CV:本泉莉奈
概要
野乃はなのクラスメイトで学級委員長。母親は有名女優の薬師寺れいらで、さあやも幼い頃は人気子役として活動していた。
好きなものは辛いもの。「超激辛デッドオアアライブカレー」なるカレーが好物。
可愛くて、とても優しくて穏やかな、まるで天使のような女の子。
生年月日は2004年6月10日(第17話のルールー・アムールの分析から判明した)。
容姿
青いロングヘアの一部を左耳の上でシニヨン状にまとめている。
制服は上着、ブラウス、スカートのラインを水色に統一しているのが特徴。またスカート丈もやや長め。背丈はチーム内3番目で、ルールーより僅かに低い。
授業時や勉強時は眼鏡をかけているが、普段は外している。基本的に公式イラストで使用されるのは外している方。
東映アニメーション・朝日放送のキャラクター一覧では、変身前の姿として眼鏡を掛けている時のさあやが紹介されている。
性格
誰にでも優しく、困っている人をよく助けるとても高潔な人格を備え、『学園の天使』とも呼ばれ、おまけに美人で賢くて品行方正でクラスメイトからも頼られる存在である。本人はその様に褒められることに対してはかなり照れてしまうらしく、度々謙遜している。
そしてそんな他者からの評価とは裏腹に、「なりたい自分がない」と言うなど自己評価が低い。自分の未来に向き合う勇気がないから「他人のために何かをする」くらいしかやることがないと自覚しており、彼女の世話焼きな性格はメサイアコンプレックスの裏返しでもある。
しかし、いつもポジティブで元気なはなや、表情に乏しくも極めて高い知性を誇るルールーとの出会いで少しずつ変わり始める。
ちなみに意外と負けず嫌いで意地っ張りな一面を持っており、第14話でルールーに対抗心を剥き出しにした際は普段の彼女からは想像もつかない程の豹変ぶりを垣間見せていた。その様子を目の当たりにしたほまれは「スペックが高いさあやに張り合えるような人なんてそうそういないから、負けて悔しいと感じることに慣れておらず、いざそういう感情に直面すると過剰に反応してしまうんだろう」と分析している(ただしほまれは「負けず嫌いは悪いことじゃない」とこれを肯定的に捉えている)。
後に心を持ったばかりのルールーからの相談に乗る事が多い辺りからして、ルールーとは違う方面の知性(特に感情関連)を持っている事が窺える。
「知らないことを調べて考えて、わかるのが楽しいから」という理由でノートパソコンを所持しており、わからないことはインターネットで検索することが多い。如何にも今時らしいやり方である。ちなみに学級新聞も手掛けているが、こちらは手書きで作成しており、パソコンは基本的に調べ物の検索ツールとして役立てている模様。
第3話で登場したミライパッドにも興味津々の様子であり、情報機器全般に関心が深いようだ。
その後も、情報端末としてのミライパッドの操作・活用は基本的にさあやが担っている。
意外にも機械工作を趣味としているようで、第6話では電気ドリルについて熱く語っており、第23話では金属加工が可能な本格的な作業室が自宅にあることも判明している。
さらに、河童伝説などオカルティックなものが好きだったり、ホラー映画を愛好して冷静に分析したり、激辛メニューが好きだったりと、普段の清楚で物静かなイメージからは想像しにくい趣味と感性を持っている。というか、回を追うごとに彼女の趣味は増えている。劇場版でもフィルムカメラについて語り出すと止まらなくなるというマニアックな嗜好が明かされている。
その優しさと突飛な状況への適応力故天然気質なところもあり、周囲の状況に素直に感心していたりする一方で意図的なボケには一切ツッコまない。スルーするだけならまだしも、いわゆる「ネタにマジレス」してしまうタイプ。
はなもムードメーカーかつハイテンションでおっちょこちょいな所があり、えみるも暴走しがち、ルールーも時々天然なところがあるため、本作におけるツッコミ役は専らほまれやハリハム・ハリーが担っている。
スペック
学業成績は学年トップの優等生。インターネットを使いこなす情強ぶりも見せており、「マウンテンブルーバード」のような、一般の日本人には馴染みが薄い鳥を知っているなど知識も豊富。上述した通り興味の守備範囲も広く、特に無機物への関心が強い。プリキュアとしても「知恵のプリキュア」の名にふさわしく、初陣から敵オシマイダーの弱点を見抜いて、戦況を有利に運ぶという頭脳派ぶりを見せており、知力全般は非常に高い。
