概要
「未来を創る希望の力・アスパワワ」と対を成す絶望のエネルギー。ネガティブな気持ちになっている人間の周囲に集積する。
アスパワワと同じく世界にありふれているエネルギーであり、どんな人間でもちょっとムカついただけでトゲパワワは多少なりともそこに現れる。
トゲパワワは、主に以下のネガティブな気持ちで発生する。
- イライラ
- 落ち込む
- 精神攻撃を受ける
重ねていうが、トゲパワワは当たり前に存在するものであり、万人にとって身近なものである。トゲパワワを集積させている人でも時間をおけば嫌な気持ちも忘れてトゲパワワも消えてしまうだろう。
しかしクライアス社の社員たちは、トゲパワワを集積させている状態の人間に「ネガティブウェーブ」なるものを照射する事で、そこに集まっているトゲパワワを非常識なレベルにまで増幅させることができる。
増幅されたトゲパワワは周囲空間に一斉に広がり、その空間内のアスパワワの力を一時的に減衰させる。これにより周囲の空間は闇色に染まり、普通の人間たちは気力を著しく削がれて動くことすらままならなくなる(ただし2話以降は普通に一般人が逃げ回り続けるシーンも多いので強制的ではない模様)
そして周囲に蔓延しているトゲパワワを本社に経費として支払うことで、怪物オシマイダーの発注申請をかけることができ、承認されればその場に即時召喚される。
トゲパワワは基本的に視認することはできないが、トゲパワワの濃度が高くなった時(オシマイダーが召喚される時など)は視覚化される。その時は怒った表情がついた闇色のトゲトゲの球体として表される。
トゲトゲの球体として視覚化されるまで濃度が高まった時は物質化されており実際にそれを摘むこともできる。それを投げつけて攻撃することもできるが、流石に武器としては小さすぎるため大したダメージにはならない。
ちなみにクライアス社の社員たちは生産性の低い仕事はしないので、より多くのトゲパワワを集積させている人間を厳選してからネガティブウェーブを照射することで、最大限の効率を生み出そうとしている。
そのために社員たちには周りにどれくらいのアスパワワとトゲパワワがあるかが調べられる端末が与えられている。
しかし、この端末をよく見るとメーターが一つしかない。このことからアスパワワとトゲパワワは対立するエネルギーというより、全く同じエネルギーのプラスとマイナスの状態を言うのではないかとの視聴者からの考察もあったが…(以下、ネタバレ注意)
その正体
第46話でクライアス社の社長・ジョージ・クライが語ったことによると、彼がやってきた未来では、明日を失いつつある世界を救うためにプリキュアの剣は「何も持たない少女」を自らのマスターとして選び、少女もまた戦いの道を歩むことを受け入れたのだという。
少女は英雄として民衆を率いながら、世に不幸をもたらすあらゆるものを駆逐していった。そしてついには、地上に「すべての人々が笑顔になれる、夢と希望に溢れた理想の王国」が築かれる。
夢と希望に溢れた王国では、アスパワワに溢れていた。もっともっとより良く幸せになろうと際限なく人々は夢と希望を増大させ、偉大な科学文明を発展させ、不可能を可能にしていった。
しかし、ジョージはそれこそが不幸の始まりだったと語る。
「文明の進化、だがその成長に似合うほど人類は尊い生き物ではない。」
「ひとつの夢が叶えばそのまた次へと。明日への希望は欲望へと変わり、王国を狂わせていった。」
「人が生み出したトゲパワワが世界へ広がり、明日への希望の力・アスパワワは失われていった。そして世界の時間は止まった。」
「(過去に戻って)何度救っても人間がたどる道は破滅へと続いていた。どれだけ明日への希望の力・アスパワワを増やしても、際限なく人々はトゲパワワを増やす……」
そう、トゲパワワとはアスパワワと同じく夢や希望を求める心から生み出されるものなのである。
トゲパワワとは「こんなはずじゃなかった」という現実への不満が生み出す気持ち。裏を返せば「こんなはず」という気持ちがないとトゲパワワは生まれないのだ。そして「こんなはず」という気持ちこそが、夢や希望の思いなのである。
夢や希望を諦めきったものにはトゲパワワは生まれない。夢や希望が叶わないと思ってしまってもそれを諦めきれない執着がトゲパワワを生むのだ。
夢や希望が叶わない未来なんて見たくない。だからトゲパワワは時間を止める。
しかしこれはこのようにも言い換えれる。
「夢や希望が叶う未来を見てみたい。だからアスパワワは時間を進める」
アスパワワとトゲパワワが表裏の関係という推測はまさにその通りだったのである。なので、トゲパワワを強く生み出すものは夢と希望を失っていないとも言える。プリキュア達に浄化されたクライアス社の幹部たちがそうであったように。