ピクシブ百科事典

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「その世界では皆が明日への希望に満ちていた。 しかし、永遠に続く煌きは存在しなかった…」
CV:森田順平

概要

物語の節目節目で主人公・野乃はなの前に現れて暗示めいた言葉を語っては、「またね」と残してどこかに去っていく謎の男。
癖の強い黒髪と黒目(アップになると上半分が暗い紫、下半分が黄色)が特徴で、だいたいの年齢は青年期と壮年期の中間くらいに見える。一人称は「ボク」。
ミライクリスタルのような美しい模様が表紙のハードカバー本を持ち歩き、憂いを帯びた寂しげな表情を浮かべている。
その正体が明かされるまで作中で名前を名乗ることはなかったが、文字放送字幕やEDのキャストクレジットでは「ジョージ」と表記されていた。

第23話にて明かされたその正体はクライアス社の社長プレジデント・クライその人
同時にフルネームが「ジョージ・クライ」だと判明するが、部下の社員たちからは今まで通りプレジデント・クライ」という敬称で呼ばれている。
加えてパップルが交際していた相手の正体でもあり、本編で直接の明言は無いが、各種インタビューではジョージ=パップルの彼氏という前提で記事が書かれている。

外では胸元を開いた白シャツを着ているが、
社内では金色の飾りがチェーン状についた白いコートを着用している。やはり胸元は開いているが。

代表取締役社長
ハグプリ8話2


これまでの慣例通り、悪役のキャストクレジットのトップを飾り、ドクター・トラウムが2番手、リストルが3番手という並び順になった。

クライアス社不在時の自身のアバター

あざばぶ支社の社員達の前には、第1話からホログラム映像のアバターとしてクライ社長が登場はしていたが、その外見は髪型がかろうじて共通している程度であり、実際の本人とは似ても似つかなかった。事実、このアバターはリストルが操っていたダミーであり、社長本人の言葉や意思を述べていたわけではなかった模様。
キャラクターデザイン担当の川村敏江は、アバターの姿の方は「怒り」、人間の姿の方は「憂鬱」がテーマとしている。

ハグプリワンドロ 1話その3
リストルさん



第23話までに会社を去ったあざばぶ支社のメンバー達(⇒チャラリートルールーパップルダイガン)が社長の「本来の姿」を知っていたのかは不明だが、アバターをリストルが操っていたことは知らなかったようだ(少なくともパップルは、彼氏の正体が社長であることを知らなかったようである)。
この第23話まで社長は現代の散策をずっと続けて会社には戻っていなかったようなので、リストルは社長の不在を社員達に悟られないように、アバターを影武者として操っていたと思われる。

人物

興味を抱いた相手の頭を撫でるクセがあり、その相手が初対面であろうが遠慮しないが、なぜか警戒感や不快感を抱かせない不思議な魅力がある。
23話で「周りからは大人なんだからしっかりしろと言われる」と告白している事からわかるように、どこか子供っぽいところもあり、少し母性本能をくすぐるタイプかも知れない。

夢見るような表情で詩的なセリフをつぶやくシーンが多い一方で、現実に目の前にあるほとんどの出来事に対して無関心かつ無責任な態度が目立ち、自分の会社の運営さえ大して執着していない様子である。本編の前半では社長秘書であるリストルが影武者を立てて「威圧感ある豪傑社長」のイメージをでっち上げていた。
46話でのトラウムの発言によれば、ジョージは“何もしない男”であり「ただ、我々をみつめている」と言うこと。つまり彼の本質は観測者ということになる。
もっとも、時間遡行技術を持つクライアス社の社長であるジョージは過去も未来も観測できる。その意味ではジョージは「神の目」を持つ観測者である。

野乃はなとの関係

本作の主人公であるキュアエールこと野乃はなは、ジョージの正体が暴かれる前は彼のミステリアスな雰囲気に惹かれる様子が度々描かれており、スタッフインタビューでは「ジョージははなにとって初恋のようなもの」と明言されている。
だが、ジョージの正体と恐るべき目的が判明したことで、はなのトキメキは明確な恋心に昇華する前に裏切られた形になる。それ以降は今までの反動もあってはなはジョージに強い敵愾心と恐怖心を抱くようになった。
一方、ジョージは自身の正体が暴かれた後でも、自分の想定を超えて未来を描き変え続けるキュアエールこと野乃はなに対して強く惹かれていくような節があり、彼女と敵として相対するたびに「君は本当に素敵な女の子だ」と熱っぽく語るようになっていく。

素敵な女の子だ
ハグプリ47話



この2人の関係は物語が進むにつれてクローズアップされており、pixivでもジョジはなというカップリングタグがある。

いつも持ち歩く「本」について

ジョージがいつも持ち歩くハードカバーの本だが、作中の描写によると未来世界に至るまでの歴史が記録されているようだ。ここで書かれたことは確定された未来であり、いわば「運命」である。
彼はこの本を「楽園の物語」と称している。

「楽園の物語」と言うと幸福なことが描かれているようだが、実際はこの本で描かれていることは、この記事冒頭で書かれている一文に集約される。
つまり一度は築かれた「楽園」が最後には崩壊することを描いた破滅の物語なのである。

