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概要

HUGっと!プリキュア」のキーアイテム。

世界に溢れている明日を創る希望の力・アスパワワが結晶となったもの。宝石のような形をしており、それぞれ何らかの意匠を凝らした装飾がなされている。

作中では、プリキュアの素質を持つ少女たちが未来への思いを高めたときにミライクリスタルが生み出されている。

これを各種アイテムにセットすることで変身キメ技の使用・パワーアップを行う。またチアフルとホワイト以外のクリスタルは、ミライパッドにセットすることで各種職業の衣装に着替えることができる。

本作の敵組織である侵略企業クライアス社は、このミライクリスタルを狙っている。

クライアス社にミライクリスタルが奪われれば「みんなの未来」が無くなってしまう。

未来がなくなるという言い方は非常に抽象的に感じるかも知れないが、本作においては言葉通りの意味であり、第2話でのハリハム・ハリー曰く「わかりやすく言えば、時間が止まってしまうということ」らしい。

ハリーのいた世界では実際にクライアス社に未来が奪われてしまった。そしてクライアス社をこのまま放置していれば、野乃はな達がいるこの現代世界の未来も奪われるだろうとのこと。

プリキュア達はハリー達の未来を取り戻すため、そして自分の未来を守るために、クライアス社と戦っているのである。

はぐたんとの関係

ハリーが言うには「8個のミライクリスタルのアスパワワをはぐたんに与えることができれば、未来を奪われた世界で再び時間が流れ出す」のだという。

はぐたんは、プリキュア達が生み出したミライクリスタルから抽出されるアスパワワを摂取することで本来の力を取り戻して行く。

ミライクリスタルからアスパワワを抽出できるのはプリキュアのみであり、この抽出は一つのクリスタルにつき一度限りでいい模様。

第20話にてプリキュア達が生み出したミライクリスタルが合計で8個となったが、翌第21話にてハリーはクリスタルが8個揃っても変化が起こらないことに内心不審がっていた。

しかもその独白にははぐたんが元の姿に戻らないことへの疑問も含まれており、この点から察するにはぐたんとミライクリスタルには只ならぬ関係があるようだが…?

ミライクリスタル一覧

※以下で記載されているミライクリスタルの色名称は玩具での商品名をソースとしています。

変身用ミライクリスタル

プリキュアの素質を持つ少女達が、「自分の未来を守りたい(もしくは未来へ踏み出したい)」と願ったとき、はぐたんと共鳴して自分の心から生み出される。

このクリスタルが自分から生み出される際の感覚は、作中において「心があふれる」と形容されている。

プリハートと呼ばれるデバイスにセットすることでプリキュアに変身できる他、キメ技の行使時にも使用する。

形は全てハート。

ミライクリスタル・ピンク

野乃はなが所持するミライクリスタルであり、はなをキュアエールに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾は花。

生成されたのは第1話。オシマイダーに蹂躙されそうになるはぐたんを目撃したはなが、心の中に湧き上がる恐怖を抑えて「ここで逃げるのは格好悪い、自分のなりたい野乃はなの姿ではない」とはぐたんを守ろうとする強い思いから誕生した。

ミライクリスタル・ブルー

薬師寺さあやが所持するミライクリスタルであり、さあやをキュアアンジュに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾は羽。

生成されたのは第2話。キュアエールがオシマイダーに苦戦しながらも自分を守るところを目の当たりにしたさあやが、何もないと思っていた自分にも「守られるべき未来」があることを自覚することで誕生した。

ミライクリスタル・イエロー

輝木ほまれが所持するミライクリスタルであり、ほまれをキュアエトワールに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾は星。

初めて生成されたのは第4話。

自分のことを気にかけてくれていた梅橋先生がオシマイダーの素体にされ、それをプリキュア達が必死に助けようとしている情景を目にしたほまれが「自分もあんなふうに」と思いを強めたことでミライクリスタル・イエローが生成されたが、それは自分の手元に現れず、彼女を試すように頭上よりも高い空中に浮かんでいた。

