「ホイップ・ステップ・ジャーンプ!」
「キラっとひらめいた!」
概要
キラキラ☆プリキュアアラモードの主人公。うさぎショートケーキのプリキュア・キュアホイップに変身する。
スイーツが大好きで明るく御調子者の中2(14歳)。嬉しいことがあるとピョンピョン跳ねる所はまるでウサギの様な女の子。
口癖は「ホイップ・ステップ・ジャーンプ!」「キラっとひらめいた!」。他には驚いた時に「何ですとー!?」、落ち込んだ時は「しょんなぁ~」など、感情表現がかなり多彩。また、語尾に「~ですぞ」と付けることが多い。
また、本作プリキュア達の活動拠点であるスイーツショップ「キラキラパティスリー」店長を務めている。好きなスイーツはショートケーキ。
誕生日は1月7日。キラプリメンバー6人内出生順では最後であり、主要キャラ唯一の早生まれでもある。
ちなみに、プリキュアで早生まれ且つ山羊座なのは彼女が初となった(次作の野乃はなも該当)。後述の様に彼女の誕生日会は作品のクライマックス時期と重なって怒涛の展開となってしまった。
医師として海外で働いている母が久し振りに日本に帰国するので、出迎えのためにうさぎショートケーキを作るところから本作のストーリーが始まる(その後直ぐに急患が出たため、帰国は第31話で突然顔見せするまで延期となった)。
人物
外見
明るめの栗色の髪をツインテールにまとめ、苺の髪飾りを付けている。
身長は6人の中で下から3番目で(ひまり<シエル<いちか<あおい<ゆかり<あきら)、ほぼド真ん中に位置する(歴代ピンクチームの中では低い方)。
服装
- 普段着(春・秋)
白い長袖のシャツの上にピンクのジャンパースカートを着用。
足には苺を模したデザインのショートソックスと白とピンクのスニーカーを履いている。
- 普段着(夏)
ピンク系統のパフスリーブワンピースと素足に苺の飾りが付いた白い靴のコーディネート。
- 普段着(冬)
ピンク色のセーターと濃いピンク色のスカート、靴は苺を模したショートブーツ。
外ではアイボリー色のダッフルコートを着用し、耳当てとピンク色の手袋をしている。
- 制服(冬服)
ピンク色のタイを着けている。
- パティシエ服
パティシエ服の際はツインテールのフォルムが変わる(設定画によると髪の上端が帽子に隠れるだけで、結い直している訳ではない)。メイン5人の中では普段とパティシエ服での髪型の変化が一番大きい。
ブーツのリボンの色に関しては緑とピンクの2パターンがあり、統一されていない(他のメンバーはブーツと同色)。
性格
常に明るくハイテンションで、自他共に認めるお調子者。
かなりノリが良く、伝説のパティシエであるプリキュアになる事も「スイーツが作り放題・食べ放題だから」という理由であっさり引き受けている(その後スイーツを守るためだとちゃんと決意表明したが)。
表情もかなり大袈裟で、顔芸が多い。それだけならプリキュアシリーズで珍しくない要素だが、いちかの場合顔芸とセットで身振り手振りの体全体でのリアクションをする事がかなり多い。気分が高揚するとピョンピョン飛び跳ねたり、変身時などは舌をペロッと出す表情をすることもある。
歴代プリキュアと比較するならえりかやひめのようなコミカル系キャラに極めて近く、実際に作中でもコメディリリーフとしての役どころを頻繁に担当している。
決してふざけたり、ウケを狙っているつもりではなく、いちかの過剰なリアクションはあくまで天然。顔の表情は勿論、ボディーランゲージも含め、体全体を使ったコミュニケーションを自然に行うタイプなのである。
ただ、親しくない人にまで大声でズケズケ切り込んで行くため、多少鬱陶しがられることもある。第5話では出会ったばかりのゆかりに慣れ慣れしくし過ぎたためか、「ウザみ」と苗字をナチュラルに間違えられていた。
いちか自身も、自分が空気が余り読めない行動をしがちなことを結構気にしているようで、1人になった時は「何であんなことやっちゃったんだろう」と後悔するシーンが多かったりする。本来は繊細なのである。
しかし、心の芯は強く、スイーツを筆頭に大好きな物に対しては困難な状況でも諦めずに突っ走るところはピンクチーム伝統をしっかり受け継いでいる。
そのためか、キラキラルを強制的に抜き取られる(後述)ことこそあったが、敵の『心の弱さに付け込んで闇に染める』策略にはまる描写が本作のプリキュア内で唯一ない(第1話でへこんでいたところを偶然ターゲットにされたくらい)。
他人との付合い方に対しては馴れ馴れしい部分が目立つものの、これは人に歩み寄れるだけでなく相手を肯定した上でいいたいことは真っ直ぐ伝えられるということでもある。商店街の人々に顔を知られていたり学校でも友達と遊んだりと、人間関係はかなり多様である事が窺える。
いちかの真面目な部分としては「言葉だけでは伝わらない想い」があることをちゃんと理解しているという点がある。それを言葉で伝えることは大切だけど、その想いを形にもできるならばもっと良いと考えている。これはいちかがスイーツ作りをする最大の理由である。
体を使った過剰なリアクションが多いのも、想いを言葉だけでなく形にもしたいことの表れといえるのかも知れない。同時に、相手の善意のようなものを言葉以外のところから感じ取れる資質があるので、コミュニケーション能力は非常に高いといえる。逆に相手が隠している悪意や恋愛感情を感じ取ることは苦手である。対照的にそれらを感じ取るのを最も得意としているのがゆかりである。
キュアホイップの変身時の決め台詞「元気と笑顔をレッツ・ラ・まぜまぜ!」が象徴する通り、いちかは笑顔溢れるキャラである。
しかし同時に、いちかは結構な泣き虫である。彼女が涙を流すのは明らかなギャグシーンが多いものの、シリアスなシーンでも辛さや悲しさ故に良く涙を流している。実際に泣かなくても、明らかに泣きそうなのを我慢しているシーンも多々ある(特に第1話はそれが良く分かる様になっている)。
ただ、これはいちかが負の感情を長く溜め込まない様にする防衛本能の様なものでもある。いちかは涙を流しても絶望したり諦めたりはしない。
ちなみに本作のプリキュア変身時の「○○と△△をレッツ・ラ・まぜまぜ!」の決め台詞は、1つが「本人がすでに持っている資質」、もう1つは「本人が求めているもの」という設定がある。つまり、いちかの笑顔は自然に生まれているものではなく、笑顔であろうと常に意識していることを示している(決め台詞法則を理解して他プリキュアも見てみると、意外な側面が見えるのかもしれない)。
いちかは幼い頃、かなり母親べったりなママっ子であった様で、母・さとみの存在はいちかの性格形成に多大に影響している。
『映画プリキュアドリームスターズ!』では、小さい頃に母親と「3つの約束」をしたことが語られているが、その三つはTV本編におけるいちかのメンタリティの絶対的根源として根付いてる。つまり「友達を大事にしなさい」「勇気を持ちなさい」「つらい時でも笑いなさい」の3つである。
中学に進級したと同時に母親がいなくなったことは、いちかに強い自立意識を植え付け成長を促した一方、やはりいちかの中に言いようのない寂しさを生んでいる。
いちかの人懐っこさはこの寂しさの反動と思われる節があり、シリーズ構成の田中仁によると、いちかが変身するキュアホイップがうさぎモチーフなのは「うさぎは寂しがり屋」と言う有名な俗説のイメージも込められているのだと言う。
スペック
第13話以降では着ぐるみを着た上でアクロバティックな動きを決める姿が見られ、第20話ではシエルの妖精の力を利用したと思われる軽々とした動きに疲弊しつつも追い付けている。第36話の運動会ではマカロン食いで得意のジャンプ力を生かして1位をとっているため、運動神経は結構高い部類に入るようだ。
ちなみに父親が家の隣の空手道場を経営している空手師範であるが、いちかが空手を習得しているのかは定かではない。肉弾戦封印が打ち出されている本作だが、「空手を実際にやったら、いちかはいつき・ありす・いおな・ゆり並みに強いんじゃないのか?」と妄想が膨らむ設定である。
学力に関しては、第14話にてあおいが意外にも勉強できる子、対していちかができない子と判明したが、いちかが試験で赤点を取ったり、勉強がわからなくて困ったりするような描写は存在せず、成績不良というわけではない模様。シリーズディレクター(監督)も「地頭はいいほうなのでドジはするけどおバカじゃない」とコメントしている。
いちかとスイーツ
幼い頃に母がよく作ってくれたことから、ショートケーキが大好き。
この母が幼いいちかに「大好きな人のことを思って作ればお菓子は美味しくなる」と語ったことが刷り込みのようになっており、お菓子作りは「大好き」の気持ちを表現する手段だという認識が当たり前にある。
しかし物語開始時点までは単に好きなだけで、実際にお菓子作りをしたことがないズブの素人であり、やる気に技術が追いついておらず、スポンジケーキをペシャンコにさせたり焦がしたり、失敗続きだった。材料の分量を量ることも怠っていた様子で、お菓子作りの基礎がまだできていなかったようである。
ただし人から手順の間違いをわかりやすく指摘されれば素直にすぐ改善でき、天才型ではないが根本的には「やればできる子」。
実際、第2クールに入ったあたりからはスイーツ作りもこなれていっており、キラパティの名物パティシエとして街のみんなからも評判となっている。
またアニマルスイーツを見ても解る通り、スイーツデコレーションのセンスについては最初期からかなり高い資質を見せている。シエルによると「見る目がある」らしく、食材選びの際は自然といい食材を選ぶことができている。
スイーツ作りを始める際は泡立て器を握った手を頭上に掲げて「レッツ・ラ・クッキング!」と叫んで気合を入れるのがお約束。
いちかがスイーツ作りをする動機は「楽しいから」が一番大きく、少なくとも物語開始時点ではスイーツに関わることを将来の夢に持っているとかそういう思いは皆無であった。
こういう側面はキラキラパティスリーを開店して彼女が店長になった後でも基本的には変わっていない。
そんないちかに惹かれて集まったプリキュア初期メンバーも、スイーツ作りに関して「まずは自分が楽しむべき」とを考えている。
仲間たちの多くはスイーツとは無関係に大切な思いや願いもあり、どちらかと言えばそちらにこそ生き方の支点が置かれている。これは本作における特徴的な点でもある。
仲間達は自分にとっての「大切なこと」に対しては楽しいだけでなく苦悩もまた受け入れている。そして、その「大切なこと」に関する思いを表現して伝える手段がスイーツを作ったり食べたりすることなのである。
いちかとキラキラル
本作のプリキュアたちは全員がキラキラルへの高い親和性を持つが、いちかはその中でもより格別とされている。
ジュリオによると、いちかが製作に関わったスイーツのキラキラルは、その腕前からすれば考えられないレベルの量を持つとのこと。そのために彼に執拗に目を付けられるようになっている。
特徴的なのは他人が作ったスイーツにいちかが「キラっとひらめいて」アニマルスイーツのデコレーションを施すだけでも、キラキラルが大量に発生すること。
作中の演出ではそれらのスイーツのキラキラルにはいちかではなく製作者の思いがこもっていることが強調されるため、いちかには他人の思いを感じ取り、そのキラキラルを活性化させる力があるのかも知れない。
また、小さい頃は母親が作ってくれたケーキにキラキラが見えるといつも語っていた。
もっとも、中学二年生に成長した現在ではそういう感覚はなくなってしまっているようで、プリキュアに変身しないとスイーツのキラキラルを感知することはできない。
第17話でいちかからキラキラルが全て奪われた時は、いちかの心から感情が一切なくなり、極度の鬱状態のようになるという痛ましい姿が描かれた。
だが、キラキラルを体内から奪われた人間はみんな精神活動が停止して意識不明となっていたのに比べると、いちかは意識だけは保っており他人の声にも反応していた。
単なる主人公補正の可能性もあるが、もしかしたら第一話で母親と会えなくなったショックからスイーツを作る事を「どうでもいい」と投げ出そうとしたものの、その後に思い直して大量のキラキラルを生み出す事が出来た経験が、17話で自身のキラキラルを奪われた際に一種の抗体的な物として作用し、昏倒せずに動けていたのではとも考察出来る。
家族構成
父:宇佐美源一郎
母:宇佐美さとみ
父親の源一郎は家の隣にある空手道場の師範をしており、母親のさとみは医者として世界中の小さな村を回っている。
兄弟姉妹はおらず、母親が海外赴任中の為、いちかは普段は父親と2人暮らし。『スイートプリキュア♪』の主人公・北条響以来の、「普段は父と2人暮らしで母は海外赴任中」の主人公である。
母親との仲は良好すぎるほど良好。人前でも一切の照れなく「お母さんが大好き」と言える今時珍しい中学二年生である。
しかし父親に対してはかなり素っ気ない。人前では照れが混じって「恥ずかしいからどこかいってよ!」と辛辣なことを言ってしまう、今時の中学二年生でもある。
父と母に対しての態度に差があるのは、いちかが思春期になってからは母親とずっと会えないまま過ごしてきたことが大きい。母への愛に飢えているというのは確かであるが、いちかはその環境をコンプレックスにすることなく「わたしが寂しいと感じているのは、お母さんが大好きだからなんだ」と素直に理解しているのである。
一方、いちかにとっての父親は「当たり前の日常」である。お母さんと離れ離れになったいちかに対して、父は母の分も含めていちかをちゃんと見守り育て教育してきた。だからこそいちかにとっては鬱陶しいと感じることもあり、寂しさなんて感じるわけもない。思春期ならではのぶつかり合いなどの通過儀礼もこなしており、見方を変えれば母親よりも父親との方が健全な親子関係が築かれていると言える。
トリビア
ホイップステップジャンプ
いちかの「ホイップ・ステップ・ジャ~ンプ」は、陸上競技の三段跳びの「ホップ・ステップ・ジャンプ」が元ネタ。
声優について
声を担当する美山加恋氏は本作にてプリキュアシリーズ初出演。美山氏は子役時代を含めて14年のキャリアを持つ若きベテラン女優であり、子役時代は所謂「人気子役」であった。本業は女優だが、数年前から声優業にも進出しており本職が声優以外の人物が主人公を務めるのはシリーズ初である。
名前について
コンプリートブックによると、初期構想ではいちかの名前は「いちご」だったらしい。
各話ネタ
魔法つかいプリキュア!第50話(最終話)話
- 『魔法つかいプリキュア!』から『キラキラ☆プリキュアアラモード』へと番組が更新されるにあたって、まほプリ最終回にいちかがゲスト出演。現在はすでに定番になった最終回での次作プリキュアのゲスト参戦だが、この時が最初。完全なサプライズだったので当時は視聴者を大きく驚かせた。
- みらい達がドクロムシーを追っている中、見慣れぬスイーツショップを見かける。こんな店近所にいつできたかなぁと思っていると、中からいちかが現れてお客様として強引に連れ込まれた。これがキラキラパティスリーの初登場シーンとなる。
- みらい達の様子を観察してキラッとひらめいたアニマルスイーツが「モフルンチョコムース」だった。ちなみにこれは玩具でも「バトンタッチアニマルスイーツ」としてこのまほプリ最終話放映時点での限定商品として展開されている。
- みらいが「いちごメロンパンと同じくらい美味しかった」と喜んでくれたことから、この人にとっていちごメロンパンというものは大切な思いが詰まっているスイーツなんだと直感的に理解する。
- そのいちごメロンパンを独り占めするドクロムシーから思い出のスイーツを取り返そうとする魔法つかいプリキュアの3人であったが、時空を自在に転移できるドクロムシーはナシマホウ界から逃げ去ろうとする。そこにキュアホイップが乱入、クリームエネルギーでドクロムシーを足止めする。キメ技シーンはキュアミラクル達に譲ってすぐにその場を立ち去ったため、いちかがホイップだということは明かさず。
- いちごメロンパンは『まほプリ』での「大切な日常」の象徴として使われ続けたアイテムであり、最終回もそのことが強調されているので、「スイーツに詰まった思いを守る」という『プリアラ』のテーマ性をまほプリを一年見ていた視聴者に伝えるには格好のギミックであったといえるであろう。
- バトンタッチシーンでは空から落下し、ミラクルに激突。最後はミラクルと一緒に「キュアップ・ラパパ! 今日も明日も笑顔一杯の良い日になーれ!」
- なお本放送から数年後に放送された韓国のまほプリ放送の最終回でも当然登場しているが、韓国ではプリアラが放送されず(数年飛びいきなりトロプリが放送された)ため韓国プリキュア視聴者には誰か分からない謎の人物と化してしまった。
TV本編
■第1話
- 母親が一1振りに帰国するということで、プレゼントのためにショートケーキを作ることを計画。材料の買い出しのため町に繰出す。