この本の中には楽園崩壊までの絶望と不幸の内容が凝縮されており、ジョージはそこからトゲパワワを抽出することができる。そしてそれにより様々な攻撃をすることができる。ジョージ曰く「(未来の)現実を見せつける」という行為であるらしい。
だが、プリキュアの諦めない心が奇跡を呼んだとき、この本の内容は少しずつ書き換わっていく。
実際、第42話では、エールの活躍により希望を取り戻した若宮アンリに関する内容が白紙に戻っていく様子が描かれている。
つまりそれは未来は変えられるということである。

ジョージおじさん良い…
ジョージクライ



本編での活動

正体発覚前

初登場は第8話。はながもぐもぐを散歩に連れ出し、はなを引っ張って走り出したもぐもぐの前に現れ頭を撫でる。
その際、彼が落とした本を拾って手渡したはなが、本の綺麗な装丁に興味を惹かれると、「皆が希望にあふれていた『楽園』と呼ばれる場所があったが、そのきらめきは永遠に続かなかった」との寓話めいた台詞を残して、はなの前から去って行った。
それが本の内容なのか、何かの暗示なのかはわからなかったが、はなは彼のミステリアスな雰囲気に「大人の人だ……」と感心していた。

第11話ではのびのびタワーで再びはなと邂逅。この時は「明日を失いつつある世界のため、剣は何も持たない少女を選んだ」との謎かけを行っており、はなが意味を問おうとした時にオシマイダー化したチャラリートが現れた。
その時の戦闘でキュアエールはプリキュアの剣を生み出すことになるが、その戦闘を見守っていた彼は「少女は剣に選ばれ、民衆と共に戦う」「民衆が望んだ形」と何かを知っているかのような口振りで語っていた。

第16話では雨天の下で傘もささずにつつじ畑に佇んでいた。はなが心配になって「風邪引きますよ」と声をかけると「雨は美しい花を咲かせ恵みとなる。だが時には凍えるような寒さを与える」とまたまた謎かけを行う。そして「不意に変わるあの空、どこか似ていると思わないかい? 心に…」と空を見上げ、つられてはなも空を見上げた直後、彼の姿はいつの間にか消えていた。

風邪ひいちゃいますよ?
ジョジはな



第20話では買い物に出ていた輝木ほまれハリハム・ハリーはぐたんに接触。初めてはな以外の人物の前に姿を現した。
どこか不気味な微笑みを浮かべ「可愛い赤ちゃんですね。お兄さんとお姉さんと仲良くね」とハリーがはぐたんの実父ではないと何故か知っているような台詞を言いながら、はぐたんの頭を撫でて去っていった。
なおほまれは終始唖然としながらも、彼に何かしら不穏なものを感じたのか険しい表情になり、当のはぐたんは人懐っこい性格にしては珍しく不思議そうにしていた。
ハリーは一応普通に接していたが、最後は険しい表情を見せたのと後述の描写からほまれの手前適当に合わせただけだと思われる。

第23話ではまた雨の中ではなの前に登場。
傘が嫌いだという風変わりな嗜好を語り、雨宿りでその場を動けないのとスケッチブックの絵をネタにはなと接触。
はなに「皆が心穏やかに微笑みを絶やさない国を作りたい」という夢を語り、はながそれを応援したいと言うと「キミは素敵な女の子だね」と個人的な好意とも客観的な賞賛ともとれる意味深な言葉を返す。
そしてはなが動揺して目を逸らしている間に姿を消した。

出番はこれだけかと思いきや、クライアス社の新しい尖兵・猛オシマイダーに襲われるキュアエールの前に再登場。
彼を一般人だと思いこんでいるエールは猛オシマイダーから彼を庇おうとするが…

  • ジョージ:「君は本当に素敵な女の子だね」
  • ドクター・トラウム:「遅いよ、社長」
  • ハリー:「離れろエール!そいつはクライアス社の社長、ジョージ・クライや!」

暴かれた正体

ハリーのこの指摘に、ジョージは悪びれもせずに自らの正体を語った

まさに自分はクライアス社の社長であり、自分が夢見る幸せな王国とは時間が停止し、傷つくことなく幸せに浸り続けられる世界のことだという。そして時間を止めるのに必要な数のミライクリスタルをプリキュア達が生み出すまで待っていたということだった。
さらに社長は希望が大きく育った後の方が絶望もより大きくなると語っており、この台詞からすると、明日への希望の力「アスパワワ」の結晶であるミライクリスタルの力を反転させることで、時間を停止させることができるようだ。

そしてちょうど前回の話においてキュアマシェリとキュアアムールがそれぞれ「2個目のミライクリスタル」であるルージュとバイオレットを生み出しており、プリキュア達は全員が2個ずつのクリスタルを持つことになった。これによって「収穫の時が来た」と判断したわけだ。

第23話冒頭のリストルのセリフからプリキュア達にミライクリスタルを生み出させて収穫することは当初から用意されていた計画であったようで、つまり「この時代」にプリキュアが誕生することは想定外どころか計画の前提として組み込まれていたようである。
ただし、プリキュア達が10個ものミライクリスタルを生成したことをリストルは「想定以上の成果」と報告しているので、本来は4人のプリキュアにそれぞれ2つのミライクリスタルを生成させようとしていたようだ。
5つ目のプリハート誕生はメロディソードと同じく想定外だったと思われる。