かつてフィギュアスケートのスター選手であったほまれは、ジャンプの失敗と大怪我により「跳ぶこと」に強いトラウマを持っていた。

自分の未来は自分で掴み取らないといけないというハリーの言葉を受けてミライクリスタルを掴み取るために跳ぼうとするも、その瞬間怪我をした記憶がフラッシュバックし、跳ぶことに失敗してクリスタルを掴むことができなかった。それと同時にクリスタルは形を失い霧散している。

続く第5話では、ミライクリスタルを生み出せるくらいのアスパワワの持ち主が「過去のトラウマと未来への不安」にとらわれていることに目をつけたチャラリートがほまれを拉致拘束。彼女を精神的に追い詰めて、ほまれから大量のトゲパワワを生み出す。

それをコストに召喚されたオシマイダーはプリキュアに匹敵する力をもつ強敵でキュアエールとキュアアンジュは苦戦するが、2人の諦めない姿に触発されたほまれの「もう一度輝きたい」という思いから再びミライクリスタル・イエローが生成。今度こそ未来を自分で掴み取ることを決意したほまれは見事な跳躍でついにそれを手にし、キュアエトワールへ覚醒した。

ミライクリスタル・レッド

愛崎えみるが所持するミライクリスタルであり、えみるをキュアマシェリに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾はリボン。

パープルと同時に生成されたため説明はそちらへ。

ミライクリスタル・パープル

ルールー・アムールが所持するミライクリスタルであり、ルールーをキュアアムールに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾はリボン。

初めて生成されたのは第20話。

元々プリハートが1つしか残されていないという状況でどちらがプリキュアになるか悩んでいた最中、パップルが街のライブ会場を襲う事態に。ちょうど居合わせたえみるとルールー、そしてテレビで2人のピンチを知ったキュアエールは皆の夢を守るためオシマイダーに立ち向かう。

たとえ無謀だとしても諦めないキュアエールの姿に、これまでプリキュアに何度も励まされ周りや自分を愛し向き合う気持ちを学んだ2人は遂に「プリキュアになりたい」という夢を孕んだ心を溢れさせ、同時に2つのミライクリスタルが生成された。

最初こそやはりどちらか片方がなるのかと思われたがえみる達は一緒に変身することを強く願う。

そこに突如あの時間停止現象が発生し、金色に輝く女性が浮かび上がったかと思えば、彼女がプリハートを2つに分けてしまった。

かくして諦めない気持ちが身を結び、キュアマシェリとキュアアムールが覚醒した。

2個目のミライクリスタル

第6話以降、プリキュアとして活動するようになった少女達が自分の未来と向き合うようになるにつれ、新たなミライクリスタルが生成されるようになった。ここで言う「2個目」とは出現したクリスタルの総数ではなく、当人にとっての所持数という意味合い。

1個目とは異なりはぐたんとの共鳴は必要とせず、自分で自分と向き合い未来へ踏み出していくことで生み出されている。

ハート形だった変身用とは異なり、各プリキュアのモチーフを模した形をしている。

各人の1個目のクリスタルと同系色だが色はより濃く、これに関しさあやは「自分の心のより深いところ」から出てきたものだからではないかと推測している。

これらのクリスタルがプリキュアにとっていかなる助力になるかは不明だったが、第11話にてミライクリスタルが装填されたメロディソードが生み出され、プリキュアの新たな戦力となった。

第22話ではツインラブギターと共にルージュ、バイオレットが生み出され更なる戦力アップにつながっている。

ミライクリスタル・ネイビー

さあやが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルは羽を二つ重ねたような形で、中心部には八芒星の文様がある。

生成されたのは第7話。未来の自分の生き方に関して考えること自体をなんとなく避けてきたさあやが「これからは自分の心にちゃんと向かい合って、自分が何をやりたいか探すことを頑張ろう」と決意した時に生み出された。