- 材料を集めてレッツラクッキング。料理過程が実写映像付で流される。しかし、いざスポンジケーキをオーブンで焼こうとするも、生地が膨らまずに失敗。父からは「クッキーか?」といわれる始末。
- 何度も上手く行かず失敗しているうちに、窓から妖精・ペコリンが飛んで来てプリキュア恒例の顔面キャッチ。
- 人語を喋る謎生物にパニックになるいちかだったが、お腹がペコペコで今にも倒れそうであったので取り敢えず焼くのに失敗したケーキを差し出す。ペコリンはそれをたいららげていちかに感謝するもお「大きなクッキー」と勘違いされ少し落ち込む。ペコリン曰く味は美味しかったらしい。
- 生地をかき混ぜ過ぎていることをペコリンに指摘され、再度ケーキ作りにチャレンジ。今度はようやく膨らんだスポンジケーキをつくることができ、いちかはペコリンにありがとうと笑顔で述べる。もうこの時点で2人は友達同士になっていた。さて、あとはデコレーションを施すだけ…
- しかし、喜んだのも束の間。母の帰国が急患により無期延期になったと言う連絡を受ける。いちかが落胆する中、お菓子のキラキラルを狙う悪い妖精ガミーが現れる。
- スポンジケーキのキラキラルを奪おうとするガミーに対し、ペコリンは体を張って守ろうとする。しかし凶暴なガミーに叶うはずもなくペコリンは大ピンチに。いちかは「お母さんに食べて貰えないならそんなケーキ、もうどうでもいいよ」とペコリンに無茶はしないように叫ぶ。だが、その言葉にペコリンはいちか以上に悲しそうな顔をしていた。
- いちかはガミーに自らケーキを差し出そうとする。だが、なぜか体が動かない。「どうでもいいケーキなんだろ?」とガミーが訝しむと「どうでもよくない…やっぱりどうでもよくないよ」と涙ながらに思い直す。自分がケーキを作った理由は「お母さんが大好き」と言う思いから。今ここでケーキを差し出すと言うことは、その思いを自ら否定することに等しいのだから。
- その瞬間、突如ケーキのキラキラルが光り輝き出し、いちかとペコリンは光の結界に包まれる。その意味を理解したペコリンは、いちかに「今からこの結界の中でケーキのデコレーションを最後まで完成させろ」と無茶ぶり。言われるままにホイップクリームを使ったデコレーションを始めるが、なんとなくキラっとひらめいてうさぎをモチーフにした独特のデコレーションをやり出す。これがいちかの最初に作った「アニマルスイーツ」となった。
- デコレーションの完成と同時に、ケーキに内包されたキラキラルが結晶化して小型のアクセサリに変化し、手元にはいつのまにかスイーツパクトが握られていた。ペコリンはアニマルスイーツのアクセサリをスイーツパクトにセットするようにいちかを急かす。わけのわからないままその通りにすると、彼女は「伝説のパティシエ・プリキュア」の一人であるキュアホイップに変身するのであった。そしていちかたちを守っていた光の結界は解除され、ガミーと相対する。
- この回ではプリキュアのパワーとスピードを使いこなせず翻弄されるばかりで、かつて最弱のプリキュアと呼ばれた先輩を彷彿させるデビュー戦だったが、うさぎの身軽さや鋭い聴覚を駆使し、どうにかガミーを撃退した。
■第2話
- 前回のラストで出てきた『しゃべるかばん』から、スイーツ工房の建物が出現。スイーツづくりのための器具が完備された工房に大はしゃぎするも、石窯の中にいた長老に驚く。
- 長老から「伝説のパティシエ」であるプリキュアになるよう勧誘を受ける。それに対し、「パティシエになればスイーツ食べ放題」という、盛大に勘違いした理由で引き受ける。
- スイーツパクトのスティックを魔法の杖に見立て「キラキラキラルン・キラキラル! チーズケーキよ、出なさーい!」とポーズまでつけて唱えるが当然何も起こらず。ペコリンからは「お菓子は自分で作らないとダメ」と呆れられてしまう。
- 翌日、近所で「ドデカプリン」が販売しているというチラシを見つけ、ダッシュで買いに行く。買いに行った先でクラスメイトの有栖川ひまりと出会い、会話をしているうちにプリン最後の一個を幼稚園児に購入されてしまう。
- プリンを買えなかった帰り道、いつの間にかバッグに潜んでいたペコリンから「だったら工房で作ればいい」と言われる。このときの動作は、傍から見ると「カバンと会話する変な人」だった。
- 工房でプリンに使うカラメルソースを作ろうとするが、ソースが焦げたり名状し難い物体になったりで失敗。
- 紆余曲折と失敗を積み重ねながらもバケツサイズのプリンを一緒に作ることに成功。そしていちかはそれとは別にひまりをイメージした「りすプリン」を作って彼女にプレゼントした。そしてこれが変身用アニマルスイーツに変化して、ひまりはキュアカスタードへと覚醒することになる。
- 戦闘では、変身直後にクリームエネルギーをまとったキックをいきなり放ったことで「肉弾戦封印はどこいった」とのツッコミがネット上で溢れかえった。しかし「クリームエネルギーを足で叩き込んでいるだけ、すなわち蹴りでダメージを与えているわけではない」という扱いなのでこれはセーフなのだろう。
■第3話
- ワイルドアジュールの野外ライブを偶然見かけ、ボーカルの立神あおいの歌声に感銘を受ける。
- アイスクリームの屋台で男子高校生に絡まれていたところをそのあおいに助けられる。翌日、学校の図書館でたまたまあおいを見かけ、同じ学校同士だったことに感激するが、当のあおいは「誰だっけ?」とそっけない態度。
- そもそも、屋台で二人が交わした言葉は2、3語程度で名前さえ言わなかったので、あおいの方が普通の反応。だけどいちかの中ではあれでだけでもう「友達になった」という扱いだったようだ。
- 改めて自己紹介。あおいがコンテストのための新曲の歌詞をどういうのにするか悩んでいると聞き、どんな歌詞を考えているのといちかが尋ねると、あおいがいろんなジャンルの歌詞のアイデアを出す。しかし、いちかはどれも立神さんらしくないとダメ出し。
- とはいえ、いちかの側からアイデアを出せるわけもなく「そうだ、アイスを食べに行こう! きっとスカッとしていい歌詞が浮かぶよ!」と例の屋台に無理やり連れていく。この時のあからさまに迷惑そうな顔のあおいが何とも……
- さらに翌日。屋上であおいが歌詞を考えていると、たまたまやってきたいちかと遭遇してしまう。「お、立神さんはっけ〜ん。今日はいい天気だね〜。あ、あの雲ショートケーキみたい!」 自分のペースで話し出すいちかにさすがのあおいも「今、歌詞考えているから、悪いけどほっといてくれる?」ときっぱりと拒否を示すが、それでもどっか行ってみたいなことは言わなかった。
- あおいへの差し入れとして、スイーツ工房でひまりと一緒にアイスを作ることに。キラッと閃いたのはライオンアイス。テーマは「青空に吠える獅子」。それは、いちかがあおいを最初に見たときから感じていた彼女のイメージだった。
- 新曲の歌詞が最後まで思い浮かばずコンテストを辞退しようとしていたあおいの元にいちかがそれを差し入れにやってくる。また迷惑がられるかと思いきや、そのアイスを一目見たときにあおいは何かを感じたようで、一口食べるといちかのイメージそのものが脳内に浮かび上がる。それはあおいがバンドを始めた原点を思い出させ、彼女のやる気を取り戻させた。
- そしてこれが変身用アニマルスイーツに変化して、あおいはキュアジェラートへと覚醒することになる。
■第4話
- 洋菓子屋の娘でいちか達のあこがれの存在である日向まりこがバレエの発表会に出場するということで、3人で差し入れのためにシュークリームを作ろうと提案。元々シュークリーム自体が調理難度の高いスイーツであることに加え、まりこの家が街で評判のシュークリームを販売していることからハードルの高いミッションとなった。
- 「オーブンを途中で開けるとシューの皮は全滅する」という事実を聞いて警戒するが、後ずさったときにテーブルにぶつかった拍子で落ちたボウルが転がって立てかけてあったモップに当たりオーブンの取っ手に倒れるという過程でオーブンが開いてしまい、シューの皮はあえなく全滅。
- その後、ボロボロになりながらもシューの皮作りに再挑戦するが、破裂したり黒焦げになったり灰になったりメルトダウンを起こしたり禍々しい何かが生えたりでことごとく失敗する。
- それでも不屈の精神で挑戦しようとするが、ひまりは塾、あおいはバンド活動のために帰宅してしまったため、途方に暮れていたところでまりこと出会う。上手くいかないときはどうするかと悩みを打ち明け、まりこから「始まりの気持ちを思い出す」という言葉を聞き、もう一度頑張るためにキラパティに戻る。
- ひまりとあおいも戻ってきており、3人でもう一度挑戦してシュークリームを完成させる。このとき、ひまりに「ひまりん」、あおいに「あおちゃん」とそれぞれ専用の呼び名をつける。いちかがあだ名を付ける側のキャラクターというのは、視聴者にとってはちょっと意外だったのではないだろうか。
- シュックリーの襲来からシュークリームを守った後、まりこにスワンシュークリームをプレゼント。発表会の後に興奮して、町の階段道でホイップステップジャンプをしたところ、すれ違った少女に「フフフ…」と笑みを浮かべられる。「笑われちゃったかな?」と気にしていたいちかであったが、彼女こそ街で噂の美少女・琴爪ゆかりであった。
■第5話
- 街の名物ネコである「三ツ星にゃんこ」を発見したので撫でようとするがとことん避けられ、最後には顔面を蹴られる始末。そんな三ツ星にゃんこを簡単に手懐けるゆかりに驚き、その美しさに見惚れる。
- 翌日、三ツ星にゃんこを再び触ろうとするがまたもや逃げられ、奥の手としてホイップステップジャンプで飛びかかるも、そこにたまたま通りかかったゆかりが現れ、ぶつかりそうになる。
- 喉を猫のように撫でられたり、「ウザミ」と名前を間違って呼ばれたりと、マイペースなゆかりに翻弄されるが、それでも話していく内に彼女に気に入られる。
- ゆかりに付き合わされてショッピングやクレーンゲーム等に興じるが、何でもできてしまうゆかりがそれらを心から楽しんでいるように思えなかったことから、ゆかりをスイーツ工房でのマカロンづくりに誘い、キャットマカロンのアニマルスイーツを完成させた。
- いちかの風変わりな面はゆかりに大変気に入られたようであり、めったに好きと言わないゆかりから「あなた、好きよ」と言われる。そしてその新たな絆がゆかりをキュアマカロンに覚醒させることに。
- 新しい仲間の誕生にテンションが上がるいちかだが、最後にもう一つ出会いがあった。隣の家に剣城あきらという『美少年』が引っ越してきたのである。その風貌や所作に衝撃を受けるいちか。実家が空手道場ということもあって、こういう線の細いタイプのイケメンにまったく免疫がなかったようだ。
■第6話
- 前回のラストで引っ越してきたあきらに一目惚れしてしまい、すっかり頭がいっぱいのいちか。あきらに声をかけられたことに気を取られた隙に洗濯物が風に飛ばされてしまい、慌てて洗濯物を捕まえようとしてベランダから転落してしまう。
- しかし、あきらはこれを素早く受け止め、そのままお姫様抱っこの体勢に。外見だけでなく言動までイケメンなあきらにますます惚れ込むことになる。
- スイーツ工房でもボーっとしっぱなしで、更に頭に乗せた氷嚢の氷が瞬時に溶けるほどの熱を出すいちか。そんな様子を見たゆかりに「初恋かしら」とからかわれ、あおいやひまりも興味を示す。
- 「いちかの王子様」を一目見ようと、いちかの家を訪れる3人。しかしゆかりはあきらの名前を聞いた途端、何かを察したように微笑み、あきらを見ることなくそのままいちかの部屋に引っ込んでしまう。
- そしてまた家から顔を出したあきらが、近くにチョコレートのお店がないかと尋ねてくる。するとあおいとひまりはいちかに気を遣い、あきらと2人きりでチョコレート屋に行くように仕向ける。
- 図らずもデートのような状態となり、商店街の人に冷やかされたりしながらチョコレート屋へ。そして店に案内してくれたお礼にといちかにもチョコを買ってあげようとするあきらに、無意識のうちにハート型の大きなチョコを選ぶ。
- そして帰り道、買ったチョコの袋を見ながら「みくも喜んでくれるはずだよ」と嬉しそうに語るあきら。「女の子へのプレゼントだったの!?」とショックを受けるいちかだが、みくがあきらの妹であると知り、即安堵。正に一喜一憂。
- そうしてあきらの家庭事情を聞いていると、チョコのキラキラルを集めているビタードの襲撃に逢い、あきらのチョコが奪われてしまう。ホイップに変身し、カスタード・ジェラートとも合流してチョコを奪い返そうとするが、ビタードは逃走。更に街中のチョコのキラキラルもビタードに奪われ買い直すことすらできない状態に。意気消沈するあきらに、「諦めるのはまだ早いですよ」と、あきらをスイーツ工房へと案内する。
- 先ほどあきらに買ってもらった、ビタードが見落としていたチョコをアニマルスイーツ「いぬチョコレート」へと作り変えてみせるいちか達。それをみたあきらは「かわいい」と感想を漏らす。「かっこいいじゃなくて?」とやや疑問を抱くいちかだが、結局あまり気には留めなかった(なお、ひまりとあおいはこの時点であきらの『正体』に感づいた)。
- そこへ再びビタードが襲撃。後から合流したマカロンも含め4人で応戦するも、高速で飛行するビタードにはまともに攻撃を加えられず、ついにホイップが変身解除にまで追い込まれてしまう。
- 「早く妹さんにチョコを届けて」と涙ながらに訴えるいちかだが、あきらはいちかの涙を優しく拭い、「置いていけると思うかい?」と微笑み、身を呈していちかを守る。そしてあきらの思いが形となり、あきらはキュアショコラへと変身を遂げ、ビタードを撃退するのだった。そしていちかは「あぁ… あきらさん… ステキです!」と顔を紅潮させながらメロメロになっていた。
- その夜、またしてもあきらと話す機会が訪れたいちかは、意を決してあきらをデートに誘おうとするが、そこにいちかの父・源太郎が現れ、「お姉さんができたみたいでよかったなあ」と発言。「お姉さん?お兄さんでしょ?」と困惑するいちかだが、源太郎の素振りから本気で言っていることに気が付き、「ま、まさか…」と青ざめる。そしてトドメとばかりにあきらが「気にしないで、よく間違えられるから」と苦笑いしたことで、ようやくいちかはあきらが女性であるという事実に気付いたのであった。
■第7話
- この回から冒頭でタイトルロゴの看板の裏からいちかが飛び出し、「ぐえっ!うぅ~」と画面にぶつかって痛がった後、ピースしながら「私、宇佐美いちか!スイーツ大好き中学二年生!スイーツに込められたキラキラルの力で伝説のパティシエ、プリキュアやってま~す!」と挨拶しながら前回のハイライトを流すようになった(ストーリー展開上挨拶だけで直ちに物語に入る場合有り)。
- あきらが加わり、プリキュアが5人になった記念のお茶会のためにドーナツ作り。ゆかりがあきらを女性だと知っていながら黙っていた事が改めて発覚し、「だったらなんで言ってくれなかったんですかぁ~!」と耳の先まで真っ赤になる。
- ドーナツ作りで大騒ぎする賑やかないちかを見て、「いちご山のスイーツ工房のよう」と言う長老は過去を語り出す。長老やペコリンは仲間の妖精達と楽しくスイーツを作る日々を送っていたが、キラキラルを狙う悪い妖精達が襲撃。争う内に圧縮されたキラキラルが大爆発を起こし、吹き飛ばされた妖精たちは散り散りになってしまった。それこそが第1話でいちか達が目撃した謎の爆発であり、その際に長老は実体のない体になってしまい、仲間は皆行方知れずになってしまったのだった。
- 仲間を思い出し、涙を流すペコリンを励ますべく、いちかはドーナツ作りを再開。ペコリンの協力を得て見事ドーナツが完成し、ペコリンに笑顔が戻った。ペコリンはいちかをスイーツ工房の跡地に連れてゆき、「ペコリン、いちかと一緒にドーナツ作ったペコ!」とどこか遠くにいる仲間に向けて叫ぶ。仲間と再会し、また楽しくスイーツ作りができる事を、いちかも願わずにはいられなかった。
- そこへフエールが現れ、ドーナツのキラキラルを奪おうとする。キュアホイップに変身して戦うも、4体に増殖したフエールの攻撃でピンチに。
- だが、吹き飛ばされたホイップをあきら達4人が受け止める。2人きりになってペコリンを励ますいちかの作戦のために帰ったふりをしていたが、実は陰からこっそり見守っていたのだった。5人そろったプリキュアの前にもはやフエールは敵ではなく、軽く撃退された。
- スイーツ工房に戻ったいちかは、「ここでお店をやろう」と言い出す。「みんなが集まってスイーツを作ったり食べたりする場所があれば、ペコリンの仲間達も戻って来るかもしれない」というアイデアに皆も賛成。「お店の名前は……キラキラパティスリー!」
■第8話
- キラキラパティスリーオープンのため、スポンジケーキを制作……のはずが、オーブンの温度が高すぎて爆発し、建物中が煤だらけになる大惨事に。