第23話で語られたこれらの事実からして、チャラリートやパップルなどのあざばぶ支社の初期社員や同支社のバイトであったルールーも、プリキュア達を成長させるための当て馬、かませ犬として用意されていた可能性が高い。
また、あざばぶ支社の社員たちはプリキュア変身者の正体をなかなか特定することはできなかったが、メロディソード誕生のくだりからして、社長は最初からプリキュア変身者の正体を知っていたことになる。
そして知っていて社員達には何も言わずに黙っていたのだ。プリキュア達が不利になりすぎないように。
社員にも内緒でこの時代の散策を続けていた理由も、プリキュアたちの成長経過の観察が目的だったようだ。

正体発覚後

本性をついに現したジョージは、手に持つ本の力でプリキュアたちからミライクリスタル10個とプリハートを奪い取ってしまう。
変身を強制解除され、呆然とそれを見ているしかないはな達の前に、上述しているような自らの正体を悪びれもせずに明かす。

そしてドクター・トラウムの手助けでミライクリスタルを封印し、世界の時間を止めてしまうジョージ。
はぐたん以外の全て(プリキュアたち含む)の時間が停止。ほぼ全て計画通りであり勝利を確信していたジョージだったが、はぐたんだけが何故か動けていた。
このことにジョージは不思議がったが、はぐたんはただ泣き叫ぶだけで何もできない。この赤ん坊は何者なのか? 興味を示したジョージがはぐたんを手元に引き寄せ確保した時…

「はぐたんを泣かせるな!」

何とはなが時間停止を精神力で解除し、ミライクリスタルを取り戻して、ジョージのもとからはぐたんを奪い返した。
はぐたんの奪還と同時に他の全てのミライクリスタル・プリハートも持ち主の下へ戻り、プリキュアは体勢を立て直す。
ジョージは思うところがあったのか、この状況をトラウムと猛オシマイダーに任せて撤退した。

クライアス社本社に戻り、正装に着替えると、ジェロスに対し計画の上方修正を宣言。
エールによって計画が邪魔されたこともむしろ「面白い」と捉えて喜び、自分のやり方とはなのやり方、どちらが正しいのか決めようと、ディスプレイに表示されたエール=はなに呼びかけていた。

一方ではなは素敵な大人だと思っていた人物がよりによって最大の敵だったことに強いショックを受け、プリキュアとしてのプレッシャーもあって彼の存在自体が半ばトラウマになっている。

時間よ止まれ
君の夢を見せて



第31話ではジンジン・タクミを解雇しようとするジェロスに、「君(ジェロス)には君の物語がある」とあっさり許可を出した。
ある意味で部下を信頼しているともとれるが、明らかに無関心かつ無責任すぎる発言である。
上記で述べた人物像や行動・発現から察するに、過去何かしらの絶望を味わい、他人に対する真摯な責任感というものを放棄してしまった可能性が高い。

第39話では夜中に本を読んでいた際リストルから身体に障るとのことで毛布をかけられている。
その後未来世界に飛ばされたプリキュアたちと追ってきたリストルの激闘の末ミライクリスタル・ホワイトが覚醒を通り越してミライクリスタル・マザーハートに変化、同時に広げていた本の内容が突如白紙に書き替えられ驚きを見せた。

ジョージとキュアエール
ハグプリ39話



第42話では、エールの活躍によってアンリの未来に何らかの変化が生じた(後述)ことに感動と興奮を隠しきれない様な表情を浮かべながら、エールの事を「未来を司る女神」であるマザーハートのようだと評した。そして、彼女との永遠に終わる事のない争いを望むかのような発言を零していた。

第43話では、ほまれの恋をどう応援したらいいかわからなくて夕刻の歩道橋で1人悩んでいたはなの前にジョージが「また会えたね」と突然現れる。ついに自らミライクリスタルを強奪しにきたのかとはなは軽くパニックになるが、ジョージははなの腕を掴んで逃げられないようにして「君に会いに来たんだよ」といつもの優しい微笑み。

「希望とはすぐに絶望に変わるものだと、君は気づいている」

ジョージのその言葉にはなは咄嗟に反論できない。今まで戦ってきたクライアス社の幹部たちもかつては希望を持っていたが、それが叶えられず絶望に転化してしまった者たちだ。そして仲間たちも自分も今でこそ立ち直っているが一度は絶望に沈んでいた時期がある。
そして今ここでジョージがそんなことを言うのは、はながどう応援しようがほまれの恋は成就しないということだろう。
はなに不安な気持ちを残すだけ残して、ジョージは「君は本当に素敵な女の子だ。じゃあ、またね」といつもの調子で去っていった。
はなは、ジョージが自分に対して何かを求めているらしいことはうっすらと気づいてはいるが、その真意が理解できない。ジョージは一体はなに何をさせたいのか…?