ミライクリスタル・オレンジ

ほまれが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルは五角形と星を組み合わせたような形で、中心には五稜星の文様がある。

生成されたのは第8話。ジャンプの失敗が元でスケートから逃げていたほまれが、はな達との交流で世界が開け、改めて自分と向き合いジャンプが成功できたことで「無駄な時間なんて無い、はな達と過ごす時間が自分を輝かせる」と気づいたことで生み出された。

ミライクリスタル・ローズ

はなが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルは花を二つ重ねたような形で、よく見ると薔薇を五つ集めた形になっている。中心には緑の花の文様がある。

生成されたのは第11話。はなは周囲への劣等感から「自分は何もできない」と自己嫌悪に陥り変身もままならなくなっていたが、周囲の支えで立ち直り、再変身して「プリキュアとして目の前の危機から逃げない」と宣言する。そして周囲や自分を応援し、その言葉に呼応するかのようにクリスタルが生み出された。

ミライクリスタル・ルージュ

えみるが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルはリボンをかたどっている。

バイオレットと同時に生成されたため説明はそちらで。

ミライクリスタル・バイオレット

ルールーが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルはリボンをかたどっている。

生成されたのは第22話。会社の信用も恋人も失って絶望しオシマイダー化したパップルと対峙し、たとえきれいごとでも本気で彼女を救いたいという思いに応えるかのようにクリスタルが生み出された。

なおパップルは知る由もないが、ちょうどこの時えみるたちは互いを傷つけたくないがために却って対立してしまっていた。前後して出会ったのアドバイスで本音をぶつけ合い、愛する心から生まれる負の側面から逃げない覚悟を決めたばかりだったのである。輝く未来を抱きしめるには、時に辛さを受け入れることも必要なのだ。

その他のミライクリスタル

上記10個のミライクリスタルとは一線を画す、どちらにも属さないクリスタルも存在する。

ミライクリスタル・チアフル

現代のプリキュア5人の友情とはぐたんの力によって生成されたミライクリスタル。メモリアルキュアクロックと共に使用することでプリキュアとはぐたんをチアフルスタイルにフォームチェンジさせる。

各変身用ミライクリスタルの色+白色のハートを組み合わせたデザインで、全体的に花をかたどっている。

生成されたのは第31話。失敗続きとはいえ後輩であるジンジン・タクミを平気で切り捨てる気のジェロスに対し、「仲間ってそういうものじゃないでしょ!」「友達ってそうじゃない!」「みんなと一緒だから!」「強くなれる!」と、口々に反発するプリキュア達。

そして「みんながいてくれたから、わたしは今日、前に進めたんだから!これがわたし達の今!」というエールの叫びに応えるがごとく、はぐたんが生成した。

友情の思いで生成されたミライクリスタル自体は上記のように度々描写されてきたのだが、このミライクリスタルの生成過程である31話は、はながイジメから助けた友人に裏切られ逆に自分がイジメられるようになったという壮絶な過去が暴露されたディープな回であったと同時に、プリキュアの仲間達との友情によってそれを乗り越えることができた回でもある。

あの時以来、はなにとって友情というものは当たり前にあるものではなく儚いものだと思い知らされ、だからこそ友情を「目指すべき理想、なりたい自分」という憧れのものとして大切にしようと考えてきた。しかし今回の話でようやくはなは、友情は身近に感じられるものなんだという実感を取り戻すことができた。これははなにとっては止まっていた時間が動き出したということである。

友情は人が未来へ進むための力の1つであるということがプリキュア達が気づけたからこそ、このタイミングでミライクリスタルが生み出されたのである。

ミライクリスタル・ホワイト

未来の世界で活動していた「とあるプリキュア」が所持していたらしいミライクリスタル。

第1話におけるクライアス社の社員たちのセリフからすると、この「とあるプリキュア」はミライクリスタル・ホワイトを持って「ハリーが住んでいた未来の世界」から「野乃はな達が住む時代」へと逃亡してきたらしく、クライアス社もそのプリキュアを追って現代世界へやってきたのである。