- 営業責任者は人間に変身した長老が務めることで解消、キラキラルポットから取り出したキラキラルで店の内装も作れることがわかり、順調なすべり出しに見えた。ところが、あおいは怪力で壁を破壊し、買い出しを担当したひまりは人ごみに入れず挫折、ゆかりに至っては「私、店やりたいなんていったかしら?」と言い出す始末で、足並みがまるで揃っていないことが露呈してしまう。
- そこに児玉えみるという女の子が来店。明日友人宅で茶会をするが、皆好みが異なるのでどうしたら良いか分からないというえみるに、いちかは「きっと皆が喜ぶスイーツをお届けする」と約束する。安請け合いしたいちかに皆は心配顔。それでも「初めてのお客さんであるあの子を笑顔にできたらめっちゃ嬉しい!」と、どこまでもいちかは前向きだった。
- そんないちかの姿に、バラバラだった他の4人もそれぞれ力を合わせ、買い出しや内装整備に一致団結する。煤だらけの店内もきれいになり、あとはえみるに届けるスイーツだけ。いちかは「カラフルで特別で、皆みたいに沢山の個性が詰まった」ワンダフルアニマルスイーツを作り上げた。
- 大喜びするえみるであったが、現れたスポンジンがキラキラルを奪って逃げ去る。泣きべそをかくえみるに、いちかは「スイーツは絶対元に戻す」と約束、スポンジンを追跡。初めての5人そろっての変身と名乗りが披露される。「キラキラ☆プリキュアアラモード!」力を合わせた5人の前にスポンジンは撃退され、えみるのスイーツは元に戻った。
- ようやく本格的に開店する運びとなり、制服に着替えて「これからキラキラパティスリーをもっと盛り上げよう!」と張り切るいちかであったが、「バンドの練習がある日は無理」「私も塾が」「みくのお見舞いに」「頑張ってね、店長さん」とまたもバラバラな仲間にがっくり。だが、そこにえみるが友達を連れて来店、5人は笑顔で出迎えたのであった。「ようこそ、キラキラパティスリーへ!」
■第9話
- キラパティにお客さんが来ないので、「どこでも開店できる」という利点を活かしていろんな場所でお店を開くことに。
- 園児がたくさんいるいちご坂保育園の園庭に開店し、スイーツの試食会を開催する。子供達には好評だったが、多くの人数が押し寄せて大混乱に。
- 他には「橋の上」「いちご山」「牧場のど真ん中」で開店してみたが、いずれも客が来ず、「なんでこうなるの~!」と嘆いていた。
- 街中に開店しているときに、今回のゲストキャラ・辰巳だいすけが来店する。だいすけはいちご坂幼稚園の先生である中村みどりに恋をしており、告白のためのクッキーを探していたが、あいにくクッキーは今のキラパティに置いていなかった。
- ここでいちかがだいすけの恋の手助けのためにクッキーを作ることを提案。いつものように失敗する描写もありながら、皆で「パンダクッキー」を作り上げた。
- だいすけがみどりに告白するところにコッソリ付いて行き、告白したタイミングでキラパティを開店。思い出の動物園を模した店内で2人をもてなした。
■第10話
- 地道な営業活動を続けた成果がようやく出てきて、キラパティにもお客さんが結構くるようになった(最終的に、最初にキラパティを設置した自然公園の奥を定位置にした様子)。ゆかりとあきらの人気による部分がかなり大きいとはいえ、いちかは上機嫌。年に一度の食フェス「いちご坂スイーツフェスティバル」に出店参加する為、新作スイーツに乗せるフルーツの買い出しをゆかりとあきらに頼むのだが……
- 2人が留守の間に、ゆかりとあきらのファンだという女の子の集団がキラパティに押しかけてきた。「ゆかりのような気品ある美しさも、あきらのような高貴な格好良さも、この店のコンセプトからは感じられない。ここはあの2人には似合わないのでもうこの店に巻き込まないで」と笑顔でキツい事を言ってくる彼女らに、いちか達はたじたじ。「そもそも、ゆかりは気まぐれだから暇つぶしで、あきらは優しいから同情でここに来ているだけ」とまで断定されてしまい、挙句に「ゆかりとあきらにもうこの店に出入りしないように忠告してくるのでよろしく」と一方的に宣言して去っていった。これにはいちか・ひまり・あおいは(ついでに長老も)大ショック。
- もう2人はこのままここには帰って来ないのではないかという皆の不安に対し、いちかは2人が絶対帰って来ると信じてタルト生地を作り続ける。ひまりとあおいも協力して生地は完成するが、それを狙ってタルトーンが襲ってきた。プリキュアに変身して戦うも、回転攻撃に巻き込まれて大苦戦。
- そこへゆかりとあきらが駆けつけた。2人は買い出しの間のいくつかの出来事を経てお互いの長所を認め合い、ファン軍団の一方的な決めつけにも耳を貸さずに、キラパティに自分の意思で来る事を選んだのだった。息の合った2人の攻撃でタルトーンは撃退される。
- 2人の買ってきたフルーツで「ハリネズミフルーツタルト」が完成。再度押しかけてきたファン軍団も、タルトを口にするとその美味しさに「キラパティ最高!」と絶賛し、ようやく認めてもらえて一件落着した。
■第11話
- 「いちご坂スイーツフェスティバル」当日。「今年も一緒に行こう」と言う源一郎にいちかは「絶対に来ないで!」とピシャリ。キラパティをやっている事は秘密だし、暑苦しく少々デリカシーに欠ける源一郎の存在は、中学2年生のいちかにとっては恥ずかしかったのだ。
- 「ハリネズミフルーツタルト」は好評でキラパティも大盛況。喜ぶいちかだったが、源一郎が姿を現わす。店をやっている事は叱られなかったものの、大声で昔話をしたり挨拶して回る源一郎の言動にいちかは半ギレ。赤面しながら「恥ずかしいからあっち行ってて!」と叫ぶいちかに、今度は源一郎の方もショックを受ける。
- その頃、一度倒したはずの悪い妖精の軍団が出現し、フェスティバル会場のスイーツからキラキラルを奪い尽くす。プリキュアに変身して戦ういちか達だったが、フエールに襲われそうになった辰巳だいすけとみどりを源一郎が救った。手に持っているスイーツを寄越せと凄まれても頑として断る源一郎にハラハラしながら「おせっかいなんだから」と呟くホイップ。
- そして妖精軍団はジュリオの力で合体ガミーに変貌し、プリキュア達を叩きのめす。そんな中、源一郎はどんなに痛めつけられようとスイーツを渡そうとしなかった。そこまでして源一郎が守ろうとしたスイーツは、いちかの大好きなショートケーキ。彼は目の前のホイップがいちかとは気づかないまま、「たとえおせっかいと言われようと、いちかと友達に食べて欲しかった」という親心を打ち明けて気を失った。
- 父の愛に大粒の涙を流すホイップ。「ちゃんと大好きだよ……ごめんね、素直になれなくて」 そして源一郎が守ろうとしたぐしゃぐしゃのショートケーキを指でひと舐めして、その思いを噛み締めた。すると、ホイップの体から不思議な黄金の輝きが発せられる。「スイーツは食べたら消えちゃうけど、受け取った気持ちは思い出になってずっと残る。だからこれ以上、友達の、恋人の、家族の、みんなの思いをめちゃくちゃにしないで!」
- そのホイップの叫びに応えるかのように、人々の心にキラキラルの輝きが浮かび上がった。そしてそれがプリキュア達の元へ届いた時、新たな力・キャンディロッドが生まれ、合体ガミーは浄化される。
- 意識を取り戻した源一郎に、いちかは照れながら「ハリネズミフルーツタルト」を差し出す。感涙して「もったいないからしばらく道場に飾っておく」と言い出す父と「早く食べて!」と赤面しながら騒ぐいちか。その姿を眺め、怪しい笑みを浮かべるジュリオの存在に、いちかはまだきづいていなかった。
■第12話
- スイーツフェスティバルへの参加はキラパティの知名度を大きく高めることに貢献し、お客さんもかなり増えるようになっていた。そこで客たちの会話で「最近この街で”プリキュア”というかっこかわいい5人組のスーパーヒロインが活躍している」という話題を耳にし、「わたしがプリキュ……」と自らカミングアウトしかけるが、他メンバーに止められ、「プリキュアであることは絶対内緒」という取り決めがされた。
- いちかのクラスに黒樹リオという少年が転校してくる。男女問わず人気者となったリオだが、初対面なのにいちかの名前を知っていたリオのことを少し怪しむ。
- 前話で黒いオーブを破壊されたことで、邪心から解放されたガミー達がキラパティに謝りにきたので、ネコマカロンを振る舞う。そこでガミー達から「ある人物に唆された」ということを聞かされ、悪い妖精には黒幕がいるらしきことを知った。
- リオと神楽坂りさがキラパティを訪れたので、新作スイーツを作ることに。リオは「スイーツが好きではない」と言う割にはスイーツ作りに詳しく、彼から「底から大きく楕円を描くようにかき混ぜる」というアドバイスを聞き、ふわふわクリームが美味な「ヒツジカップケーキ」を完成させた。
- リオがヒツジカップケーキを食べたりさからキラキラルを抜き取り、その異変を察知して現場に駆け付ける。そこでリオの正体であるジュリオと戦闘になる。黒いキラキラルの力を得たジュリオに対し大苦戦するが、リオのアドバイスの応用したキャンディロッドでの新技「ホイップデコレーション」を発動、何とか撃退に成功した。
■第13話
- ひまり・あおいと一緒に新作スイーツのフラミンゴチュロスを試食。2人に比べていびつな形だが味は悪くなかったご様子。
- PR動画撮影にマスコットキャラ・イチゴン役で参加。最初は不満げだったがいざ撮影が始まると子供を巻き込んでノリノリでダンスを踊った。
■第14話
- 今日も今日とてあおいのアイデアから「青いゼリー」試作を考えたりワイルドアジュールのライブをひまりと楽しんだり、友達と元気よくはしゃぐ。が、あおいの保護者代理を名乗る水嶌みつよしが彼女をいきなり連れ去り大慌て。
- 後日学校も休んだあおいを心配し、高校生組の同意もあって立神家に乗り込むことに。
- メイドから逃げて来たあおいが普段とあまりに異なるイメージの服装であったため気づかず、他人行儀に振舞ってしまう。
- あおいが家庭の事情でキラパティもバンドもやめてしまうことに納得いかないが、ゆかりとリオは諦め気味……というかリオに至ってはハナから水嶌があおいの気持ちを理解できないと決めつける始末。それは逆に「なんとかして分かってもらおう」といちかを奮い立たせるきっかけに。リオの苦言も何処吹く風と言わんばかりに、シビアな姿勢だったゆかりまで同調し始め、その「ブレない」どころか「聞く耳持たない」姿勢に、リオも呆れるしか無かった。
- が、流石に真正面から水嶌を説得するのは無理なので、メイドたちに許可を取った上でキラパティを立神家敷地内にオープン、社交パーティーの参加者の目を引きつける。その隙にあおいにイルカゼリーを差し入れ、ワイルドアジュールの飛び入り演奏に参加するよう仕向けた。
- 水嶌にゼリーを勧め、更にバンドの感想を聞く。「そんなものはレディには必要じゃない」という感想に、「素直じゃない」と内心を見透かしたツッコミ。
- 更に後日、ようやくお許しをもらえたあおいを出迎える。ここで実はあおいが学年5位以内の優秀な成績と知り「勉強苦手仲間だと思った」と地味に失礼な発言をしつつ大ショック。
■第15話
- あきらの妹、剣城みくが来店する。「おいしいスイーツを作れるいちかちゃん」と言われてすっかり気を良くしたいちかは、「キラパティで働いてみたい」というみくの要望を聞いて一日一緒にパティシエ体験させることに。
- みくが客の注文を覚えきれなかったのをみて、「一緒にスイーツを作ってみよう」と誘う。そこでみくからあきらとの話を聞き、あきらへのプレゼントとしてのアニマルスイーツを作ることを勧める。
- みくによるアニマルスイーツ作成のため、あきらを外出させ、「プードルチョコレートケーキ」の作成に取り掛かった。
■第16話
- キラパティが大盛況でてんてこまいの中、ゆかりは1人物思いに沈んでいて。閉店後もさっさと帰ってしまった。いちかは「えぇ~!?私がミスし過ぎたせい?」とわざわざ墓穴を掘るような事を言い、さらにあおいが「それで遂に見限られちゃったってか?」とからかったため、すっかり自分のせいでゆかりが機嫌を損ねたと早合点して涙。大丈夫なのか、無謀な店長さん。
- ゆかり・あきら・リオが話し込んでいるところへ駆け付け、「今度の日曜、皆で一緒に遊びに行きませんか?美味しい物食べたり、綺麗な物見たり、だだだ…題して『ゆかりさんと一緒に皆で何か面白いことやりたいぞ計画』!」と、ゆかりに嫌われたくない一心で、小動物のような涙目で必死に訴える。ちなみに計画名はリオから「そのまんまじゃん」と突っ込まれていた。
- 結局その日曜は、琴爪家のお茶会にお呼ばれ。着物を着てはしゃぎ、慣れない茶道の作法にとまどったりといつものペース。足がしびれて転んでしまい、ゆかりの祖母・しのも「みんなでスイーツのお店やろうやなんて、楽しいこと考えたんはどないな人やろうと思うたけど、やっぱり面白い子やったんやね!」と笑顔になった。
- 茶室で次のお客様の支度をするゆかりを見て、キラッとひらめいたはずみに、茶室入口に頭を痛打。毎回アバンで頭をぶつけているのに、またも脳細胞に余計なダメージが。
- そのひらめきは「キラパティ・海の茶室」。シロイルカいちご大福とゆかりの茶道の、和風と洋風をコラボした企画は大成功。ゆかりも「わたし、茶道が好きなのね」とうれしそうな顔を見せた。
- ちなみに、常連客にお茶会の招待状を出し、ゆかりファン・ワイルドアジュール・辰巳だいすけと中村みどりなど、お馴染みの面々が来店していたが、その中に第10話であきらとゆかりが助けたおばあさんの姿もあった。いつの間にか常連になっていたらしい。
- 今回のお茶会イベントの裏では、ゆかり=マカロンとリオ=ジュリオの心理戦が繰り広げられていたが、いちかはそんな事があったなどとは露ほども知る由がない。しかし、ゆかりに手玉に取られて赤っ恥をかかされたジュリオの復讐の矛先は、ゆかり本人ではなくキラパティのキラキラルの源とも言えるいちかに対して向けられていた。
■第17話
- 今日、海外にいる母から手作りスイーツが届く予定なので、お返しに贈るためのクッキー作りの材料を買いにスーパーに。そこで密かに付け回していたストーカー……もとい偶然出会ったリオに、ハイテンションでどの食材を買ったら良いか相談。
- リオに荷物を持ってもらい家に到着。ちょうど宅急便で母のマドレーヌが届き、いちかは大喜びで食べながら母親の手紙を読む。そのうれしそうな姿を見る内に、リオの脳裏にある人物の影がよぎり、彼の表情はたちまち険しくなる。
- 「なんで喜んでいるの?お母さん、外で好きなことしているだけだよね?放っておかれて淋しくないのか?」といちかを問い詰めるリオ。「淋しいけど、お母さんはお母さんにしかできない仕事で困っているみんなを助けている、それにお母さんがわたしを大好きなのはわかっているから」といういちかの反論にも、「おかしいよ、ひどいことされているのはキミの方だろ?なぜ怒らない?キミたちはどうかしている!」と激したリオはもはや止まらなかった。そしてリオは「オレはね、スイーツが大っ嫌いなんだ」と言いながらいちかに手を伸ばし……
- ゆかり達4人がいちかの家に駆けつけた。リオの正体がジュリオと知ったゆかりが皆を招集しており、私用で来られなかったいちかにもそれを伝えるべくやってきたのだが、4人の前に現れたいちかの表情は虚ろで、瞳からはいつもの輝きが失われている。彼女の心からはキラキラルがなくなってしまっていた。
- その姿を嘲笑いながら姿を見せたリオは、ジュリオの正体を現す。勿論いちかのキラキラルを奪ったのはジュリオであった。変身して戦う4人であったが、いちかの心のパワーである強力なキラキラルの前に、個人技も悉く破られて一方的に叩きのめされる。
- 一方、抜け殻の様ないちかはペコリンによって家の中へと避難するが、先程目を輝かせて読んでいた母からの手紙を見ても何の反応もなく、それどころか「大好きないちかへ」の文面にも「大好きって何?」などと呟く。キラキラルが失われたいちかの心からは、喜びも悲しみもあらゆる感情がなくなってしまっていたのだ。
- ペコリンはいちかに「大好きの気持ち」を思い出させようと先程まで準備していたクッキー作りを続けるように促すが、当のいちかは面倒そうに「どうでもいいよ」と答えるだけ。だが、そんないちかにペコリンは叫ぶ。「どうでも良い訳ないペコー!! ペコリンは知ってるペコ、いちかは大事な気持ちを忘れてないペコ!」その必死の訴えに、いちかの心の底で反応するものがあった。
- ペコリンに導かれ、おぼつかない手つきでクッキーを作り出すいちか。しかし次第に、ペコリンよりも先に手が動くようになる。心は抜け殻になっていても、何度も練習を重ねたスイーツ作りの手順は、いちかの体に染み付いていたのである。そして無意識にいつも通りの言葉を呟く。「キラキラキラルン、キラキラル…」
- 体に染み付いた動きに身をまかせる内に、今までスイーツを作ってきた時の記憶と感情が湧き上がってきた。いちかの瞳には光が少しずつ戻っていき、心にもキラキラルが蘇っていた。今までいちかが与えられ、そして与えてきた「大好き」の気持ちが、彼女を立ち直らせたのだ。「これが私のお母さんへの気持ち…… 思い出した!」