第45話でははなが包装紙用の絵を描くシーンに合わせ、壁画のような大きさの絵を描いていた。
黄色の花畑に立派な木、後ろに広がる青空という誰が見ても美しい風景画だったが、エンドシーンではせっかく描いたその絵を「白く、白く、アスパワワが世界を満たしていく…」と恍惚な表情で呟きながらパールブルー一色に塗りつぶしていた。
ところで絵を描くときも塗りつぶすときも明らかに細い絵筆オンリーで描き上げているようだが、凄まじい集中力と称えるべきか努力の方向音痴と言うべきか……。
なおこの回ではジェロスが真に望む世界が自分の理想と食い違っていることを指摘している。意外と見るところは見ている。

最終決戦

第46話にて本格的に決着をつけるべく、自らの手で稟議承認し参戦。
その前にはぐくみタワーで再会したはなにクラスペディア(花言葉は『永遠の幸福』)の花束を差し出し、絶望する前に自分たちと同じ道を行こうと誘うが激しく拒絶されてしまう(この時、かなりショックな表情をしている)。

センシティブな作品
輝く未来を抱き締めて


自分が不本意にも恐怖の魔王か何かのように扱われていることに気づいたジョージは未来世界の真相を語った……

「少女が目指すのは花咲き乱れる理想の王国。夢は叶い、人々は笑顔に満ちた。だが、人々の望みは尽きなかった。ひとつの夢が叶えばそのまた次へと。明日への希望は欲望へと変わり、王国を狂わせていった」
「文明の進化、だがその成長に似合うほど人類は尊い生き物ではない。君たちがどれだけ明日への希望の力・アスパワワを増やしても、際限なく人々はトゲパワワを増やす」

そう、クライアス社がいようがいまいが、人類という種は自ら生み出したトゲパワワで世界を荒廃させ、やがて文明は崩壊し、最終的に世界の時間が止まってしまうというのだ。
何度救っても結果は同じ。民衆は愚かにも身の丈に合わない楽園を求め続け、欲求を制御できなくなりトゲパワワを蔓延させて世界を破滅させてしまう。
それは人の心がある限り絶対に無くせないと悟ったジョージは、ならば先に自分たちが世界の時間を止めてしまおうと考えたのである。
いずれ訪れる破滅に気づくこともなく、人々が無邪気に未来を夢見ている時代で、その幸福な瞬間を切り取って「永遠」にしてしまう。これが人類にとっての唯一の救済だとして、彼はハリーたちの時代の時間を止めてしまったというのだ。

そんなことを語る彼の脳裏には、はなにとてもよく似た赤髪の女性の姿があった。

そして翌日、ジョージは自らのトゲパワワを触媒にクライアス社の社屋ビルを巨大オシマイダーに変え、世界の時間を止めるために出撃させることになる。
ジョージはタワーでのはなとの会話で判断したのだ。今こそはなの時代の時間を止めてあげるタイミングだと。そして今この時代で時間を止めてしまえば、それより先の未来はなくなる。それはハリーたちの未来を根底からなくしてしまうことにもなってしまう。だが、もはやジョージはそのことに心を痛めることはない。
今、この時代のはなは素晴らしい友に囲まれ幸せを感じている。だから、今こそ野乃はなに「永遠」を与えてあげるべきなのだ。ジョージにとってははなの幸せが何よりも優先すべきものだったのである。

永遠に咲く理想のはな
ジョジはな



クライアス社屋が変身したこの巨大オシマイダーのパワーは凄まじく、第47話ではついに世界の時間が止められてしまう。
だが、そんな中でも動くことができるわずかな者たち… プリキュアと離反した元クライアス社員たちは、ジョージ社長を止めるべく、社長が召喚するオシマイダー軍団に立ち向かっていく。
戦いの最中、ジョージは愚かな抵抗を続ける者達を諦めさせるための人質として、はぐたんを攫い、オシマイダー化した社屋ビルの中へ立てこもった。
プリキュア達は離反した元クライアス社員達の助力を得て、ビルの中へ突入。
そこでジョージは逃げも隠れもせずにプリキュア達の前に姿を現し、手に持つ本の力でプリキュア達を翻弄する。エールだけをトゲパワワの檻に閉じ込め、残りの4人を闇の触手で拘束し一方的に痛めつける。
「君がわかったというまで続ける。君達では僕に勝てない」
脅しの言葉を全くの無感情につぶやくジョージ。エールはその言葉に屈しそうになるが、仲間達はエールに残酷な選択をさせるわけにいかないと拘束拷問から自力で脱出。はなを閉じ込めた檻を壊して解放する。
ジョージは4人がエールを心変わりさせるための材料に使えなくなったと判断し、4人を空間の狭間に放り込み閉じ込め彼女達の時間を止めてしまう。そう、彼は最初からやろうと思えばそれくらいいつでもできたのだ。圧倒的な力の差にエールは緊張感を高めるが、ジョージは「やっと2人きりになれたね」と笑みを浮かべた。
そして気づくと、ジョージとエールは一面花畑の中に立っていた。(実際の場所はビルの中なのは変わっていなかったので、何回か作中に出てきている仮想空間に閉じ込める装置を使ったのかも知れない)
咲き乱れる花の名はソリダスター。花言葉は『永遠』。

エールはたった1人になっても、果敢にジョージに立ち向かっていく。だが、ジョージは手元の本を使ってトゲパワワを自在に操る。トゲパワワは攻防一体の闇のエネルギーオーラとしてジョージの身を包み、エールはジョージに触れることさえままならない。
逆にジョージはエールの背後をとり彼女を攻撃…はせず、そっと抱きしめ「2人で生きよう、傷つけるもののいない世界で、永遠に」と説得を続けた。だがエールは「永遠なんていらない!」と頑なに否定。
それは今までエールが「未来なんていらない」と頑なだったクライアス社の社員達をハグしてその心を救ったのと、ある意味で立場が逆になったようなものだ。ジョージは嘘偽りない心ではなを救おうとしているのだ。
ジョージは「なぜ分からない!」と珍しく怒りを見せ、エールを雷で攻撃。その衝撃に耐えられずエールの変身は解けて、「ただの野乃はな」に戻される。実力差を見せつけたジョージは、未来を信じても傷つくだけだと諭す。
なぜなら、ジョージは知っている。はながもう少しだけ大人になれば直面する現実を。まっすぐに理想を語る少女を人々は冷笑し、異端として排除しようとするのだということを。
それは「一年前」の再来、いや、もっと過酷なものとなるかも知れなくて… そんな未来をはなに与えるわけにはいかない。
それでも、ボロボロの姿のはなは立ち上がり戦意を見せる。生きることが苦しいのは誰よりもわかってる。だから、迷い苦しんでいる人たちにその気持ち一人じゃないって抱きしめてあげたいのだと。そう、はながみんなを応援するのは自分を応援したいから。嘲笑われてもバカにされても、その気持ちを曲げたくはないと未来への決意と約束を述べる。