ホワイト以外のミライクリスタルが「この時代」で新しく生まれることをクライアス社は想定してなかったが、それらも奪おうとしている。

また、ハリーはこの「ミライクリスタル・ホワイト」の力によって未来から「この時代」へ逃げてきたとはなに語っていることから、ハリーと「とあるプリキュア」は一緒に逃げてきたように思われる。

ミライクリスタル・ホワイトの現在の所在、および「とあるプリキュア」の現状は長らく語られなかったが、第23話でハリーがミライクリスタル・ホワイトを隠し持っていることが判明した。

ただしこれは視聴者に対しては明かされても、作中の登場人物には明かされていない。ハリーは第23話時点でもプリキュアたちにさえ自分がミライクリスタルを持っていることを隠している。クライアス社もまだ気づいていない様子である。

ちなみに、公式サイトなどの作品紹介では「クライアス社が、はぐたんがもつミライクリスタルを狙っている」となっている。しかし上述しているように作中で描かれている第1話時点でのクライアス社の目的は「プリキュアのもつミライクリスタルを奪うこと」であり、はぐたんを狙っているわけではない。そもそもクライアス社の社員たちの多くははぐたんをただの赤ん坊とみなして別段興味を示していない。

視聴者の間ではこの公式サイトの言文から「はぐたんがミライクリスタル・ホワイトを隠し持っているのだろう」という仮説が放送初期の頃からほぼ定説になっていたのだが、先述した通り、ミライクリスタル・ホワイトははぐたんではなくハリーが隠し持っていたことが判明。多くの視聴者の間では、はぐたんの不思議な力はミライクリスタルの力だと思われていたので、はぐたんの謎が深まることになった。

ミライクリスタル・ホワイトの形状は変身用クリスタルと同様ハート型であり、色は名前通り白色だが輝きを失っている。むしろそのおかげでクライアス社(特にプレジデント・クライ)に所在がばれていないとハリーは肯定的に考えるようにしている。

しかし、本気を出したクライアス社が来てもこれまで通りいこうと元気づけるはな達に感心していた時、ホワイトがかすかに輝きを取り戻したことをハリーでさえ気づいていないのであった。

第39話ではこのミライクリスタル・ホワイトがミライクリスタル・マザーハートに変化した。(ミライクリスタル・マザーハートについては下記参照)

なおこれは余談だが、ミライクリスタルの玩具ではホワイトは放送開始時点で既に発売されており、ぬいぐるみ玩具「お世話たっぷり おしゃべりはぐたん」に付属している。玩具のミライクリスタル・ホワイトの装飾はハートである(つまり、ハートの形をした宝石の中央にさらにハートの装飾がある)。

玩具のミライクリスタル・ホワイトは、プリハートにセットすると変身音声ではなくはぐたんとキュアエールのおしゃべりが再生される。本来の力を失った状態で玩具化されているとも取れるだろう。

ミライクリスタル・マザーハート

第39話にて、はぐくみ市の未来を知ってもなお未来を諦めなかったプリキュア達の願いがはぐたんに伝わったことで、ミライクリスタル・ホワイトが変化した(つまり新たに生成されたわけではない)。

メモリアルキュアクロックと共に使用することでプリキュアとはぐたんをマザーハートスタイルにフォームチェンジさせる。

第40話では、もともとミライクリスタル・ホワイトは、未来を司る女神・マザーハートの力を宿す特別なミライクリスタルであることが語られているが、今までずっと力が失われていた。このクリスタルが変化したことは、力を取り戻したどころかマザーの力に近しいものに進化したことであるようだ。

そしてこのクリスタルの誕生によってクライアス社にはぐたんの正体が知られてしまい、彼らが手加減抜きの本気で向かってくるクライマックスへの流れが始まることになった。

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