- 母への気持ちが一杯に詰まったクッキーを完成させたいちかは、ホイップに変身して大ピンチの仲間の元へ駆けつける。「キラキラルが戻ったのか!?全部奪ったはずなのに」と驚くジュリオに向けて、「どんだけ奪われたって、わたしの大好きはここからたくさん生まれてくるんだから!」と高らかに叫ぶ。その姿は、いつも通りのホイップであった。
- ホイップ・デコレーションと、スイー・ツー・ワンダフルアラモードの前にジュリオは完全に敗北。仮面も割れて素顔を晒す彼にホイップは、「それじゃ、クッキー一緒に作りながら話聞かせてもらおっかな、聞きたいこと山盛りQ」と優しく手を差し伸べる。だがジュリオは「スイーツなんかで気持ちが通じ合うものか!オレはスイーツもおまえも大っ嫌いだ!」と拒絶して逃げ去ってしまう。
- 母に「大好きなお母さんへ」とお礼の手紙を書きつつ、いちかはなぜジュリオがスイーツや人の絆をあそこまで憎悪するのか、考え込まずにはいられなかった。「大っ嫌い、か……」
■第18話
- ジュリオが姿を消した後、キラパティに客が来なくなってしまった。その原因は街で流れている悪い噂であり、「キラパティのスイーツを食べると『恋人と別れる』『友達と仲が悪くなる』『ギャグが滑る』等々の良くないことが起きる」というものだった。
- そんな噂に負けずにキラパティに客が来ることを信じ続けるが、一向に客は来ず、しまいには「キラパティ大盛況」という夢オチをしてしまう始末。新作スイーツを作ろうとしても失敗するなど、動揺は隠せなかった。
- TVのニュースで、パリで活躍する天才パティシエ・キラ星シエルが自分と同じ13歳と聞いて、「わたしとは大違い。わたしの作るスイーツがもっと美味しかったら、噂なんか何てことなかったのかな」と落ち込みながら床をゴロゴロ転がる。この時、またも机に頭をぶつけ、「おおぉ…」と悶絶。
- 翌日、「う~、モヤモヤ取れないよ~」と頭をさすりながら歩くいちか。遂に頭のぶつけ過ぎでパンチドランカーに…じゃなくて、歩いていると、キラパティのチラシを懸命に配るあきらの姿が。他にも、ファンクラブを使って噂の出どころの聞き込みをするゆかり、キラパティの飾りつけをするあおい、ミルクレープをつくるひまりなど、頑張る仲間の姿に元気づけられて再起。「キリンミルクレープ」を作り、キラパティの前で呼び込みを始める。
- 呼び込みで一人の男の子に「キラパティのスイーツを食べるとギャグが滑るんでしょ?」と言われるが、「そんなことを言うのはこれキリンにしなさい」と、既に滑ってるギャグを放ちながらクレープを差し出す。男の子は「なにそれつまんない」と言いながらもつい吹き出してしまい、笑ったんだから食べてと言わんばかりのいちかの勢いに負けてミルクレープをいただくことに。
- 男の子がミルクレープを賞賛したことで、店の周囲にいた人たちの何人かも興味を示し、ポツポツとキラパティに来店してくる。そしてキラパティの常連だったが噂で敬遠していた客たちもその様子を見聞きして、大丈夫みたいと戻ってきてくれた。そして噂を広げたのがビブリーであることもゆかりの調査の結果発覚し、キラパティへの悪い噂騒動は一応の解決を迎えた。
■第19話
- いつもの青果店でフルーツ選びに悩んでいると、見知らぬ少女がその目利きを褒めつつ声をかけてきた。なんとニュースに出ていた天才パティシエ・キラ星シエルだった。いちご坂に期間限定の店を開くという。
- 後日、彼女の店を訪れ、その技量とスイーツの味に圧倒されつつ感激し、「決めた!シエルさん、わたしを弟子にしてください!」と言いだす。あおいとひまりに「正気か!?」と止められても、もはやその勢いは止まらず、ジャンピング土下座して弟子入りを懇願。
- 「ジャパニーズ土下座!?」と驚き呆れつつも、吹きだしたシエルはその熱意を認め、入門テストとして「スイーツであなた自身を表現してみて」という課題を出す。雲をつかむようなテーマにいちかはパニック。
- テストの日、シエルの店を訪れるとそこにはペコリンに似た妖精らしき姿が。見間違いかと思っているとシエルが登場。試作中というスイーツを食べさせてもらい、その研究熱心さに再び圧倒されつつ、テスト開始。が、その制作過程はシエルを意識して彼女のパフォーマンスを真似た無駄な動きが多く、シエル本人も呆れた目で見ていた。
- ようやく完成したアシェットデセール(皿盛りのデザート)風のうさぎショートケーキ。いちかはこれを「このケーキは私が初めて作ったスイーツでふだん会えないお母さんのことを思って作ったもの」「ケーキにかけてるソースはシエルさんをリスペクトする気持ちを詰め込んだものです」と語るが、試食したシエルからは「うん。全然ダメ。バランスが壊滅的。特にこのソースが全部ぶち壊してる」とあっさり不合格。
- 一方のシエルは試食しながら何か閃いたようで、即興でうさぎをモチーフにした新作ケーキ、しかも当然いちか以上の出来栄えのものをあっさり作っていちかを驚愕させた。そしてシエルは「いちかなら作れるかなって思ったんだけどな」と意味深なことを呟く。
- 彼女が席を外した際に、置き忘れたシエルのメモ帳をのぞくと、膨大な量の研究と努力の内容が書き込まれていた。そして「スイーツでみんなを幸せにする」という言葉が。いちかもシエルも、心の根底にある思いは同じであった。
- そこへ、天才パティシエの評判を聞きつけたビブリーがやってきた。シエルのスイーツから大量のキラキラルを奪ったビブリーは巨大イルを出現させる。いちかはホイップに変身して戦闘開始。
- シエルは巨大イルに吹き飛ばされて気を失い、ホイップも綿飴状の粘液に捕まってピンチに陥るが「シエルさんのスイーツはみんなを幸せにするとっても素敵なスイーツなんだよ!まだまだわたしには作れないけど、シエルさんの思いは絶対わたさない!」という叫びが届いたか、仲間が駆けつけて形勢逆転、巨大イルを退けた。そのプリキュア達の姿は、意識朦朧としたシエルの瞳に映っていた。
- 目を覚ましたシエルに「今、ここにプリキュアいなかった!?」と問い詰められ、慌てふためきつつ「か、帰ったんじゃないかな?」とシラを切る。そしてシエルと別れ際に「わたし、あきらめませんから!」と言ういちかは、どこまでも前向きだった。
■第20話
- プレス向けに開かれたシエルの新作スイーツの発表会に、ひまりレポーターがいちご坂商店街広報代表として参加。その企画の一環でいちかもイチゴンの着ぐるみ姿でシエルを取材することに。しかしいちかはその場を利用して再びの土下座で弟子入り志願する。
- ちなみにその場には同時に取材に来ていた数多くのマスメディア関係者もおり、その生放送のカメラに撮影されてしまった。
- 当然シエルがなびくはずもなかったが、衆目を恐れずに土下座した度胸や「師匠」呼びまでする熱意を買われ、いちご山の向こう側にある養蜂家を訪ねる用事に同行を許されることになった。
- 道中でキイチゴやブルーベリーなど山の恵みを摘む2人。話の流れでシエルがかつていちご山近辺で暮らしていたことを察するが、何故かはぐらかされてしまった。
- 楽々木登りをこなすシエルを見て「妖精みたい」と形容する。
- 養蜂家の家に到着。そこの子供が持っていたくまの兄弟が主人公の絵本が自分の小さい頃に読んでいたのと同じだったので意気投合する。
- 養蜂の仕事で両親が忙しくかまってもらえないけれど、この絵本を見ると蜂蜜はみんなを喜ばせるものだということが感じられるので、だから寂しくはないと健気なことをいう幼い子に、いちかは自分の境遇を重ねたところもあるようだ。
- 上質な蜂蜜を見てパンケーキにかけたいと提案し、シエルもそれに同意。しかしシエルはシエルでマイペースに自分だけでスイーツを作り出したので、いちかはいちかで自分のアイデアを生かした別々のスイーツを作ることになった。
- パフォーマンス重視のシエルは、養蜂場にやって来たお客さんたちに調理を見せるためにあえて野外の広場でスイーツ作りを始める。いちかもそれにつきあい、2人揃って机を並べてパンケーキをレッツ・ラ・クッキング。
- 大勢の観客の前でスイーツを作るという経験がないいちかはガチガチに緊張してしまいスイーツ作りもミスばかりだったが、先ほど友達になった養蜂家の子供の応援を受けて、いつもの調子を取り戻せた。そしてキラッと閃いて作り出したのはアニマルスイーツ「くまパンケーキ」。
- シエルが「形はユニークだけど素材のパワーは生かされているのか」と厳しい指摘をすると。いちかは「はい! ベリーと蜂蜜のパワーと、”もっと凄いパワー”も!」と自信たっぷりに答える。シエルは呆れた様子で、彼女は彼女でいつものように自分の全力を注いたパンケーキを完成させてお客さんたちに振る舞う。その華麗な出来栄えと味にみんな大興奮。一方のいちかのケーキはお客さんには見向きもされなかった。
- と、ここでビブリーにシエルのパンケーキのキラキラルを根こそぎ奪われてしまった。怒って巨大イルに立ち向かうシエルを、ホイップに変身してお姫様抱っこで助け、離れた場所へ誘導。当のシエルは憧れである伝説のパティシエ・プリキュアを間近で見たため半ばパニックに。
- 戦いが終わり、お客さんは避難してほとんどいなくなってしまったが、いちかは気にせず自分が完成させた「くまパンケーキ」を養蜂家の家族とシエルに振る舞う。
- そのパンケーキのモチーフになっていたのはあの絵本の「くまの兄弟」だった。物語にちなんだ表情豊かな可愛らしいデザインのパンケーキは養蜂家の親子には大好評。そして、本当に食べてもらいたかった相手にちゃんと食べてもらえたいちかは大満足。
- もっとも、このくまパンケーキはシエルから言わせれば味も技術も「普通」の出来。残念ながら素材のパワーも十分に生かされてるとは言えなかった。こんなものはシエルが目指す「世界中のみんなを満足させるスイーツ」とはほど遠い。しかしシエルはそのパンケーキを食べた養蜂家の家族に尋常でない量のキラキラルが宿っていることを感知する。シエルはこの事実にどうしても納得できず、いちかが一体何者なのか興味を持ったようで……?
■第21話
- いつもの青果店でイチゴ選びに悩んでいると、シエルがやってきて「どうしてあなたのパンケーキにはあんなにキラキラルが?」と突然問い詰められる。思わず「キラキラルですか?それはわたしが…」と答えかけたところで、シエル・いちか共々、相手がキラキラルの存在を知らないはずということに気づき、慌ててお互い笑ってごまかしあうという状況に。
- 夕方、キラパティを閉めようとしたところで、謎の青い火の玉を発見。逃げられてしまったが、それを聞いた長老は何かに気づき、全員をいちご山に集合させる。
- ペコリンに傘を渡され、長老の指示通りに傘を開くと、長老の顔のデザインの花火が打ち上げられた。
- するとそれを合図として、大勢の妖精が集まってきた。かつていちご山のスイーツ工房で働いていて、悪い妖精達の襲撃の際の爆発で散り散りになっていたみんなが戻ってきたのだ。遠くに飛ばされた彼らはそれぞれ難儀していたが、改心したガミー達に助けられ、「長老とペコリンが待っている」と聞かされて、懐かしのいちご山に一斉に帰ってきたのだった。
- そこでいちかがキラッとひらめき、お祝いのパーティーをする事に。妖精も総動員でスイーツ作りをする。みんなが再会し、いちご山が元に戻ったと長老も感涙。
- ところがそこへシエルが「みんな無事でよかった」と駆けつけてきた。怪訝な顔をする一同の前で、シエルは妖精に姿を変える。彼女の正体は妖精キラリンだったのだ。衝撃の事実に一同唖然。
- 再会を喜ぶキラリンとペコリン達だったが、今度は招かれざる客・ビブリーまでもが登場。スイーツから大量のキラキラルを奪い取る。そうはさせじといちか達は変身して戦闘開始。
- 巨大イルの攻撃でピンチに陥るも、シエルが身を挺してそれを阻む。「プリキュアは自分達妖精の憧れ、だから負けないで」と訴える彼女の思いに応え、ホイップ達は力を合わせた総攻撃で巨大イルを撃退した。
- 戦いも終わって一件落着…と思いきや、今度はキラリンが「弟子にしてほしい」と言い出した。先日までとは立場が逆転し、ホイップもどうしたらよいものやら困り顔。
- そこにジュリオが姿を現わす。「この感じ……もしかして!」と何かを感じ取ったキラリン。だがノワールに力を与えられたジュリオの目は異様に輝き、以前とは段違いの邪悪なオーラを纏っていた。「みんな倒してやる……プリキュア、勝負だ!」
■第22話
- 戦いの中ジュリオに駆け寄るキラリン。なんとジュリオの正体はピカリオ、即ち妖精にしてキラリンの双子の弟だった。その事実を指摘されたジュリオは忌まわしそうな顔をし、その名はもう捨てたと言い放つ。そして姉の憧れだったプリキュアを自らの闇の力で倒すべく、自分の心の中にあるキラキラルをロッドに注ぎ込む。
- いつもの余裕めいた笑みなど浮かべず、憎悪にまみれた悪鬼の表情でプリキュアに猛攻を仕掛けるジュリオ。その勢いにプリキュアたちは翻弄されるばかり。そしてジュリオの攻撃で地面がえぐられ陥没し、プリキュアと妖精たちは奈落の底へと落ちていった……
- しかしその地面の底にあったのは謎の地下空洞。大量のキラキラルが貯蔵されて光り輝くこの空間には、緑の下草が生えており、それがクッションになってプリキュアたちは助かった。
- 長老に促されたキラリンは身の上話をする。パリで一緒に修業していたが、ある嵐の日に弟から突然「キラリンもスイーツも大嫌い」と吐き捨てられ、そのまま彼は姿を消してしまったのだった。なぜ弟があんなことを言ったのか心当たりがさっぱりなく、そして今も憎しみをぶつけられて困惑しているというキラリンだったが…
- そこに地上からジュリオが地下空洞に舞い降りてきて、「やっぱりおまえは何もわかっていない」と彼からの視点で過去の話を語り始めた。二人で一緒に修行を続けるはずだったのに、キラリンだけが人間の師匠を見つけ、彼の元に足繁く通うようになったことで、ピカリオは孤立していった。それによってスイーツの腕前の成長も明らかに差をつけられ、ピカリオの苦悩はどんどん深まる。
- だが何よりも彼を絶望させたのは、挫折する者の苦しみと悲しみを理解できず、「伝説のパティシエ・プリキュアになれるかもしれない」と有頂天になっているキラリンの無意識の残酷さだった。そして憎しみを爆発させた彼は、ノワールに誘われるがまま闇へと走ったのだった。ジュリオの告白に、自分が弟のことを何も理解できていなかったと呆然となるキラリン。ジュリオはそんなキラリンを突き放し、プリキュアを倒すべく戦いを再開する。
- そして再び始まる死闘。ジュリオの猛攻に幾度となく吹き飛ばされるホイップは、その中で奇妙な感覚を得る。攻撃を受けるたびにジュリオの心の叫びが聞こえてきたのだ。彼の心は絶望・憎悪・嫉みなどで混沌としていたが、ホイップはその中にもっと別の思いもあることを確かに感じ取っていた。
- ジュリオの気持ちをもっと知りたいと思ったホイップは、仲間にクリームエネルギーで支えてもらいながら、ジュリオの闇のエネルギー攻撃を真正面から受け続ける。理解不能な行為に苛ついたジュリオは逃げないホイップに攻撃を無数に浴びせ続け、ホイップは激しい痛みに悲鳴をあげるが、そのエネルギーと共にジュリオの苦しみとキラリンへの思いも流れ込んできていた。「滅茶苦茶痛いよ、ジュリオ……でも本当に痛いのはわたしじゃない。本当に痛いのはジュリオの、ピカリオの心。大好きなお姉さんに自分を認めてもらいたかった本当の気持ち……この闇の力は全部大好きな気持ちの裏返しってこと!」
- その必死の訴えで自分の心の奥底を見抜かれ、動揺したジュリオの攻撃の手が緩んだ。すかさずホイップ達はスイー・ツー・ワンダフルアラモードを発動し、ジュリオも「そんな技でオレの闇の力が!」と最後の抵抗を試みるが、ホイップは優しく彼に語りかけた。
- 「ジュリオ、わたしには伝わったよ。あなたは言った。『スイーツなんかで思いが伝わるか』って。でも、心の奥でそれを信じていたのはあなた。思いを込めたスイーツなら、大好きなお姉さんにきっと思いが届くって」
- 真正面から優しく訴えかけるホイップの背後には、女神のような衣装を纏った女性の像が浮かび上がっていた。その慈愛に満ち溢れた姿の前に、ジュリオの心の闇は浄化され、同時に彼の姿は妖精のピカリオのものに戻る。
- そんないちかの姿を呆然と見続けていたキラリンは、なぜいちかがプリキュアに選ばれたのかに気づく。他人の思いを受け取り、そこに自分の思いを乗せて返すこと。それがプリキュアの役割であり、だから思いを媒介する物質であるキラキラルを大量に生み出し操れるのだ。そして今回の一件で、キラリンは自分がいちかのように弟の苦しみに気づいてあげることも、それを受け止めるだけの勇気も持てなかったことを思い知らされ、彼女は挫折という感情を生まれて初めて味わうことになる。そして……
■第23話