「それが、わたしのなりたい野乃はなだ!」

溢れるアスパワワで再びプリキュアの姿になり、その勢いではぐたんを救出したキュアエール。さらにそのアスパワワによって、止まっていたこの世界の時間さえも動き出した。
異空間に閉じ込められていた仲間達も動き出し脱出してきた。

ジョージはここに至り、もはやはなとはわかりあうことはできないと察し、ついに自らにトゲパワワを注入し怪物化する。どんな状況に陥ろうとも決して諦めず明るい未来を取り戻すために自分に立ち向かって来るはなの姿勢から“自分とは根本的に相いれない”と判断したジョージが自身に秘められたトゲパワワの力を開放。それを自らに取り込むことで怪物へと変化した。体から迸るトゲパワワの力で地球を包み込み世界の時間を止めてしまう程の強大な力を持った。
自身のアバターにそっくりなオシマイダーの魔人に酷似した姿で、そのコート(マント?)の下は剥き出しの髑髏の姿の彼(なお、この姿を観たジェロスはその禍々しい姿から悪魔を連想していたが、かつて彼に想いを寄せていたバップルは「あれは1人の”男”に過ぎない」と別の感想を抱いていた。それを裏付けるかのようにその叫び声はどこか哀し気な印象を受ける)。巨大な悪魔のような姿になったジョージは、この世界の全ての人間達を消し去るべく、無差別破壊を敢行する。

はなが「永遠の幸福」をどうしても受け入れないならば、もはや永遠さえ意味はない。それならば、もう何もいらない。トゲパワワを生み出し自滅するだけの愚かな人類なぞここで終わらせる。
しかし、5人のプリキュアは人々の未来を守るために必死でジョージに立ち向かう。その光景を目撃していた街のみんなは、ただただ心の底からプリキュア達を応援する。その人々の心と声が1つになったとき、あらゆる者達の心の中からアスパワワが溢れ出し、奇跡が起こった
世界中の人たちからのアスパワワを受け取ったエール達は、怪物と化したジョージを浄化する。

これで全ての戦いは終わった。オシマイダーと同化していたビルも崩壊していく。
だが、ジョージの姿が見当たらない。
エールは…いや、はなはどうしてもジョージに確かめなくてはいけないことがあった。ジョージを探して崩れゆくビルの中を探索する。
テラスでうなだれてビルと運命を共にしようとしていたジョージの元にエールはたどり着き、「一緒に行こう」とハグして手を差し伸べる。どこにいくというのかとジョージは尋ねると、エールは「未来へ」と一言。
ジョージははなに対し、自分のことをまだわかってないのかという感じで苦笑する。
「無理だよ。僕は未来を信じない」
だが、はなは真剣な表情で反論した。

「本当に未来を信じてないなら、どうしていつもわたしに『またね』って言うの?」

この言葉にジョージは、自分が気づいていなかったことに気づかされる。
驚愕の表情を一瞬見せたあと、嗚咽まじりに低い笑い声を出す。そして頬には一筋の涙が伝うが、手で顔を覆いながらはなに背を向けた。泣き顔なんてはなに見せるような男ではない。
そして振り返ったジョージは、今まではなと会っていた時と一字一句、全くおなじ別れの言葉を口にする。

「君は本当に素敵な女の子だね。またね」

そしていつものようにいつの間にか姿が消えていた。ただその瞬間「ボクも、もう一度…」との言葉がエールの耳には聞こえていた。

最終話では、いつかの時代のどこかの荒野で、懐中時計を手にしながら「時間は動き出した」とつぶやきながら一人どこかへ去っていくジョージの姿が描かれていた。彼はこれからどこへ向かうのか?それは分からないが、未来を信じることにしたことだけは間違いないようだ。

考察

ジョージ・クライが未来で何を経験したのかについて、作中では必要最低限なことしか語られていない。
しかし、作中ではジョージが過去に経験したことへのヒントとなる描写もいくつかあるため、それらを元にしたイラストもいくつか投稿されている。
その助けとなるためにも、彼の背景についての考察を記載する。

ジョージは本当に人類を救いたかったのか?