また委員長としてクラスメートたちのみならず教師から頼りにされるということは、頼まれた案件をこなす実務的能力がそれだけ優れているということでもある。
これまで家庭や親戚関係などで赤ん坊の世話をした経験があるのかは不明だが、初めてのはぐたんの世話でも手際よくこなしており、多方面にわたるスキルの高さを見せた。
身体能力はあまり高くないとの事だが、お手玉をこなせる等、極端に苦手な描写はなく、度々水落ちするはなと比べて一般中学生の平均より微妙に上程度はある模様。
第20話ではプリハートを「作れなかった」(=自分で作ろうとはした)と発言しており、工具に関してはマニアの域にとどまらず、ある程度の制作能力を有していることが窺える。
これだけの能力を持ちながら、自己評価は甚だ低く、自分に自信を持てないのが彼女の課題なのである。
元子役としての顔
前述したとおり幼い頃は人気子役として活動しており、特にCMで演じた「野菜少女」なる役が有名。
成長した現在でも役者として引退はしていないが、表舞台で活躍することはほとんどなくなっている。第7話によるとそもそも最近はオーディションに落ち続けていたらしい。
さあや本人は別段芸能活動を嫌ってはいないが、母親という強力なフィルターを通して見られることには複雑な思いを抱えている。演技力は高く幼い頃はのびのびと演技できていたが、成長するにつれ「女優・薬師寺れいらの娘」として見られることを気にするようになり、考え過ぎるあまり人前での演技がしづらくなっていったらしい。本編当初ははなたちの前ですら台詞も演技もガチガチだった。
そういうこともあって、幼い頃は人気子役であったかつての栄光を自ら話題にすることはない。
物語開始当初のさあやは「自分が役者をやりたいのかはわからない」としており、役者業を自身の進路にはっきりと据えてはいないことが触れられている。ただ、惰性でオーディションだけはずっと続けていた。
上述のあがり症もあって、成長してからは表舞台で活躍するような仕事はもらえていない。しかしさあやはそのことに対して悔しいと思うこともなく、こういう諦觀めいた境地になってしまうことこそがさあやのコンプレックスになっている。
だが第7話でのオーディションの際ははなやほまれから応援を受けたことで「”大女優の娘”という属性抜きに役者としての自分の躍進を期待している人間がいる」ことに高揚感を覚え、今までにない本気の演技がすることができた。
それ以降は、本当に自分が将来役者になりたいのかどうかという疑問に答えを出すために、もっと本気で演技をしていかないといけないと思い直している。
そして第20話でCMのオーディションに合格し、劇中で確認できる限りでは本編開始後初めて芸能人としての仕事を得ることになった。
第26話では母のれいらの仕事場の見学をさせてもらったことで、すごく小さい頃にTVの画面越しに母の姿を見て「お母さんがいる場所」に行きたいと思ったことが、この世界に入ったきっかけだったことを改めて思い出す。これ以降は「二世タレント」と見られることへのコンプレックスはなくなり、大女優である母親と共演して話題を集められるくらいに知名度を上げることを当面の目標とすることになった。
第35話では主演を務めたドラマが大ヒット。次のドラマ「ドクターはいすくーる」の主演も決まっており、あがり症を克服して女優として順調に活動している様子が描かれた。
「巨大タワーから生まれた女の子」(現代のかぐや姫を狙った設定らしい)だったり、「昼はごく普通の女子高生、放課後は天才医師」という、一風変わった設定の役が割り当てられてることも多いが、演技ははなが感涙するほどであり好評である。
第44話では映画「薔薇の騎士と姫の夜明け」で親子共演がついに実現した。
いまだ自分に自信が持ちきれないさあやだが、女優としての最初の目標を達成したことで、「なりたい自分」へ後悔を恐れず目指していく勇気を得ることができたようだ。
家族構成
父:薬師寺修司
母:薬師寺れいら
プリキュアシリーズでは少数派のマンション住まい(それもタワーマンションである模様)。