- これまでの事情をピカリオから改めて聞こうとする一同。だが、本人は浄化されてもなお反抗的な態度をとるばかり。これを見てブチ切れたゆかりを慌てて止める。
- ピカリオが闇に手を出した代償として、どんなスイーツを作ってもそこにキラキラルが篭らず灰になってしまう体になっていたことを知らされたシエルは、弟と一緒にスイーツ作りをすることは二度とできなくなったことに気づかされ、前回のことも含めて自分のせいだと強烈な自己嫌悪に陥る。その絶望に反応し突如ノワールが出現。自暴自棄になったシエルは「弟と同じ存在」になるため、ノワールの誘いに乗ってしまう。止めようとして、近くにいたいちかとピカリオはシエルの心の中に吸い込まれてしまった。
- とりあえずジュリオに変身したピカリオと探索。そこで「ピカリオといつまでも一緒にいるために、スイーツ作りもプリキュアになる夢も諦め、自分も闇に堕ちる」と虚ろな目をして語るシエルと対峙する。いちかは勿論、そもそも才能豊かな姉を越えるため闇にまで染まったジュリオもそれを良しとせず強く反対する。しかしその言葉は「ならば何をすれば許されるのか」と却ってシエルの苦しみを招いてしまう。その嘆きにより、彼女の心の空間はひび割れ、いちかとジュリオはさらなる深淵に落下する。
- その荒廃した空間の一角に、2人は小さなキッチンを見つける。キラリンのピカリオに対する思いを象徴するがごとく、ワッフルの材料と型が用意されていた。シエルのためにワッフルをもう一度作るよう説得するホイップ。ジュリオはスイーツなんかで心が通じるものかと相変わらずの態度だったが、彼女の真剣な眼差しに負けてキッチンに立つ。
- そこに現れたシエルは「わたしの心の中でスイーツを作らないで、もう諦めたのに」と悲しげに呟く。彼女の纏う闇はどんどん巨大になっていた。ホイップが闇の侵食を食い止める間にジュリオが作り上げたワッフルはやはり灰化してしまうが、ジュリオはそれをあえてシエルに突きつけ、「本当にスイーツを作れなくなるんだぞ、泣くな!」とシエルに訴える。
- するとワッフルの中に一粒だけ小さな光が現れる。シエルが灰化したワッフルをあえて口にすると…「美味しい…」 シエルの瞳に輝きが戻り、その言葉とともにワッフルはキラキラルを放って光り出し色を取り戻す。驚くジュリオだが、いちかは「当たり前だよ。ジュリオが大切な人のために作ったもんね!」と笑顔で答える。漠然とした「みんなのため」という思いよりも具体的な「あなたのため」という思いの方がより心に響く。ジュリオは今まで行った実験の答えにたどり着いたことに気づき「そんな簡単なことだったのか」と愕然とする。
- そしてジュリオの思いを受け取ったシエルは闇から脱し、キュアパルフェへと覚醒することになる。しかしその代償として、ジュリオ、もといピカリオは休眠状態に陥ってしまい……
■第24話
- 道場での指導を終えた父親のためにカレーを作っていたが、父の門下生に交じってシエルが空手を習っているのに驚く。お腹が減って慌てるシエルも食事に誘った。母親が長期的に留守にしている分、家事スキルは高めのようである。
- 翌日、いちかのクラスにシエルが転入してきた。「いちか達と仲良くなりたい」ために転入してきたシエルは、転校初日から学業・運動においてパルフェなところを見せつける(ただし国語以外)。あまりにも完璧なので若干とっかかりがつかめない状態だったのだが…
- なんとシエルが突然一般人の前で妖精キラリンに戻ってしまう。妖精の姿で飛び回るキラリンのために学校が大パニックになったが、いちかはひまりとあおいと協力し、キラリンを段ボールの中に隠すことに成功。
- この時、いちかが囮となる物体を窓から落としている。よくよく見れば分かるのだが、この囮はいちかとひまりの制服のスカーフで作られているため、しばらくの間二人はスカーフ未着用であった。
- しかし、キラリンの入った段ボールが校長先生の手にわたってしまう。このままではキラリンが校長に見つかってしまう…というところで、いちかが突然体を空前絶後のピン芸人のごとくのけ反らせながら乾坤一擲のギャグを放った。
「『校長』先生!今日も絶『好調』ですね!」
- いちかはそのポーズを維持したまま「大ウケ、ありがとうございま〜す」と丁寧にお礼を言う。シュールすぎる絵面だったが、校長が笑い転げている隙にひまりたちが段ボールを回収し、キラリンを保護することに成功した。
- 人目のない屋上でキラリンから「お腹がすくと妖精に戻ってしまう」ということを聞いたいちかは、「最初に言ってくれたら良かったのに」と言い、「シエルさんのことをもっと知りたい」とお弁当を差し出した。
- 新たな敵幹部グレイブの襲来を6人で撃退した後、シエルをキラパティに招く。シエル用のキラパティ衣装を提供し、ことりカップケーキを作ってシエルの仲間入りを祝福した。加えて今話の終盤から、『さん』付けしていたシエルを呼び捨てで呼ぶように。
■第25話
- コンフェイト王国からナタ王子がいちご坂にやってきた。ゆかりに一目ぼれした彼はなんとプロポーズ。仲間と一緒になって年頃の女の子らしく興味津々であきらと王子の対決を見守る。
- そんな中互いの本音を引きだせないゆかりとあきらの間にすれ違いが起きてしまう。似たような経験を持つシエルが説得し引き合わせると、彼女らがプリキュアに変身するメインモチーフであるスイーツを組み合わせたチョコマカロンを王子とのスイーツ対決で出すよう提案した。
■第26話
- キラキラルポットで、水上コテージよろしくキラパティの建物自体が乗っかる大きな浮き輪を作ったまではよかったが、潮に流されて無人島に漂着してしまう。
- 浮き輪は破れ、頼みの綱のシエルは空腹でキラリンに戻ってしまい、キラキラルを作り出そうにも食材がないというお約束のアクシデント連続でピンチ。キラリンの発案で自然の食材を探しに行くことに。
- その途中で謎の足跡を見つけ、助けを求めようとダッシュしたところ、顔面から岩壁に激突。
- 岩壁の上の足跡の主についてはキラリンに任せて自分は探索を続け、なんと洞窟を発見。その奥にすごいものを発見した。
- 探索中に見つけたのは巨大な氷柱だった。氷柱はきれいな水からできると聞き、氷柱からペンギンかき氷を制作することをひらめいた。島に取り残されていたビブリーに出会い、その孤独を感じ取って、彼女にもかき氷を食べさせたいというシエルの優しい心に理解を示す。
- 結局ビブリーはかき氷を食べるどころか、キラキラルだけを奪って逃げ去ってしまったが、いちかもシエル同様、いつか一緒に彼女も笑顔でスイーツを食べてくれることを願った。
■第27話
- 夏の大型野外フェスに出場することになったあおいのバンド、ワイルドアジュール。その晴れ舞台を応援しようといういちかの提案でキラパティメンバーも総出でついていくことに。
- しかし、あおいの憧れのアーティストである岬あやねが全く同時間で別ステージに出演しており、お客さんはどんどんそちらに流れていく。あおいは健気に歌い切るが最後まで聞いていたのはいちかたち応援団だけという悲惨な有様だった。ステージの上では決して笑顔を崩さなかったあおいだが、いちかは彼女の心中を察して曇り顔を見せる。
- フェスは翌日もあるので今日はお泊まり。その日の夜、コテージがわりに持ってきていたキラパティであおい以外のみんなを集めて「あおちゃんは私たちの前では顔に出さないが、かなり落ち込んでるからスイーツで元気付けてあげよう」と呼びかけグミ作りの準備をするいちか。だが間が悪いことに、あおいがキラパティにやってきていて厨房の扉の前でいちかの言葉を聞いてしまっていた。
- あおいは今きたようなそぶりで厨房のドアを開け、「何かスイーツ作ってるならわたしも参加しよっかな」と空元気を装い、いちかも自分のさっきの言葉が聞かれていたことを薄々気づきつつも、あおいに合わせて一緒にグミ作りを始めることに。
- だが、あおいが作ったグミは弾力があり過ぎてかみ切れるものではなかった。明らかに失敗作だったが、いちかは「でも歯ごたえがあってわたしは好きかな!ハードで美味しくてあおちゃんらしくて」と笑顔で褒める。
- だがその言葉は逆に、あおいに昼間の惨めな敗北を思い出させてしまう。「あたしらしい? あたしらしいってなんだよ!こんなのただの失敗だろ!」 いたたまれなくなったあおいは涙を流し、キラパティからダッシュで走り去る。いちかは、仲間とともにあおいを探しに出るのだが……
- あおいが見つかったとき、彼女はエリシオの虜となっていた。彼の洗脳を受け心を操られたあおいはキュアジェラートの姿に変身し、エリシオの「自分を苦しめる元凶を破壊しろ」との言葉にいざなわれるように、この音楽フェスを無茶苦茶にしようと暴れ始める。いちか達もプリキュアに変身してジェラートの暴走を止めようとするが、エリシオの召喚したカードモンスターに阻まれて近づくこともできない。
- 突如起こった謎の爆発に観客もバンド達も逃げてしまい、誰もいなくなったステージに憎悪の目を向け照準を合わせるジェラート。しかし、ホイップは敵に阻まれながらも必死の形相で叫ぶ。「ダメ、ダメだよ……あおちゃん! ステージ壊したって意味ないよ。だってわたし達、知ってるもん。その場所が、一番大好きな場所だって!それを壊すなんて、そんなのあおちゃんらしくないよ!」
- その言葉を聞いたジェラートの瞳に光が戻った。ホイップ達の思いを受け取ったあおいは、音楽での苦しみは音楽にぶつけていくしかないことを再認識し、正気を取り戻す。そしてみんなで力を合わせてエリシオを撃退。
- 戦闘後に夜空に吠えるジェラートの姿を見たとき、キラっと閃いてアニマルスイーツ「クジラグミ」をみんなで作り、岬に差し入れした(吠える→ホエール→クジラというダジャレ的な発想)。あおいの思いがこもったそれは、やはり歯ごたえ十分なものであったが、今のあおいの決意を象徴するものだった。
■第28話
- スイーツ情報誌の特集記事「この夏行きたいスイーツショップ」においてキラパティが紹介され、集合写真では店長らしくいちかがセンターを飾っていた。何のノウハウもなくいちかの思いつきだけで開店し、客集めに奔走していた初期のドタバタを思い起こすと隔世の感である。
- もっとも、シエルと彼女のスイーツショップはその雑誌の表紙を飾っていたので、2人を比べられるとまだまだとも言えるが…。
- グレイブが召喚したネンドモンスターとのバトルでは最初は手も足も出なかったが、キュアカスタードの「氷で冷やせばクリームはホイップしやすくなる」とのアドバイスでジェラートとクリームエネルギーを合体させて巨大なトグロを巻いたドリル状のクリームエネルギーを生成して、それをぶつけて逆転のきっかけにした。
■第29話
- ゆかりが祖母のしのから頼まれて、抹茶を使ったスイーツを作ることに。「ゆかりさんと言えばマカロンでしょ!」と無邪気に提案するいちか。当のゆかりは最初は乗り気ではなかったが、ハイテンションなみんなにつられていつしかマカロン作りを楽しんでいた自分に気づく。
- なんでもないいつもの風景なのだが、実はこの直前にゆかりとあきらの間で結構重いやりとりがあり、「何もなくてもゆかりと一緒にいるだけでいちかちゃん達は楽しいんだ」というあきらの言葉をゆかりはどうしても信じられないでいた。そんな時にこれだったので、ゆかりも毒気を抜かれたようであった。
■第30話
- キラパティの皆といちご野高校の学園祭へ。同じく客として来ていたみくとトミにあきらが実行委員長の仕事で構えないと知るや、一緒に見て回ろうと提案する。
- 入場早々に招待された貸衣装屋でうさぎの着ぐるみを身につける。以降後夜祭までこの服装。
- 後夜祭で一番大切な人に手作りクッキーを贈る伝統があると知り、誰に贈ればいいか悩み顔。直後みくがあきら宛にクッキーを作ると表明したため、そちらを手伝うことに。
- 途中みくが体調を崩したりエリシオの妨害はあったものの、楽しく学園祭を過ごした一同はあきらが周囲にクッキーを配り歩く姿を発見する。ゆかりから「一番大切な人が何人いてもいい」と言われ、早速自分たちもたくさん作ろうと意気込むのだった。
■第31話
- キラパティで泣きそうになっている小さな女の子を見て、いちかはとびっきりの笑顔でその子に話しかけて笑顔をおすそ分けした。いつものいちかの日常。しかしいちかの脳裏には、自分の小さい時の記憶が蘇る。かつて自分もこの子のようにいつも泣いてばかりの子供であったが、そのたびに母親から「いちかが笑顔でいればみんなも笑ってくれる」と教えられた。それはいつの間にか自分にとって一番大切なアイデンティティになっていた。だから今日も、いちかは笑顔を忘れない。それがお母さんとの絆だから。
- そして、その母親・さとみが突然帰国した。キラパティにやってきた母にいきなり抱き締められたいちかの顔はくしゃくしゃになって泣きそうになる……が、いちかは無理矢理笑顔を作り、抱き締め返そうとした手も途中で止まった。
- 休暇が取れたというのだが、明日の昼には再び発たねばならないというハードスケジュール。あおいの後押しもあって、店は早退して一家団欒に。何をしたいかと問われ、いつも通りが一番いいと言ういちか。「それじゃ、ケーキの材料を買って帰りましょう」と言うさとみの言葉に、第1話で帰国する予定だった母にショートケーキを作ろうとしていた事を思い出し、「しまったぁ!」と絶叫しつつも「ケーキならわたしが作るよ!」といちかは張り切る。
- 夕食時、母あてに仕事がらみの電話がかかってきて、露骨にいちかの表情が曇る。さとみも源一郎も、そんないちかを愛おしく思うと同時に、無理に笑顔を作る我が子を心配していた。
- その夜、いちかは昔の夢を見る。いちかが小学校を卒業した日、さとみは外国に旅立つ事を告げていた。医療者不足で悩む人々を助けたいという母の言葉に衝撃を受けつつも、いちかは空元気を出して、精一杯の笑顔でさとみを送り出していたのだった。自分が笑顔でいればお母さんも笑顔で居られる。自分が笑顔でいることはお母さんとの絆なのだから…… と、そこで目を覚ましたいちかは夢の中とはまるで逆の、今にも泣きそうな顔をしていた。
- そんな自分に活を入れるかのごとく、改めて気合とともにケーキ作りに着手する。ところが何度やってもケーキは満足のいく出来にならず、キラキラルも乏しいものだった。心配して見に来たキラリンが言うには、いちかの心の問題らしい。
- 出発時間も迫る中、悄然としたいちかはケーキを食べさせてあげられない事をさとみに謝る。そして素直に泣くことができずに自虐的な笑みを必死に浮かべようと嗚咽するいちかの頭を、源一郎は優しく撫でた。「昨日からずっと我慢していたな? 無理するな」と言って席を外し、いちかとさとみを二人きりにした源一郎は、娘の思いを痛いほど理解していた。
- 「ほんのわずかな時間だけど、大きくなったわ」とさとみはいちかを改めて抱き締める。幼い頃、「いちかが笑顔でいればみんなも笑ってくれる」という自分の言葉をひたすら大切に守り続け、どんなに甘えたくても淋しくても、無理に笑顔で振舞っていたいちかが、たまらなく愛おしかったのだ。そして同時に自分の言葉が娘の心に楔を打ってしまっていたことを謝罪する。母の言葉にいちかも遂にこらえきれず声を上げて泣きじゃくった。泣きたい時は泣けばいい、そして笑う時は心から笑えばよいのだと、ようやくいちかも気づいたのである。
- ようやく本当の笑顔を取り戻したいちかは、急いでケーキを作り直す。そしていよいよさとみを見送りに出かけようとした時、空を飛ぶグレイブの車が目に入った。出発時間は迫っている、しかし放っておけば多くの人のキラキラルと笑顔が奪われる……
- 意を決したいちかは、ケーキをさとみに手渡すと、「わたしにもやらなきゃいけないことがあるんだ、だから行ってくる!」と告げる。もはや昨日までの思い悩んだ影もなく、何かはわからないが誰かのためになすべき事をしようという決意に満ちたいちかの明るい顔を見て、さとみも笑顔で送り出した。
- グレイブの車を追いかけながらいちかはホイップに変身、皆と合流して戦闘開始する。ネンドモンスターの火炎攻撃に耐えながらも、母の姿を思い浮かべて笑っているホイップは、グレイブに「何だ、その笑顔は!」と言われるが、「勝利の笑顔よ!わたしはみんなを笑顔にしたい、だから戦うの!」と力強く答え、ネンドモンスターを撃破した。そしていちかの結晶もまた、皆と同じようにウサギの形に変わっていた。
- 空港ロビーでさとみがケーキの箱を開けると、「おかあさん大好き!」の文字と自分の顔のデコレーションが。
- 娘の成長に微笑むさとみは、再び旅立っていった。ホイップもまた、その飛行機を心からの笑顔で見送るのだった。
■第32話
- いにしえのプリキュアからもらった結晶が全員分変化したのだが、使い道が分からなかったので、いちご山の祭壇にて「教えてください、昔のプリキュアさん」と頼みに行く。しかし当然ながら反応はなかった。