ジョージ・クライは人類の未来には不幸しかないと悟ってしまい、それゆえに世界の時間を止めようとした男だ。
彼がそこまで思いつめるようになった理由は、「人類の尽きぬ欲望が生み出したトゲパワワによって文明が荒廃し、最終的に世界の時間が止まるというのが未来の運命だと知ったから」である。
ジョージは「何度救っても結果は変わらなかった」と述べているので、彼は最初は世界の時間が止まらない道を模索して何度も過去をやり直したと思われる。それでも何も変えられなかったので、自分が先に時間を止めることにした。人々がまだ今という時間を楽しいと思っていられる間に、それを永遠にしてあげることが人類の唯一の救済だと信じて。

…というのが、表向きのジョージの行動理由である。一応、ジョージは自分の口で自分の目的をそのように語ってはいる。
しかし本編を見る限り、ジョージは人類を愛してはいなかったことが浮き彫りになっている。それどころか人類という種を愚かだと嫌ってさえいた。第46話では「人類が生まれてくることは不幸だ」とまで言い切っている。
そもそも作中で彼が他人に興味を持ったのは野乃はなただ一人である。それ以外の人間に対しては社員であろうとも興味を示さない。パップルの恋心を引き裂いても穏やかなままでいられるのかジョージという男の本質だ。
最終決戦でのはなとのやりとりでは、民衆はいかに愚かかをはなに言い聞かせようとしている。そして最終的にどうやっても彼女とわかりあうことができないと悟ったジョージは、何もかもどうでもよくなって自らにトゲパワワを取り込み、人類全てを消し去る魔王と化した。
身も蓋もない言い方をすればフラれた腹いせに人類を滅ぼそうとしたわけで、彼にとっては人類全体の価値は野乃はな一人より軽いのである。

人間を愛していなかった彼が、どうして「人間のため」という使命を自分に課して行動しようとしていたのか。
本編中で明確な答えは語られていないが、一つ考えられるのは別の人間の思いを継いだのではないかということである。
ジョージが愛していたのはある特定の個人であって、人類全体ではなかった。
しかし、ジョージが愛した人は人類の行く末を憂いていたので、ジョージはその意志を継いで人類救済を模索した。
そういう仮説ならば、ジョージの本心と行動の矛盾にも一応の説明がつく。

ジョージが愛した人物

「ジョージが愛する誰かの意志を継いだ説」の根底にあるのは、ジョージには大切な誰かがいたのではないかということである。
その候補となる人物が、第46話にてジョージの回想で出てきた「はなによく似た女性」である。
ツーショットで映った写真もあるので、ジョージとこの女性は極めて親密な関係だったと思われるが、この女性についての詳細が明かされることもなかった。

この女性ははなに似ているが、明らかに違うところが2つある。年齢がもっと大人であること、そして前髪が伸びていること。
このことから、視聴者からは「女性の正体は、TV本編とは別の歴史を辿ったパラレルワールドの野乃はな」と推測されていたが、『アニメージュ』2019年2月号にある、キャラクターデザイナーの川村敏江のインタビュー記事にて正しいことが確定した。
(以後、区別のため「本作の主人公」である野乃はなのことを「主人公はな」、「ジョージがやってきた未来」における野乃はなのことをアナザーはなと呼称する)。

未来
荒野の果てで



アナザーはなの姿は作中では本当にわずかしか出てこない。
ただ、ジョージが主人公はなを見つめているとき、その脳裏にアナザーはなの姿が思い浮かべているというような演出になっていることは共通する。
このため、ジョージは主人公はなとアナザーはなを重ねて見ていたのは間違いないだろう。
特に第48話では、主人公はなと分かり合えない絶望で彼が魔人と化す直前、ジョージの瞳の中にキュアエールではなくアナザーはなの姿が映っていたシーンがある。彼は最初から最後まで、主人公はなをアナザーはなの代わりのようにしか見ていなかったのかもしれない。

このアナザーはながどのような人物であったのかの考察は本人の項目に譲るが、おそらくはジョージが自分の知る未来史を語る際にたびたび登場する「ある少女」だと思われる。
プリキュアの剣を手にして世に蔓延る不幸を力づくで駆逐し、希望と笑顔が溢れる理想の王国を人類に授けた大英雄。だが、人々はいつまでも理想をまっすぐに語る彼女を次第に疎んじ、異端として排除した…それがジョージが語った「ある少女」の物語である。

アナザーはなが最終的にどのような運命を辿ったのかは不明だが、主人公はなへの強すぎる執着心は、アナザーはなとの別離があったとも想起される。
実際、『HUGっと!プリキュア オフィシャルコンプリートブック』では、シリーズ構成の坪田文は「クライは未来では、最愛の人があまりいい事情でなく亡くなっている」と明言している。ただ同書では座古SDが「子供向けなのであまり暗くなりすぎないようにと言うことは注意していた」と語っているため、死を直接的に描くことは避けて遠回しな表現にしたと言うところなようだ。

ところで過去に戻れるジョージであっても、その別離の運命を変えることができなかったというなら、ジョージが未来を信じなくなった理由としてはぴったりだろう。
必ず別離する運命というと、歴史の修復力とか特異点とかを持ち出すこともできるが、さすがにそういうSF的設定は作中で描写されていない。
それよりもっとわかりやすい仮説として、「アナザーはなは自分の意思でジョージと別離した(=自己犠牲による死を自ら選んだ)」ということが考えられる。そしてジョージが何をやっても何度説得しても、アナザーはなの決意を変えることはできなかったのではないだろうか。
ジョージの未来に築かれた「理想の王国」では、マザーと呼ばれる超常的存在が人類の未来を司っていたことがわかっている。このマザーが楽園のシンボルだというなら、「世界が夢と希望に包まれることを願い続けたはなは、この世界の全てを守る女神に昇華した」という仮説も浮上する。
作中でのマザーは幻影のような形でしか登場せず、いわば「思念体」に近い存在のようだ。(6年前の女王様とか前年の先代様のように、プリキュアの女王様ポジションが実体なき思念体なのはわりとよくあるパターンでもある)
アナザーはながマザーになったというなら、彼女は「人の肉体という殻」を捨ててもはやジョージとは異なる位相の存在となったことは想像に難くない。
(ちなみに過去作を見れば、本当に神になって地上を去ったプリキュアには前例がある)