両親は第7話で初登場。兄弟姉妹はおらず一人っ子。母のれいらはCMなどで活躍する大女優で多忙を極めており、父の修司が食事などの家事を担当していることが多い。
余談
声優について
本作の放送開始日(2月4日)が丁度誕生日であった。
当人はさあやのギャップのある一面は当初は知らなかったとの事。
「頂いた台本で次の話を知るので毎週毎週が発見の連続。キャラクターの幅がどんどん広がり、アドリブについても「もっと、こういう方向にも振れるんだな」という選択肢が増えて、冒険もできるようになった」と語った。
(インタビュー記事より抜粋)
各話ネタ
TV本編
■第1話
- 転校早々に遅刻したはな。それでもハキハキと自己紹介する彼女にどこか興味ありげな視線を向ける。
- はなが放課後はぐたんの声に導かれ、屋上に上るとそこにはほまれとさあやがいた。さあやの方も学校案内の為はなを探しており結果オーライ。
- 翌日。お弁当を一緒に食べようとはなに持ち掛けた。ごはんに可愛らしい装飾を施した和食のお弁当で彼女またはその保護者が料理上手なのが見て取れる。
- そして語ったのははなが格好いいなと思ったこと。
- チャラリートが増幅して撒き散らしたトゲパワワによって生徒達が次々倒れる中、なぜかさあやには影響がなく、同級生を連れて避難。途中はぐたんの声を聞いたはなとはぐれる形となったため、はながキュアエールに覚醒した場面は見ていないが、この時の「元気のプリキュア・キュアエール」の活躍についてはほかの学園の生徒達とともに目撃していたようだ。
■第2話
- 誰にでも優しい様子をはなに褒められ、さらに十倉じゅんなと百井あきに「学園の天使」」と持ち上げられて赤面。はなを図書室に案内する道中で改めて「確かに可愛い」と言われて、またも真っ赤になって照れる。
- 学級新聞を編集中、寄ってきたはなを「マウンテンブルーバードに似てる」という謎の形容で褒める。知らないことをパソコンで調べ、考えてわかるのが楽しいという姿勢に、はなは感心。はなのプッシュもあって、プリキュアの記事を書くことに。
- ハリーの家にて、はなが泣き出したはぐたん相手に手こずっているところへ登場。彼女があやすとはぐたんはすぐ泣き止み、対処もパソコンですぐ調べて完璧にこなした。そしてさあやは最近、どこかから赤ちゃんの泣き声が聞こえると時間が止まったり、昼間に流れ星が見えるといった不思議な現象に度々遭遇していることを明かした。その場所ではなぜかはなと出くわすという。
- 鮮やかな手並みをはなに称賛されても、「私にできないことがあなたにはできます。あなたにできないことが私にはできます。力を合わせれば、素晴らしいことが、きっとできるでしょう」というマザー・テレサの言葉を口にした上で、「野乃さんは自由な発想があって、なりたい自分の未来があって、わたしよりずっとすごいよ。わたしには何もないから」とどこか淋しげな表情を見せる。「薬師寺さん…」と言いかけるはなに「委員長でいいよ」と返すと、「委員長と話しているんじゃないもん、さあやちゃんと話しているの」とはなは、いきなり名前で呼び掛けてきた。「勇気がないから人に優しくすることくらいしかできない」と思っていたさあやにとって、「誰かに優しくすることこそ、勇気がすごくいる」というはなの言葉は熱く心に響いた。
- その時、オシマイダーが出現。危ないと制止するさあやの声を振り切り、はなはキュアエールに変身して戦い始める。巨大な怪物を相手に「未来は絶対に守る!」と奮戦する姿にさあやの心は動かされ、溢れたアスパワワから新たにミライクリスタル・ブルーが生まれた。プリキュアになるようハリーに言われても躊躇するさあやだったが、「ううん、できるよね……わたしの中にもきっと勇気が!」と意を決し、キュアアンジュに変身する。
- ハート・フェザーでエールを守り、「クレーンは重心が高いから、足元を狙えばバランスを崩す」と重心が高いクレーン型オシマイダーの弱点が足元であることをエールに教え、エールの勝利をサポートしたアンジュ。戦いが終わり、「さあやちゃん、わたしと一緒にプリキュアやろう!」という呼び掛けに、「うん!よろしくね、はなちゃん」と笑顔で応えるのだった。
■第3話
- はぐたんがご機嫌斜めで、パソコンで「赤ちゃんは環境が変わると不安でぐずることがある」と原因は調べたが、有効な対処法が見つからない。そこへハリーが取り出したミライパッドを見て、「わぁ~、何それ!?タブレット?」と目を輝かせて食いつく。