- その祭壇にビブリーが襲来する。前回ノワールから最後通告を受けていたビブリーは決死の覚悟でプリキュアに戦いを挑んできた。いちか達も即座にスイー・ツー・ワンダフルアラモードを放つも破られてしまう。
- という、普段なら毎回の見せ場ともいえる演出が、今回は何とアバンで終了する。ビブリーとの戦闘の途中で祭壇が光り、いにしえのプリキュアに導かれて過去の世界へ。
- 目が覚めると、そこは時計台がまだ建築途中である過去のいちご坂だった。しかし、町は暗い霧に覆われ、人々は暗く険悪な雰囲気。ペコリンの見立てでは「キラキラルが全くない」状態になっていた。
- 町に徘徊する、黒い狼のようなモンスターを目撃。そしてそのモンスターに立ち向かう「いにしえのプリキュア」を見つける。ここはいにしえのプリキュアが現役だった過去のいちご坂であることを理解したいちか達は、いにしえのプリキュアに加勢する。
- いにしえのプリキュアに自己紹介をするが、このときのいちかはいにしえのプリキュアを「昔のプリキュアさん」と呼び、「自分たちは未来のプリキュア」「あなたが私たちをここに導いた」「結晶の使い方を教えてほしい」と、ツッコむ暇もなく喋る。いにしえのプリキュアは状況を理解できず困惑気味。
- いにしえのプリキュアことルミエルは、闇に飲まれた人々の笑顔を取り戻すためスイーツづくりをして町の人に振る舞っていることを明かした。ルミエルの戦う理由を聞いたいちかは、彼女の手伝いをすることに。
- ルミエルが町の人々の笑顔の為にスイーツを振る舞う姿に「町を守るお母さんのような姿」を見たいちかはカンガルーカップケーキを制作。ルミエルはいちかたちの姿に新しいプリキュアの力を見たのだった。
- ちなみにこの回のいちかは、ルミエルを「昔のプリキュア」と呼んだり「お母さんみたい」と、年頃の女性にとってはあまり有り難くないセリフを多く発していたのだが、いちかに悪気はないだろうし、ルミエル本人があまり気にしていなかったので良しとしましょう。
- そんな中、同じく過去の世界に戻されたビブリーが、錯乱してルミエルの厨房に逃げ込んできた。ビブリーの弁によれば自分は隠されていた真実を知ってしまったのだという。それは、ビブリーは元々はこの時代のこの場所で生まれ育った人間であり、その時にノワールに騙されて孤独にされ、闇に落ちてしまったというものであった。そして時を同じくしてこの時代のノワールが現れ、ルミエルに戦いを仕掛けてきた。
- 変身してノワールに立ち向かうルミエルに加勢しようとするが、「あなたたちが守るのは未来」と諭されたいちか達とビブリーは、ルミエルに未来の世界に戻される。
- 未来の世界に戻るが、残酷な事実を知ってしまったビブリーはこれからどうすればいいかわからず打ちのめされてしまっていた。優しくされることに慣れておらず、プリキュアを自分とは違う存在とみなすビブリーは、プリキュア達の温かい言葉に戸惑い拒絶反応を示すが、いちかはそれでも「みんな違うからこそ、辛いこともうれしいことも分かり合える」と手を差し伸べる。しかしビブリーの分身であり「自分自身のもうひとつの心」であるイルはそれを拒否し、自らの意思でビブリーを取り込んで同化してしまう。そしてノワールへの愛を取り戻すためにプリキュアに襲い掛かった。
- ビブリーを取り込んだイルの強大な力に苦戦するも、イルの中にいるビブリーから助けを求める声を聞いたホイップ達は懸命に声をかける。その時、あの結晶が光りだしてクリスタルアニマルへと覚醒。さらにはペコリンが過去の世界から持ち帰ってきたルミエルの絞り出し器が新たな力「キラキラルクリーマー」に変化した。クリスタルアニマルとキラキラルクリーマーによって発動された新技「プリキュア・アニマルゴーランド」でイルを倒し、ビブリーの闇を浄化することに成功したのだった。
■第33話
- 前回、闇から解放されたビブリーがいつの間にかキラパティに居候。大量のカップケーキを平らげる様に、みんな目を白黒。
- そこでシエルの「働かざる者クッキー食べるな、ケーキもね」の一言で、ビブリーも厨房に立つ事に。いちかの「レッツ・ラ・クッキング!」のポーズを真似たり、楽しそうに料理に取り組むビブリーの姿を見て、みんなも笑顔になる。
- その頃、街には突如闇が溢れ、心が荒れた人々があちこちで争っていた。闇の魔獣ディアブルの仕業だった。ビブリーから「ディアブルはキラキラルを闇に変え、人の心を荒れさせる。いくらスイーツを作っても、闇に利用されるだけ」と聞いたいちか達は、みんなを笑顔にさせたいと思って作ったスイーツが、逆に人々を苦しめる原動力になってしまうのではないかと苦悩し、沈み込んでしまう。
- すると、クリスタルアニマル達が一斉にどこかへ飛び去ってしまった。手分けして探しながらも、皆の心には先程の話が重くのしかかる。いちかも思い悩むが、「スイーツがなかったらペコリンに会う事もなく、キラパティをやる事もなかった、お母さんに大好きを伝える事もできなかった。スイーツがなかったら……ううん、スイーツがあったからだ!」と、答えにたどり着いた。スイーツは闇を呼び寄せるものではない、笑顔と喜びに出会うためのものなのだと。
- そして皆もそれぞれにスイーツへの思いを再確認し、元気を取り戻した。キラパティに全員が集結すると、クリスタルアニマル達が先に待っていた。まるで、迷いが吹っ切れさえすれば、みんな必ずここに戻ってくると信じていたかのようであった。
- そこへディアブルが再び出現。変身して戦闘開始するも、一同は変幻自在のディアブルに翻弄される。ディアブルは「いずれノワール様の闇が世界を染める、お前達の心も全て!」と嘲笑うが、しかしもはやホイップの心は揺らがず「闇なんて…怖くない!闇が生まれてもわたし達はスイーツを作り続ける。作って、作って、一杯作って、スイーツに込めたキラキラルでみんなの心が溢れかえるくらい、みんなの笑顔がみたいから!」と叫び、プリキュア・アニマルゴーランドでディアブルに勝利する。
- 戦いが終わって、クリスタルアニマルとの絆も深まり、ビブリーもシエルの店を手伝う事になった。「よ~し、わたし達もまだまだ、レッツ・ラ・クッキング!」と、いちかは今日も笑顔で元気。
■第34話
- ハイテンションで「秋のスイーツを考えるぞのコーナー!」なる企画を発案。ひまりとあおいはともかく、年上のあきらはちょっと恥ずかしそうだったが……。
- と、そこへ中身クリスタルアニマルのゆかりがやってくる。まっすぐあきらの荷物に向かったかと思うと、いきなりクンクンと匂いを嗅ぎ出し、そしてカバンからお使いで買っていた煮干しの袋を取り出しポテチのごとくひたすら食べまくる。あげくに「にゃーん」とご満悦。それを見て「ななななな、何してるんですか!」と慌てて制止。
- 流石にそんな奇行を見れば中身が猫なのは明白で、ディアブルを倒す為いちご山に駆けつけた頃には入れ替わり事件に気づいていた。ちなみに煮干しのくだりを見てないキラリンだけはギリギリまで気づけなかった。
■第35話
- あおいがシックロッシュ社の新作スイーツ発表会に参加することになり、限定1名のお供としてひまりがついていくことに。いちかは当然留守番と思われたが、実はシエルがその発表会のステージでゲストパティシエとして呼ばれており、そのアシスタントとしてちゃっかり参加することになった。
- ディアブルが会場に現れたのでシエルとそのアシスタントをしていたメンバーは観客を避難誘導するため一旦戦場を離れる。そしてひまりとあおいはプリキュアに変身していちか達が戻ってくるまでなんとか足止めをするという役目に。
- 今回はひまりとあおいが互いの友情を確かめ合うという濃厚なあおひま回で、戦闘中にあおいの盛大な告白があったりしたのだが、ちょうどそれが終わった瞬間にいちか達がやってくる。
- 戦闘終了してパーティーが再開した後、水嶌がひまりとあおいを見てタイプが違う2人だけど似ているところがあると謎かけをする。いちかは「好きなものに対して頑固なほど一途なところですよね」と即答した。
■第36話
- 多忙だったキラパティの仕事からあきらと一緒に帰ると、家の前で源一郎と中いちご坂町内会の会長・副会長が揃って待ち受けていた。スポーツ万能であるあきらの事を聞きつけ大の大人3人があきらに土下座すると、いちかもすぐに気づいてあきらにお願い。毎年恒例、町内会対抗大運動会が行われ、いちかとあきらがいる中いちご坂町内会は、ゆかりのいる西いちご坂、ひまりのいる東いちご坂、今年シエルが加わった商店街に負けてここ数年最下位が続いていた。ということであきらにエースとして頑張ってもらうというわけである。
- 運動会前日、源一郎と綱引きの練習をするいちか。父からの熱血指導が暑苦しく打ち切ってしまう。そんなときにみくからの見舞いから帰ってきたあきら。二人で翌日の健闘を誓い合う。
- 運動会当日。キラパティの面々は交代で出店を手伝うことにするが、あきらは競技に集中するため加わらないことに。運動会自体はといえば、あおいと水嶌率いるチーム立神コンツェルンも参加し、5チームでの戦いとなった。
- 競技が始まるとあきらがエースとなって大活躍、いちかもそれを見て興奮する。
- そしてお昼休憩の時間。源一郎たちがあきらにたくさんの昼ご飯を出しているのを見ていちかは呆れるが、あきらはといえば、大量の汗をかいていた。心配するいちかがクリスタルアニマル達を見るとクリスタルドッグもぐったりしている。異変に気づき心配したいちかが見に行くとあきらは座りへたり込んでいた。
- あきらはたくさん動いたからと言うが、「名探偵いちかの目はごまかせませんぞ」と何故か探偵の姿になって推理を披露する。
- 第一に昨日風邪を引いたみくを見舞いに行ったこと。第二にクリスタルドッグもぐったりしていた。そしてキラパティを手伝わないと言ったことに違和感があった。あきらは風邪を引いて体調を崩していたが、気を使って言い出せなかったのであった。
- あきらはいちご坂に引っ越して来て、宇佐美家の楽しさから元気をもらっていた、その恩返しをしたかった、だから精一杯頑張ったと語るが、いちかはその気持ちは受け取るも無理しないように告げ、自分たちに任せてあきらに休むように言う。源一郎や町内会長にもそのことを報告し、早速源一郎との親子二人三脚やマカロン食い競争で奮戦することになる。
- そうしたなか、力を蓄え怪人のようになったディアブルが急襲。より強くなったディアブルに応戦するが、闇がプリキュア達を染めようとする。
- しかしホイップは耐える。それはあきらの運動会での頑張りを見ていたから。「風邪を引いててもあきらさんはあんなに頑張ってくれたんだ!だから私だって闇くらいなんだ~!」こうして闇をはねのけたホイップ。仲間たちも闇を振り払い、ディアブルを撃退した。
- 運動会も終わった後日。キラパティにはいちかの姿が見えず。いちかはあきらからうつされた風邪で寝込んでいた。あきらは責任を感じて看病に当たることに。いちかが「お気遣い無く」と言う間もなく、あきらが普段みくにしているようにおでこ当て合っていちかの熱を測ろうとすると、いちかは真っ赤っか。身体全体が熱くなりダウンしてしまった。
■第37話
- シエルの店との合同ハロウィンイベントで盛況のキラパティ。シエルが作ったカボチャのスイーツを見て閃き、ジャック・オー・ランタンのようにかたどったリンゴのスライスを付け加える。カボチャの甘さを引き立たせるリンゴの酸味を加えたのである。
- とその時現れたシエルのことを知っている女性。店内を見てあれこれダメ出しし続ける彼女が誰かとシエルに尋ねれば、シエルのパリ時代の店のオーナー、ソレーヌだと明かされる。
- 店にダメ出しされたのでそれならばといちご坂の街を案内。自分の家の道場や商店街、いつもの青果店を紹介するがソレーヌの反応とはといえば芳しく無い。ソレーヌはシエルの過去を語ると共に、シエルがその才能を遺憾なく発揮するためにはスイーツの本場であるパリこそがふさわしいと考えていた。そしてシエルが世界パティシエコンテストへの出場が決まっていることを知らされる。年上であるはずのソレーヌがシエルの才能に心から敬服していることを理解したいちかは、「こんな小さな街ではシエルの夢と希望は叶わない」というソレーヌの不遜と言える言葉にも反論できなくなる。
- シエルはプリキュアになりたがっていたが、シエルがプリキュアを目指したのは「スイーツで世界中のみんなを笑顔にした」と言う伝説に憧れたからだ。だからプリキュアになっただけでシエルの夢が完全に叶ったと言うわけではない。シエルは自分のスイーツを広めるために世界に羽ばたくべき人物だ。それはいちかもわかっていたことではあった。
- キラパティの工房でシエルの事を想いながらリボンラッピングしていたらリボンがぐちゃぐちゃ。その時シエルが手伝いにやってくるが、世界トップレベルのパティシエが日本の小さな店の片隅でラッピングをしているという状況に改めて疑問を持ち、いちかは思わず「シエルはどうしてキラパティを手伝ってくれるの? 超一流のパティシエなのに…… シエルの本当の夢って何?」と問いかけてしまう。流石に不味かったと感じ夜中ベッドで「何であんな事言っちゃったんだろ」と後悔。
- 翌朝シエルの店に来てみればパンプキンプリンを作り上げていたシエルの姿。アシェットデセールではないのにいちかは驚くが、シエルは「キラパティで出す物だから」と告げる。前日のりんごのように人のことを思いやれた上でのいちかの閃きや発想、キラパティでの新たな発見やチャレンジこそがシエルの刺激となり、パティシエとしてより高みへと登ると考えていた。だから、少なくとも今はここを去るつもりはないという。
- シエルはいちかのためではなく、あくまで自分のためにキラパティを手伝ってくれている。その言葉にいちかの心も熱くなった。
- その後のエリシオの襲撃をはねのけ、シエルのパンプキンプリンもデコレーションするとき、またもいちかの閃き。ハムスター型のスイートパンプキンを載せたプリンを作り出す。
- 翌日、そのパンプキンプリンをソレーヌに食べてもらったことで、ソレーヌはシエルがパリでは得られなかった新たな成長を成し遂げていることを理解し、シエルの今はここに留まっていたいとする要望を受け入れる、しかし、世界パティシエコンテストにシエルが出場すべきと言う主張は譲らず、「キラパティとして」コンテストに出場するよう提案。こうしてキラパティはパリへと進出することになった。(※パリでの物語はTV本編ではなく同時期に公開された映画版で描かれる)
■第38話
- ペコリンがルミエルのキラキラルを受けて人間化。見た目が幼女そのもので健気にみんなのために頑張ろうとするペコリンの姿にいちかの母性本能が刺激されたようで、一人で買い物に行くというペコリンが心配でたまらず、中学生組を引き連れていちかはこっそりあとをつける。ペコリンの一挙一動にハラハラしたり感動したりするいちかの姿に、他の仲間たちはちょっと呆れ気味だった。
- なんとか一人で買い物を終えてキラパティに戻ってきたペコリンにみんなは最初はなんでもない風を装っていたが、ペコリンがいろんなトラブルに遭いながらもいかに頑張っていたかをこっそり見届けていたかをいちかはたまらず半泣きで抱擁してしまう。あおいからは「親心全開だな」と突っ込まれるが、この後にペコリンが自分でスイーツを作ることも含めて最後までペコリンに直接的な助力も助言も一切行わず、成功するも失敗するもただ見守るだけに徹していた。
■第39話
- 長老から各地の妖精が集結する「いちご山妖精大会議」を開催のするでプリキュアも参加して欲しいと言われると、「プリキュアの出番とあれば、おまかせあれだよ」とぴょんぴょん跳ねるいちか。
- どのくらい来るのかという話になるとガミーを始め様々な妖精が。外に出てみると万単位もいそうな妖精の大群。驚くと共に感激する。
- 場所をいちご山内部に移し、既に変身した状態でガミーによる影絵とルミエルを演じるペコリンが加わった長老の講釈を聞く一同。ノワールによる危機が再び迫ると聞かされた妖精達が怯える最中、「大丈夫ペコ!ここには新しいプリキュアがいるペコ!」と急に振られて戸惑うも、その場のノリで「断固として守ります!」と宣言。しかしプリキュアのことを伝聞でしか知らないいちご山外の妖精達にとっては、女子中高生がコスプレしてるようにしか見えないこの集団がノワールに対抗できる力を持っているとは信じがたく、ジト目で見られてしまい思わず冷や汗。
- それならばと各自妖精達にスイーツを振る舞う。そのスイーツからあふれるキラキラルを見て感激する妖精達の心を掴むことができた上で「みんなで力を合わせて戦おう」と高らかに告げる。
- そうすると各地の長老衆がまだまだスイーツの事を分かっておらず、知らなければならないという。教えて欲しいと請われたことでホイップもお安いご用と一緒にスイーツ作り教室をすることになる。