ジョージが語る「ある少女の物語」では、実現不可能な理想を語り続ける少女はやがて人々から異端として排除されたという。
みんなが幸せになれる理想の王国を作るなんて誰も信じてくれないから、彼女は人の身を捨て女神となることで、みんなが幸せになれる理想の王国をつくりだしたのであろうか。
もしそうなら、ジョージはそんな民衆のために自らの身を捧げたアナザーはなの行為を認められなかっただろう。そして彼女が作り出した理想の王国を民衆が欲望で汚していく様は、ジョージには耐え難いものであったに違いない。
それでも、アナザーはなの自己犠牲の精神を無駄にしないために、人類への絶望を抱えながらも人類救済の手段を模索し続けてきた………
あくまで推測だが、このような葛藤をジョージは抱え続けていたのではないだろうか。
そう考えると、ジョージも哀しき悪役と言える。

はぐたんの父親はジョージ?

ジョージがアナザーはなとどれくらい親密な関係だったのかに関してだが、二人は夫婦だったのではないかという説がある。
一応それを思わせる描写が本編中に存在はする。
本編最終回で未来からやってきたジョージ・クライが浄化されたことで歴史の流れが「クライアス社が存在しない未来」に切り替わった。そして最終回から11年後の世界を描いたエピローグにおいて、主人公はな(既婚)の夫らしき人物が顔を映さずに登場している。その人物がはなに贈るために用意した花束がグラスペディアだったのである。(詳細はジョジはなの記事を参照)
このエピローグで主人公はなは娘を出産する。その娘の名前は「はぐみ」であり、その顔つきははぐたんとそっくりであった。つまり、はぐたんは未来の世界におけるはなの娘だったのである。

はぐたんがやってきた「クライアス社が存在する未来」と、はぐみが生まれた「クライアス社が存在しない未来」はパラレルワールドだが、本編中に登場したはぐたんが主人公はなを母親として本能的に認識していたことはわかっている。このことから少なくとも「二つの世界で同じ娘が誕生した」のは間違いないため、はなの夫も二つの世界で同じ人間だったと考えるのが自然。

ところで、成長したはぐたんは未来世界のプリキュアであるキュアトゥモローである。

輝く明日を抱きしめて


(こうして見ると幸せそうな家庭に見えるが…?)

ここで忘れてはいけないことがある。ジョージ・クライは、キュアトゥモローと敵対しており、彼女を消し去ることに何ら罪悪感も持たずに彼女を捕らえていた。
また、はぐたんの正体がキュアトゥモローだと知られた時は、ジョージははぐたんの心を絶望に染めればどうなるだろうと愉悦の表情でつぶやいていた。とてもトゥモロー/はぐたんに対する愛があったようには見えない。
さらにクライマックスでははぐたんを人質にとったうえで、はなに「二人だけの永遠の楽園を作ろう」と語っている。これは目の前にいるはぐたんを家族とはみなしていないことになる。
「クライアス社が存在する未来」におけるアナザーはなの夫がジョージで、アナザーはなの娘がはぐたんだったと仮定すると、ジョージ・クライは失った妻の幻影に囚われて実娘を虐待する父親だったというえげつない闇の深さに行き着くわけで…。
アナザーはなとジョージの関係を本編中で明言しなかったのは、このあたりの負の側面が可視化されないようにという配慮かもしれない。

なお、最終回に登場したはなの夫が「クライアス社の存在しない世界」におけるジョージであったとしても、クライアス社の社長であるジョージ・クライとは異なるアイデンティティを持つ別人である。主人公はなとアナザーはなが異なるアイデンティティを持っていたように。
少なくとも「クライアス社の存在しない世界」でこのような悲劇的な家庭環境となることはないだろう。

製作スタッフの見解

アニメージュ2019年3月号の内藤圭祐プロデューサーへのインタビュー記事によると、ジョージぼ「人類を救う」という使命感の裏には色んな苦悩や業を抱えてはいるが、それを最後までわかりやすい言葉で明かさなかったのは意図的なものであり、そこは視聴者の方々が自分の頭で想像し考えて欲しいとしている。
その上でスタッフにもそれぞれの見解を持っているようだ。
例えば上記のアニメージュ誌の記事では、内藤Pはジョージが語った「明日への希望はやがて尽きぬ欲望に変わり世界を汚した」という主張を額面通りに受け取ることに疑問を呈している。
内藤Pは「プリキュアシリーズは夢と希望をネガティブなものとは描きません」としたうえで、人類が「叶えられないような欲望」に身を焦がしてトゲパワワを生んだというなら、問題になるのは欲望の方ではなく、叶えられないと諦める方の気持ちだったのではないかとしている。
どれだけ身の丈に合わない非現実的な夢を持っていても、いつかそれを手に入れてやると傲慢不遜に信じ続けることができるならば、それはアスパワワにつながるのではないか…… そういう解釈なわけだ。作中でもちょうどMAAがそのようなスタンスだったと言えるだろう。