- ミライパッドが指し示す日本庭園や移動動物園に引き回されるものの、はぐたんの不機嫌は直らず。だが、偶然出会ったはなの母・すみれに抱っこされると、はぐたんは笑顔になった。すみれはさあや達より先に、先程の日本庭園や移動動物園を回っており、ミライパッドが誘導していたのは場所ではなく、「母親の温もり」だったことに気づく。
- チャラリートが召喚したオシマイダーと戦う中、オシマイダーの素体にされたのが、先刻移動動物園にて「はぐたんの泣き声がうるさい」と絡んできた中年男性だと知り、「人の時間を……未来を奪って……!」と怒りの表情を見せる。ハリーやはぐたんの世界が、クライアス社によって時間を止められてしまった話を聞いていたこともあり、相手が誰であろうとその未来を奪うなどという行為は、心優しい彼女にとって許し難いものであったのだ。
- ハート・フェザーで食い止めようとするも、空気を吸い込んでどんどん巨大化する風船型オシマイダーに苦戦。だが彼女同様に、チャラリートに憤るエールの反撃によりオシマイダーは倒された。
■第4話
- ほまれをプリキュアにスカウトしたいとご執心のはなに困惑。
- 「ほまれちゃん、プリキュア似合うと思うんだけど」というはなの言葉にも、「プリキュアって誘われてなるようなものなのかなって」と的確な疑問を返す。プリキュア以前に、悩みや迷いを抱え込んでいるほまれのことが、彼女なりに気になっている様子。
- 成り行きで少年グループと3on3のバスケ勝負をすることに。はなと同じく運動が得意ではないのとおとなしい性格のため何もできなかったが、ほまれがジャンプシュートをするべき場面で不自然なパスをしたことに1人違和感を覚える。
- ミライパッドで過去の記事を検索し、ほまれがスケートをやめたのは、ジャンプの失敗で怪我をしたからと知るも、「痛いのはきっと足じゃなくて…」と呟く。そして案の定、ミライクリスタルを掴み取ろうとして失敗した彼女の姿を見た時は、「やっぱり痛いのは心…」と口にした。怪我の恐怖から立ち直れていないのを見抜いていたのだ。
- 戦闘ではルールーのデータによってバットを装備したオシマイダーの攻撃の前に、ハート・フェザーが通用せず、吹き飛ばされてしまい、為す術がなかった。
- 淋しげに去ってゆくほまれに、はなは応援を送るが、さあやは「今はそっとしといたれ」と言うハリーの言葉通り、見守る事しかできなかった。
■第5話
- ビューティーハリーショップの内装を手伝うも、「何かが違う」ため、はなと一緒にほまれにヘルプ。しかしその有り様たるや横浜中華街か、大阪のオカンをターゲットにしたとしか思えないギンギラの悪趣味なものばかりだった。
- ほまれが綺麗に整えた店内の写真をキュアスタ>に上げると聞き、「キュアスタ流行ってるよね!これ宣伝になるね」と笑顔で食いつく。センスはなくても、さすが情強女子。うっかりハリーが変身を解いてしまい正体がバレそうになったため、はなと一緒に滝のような汗を流して焦る一幕も。
- 仲良くなりたいと距離を詰めてくるはなに対し、素直になれないほまれは店を出て行ってしまった。戸惑うはなの手をさあやは握り、「人を応援するってすごく難しいことだと思う。でもこのままじゃ…行こう、はなちゃん!」と促して、ほまれの後を追った。
- 落ち込むほまれに「わたし、ほまれさんの事が好き。前よりずっと好きになった。わたしやはなちゃんにできない事がほまれさんにはできる」と声をかける。はなが大人っぽいほまれに憧れ、ほまれが明るく元気なはなを羨ましく思うように、みんなそれぞれ人にはないものを持ち、お互いにその長所に惹かれ合っているのだった。
- ほまれがチャラリートに攫われ、オシマイダーの素体にされてしまう。救おうとして変身するも、ほまれの絶望を原動力とするオシマイダーに苦戦。ハート・フェザーも一撃で握り潰されてしまった。
- しかし自分の弱さに打ち勝ったほまれはキュアエトワールに変身し、形勢逆転。彼女をアシストして勝利する。そして別れ際に「また明日ね、ほまれちゃん…じゃなくてほまれ、さあや!」と言うはなに歩調を合わせ、「えっと…わたしも…これからもよろしくね、はな、ほまれ」とプリキュア恒例の名前呼びの儀式。ほまれも笑顔になり、3人の心の距離はぐっと近くなった。