- そうしたことが一旦住んで外に出てみればいちご坂の街が闇に包まれている。そこにはグレイブと、ネンドモンスターの大群。プリキュアになって応戦することになるが、モンスターがあまりにもいすぎて対処しきれない。その時ホイップに襲いかかったモンスターをうまく避けたところ、倒れて顔の部分が割れている。それは青果店のおじさんの顔が。モンスター達は街の人々がグレイブによって洗脳された姿だった。グレイブはディアブルの力を取り込んだ事でこのようなことができたのである。
- 姿を変えられているとはいえ流石に街の人々相手に戦うことはできない。ならば洗脳したグレイブを倒すしかない。しかしグレイブはノワール・レヴォリューションで闇を取り込み強化した姿となり、プリキュア達の放ったアニマルゴーランドをはねのけてしまう。
- 一方的に攻め続けられもはや後はない、そう思ったときに一筋の光がグレイブめがけて放たれる。そしてホイップの目の前に立っていたのは白い服に身を包んだ一人の少年だった。
■第40話
- ルミエルの力を借り受けて目覚めたリオにすんでの所で助けられたプリキュア達。一時いちご山に退却するが、この状況では100年前、いやそれ以上の最悪の事態になってしまう。しかし闇のキラキラルに対抗できるのはスイーツによって生み出されたキラキラルしか無い。リオの提案でプリキュア達はひとまず街に向かい、残っている材料でスイーツを作ろうとする。
- 自宅のキッチンで何とかケーキを作り上げ、あとはデコレーションのみとなったホイップだが、その時感づいたグレイブが差し向けた闇の手。それは姿を変えられた父・源一郎だった。ケーキからのキラキラルで源一郎をひるませることはできたが、直後グレイブの闇によってキラキラルは奪われてしまい、作戦は失敗。改めてグレイブに立ち向かうもその圧倒的な強さに為す術も無い。
- プリキュア達を屈服させようとするグレイブに対しビブリーが啖呵を切ったため、グレイブは激怒。プリキュア達の視線から過去を思い出し縛り上げるが、ホイップはグレイブのやり方に「おかしいよ、あなたのやり方は間違ってるよ!」と否定。グレイブがなおも締め上げたその時だった。
- 辺り一面にあふれた大量のキラキラル。山や街を覆っていた闇を晴らし、操られた街の人々も浄化し元の姿に戻す。妖精達と三ツ星にゃんこを始めとする動物たちが種族の枠を超えて作ったスイーツによるキラキラルだった。
- しかしグレイブは全ての物からの視線に耐えられず、全ての闇の力を使って巨大化。しかしホイップは確信していた。今の自分たちにはみんなが作ってくれたキラキラルがある、みんなの想いがあればきっと勝てる、と。
- そして大量のキラキラルを元に作り上げたお菓子の城スイーツキャッスル。アラモードスタイルへと姿を変え、プリキュア・ファンタスティックアニマーレでグレイブを打ち倒すことができた。しかしグレイブとディアブルをカードに変えたエリシオ、次は彼との戦いが待ち受けることになる。
■第41話
- 翌日、とりあえずリオはシエルの店に厄介になることに。みんなで街中を歩いていると、クラスメートの神楽坂りさと光岡じゅんことバッタリ。リオが戻ってきたことに対して彼の本当の素性を隠しながら辻褄のあう説明をするのにいちか達も四苦八苦。
- さらに商店街の人たちからはシエルが彼氏を自分の店に連れ込んでるように見られてしまい、双子の姉弟だと慌てて説明していった。
- だが、そんな幸せな時間も長くは続かなかった。リオそっくりの怪人が夜中の商店街に現れ、スイーツのキラキラルを奪って灰にする怪事件を起こしたのである。顔ははっきり見えなかったが、後ろ姿からリオが犯人じゃないかと疑いを持った商店街の店主たちはシエルの店に押しかけてくる。そして今まで街で起こった事件もリオのせいではないかと疑われた時は実際にその通りなので反論ができず、疑いを強めてしまうことに。
- ゆかりとあきらに店主達への説得を任せ、いちかやシエル達はリオに事情を聞く。もちろん今回の犯人は自分ではないという。ただ、過去に犯した罪は消せないと自虐的に言い、私だけは何があっても味方だといってくれたシエルに対しては鬱陶しそうに「そんなに自分のスイーツの腕を見せつけて俺をまた闇におとしたいのか」と暴言を吐き、そのまま一人になりたいと走り去ってしまった。これにはシエルは大ショックを受けてしまった。そして自分がパティシエである限りはリオのトラウマを傷つけるだけなのではと悩むことになるが……
- だがリオのこじらせ具合をよく知るいちかは彼の言葉や態度を真に受けることなかった。キラパティの厨房にあきら、ひまり、シエルを集めて、ワッフルを作ってリオに差し入れしようと言う。「私達、本当のリオくんを知りたい。他に何か気持ちを隠しているんだよ。そういうの全部教えて欲しい。私たちを信じてぶつけてくれたらって。だからシンプル直球勝負のワッフル!」
- 言葉で伝わらない思いがあることをいちかはよく知っている。だけど、スイーツならそれを伝えられるかも知れない。スイーツには人の思いを繋げるフシギな力があるのだから。だから、自分ができることはまずはスイーツを作ることだけ。そんないちかの真っ直ぐさにシエルも悩んでいたのが馬鹿らしくなり、立ち直ることができた。
- そこにペコリンがかけこんできて、リオが一人でいちご坂を出て行こうとしていると教えてくれる。それを止めようと道を走っているとき、エリシオが立ちふさがる。リオの偽物を作って彼に罪を着せたのはエリシオの仕業だったのだ。エリシオの目的はリオが本人の意思で自ら街を出て行きシエルと二度と会わないと決めること。その決断はシエルを深く悲しませ、彼女はもうプリキュアとして活動することはできなくなるだろう。
- さらにその目的のために商店街の人たちの猜疑心をディアブルの力で強めたと言うエリシオに、いちかは「たくさんの人を巻き込んでひどい!」と怒りを見せる。しかしエリシオは余裕の態度で同朋を封じたカードの力を解放。エリシオはかつての仲間の力を取り込んだ戦闘形態に変身し、プリキュア達と自ら戦う。
- なんとかシエルだけは戦場から逃げさせることはできたが、高速飛行能力を得たエリシオにはホイップの跳躍力でも叶わない。しかしそこにリオを引き止めることができたシエルが戻ってきて、飛行能力のあるパルフェの参戦で逆転につなげることができた。だが浄化されたのはエリシオのパワーアップに使っただけで本人は無傷のまま撤退。心理攻撃だけでなく実戦能力まで増加したエリシオは今まで以上の脅威となったのは確かだろう。
■第42話
- 園部がワイルドアジュールを辞めると知り、学校でも一日中落ち込むあおい。バンド内で作曲ができるのは園部だけなので彼が抜けるとバンドは続けられなくなる。悩むあおいを見てなんとか励まそうと考えパジャマパーティーをキラッとひらめく。
- お泊まりの特別スイーツ・いちごライオンアイスをお披露目。皆も早速いろんなアイスで作り始める。
- あおいがキラパティのみんなに「もしこの世界からみんなの大好きなスイーツが無くなったらどうする?」という謎かけをしたとき、いちかは少し悩み「作る」と回答する。あおいから「なくなる」っていうのは作るのも無理という仮定なんだけどと言われてもなお強気でくらいつくいちか。「無理ってどうして? 材料はなくなってないんだよね? なら作るよ。だってスイーツが好きって気持ち消せないもん!」
- 大好きがいちばんの原動力、マストアイテム。いちかの言葉でそんな初心に気づいたあおいは結果として立ち直り、拙いながらも自分で作詞作曲に挑戦した新曲「Aile」を書き上げた。
■第43話
- りさたちからテレビ番組のアシスタントを募集するオーディションへの参加を勧められたひまりに対し、本人以上にノリノリな様子を見せる。
- オーディションはオタクっぽい説明癖が悪い方向に走ってしまい大失敗。キラパティの活動を通じて自分が変われたと思ってたのにダメダメなままだったと落ち込むひまりに、いちかは「ひまりらしさ」が変わってないことは必ずしも悪いことじゃない、世間の目など気にせず自分の大好きなことに対して正直になれるひまりの性格は自分は好ましいと思う、と優しく励ます。
- しかしいちかの言葉はよりひまりを追い詰めてしまう。「失敗ばかりの自分らしさなんて好きになれません」とつぶやき、そのまま走り去ってしまった。
- 一人になったひまりは、何よりも大切なレシピノートをエリシオに燃やされた上で、自分の過去のトラウマを強制的に思い出させられる。「大好きなスイーツにのめりこむことで周囲から浮いて孤独を深めることになった」という現実を突きつけられ、自分の「大好き」が自分を孤独にしていると理解してしまい、ついに闇に堕ちる……が、焼けたノートの切れ端をきっかけにいちかや皆との思い出が蘇る。
※劇中出たのはあくまでスイーツ絡みのいちかです。
- いちかは初めて真正面からひまりのスイーツ愛を受け止め、新しい出会いのきっかけをくれた友達。自分がスイーツを「大好き」じゃなければいちかと友達になることはなかった。自分の「大好き」が自分を孤独から解き放ってくれたことも理解したひまりは、たとえ他人からどう思われようが自分は好きなことを好きと言わずにいられないんだと勇気を持って立ち直り、闇を乗り越えることになった。
■第44話
- キラパティの冬の新作についてみんなで相談。好き勝手なアイデアを出すみんなに対して、店長として意見をまとめることなどせず「よし!全部作ろう!」と無茶な決定をしてしまう。だがこれこそがキラパティの通常営業だろう。しかし期末テストの話題になると途端に憂鬱に。
- その話し合いの時にあきらが元気ない感じだったのを気にかけて、手作りのドッグチョコレートをプレゼント。あきらはそのお礼にとテスト勉強で苦しんでいたいちかに個人教授をしてくれた。
- しかしのどかな時間もここまで。みくがエリシオに攫われてしまい、いちか達は取り戻すためにリオの手助けでノワールの世界へ赴くことに。そこで剣城姉妹が心の奥に秘めた闇を知ることになる。
- …が、やはりあきらはいちかが最初に惚れたヒーロー。自分の闇さえも愛の裏返しだと飲み込み、みくを救いだすのであった。
■第45話
- クリスマス用スイーツをどうするかハイテンションで考えるいちか。が、側ではあおいが「来年もこうしてパーティーやったり出来るのかな」と将来のキラパティを案じていた。いちかも聞こえていたのか若干影を帯びた雰囲気に。
- メインスイーツをブッシュドノエルにするまでは良かったが、肝であるデコレーションは浮かばず。
- 翌朝キラパティを訪れると、なんとゆかりとキラリンがキラキラルで作った雪とマカロン風のモザイク画で内装を仕上げてしまっていた。テーブルには滑らかで美味しい完璧なマカロンも。ゆかりとの思い出を反芻しながら大感激したいちかは、デコレーションにイチゴのサンタ帽をかぶったしろくまを思いつく。
- そしてパーティー当日。なんとゆかりがコンフェイト公国に留学すると宣言し驚く。寂しい気持ちはあったが、やっと大好きなものを見つけた彼女の未来を想い涙は我慢した。
- もちろん堪え切れるわけもなく、打ち上げにてマカロンを食べるなり泣き出してしまう。ひまりとあおいももらい泣き。
■第46話
- アバンは新年らしく、全員晴れ着姿での挨拶から始まったが、ペコリンが頭に激突し、いつも通り「グエッ!」と悲鳴を上げる羽目に。
- 誕生日を祝ってパーティーを開こうと言う仲間達に笑顔のいちか。ひまりと二人での帰り道、ひまりはいちかと出会ってからの楽しかったこの一年を感謝し、もっとスイーツをみんなに伝えたいと夢を語る。ひまりだけでなく他のメンバーも将来の夢へ向かって進み始めており、明確な未来の夢や目標を持っていなかったいちかは、ふと不安な気持ちになった。
- 母のさとみもいちかの誕生日に合わせて帰国しており、親子水入らずの時間を過ごす。その食卓で、みんなに置いて行かれそうなモヤモヤをいちかは打ち明ける。自分はただスイーツが好きだからキラパティをやっているだけで、それが具体的な夢や目標というイメージに繋がらないのだ。
- が、さとみも源一郎も「スイーツが好きでやってるならそれでいいじゃない」とあっけらかんとした態度。「夢を追い求める生き方は素晴らしいかもしれないけど、自分達も中学時代はただ楽しく過ごしていただけだった。始まりは好きだけでも、お客様の気持ちを考えて可愛いスイーツを作っている今のいちかは十分すごい」といちかを肯定してくれた。その温かい励ましでいちかに笑顔が戻った。
- そして誕生日、主賓でありながらやはりじっとしていられず、自らバースデーケーキ作りに参加。さらにキラパティが本日貸切とも知らずにやって来た子供達も招き入れ、一緒にケーキを食べようと言ういちかに、一同はいかにもいちからしいと微笑む。
- だが、ケーキのろうそくを吹き消そうとした時、キラパティをディアブルが襲撃し、さとみや源一郎や子供達からキラキラルを奪ってしまう。さらに待ち受けていたのはいつもと様子が違う黒髪のエリシオを取り込んで完全体に戻ったノワールだった。
- ビブリーとリオも餌食にし、ノワールは世界を闇に染めようとする。「ひどいよ、さっきまであんなに楽しかったのに……あんなに幸せだったのになんで……大好きな世界を壊そうとするの!」と涙を流して憤るいちかはプリキュアに変身。全員でノワールに立ち向かうも、闇の猛威の前に歯が立たない。だがそこへルミエルが立ちはだかった。
- 魂の欠片でしかなく、わずかの間しか姿を保てないのを覚悟の上で、ルミエルはノワールを説得しようとする。2人は100年前出会っており、「自分を闇から救いたいのなら、自分だけの為にスイーツを作れ」と言うノワールを、ルミエルはプリキュアとしての使命を優先しなければという義務感ゆえに拒否してしまい、助けられなかったという因縁があったのだ。
- 「闇と光は永遠に交わらない」と言い放つノワールに、ホイップは必死に訴える。「そんなことない!あなたの思いもわたし達と同じところから始まってる。大嫌いの反対の大好き、その思いがあるなら、きっとあなたを笑顔にできる!わたしはノワールもルミエルさんも2人とも笑顔にしてみせる。それが伝説のパティシエとして、わたしが今やれることだから!」
- ノワールは「お前1人に何ができる!」と激高するが、勿論ホイップは1人ではなかった。全員が力を合わせたクリームエネルギーは闇の波動を押し返してゆく。さらに、ルミエルが最後の力を振り絞って託したキラキラルを得て、プリキュア達の光とノワールの闇は五分の拮抗状態になった。
- だがその時、ノワールの体からエリシオが分離した。「100年前と同じですね。あなた方のスイーツから始まった戦いに終わりはない。ではどうしたらいいと思います?全てを無くせばいいのです」と妖しく微笑みながら、エリシオはノワールとルミエルをカードに取り込んでしまった。かつて体を捨てて悪意だけの存在と化したノワールが、その体に仮初の心を吹き込んだ人形であったはずのエリシオは、自分の本体に反旗を翻したのだ。「さあ、愛も憎しみもない場所に行きましょう。『からっぽの世界』の誕生です」そして世界は虚無に包まれた。
- 意識を取り戻したいちかが目にしたのは、いつものいちご坂の風景。しかし、音1つ聞こえず、周りには誰もいない。いつの間にか服も、着たこともないグレーの服に変わっていたが、いちかの心はそれにも反応せず、ポケットに入っていたアニマルスイーツとクリスタルアニマルが灰色に染まっているのを見ても、「何、これ……」と虚ろに呟くだけ。彼女の心からは、記憶も感情も、全てが消え失せてしまっていた……
■第47話
- 灰色に染まったアニマルスイーツとクリスタルアニマルを見ても、いちかは無表情のまま。「何でこんなもの持ってるんだろう」と呟き、アニマルスイーツとクリスタルアニマルをゴミ箱に捨ててしまう。ゴミ箱の中には他のアニマルスイーツも捨てられていた。仲間達も皆同じように、この『空っぽの世界』で感情を失ってしまっていたのであった。
- 世界が虚無に包まれる直前に、ホイップによってキラパティの中に匿われたお陰でペコリンと長老は無事だった。だが2人が見付け出したいちか、そして他の面々はペコリンの呼掛けにも一様に無表情で無反応。グレイブがエリシオのしもべとして復活し、人々が争う心すら吸い取って空っぽにしてゆく有り様を見ても、他人事のように眺めるだけだった。
- スイーツを食べれば思い出すかもしれないと、ペコリンは即席でドーナツを作り上げるが、グレイブに見つかってしまう。「何も大好きなもののない世界なんてさみしいペコ!」というペコリンの必死の叫びにも「大好きって何?」と虚ろにつぶやくだけのいちか。しかしドーナツが没収され、ペコリンと長老が連行されてゆくのを見たいちか達の空っぽの心に、何かがわずかに湧き起こっていた。
- ゴミ処理場でドーナツが処分されようとした時、ペコリンの叫びに応えるがごとく、ドーナツからクリームエネルギーが街中に飛び散った。それを見たいちか達の脳裏には、先程のペコリンの姿がよぎり、放っておけないという気持ちが次第に大きくなった一同は、ゴミ処理場めがけて走り出していた。