シリーズ構成の坪田文は、オフィシャルコンプリートブックでプリキュアが「未来」「可能性」「あきらめない」という気持ちを持っているから、ラスボスのジョージはそれの対立軸として「過去」「終末」「あきらめている」という気持ちを抱えているとしている。
そのうえで「クライは未来を諦めたことでシニシズム(冷笑主義)に囚われているが、冷酷な人物ではない」としている。
坪田によると本作の制作陣はみんな子供の未来に真摯な立場でいたいと考えていたがゆえに、「トゲパワワがTVの前のみんなに生まれることはない」とか「落ち込んだり悲しんだりすることはダメなこと」のようなメッセージを伝えてはならないということを大切にしていたと語っている。生きている限りは誰だって落ち込んで絶望して未来を諦める気持ちになることは普通にある。それを悪と断罪するなら子供達がこれから歩む未来を否定することと同義だというわけだ。「絶望を理解し、それと向き合うこと」は本作に限らずプリキュアシリーズの諸作品の多くで大切にされてきた裏テーマでもある。
だから、ジョージがTVの前の子供達の未来の姿となる可能性も本作は意識している。そのうえで「どれだけ悲しいことがあっても、生きて前に進まねば」ということを忘れないでいて欲しい……それが最終決戦に込めたテーマだと語っている。

余談

人物あれこれ

  • プリキュアシリーズ本編において、一人称が「ボク」である敵陣営のボスは、『ハートキャッチプリキュア!』のデューン以来となる。
  • 名前について、構成の坪田文氏曰く、プレジデント・クライの正体ということで「○○・クライ」というのは決めていたがなかなか決まらずに悩んでいたところを、佐藤順一氏がポツリと呟いた「常時、暗い」という言葉にピンと来て、「ジョージ・クライ」に決まったとのことである。
  • ジョージ・クライを演じる森田順平氏はプリキュアシリーズ初登場。ジョージの正体は最初から決まっていたようだが、森田氏は、ジョージを演じるにあたり、「役としての信念がはっきりしているので、演じていて楽しく、今後の展開へのワクワク感があります。(中略)クライアス社の「暗い明日」を、エールたちの「明るい未来」で消すことができるかは、みなさんの応援次第です。消されないように僕もがんばりますよ」と意気込みを語る一方で、「普通ではないな、と思ってはいたのですが、まさかね…」とも述べており、初めて演じた際より彼が只者ではないことは薄々感じてはいたものの、クライアス社の社長であることまでは自分でも分からなかったことも明かしている(参考リンク)。が、『アニメージュ』増刊号にて、ホログラムのクライを森田氏が演じていたことが明らかになったのでリップサービスの可能性もある。
  • アニメージュ2019年3月号の内藤圭祐プロデューサーへのインタビュー記事によると、「ジョージ・クライは(本作のシリーズディレクターである)座古明史そのものだ」ともう1人のSDである佐藤順一やシリーズ構成の坪田文は常日頃から述べていたと暴露している。具体的にどのあたりが似ているかについては明かしてないが、終盤のはなとの対話劇は「座古さんならこういう時にどうします?」といちいち尋ねながら作っていたらしい。なので、少なくとも終盤のジョージのあれこれには座古明史の個性が反映されてるんじゃないかと内藤Pは述懐している。なお、作品の世界観やテーマを「花」や「絵画」に仮託することは座古が得意とする演出なので、確かにそういう色が終盤ではよく出ていたのは確かである。


ネタなど

クライアス社社長としての正体が発覚する前は、登場する時は儚げなオルゴール風のBGMが流れ、未来を暗示するような言葉を残して去ってゆく謎の人物として演出されており、はなにとってはそのミステリアスさが「カッコいい大人の人」としても映っていた。
…………のだが、一方的にポエム的な台詞を並べ、会話も成立しないその行動から、視聴者の間では「ポエムおじさん」「大人の人というか厨二」「不審者」等々、散々な言われ様をされていた。
また、初めて人間の姿が出てきた時からその怪しげな雰囲気から視聴者からは「敵の黒幕では」と疑われていた。
近年のプリキュアシリーズには「味方のふりして実は黒幕みたいな胡散臭さが漂っているけれど、実際は最後まで味方」というジョー岡田枠なるキャラ属性も見受けられるが、ジョージの場合はストレートにラスボスだった。

第16話で雨の中ではなと邂逅したシーンでは、同話で制服を着てラヴェニール学園に潜入したパップル(⇒制服パップル)がルールーから「不審者として通報される確率82%」と言われるネタがあり、それになぞらえて「通報される確率100%」と一部視聴者から評された。まあ雨の中胡散臭い風体のずぶ濡れの男性がポエムを呟きだしたらなかなか不気味ではあるが。

第23話で見せた希望と絶望は表裏一体という思想や戦略は前作ラスボスにかなり近く、早速「去年(正確には同年1月)とネタが被っている」というツッコミを入れる視聴者も。もっとも、絶望をなくすために大好きな気持ちをなくそうとしたエリシオと、苦しみから逃避して幸せな思い出だけの世界に閉じこもろうとするジョージでは、ある意味で真逆ではある(どちらかと言えば、ジョージの立場はドキプリ映画版マシューに近い)。

似ているキャラクター

プリキュアシリーズ内


プリキュアシリーズ外

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