■第6話
- プリキュアが3人そろった記念ということで、おでかけしようというはなの発案に、「いきなり言われても」と難色を示しかけるが、はぐたんが笑うと「はぐたんと一緒ならどこへでもまいります~!」とデレ顔で豹変。
- デートという名目のホームセンター巡りだったのだが、工具コーナーを見るや素早いダッシュで駆け寄って電動ドリルを手に取り、「すごい!充実のラインナップ!このフィット感、それに軽い!」と大興奮。
- フラワーショップでお手伝い中、花束を抱いて歩くさあやの姿に「どこかで見た事あるような」と感じるはな。戦いが終わった後、はなの母・すみれが「『野菜少女』のさあやちゃんじゃない?」と指摘するが、さあやの顔は曇り出す。決して隠していたわけではない。だが…。
■第7話
- 前回のあらすじ担当。
- 「野菜少女」のCMについて、はなやほまれに質問攻めに遭うも「言う程のことじゃないと思って」と消極的な返事。そこへ「オーッホッホッ!」と高笑いしながら一条蘭世という少女が現れた。そのCMではさあやの背後のネギ役だったという蘭世は、一方的にさあやをライバル視し、挑発しまくる。
- 話の流れでさあやの母が大女優の薬師寺れいらであること、舞台のオーディションを受けることなどが判明するが、やはりさあやの顔は晴れない。好物の超激辛デッドオアアライブカレーを作ってくれた父・修司にはわずかに微笑み返したものの、自室でオーディションの台本を読んでいる内に、さあやの心は沈み込む一方だった。
- 誰も見ていない池で、素足で水の中に入り「ここはどこ?わたしは誰…?」とオーディションの天使役を一人演じるさあや。物陰からこっそり見ていたはなやほまれの目には、まるで本物の天使のように映る入魂の演技だった。ところがアンコールを求められると、途端に大根演技になってしまう。人の目を意識するとまるで駄目になってしまうらしい。子役の頃は何も考えず無心に演技できたのに、大女優の母を引き合いに出す周囲の声を気にする余り、いつしか自然な演技ができなくなり、自分が何をやりたいのかすらわからなくなってしまっていた。
- 「なぜオーディションを受け続けるの?」とほまれに問われ、「自分の気持ちが分かりたいからだと思う。答えが分からないままあきらめたくない」と答えるさあや。その答えで十分。「悩みたければ悩めばいい、わたし達そばにいるし」というほまれとはなの励ましに、久々にさあやに笑顔が戻った。
- オーディション当日、蘭世の余計な一言でプレッシャーに負けそうになるが、乱入したはな・ほまれ・ハリー・はぐたんが謎のコントを繰り広げ、緊張を解きほぐしてくれた(ただし4人はその後で審査員に怒られて逃走)。さあやは「ここはどこ?わたしは誰?分からない。暗くて何も見えません。けど、わたしはわたし、わたしの道はわたしが開く!」と、本来の台詞を若干変えて演じ切る。それは役柄の天使と言うより、今のさあや自身の心からの思いだった。
- だがそんなさあやへの嫉妬心を増大させた蘭世のトゲパワワをルールーが検知し、オシマイダーが出現。変身して戦うも、プリキュアのデータは完全に分析されており、挙句ルールーに「3人の中でアンジュが一番弱い」っと言われて大ピンチに。しかし倒れたエールとエトワールを庇い、アンジュは「わたしは諦めない、2人を守りたい気持ちは誰にも負けない!」と単身立ち向かう。その心からミライクリスタル・ネイビーが新たに生まれ、強化型ハート・フェザーでオシマイダーを退けた。
- オーディションは残念ながら不合格だったが、「オーディションを受けてよかった。女優になりたいのかはまだ分からないが、自分の心をきちんと見つめて頑張ろうって思えたから」と、さあやは満足げ。自分の心の深いところから生まれた2つ目のクリスタルを、晴れ晴れとした顔で見つめるさあやだった。
■第8話
- 皆でピクニック中、「みんな優しくて困っちゃうよ」と言うほまれに、「優しいのはほまれでしょ?はなとほまれと一緒にいると、初めての思い出がキラキラ増えていく。きっと今、アスパワワ一杯だよ!」と答える。それに触発されたか、はぐたんがつかまり立ちして、3人して大喜び。
