が舞台のプリキュア作品のプリキュア戦士の先陣を切る。(『はぐプリ』とプリキュア5シリーズの世界観が同じなのはさあやが春日野うらら(キュアレモネード。)の事が知っている事に由来し、『スプスタ』は『キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜』に登場をする事に従いに新たに加わった為。)。
映画
- はぐたんを郊外の花畑に連れていくと、ウソバーッカという怪物が現れさあやとほまれが連れ去られてしまう。はなは二人を助けるためキラキラプリキュアアラモードや魔法つかいプリキュアに助けを求めるが、そこでもウソバーッカの来襲を受けてしまう。その中ではなは今回の騒動の原因が5歳の時に交わすも守られなかったクローバーという不思議な少年との約束にあったことに気付き、彼に謝罪しようと決意する。
- 55人の中で唯一ベビープリキュアにされなかったことから幼児化された仲間を元に戻そうと奮闘する。
- 終盤ではミデンと必死に説得するよう活躍した。
- 予告映像では『スター☆トゥインクルプリキュア』の星奈ひかると出会うシーンや不安がるキュアスターをアンジュやエトワールとともに励ますシーンが描かれている。
■映画 ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!
- 直接的な関わりは無いのだが、副音声ボイスドラマ「プリキュア5ゆめのまちへ行く!」において、はなに関する言及がなされており、プリキュア5チームがはなから、さらなる後輩のヒープリチームの存在を教えられていたことが語られている。その事から、少なくとも、彼女ら『HUGっと』チームはプリキュア5チームと同一の世界に存在する後輩チームであり、先輩であるのぞみと後輩のはなは連絡を取り合う仲に進展していた事が示唆されている。
- 映画公開以前にプリキュア5チームとヒープリチームの両方と共演したのは『HUGっと』チームのみ(ヒープリとは『ミラクルリープ』で共演)であるため、両チームを繋ぐ人物にはなが選ばれたものと思われる。
- 『トロピカル〜ジュ!プリキュア』以降の14人(夏海まなつ(キュアサマー)からプリンセス・エルちゃん(キュアマジェスティ)まで)と初共演。
- 終盤に参戦。シュプリームに挑むプーカを応援。