- いちか達の見守る前でペコリンはキュアペコリンに変身。クリームエネルギーによる攻撃は失敗したかのように見えたが、それは空高く昇って、打ち上げ花火のようにそれぞれの大好きなスイーツの形に変わった。そして降り注ぐキラキラルを眺めるいちか達の心には、スイーツと楽しかった思い出の数々が蘇ってくる。さらにゴミの山の中から、クリスタルアニマル達もアニマルスイーツを抱えて復活した。「ごめんね、捨てたりして……わたしの『大好き』!」 いちかの目に光が戻った。
- 皆も元の心を取り戻し、プリキュアは復活した。そしてグレイブとネンドモンスターを一網打尽にしたところで、エリシオが姿を現す。「困った人達ですね。おとなしくこの世界を受け入れてくれればよかったのに。覚悟はできているのでしょうね?」無論、ホイップもエリシオに敢然と答える。「エリシオ!わたし、こんな淋しい世界を作ったあなたに伝えたい。スイーツに込めたペコリンの思いがわたし達の空っぽの心を救ってくれたみたいに……だから、私達の大好きを込めたキラキラル、全部あなたにぶつけるよ!」遂に決着をつける時がやってきた。
■第48話
- 「私はノワールの抜け殻。好きや嫌いを感じる心など最初からありません。だからこそわたしは全ての生き物を平等に管理出来る」というエリシオは、ルミエルの光とノワールの闇を合体させた最終形態に変身。プリキュア達と激闘を繰広げる。
- 7人がかりの攻撃も物ともせず「人や物への大好きをなくせば世界は穏やかになれる。戦いなど必要としない理想の世界に」となおも主張し、プリキュアをカードに封印しようとするエリシオだったが、ホイップ達はそれを跳ね返す。「理想だなんて思えないよ!大好きがあったからみんなと出会えたそれぞれ異なる大好きがあるからこそ、未来に向かって歩いていける!自分だけの大好きがなくなったら、それはもう私達じゃない!」
- 一同は力強く立ち上がり、ファンタスティックアニマーレ・スペシャルを炸裂させる。そこから大量のキラキラルが街中に降り注ぎ、いちご坂の人々は「大好きの気持ち」を思い出して元に戻った。「エリシオ、これが大好きの力だよ!」そして遂に勝利したかに思えたが……
- 「大好きがあるから人々はこんな戦いを繰り返す!ならば!完全なる無の中で眠りましょう!私の中で!」そう叫ぶとエリシオは、自分の中の空っぽの空間にプリキュア達はおろか、地球を丸ごと吸い込んでしまった。そして宇宙空間を漂ってゆく。己の身がこのまま朽ち果てるのに任せ、自分の命もろとも全てを無に帰そうというのだ。
- 空っぽの空間の中であがくプリキュア達。その目の前で大切な人々が、眠りについたまま消滅してゆく。絶望に心が折れかけるホイップだったが、長老が姿を現わす。実体が元々ない彼だけは無事だったのだ。長老からキラキラルを分け与えられ、さらに消滅しかかりながらもわずかに命をつないでいるビブリーとピカリオからも励まされたホイップ達は、キラキラルで作るスイーツの力に全てを賭けることにした。
- 源一郎・みく・水嶌・グレイブまでもがキラキラルを通じて皆を励ます。プリキュア達は人々から受け取ったキラキラルでスイーツを作ろうとするがうまくいかない。現れたエリシオも「わたしの中では人の心など無力。ともに無に帰りましょう」と自ら消滅しようとしていた。
- 「ダメーッ!」と思わず伸ばしたホイップの手に、エリシオの記憶が、思いが伝わってきた。100年前、ルミエルに拒絶されたノワールの肉体にかりそめの命を吹き込まれて誕生し、怒りや絶望に囚われた者の憎しみを増幅させ、闇に引きずり込んできたエリシオ。だが……「人間の心は弱い。大好きは大嫌いに簡単に裏返る。そして互いに傷つけ、争う。互いの気持ちが強ければ強いほど光と闇の争いは終わらないだろう。それでは余りにも……哀れな…」と呟くエリシオの目には光るものがあった。
- ホイップ達は全てを悟った。「あるじゃん…あなたにもあるよ、心……」ルミエルが作ったカップケーキのキラキラル、ノワールがそのキラキラルを闇に変えて生まれたのがエリシオの心。そしてその心は決して空っぽではなく、人々が争う姿を見て「悲しい」という感情を確かに抱き続けていたのだ。
- 戸惑うエリシオにホイップは優しく語りかける。「気持ちのぶつかり合いを避けるのは難しいってわたしも思うよ。大好きはみんな違うから、大好きは一杯あるから、1つの大好きでぶつかっても別の大好きでつながる事もできる。私達にとってはそれがスイーツ…たくさん戦っちゃったけど、人を思う気持ちがあるなら、私達きっと、心をつなぐ事ができるよ。でもどうせつながるならさ、あなたもみんなも、笑顔でいられる世界の方が良くない?」
- 「もう手遅れ、世界は元に戻らない」と諦めていたエリシオであったが、「エリシオのキラキラルも一緒にまぜまぜするペコ!」というペコリンやホイップに全てを委ねた。「キラキラキラルン、キラキラル!」プリキュア達が思いの丈を込めて唱えながらキラキラルをかき混ぜると、巨大なアニマルプラネットスイーツが完成、そして地球も元通りに再生した。
- 手をつないで、笑顔で青空の中を降下してゆく7人。エリシオは「今起こしたのは一時の奇跡に過ぎません。バラバラの生き物がつながる世界を本当に作れるというのなら、是非見てみたいものですね。それはとても美味しそうな未来ですから……」と微笑みながら言うと、ノワールとルミエルの魂を解き放ち、何処へともなく去って行った。
- いちご山の上空まで来てみると、山頂が巨大なバースデーケーキ風になっていた。仲間達が、中断された誕生日のお祝いとしてキラキラルでデコレーションしてくれていたのである。ホイップが思いっきり息を吸い込んでロウソクの火を消すと、巨大ケーキはキラキラルの輝きに代わり霧散して行った。
- リオが言うにはノワールが襲撃してからのことは人々の記憶からは忘れられているということ。誕生パーティーもあの時からやり直しである。変身解除して何事もなかった顔を装ってキラパティの扉を開くと、何と中断前よりも沢山の人々が集っており、誕生日おめでとうをいってくれた。
- 地球を救ったいちかに与えられた小さな小さな奇跡。いちかは心からの笑顔で皆に「ありがとう!」と答えたのであった。
■第49話(最終回)
- 戦いが終わってから1年後、中学3年生になったいちかは、母・さとみが世界各国の人々を笑顔にしている写真を眺めていた。母の偉大さを改めて感じるいちかの脳裏に「バラバラの生き物がつながる世界を作れるというのなら是非見てみたいものですね」という、去り際のエリシオの言葉が響く。
- キラパティにて、いちか・ひまり・あおい・あきらはいつも以上に気合を入れてスイーツ作りに勤しむ。なぜなら今日はいちか以外はキラパティ最後の日。みんなそれぞれの夢のために、別々の道を歩み始める事が決まっていたのである。笑顔を作るものの、いちかは淋しさを隠せない。だがいちかは、キラパティはどうなってしまうのかと涙ぐむペコリンを「大丈夫だよ、わたしはここにいるよ」と優しく抱き締める。
- そこへゆかりが、キラパティを探して道に迷っていた、赤ちゃん連れの女の子と共にやってきた。その赤ちゃんがぐずり出したため、いちかは赤ちゃん用のスイーツ提供を申し出て、みんなの協力の元「ひよこのピュレアニマルプレート」を作り上げる。赤ちゃんにも女の子にも喜んでもらえて、いちかは嬉しく思うと同時に複雑なものを胸中に感じていた。
- 2人の写真を壁に貼り付けるいちか。その1枚だけではなく、沢山のお客様の笑顔の写真が所狭しと飾りつけられている。キラパティから広がる笑顔を大きく広げたいという願いから始めていたのだった。そんな中、いちかが外国資料やガイドブックを集めていたことが発覚。いちかはエリシオとの「世界中の皆を繋げるという約束」を果たすために母の様に世界中の様々な場所を回りたいという夢を密かに温めていたのである。
- しかし、自分がいなくなったらキラパティが続けられない。ここはペコリンを元気づけさせたいという想いから元々始まった店。最後に残った自分がキラパティを終わらせてしまったらペコリンは深く傷つくであろう。だが、そういう義務感だけではなく、キラパティが本当に大好きだからここから離れたくないという想いもいちかにはあった。だけど夢も諦められない。夢をとればキラパティが続けられない。だからといってキラパティをとれば、エリシオと約束した夢を叶えられなくなる。ジレンマを抱えたいちかはどうしたらいいのか分からない、と人目を憚らず泣きじゃくる。そんないちかを今度は仲間達が口々に慰めながら抱き締める。
- その頃、さっきの女の子が帰宅途中、スイーツのキラキラルに反応して地中から奇妙な怪物が現れた。巨大化したその姿は何と長老。第1話の爆発で心と分離してしまった体の方に、あたかもエリシオのように別の心が芽生え、しかも闇に支配されてしまったらしい。一同はプリキュアに変身して迎え撃つ。
- 巨大長老の闇のパワーにホイップ達は叩きのめされる。「いちご坂をわたしが守らなきゃ」と立ち上がろうとするホイップだが、代わりにキュアペコリンやピカリオ、妖精たちが戦い始める。「ここはキュアペコリンたちが頑張るペコ!だからいちかは大好きを諦めなくてもいいペコ!いちかの大好きな気持ちをたくさんのみんなに届けるペコ!」という力強い言葉に、ホイップは瞳を潤ませる。
- しかしペコリン達は巨大長老につかまって大ピンチ。そこへ見た事もないプリキュアが現れた。キュアエールを名乗る彼女の助けを得て、ホイップ達は巨大長老の動きを止める。ペコリンと長老に説得された巨大長老からは邪心が消えて行き、心と体が1つになって長老は元の姿に戻った。キュアエールはいつの間にか消えており、その正体が先刻の赤ちゃん連れの女の子・野乃はなとは知る由もないいちかであったが、きっとまたどこかで会える気がしてならなかった。
- ペコリンも長老も妖精も皆、思っていたより頼もしい。みんな1人じゃなく同じ思いでここにいる。これならキラパティも、いちご坂も任せられる。そう思ったいちかの心は決まった。「良ーし、私決めた!バーンと飛び出しちゃうよ!沢山の笑顔が待つ世界へ!」
- 最後のスイーツ「キラパティスペシャルアラモード」を完成させ、笑顔の記念撮影を終えた後、いちかは長老からキラパティのカバンを託される。いちかはキラパティをペコリンに託すつもりでいたが、長老は逆にキラパティ所有権をいちかに完全譲渡するというのである。どこでも開店出来るキラパティがあれば、世界中を旅して笑顔でつなげたいといういちかの夢を叶える助けになるだろうから。その思いはペコリンも同じ。キラパティがいちご坂からなくなっても、その思いを継いだ新しい店を自分が作れば居場所も絆も消えることはないのだから。憂いから解き放たれたいちかは、キラパティのカバンを喜んで受取る。「私行くよ!思い切って世界に飛び出してみる!スイーツで世界の皆を笑顔にするために!ホイップ・ステップ・ジャーンプ!」
エピローグ
数年後、いちご坂には新たなるスイーツショップ「ペコリンパティスリー」が開かれ、ペコリンと長老が切り盛りしていた。そして成長した元プリキュア達もそれぞれの夢の道を進み続けている。
ペコリン「振り返ると、あの時の時間はあっという間で…」
シエル「長い人生の中では、一瞬の出来事なのかもしれない」
ひまり「でも、大好きでつながったあの時間があったから」
あおい「アタシ達は今こうしている」
あきら「私達は歩き続ける」
ゆかり「いつかまた混じり合う未来に、胸をときめかせて」
とある国で。どこかで見たような、犬を連れた男の子と女の子が喧嘩しているのを見て、1人の女性が声をかける。「気持ちは分かるけどさ、そんなやり方じゃ伝わらないよ!」その女性こそ、大人になったいちかだった。男の子が、女の子のことを好きだからわざと意地悪しているのはお見通し。「キラキラキラルン、キラキラル」と唱えながら差し出したカップケーキを食べると、2人はたちどころに笑顔に変わる。いちかの、笑顔と大好きを世界中に広げる旅は、これからもずっと続いて行く。
「ほら、2人とも良い笑顔。キラキラパティスリーにようこそ!」
『HUGっと!プリキュア』第36・37話
- 「まほプリ」の最終話の先行登場から数えて、彼女が初のテレビシリーズでの3作連続での登場となる。
- 36話ではドクター・トラウムに接触してしまい、体を中学生の頃に戻され他のメンバーと共にはぐプリの世界の空から落ち、はなとおデコで激突。プリアラメンバーと共にはなチームの一員としてプリキュア探索に出る。
- 37話ではドクター・トラウムとの再戦に挑み善戦するもののトゲパワワの暴走により一時は変身を解除させられる。だがはなの「フレフレ」という掛け声をきっかけとした応援で立ち上がり再変身、はぐプリメンバーに助力する。さらに巨大ソレワターセにホイップ・デコレーションを仕掛けキュアリズムとキュアハニーから賞賛を受ける。このお話で初期のプリアラメンバーは夢原のぞみ(キュアドリーム)(「Yes!プリキュア5」 / 「Yes!プリキュア5GoGo!」)以外の「ハピネスチャージプリキュア!」以前の36人のプリキュア戦士と初共演をした。
ひろがるスカイ!プリキュア第12話
- ヒロガリズムEDのダンスに、日替わりで登場する歴代プリキュアの6番手として登場。また同時にアニマックスで放送をしていた『プリアラ』以前の作品の歴代メンバーの先陣を切る(『はぐプリ』以降は日本のアニメ専門チャンネルでの放送はキッズステーション)。
映画
- 冒頭で見知らぬ場所で金魚のような女の子と青い狐が2体の怪物に追われるという夢を見る。女の子が木に落ちるところで目を覚ますが自分の夢なのに自分が出ていないことに不思議がっていた。
- その後仲間達と話をしている最中にお花見をやろうと仲間達を誘うが、あおいはバンドの練習、ひまりは塾、ゆかりは買い物、あきらはみくの看病とそれぞれ断られてがっくり。
- 仕方なくペコリンと二人で公園に行くと見慣れぬ階段を見つけ、そこを昇っていくが桜は咲いていない。それでも階段の先にある鳥居をくぐるがそこには大きな切り株があるだけだった。少々がっかりしながらもいちかは夢の桜を思い出してお花見をしようとするとある気配を感じる。
- それは夢で見た金魚のような女の子だった。いちかはその女の子(サクラ)に話しかけると、サクラがいちかの持っていたカップケーキに興味を示し、それを奪おうとする。いちかは半分に分けることを提案するが、サクラが不満そうだったので全部ほしいのかと驚いてしまう。
- そのとき獣のようなうなり声がしたのでその声の方を見るとこれまた夢で見た怪物(赤狗)が現れた。それを見たサクラは絶望感に押しつぶされそうになるが、いちかはカップケーキをひとかじりするとスイーツパクトを取り出しキュアホイップに変身する。「大丈夫! ここからは夢とは違うよ! だってわたしがいるもん!」
- そして赤狗と戦うが、一人では倒しきれないとわかるとサクラを連れてこの場を離れ、ある民家の塀に隠れる。だがすぐに見つかりやむなく一人で戦うことに。その時サクラが別の建物に入り込みホイップは彼女のあとを追ってその建物のドアを開けるとそこはスイーツ工房でサクラの姿はなかった。
- 再び赤狗に追われることになったホイップは行き止まりに追い込まれるが、そこであきらたちと出会い変身した仲間4人とともに赤狗を撃退する。
- 本作品はシエルが実質的主役であり、自身は準主人公枠としてシエルのサポートに回る。
- 冒頭でキラパティをパリ、それもエッフェル塔の前で開設する。シエルに紹介された後ドジを踏んでしまうが、彼女のフォローで事なきを得る。
- しかしそのシエルが戦闘中に体がキラリン状態のキュアパルフェになってしまってからスイーツ作りもおかしくなってしまい、彼女を元気づけるためひまり達とともにパリの街へ連れ出す。
- ウソバーッカに仲間を連れ去られたはなに助勢を頼まれるが、今度はそのウソバーッカにひまり達が連れ去られ、魔法界に向かうことになる。
- 謎の敵・ミデンによって仲間ともども思い出が奪われ小さくなってしまう。
- ミラクルライトで元の姿に戻り、必死にミデンを説得するエールを見て、「キラキラルが生まれる!」といいことを言う。
- 仲間たちやHUGっと!プリキュア・スター☆トゥインクルプリキュアのメンバーたちとともに宇宙を旅することに。予告映像ではひまり達プリアラ中学生組やスタプリの羽衣ララとともにスイーツをふるまうシーンや彼女たちとともに宇宙警備隊に取り囲まれるシーンが登場している。
- 『スター☆トゥインクルプリキュア』のユニ(キュアコスモ)以降の19人(ユニから『ひろがるスカイ!プリキュア』のプリンセス・エルちゃん(キュアマジェスティ)までの19人。)19人と初共演。
- 終盤に参戦。マカロンを出迎える。
- そして、他のプリキュア達とも地球外生命体シュプリームの最終決戦に挑む。
- 『デリシャスパーティ♡プリキュア』のほかほかハートとのコラボレーション技でシュプリーム達を蹴散らす。
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ピンクチーム 暖色キュア ピンクヒロイン 主人公 はなチーム