- そんなはなとさあやの思いに応え、ほまれは遂にジャンプを成功させる。「ほまれ、素敵だったよ!」と抱きつくさあやに、ほまれも赤面しつつ笑顔になった。
- 因みにほまれがジャンプした直後にはなとさあやがスケートリンク内に入ってほまれの元に駆け寄ったが、はなは思いっきりすっころぶ中、さあやは転倒せずたどり着いていた。
■第9話
- 愛崎えみるの「のびのびケ原には河童伝説がある」という台詞に食いつき、「わたし一度でいいから河童って見てみたかったの」と屈託のない笑顔を見せる。また変な趣味一つ発見。
- 「石橋がみんなで渡っても大丈夫かどうか確かめる必要がある」と金槌で徹底的に打音検査した末に、石橋を崩壊させてしまったえみるに一同の目が点になる中、「『石橋を叩いて渡る』ってこういうことだったんだ」と感心していた。
- えみるが触れては駄目と主張する花と同じ花に触ろうとするはぐたんに「アザミの花には棘があるから」と釘を刺す。
- 河童型オシマイダーとの戦闘中、「河童の弱点は頭のお皿だよ!」とエールにアドバイス。「分かった!」と返事したエールはハート・フォー・ユーをオシマイダーの顔面にぶちかましていた。
- 帰り際に農家で、山の猿が3人を追ってまではなから持っていったタンバリンを返却しにきた。後ではぐたんは沼を見て、何やら反応して興味を示したから帰りたくないだろうと思っていたが、実ははぐたんは沼の中に潜むカッパを見たがっており、カッパを見つけて嬉しそうだった。
- しかもえみるが話していたり、はなが想像していたよりもとてもかわいかった。
■第10話
- 「誰がネズミや!ハリハム・ハリーさんや!」→「飲食店の周りで『ネズミ』連呼したらダメだよ」、「ああ見えてミライパッドはんは深いんや。深すぎてオレも…」→「わからないんだね(ニッコリ)」と、ハリーに対しマジレス気質全開の受け答え。
- 「はぐくみフードフェスティバル」ではウエイトレス兼ガイド役として活躍。料理の調理時間を全部データにして待ち時間最短の料理を教えたり、会場周辺の観光スポットまで紹介するという、情報無双っぷりを発揮。
- 「わたしは何もできない」と落ち込むあまり、プリキュアに変身できなくなってしまったはなを、エトワールと一緒に「何もできないんじゃない、何をやるかだよ!」と励ます。今まで逆の立場ではなに応援されて元気をもらってきたさあやとほまれの激励により立ち直りかけたはなだったが、ピンチのはなを救うべく力を使い果たしたはぐたんが昏睡状態に陥ってしまう。
■第11話
- プリキュアをやめると言い出し、「わたしには何もない」と弱音を吐くはなに対し、「そんな事ないよ!」と、日頃おとなしいさあやとしては珍しく、大きな声を出して宥めようとする。それほど、今日のはなの姿は痛々しく切羽詰ったものだった。
- だがそれでもさあやははなを励ます。「いつでも頑張り屋さん。誰かのために一生懸命になれるところ。失敗してもガッツで乗り越えるところ。素直で表情がくるくる変わって、見ているだけで元気になれるところ。まだまだ一杯あるよ、わたしが憧れたはなの素敵なところ。だから、何もないなんて言わないで!」決して社交辞令などではない、心からの励ましの言葉は、はなを立ち直らせる。
■第12話
- パジャマパーティーではさあやらしい清楚でそこはかとなく色気のあるパジャマを披露。はなに「さあやのパジャマ可愛い!」と褒められ、「デザインだけじゃないんだ、通気性がいいのに加えて汗を吸収!すぐに蒸発させちゃう新素材!宇宙開発でも採用されているの」と嬉々とした表情で解説。
- ホラー映画『恐怖の訪問者』鑑賞中、悲鳴を上げるはなや、完全に固まるほまれを余所に「これってワイヤーで吊ってるのね。CGではなくあえてアナログな作りをする事で、より怖い演出効果を狙ってる」と冷静に分析。
- 未来から来たというハリーの告白を受け、「未来の人ってネズミになっちゃうの?」と斜め上の質問をするはなに続き、「それって進化なの?退化なの?」とさらに斜め上の質問をぶつける。
- 自販機型オシマイダーとの戦闘では、缶ミサイルのどこから来るかわからない攻撃に対して、背中合わせのフォーメーション(いわゆる『方円の陣』)を組むことで死角を無くす戦法を提案して勝利への鍵とする。
■第13話
- 男子生徒達に「つきあって(付き合って)ください!」と迫られ、「つきあう(突き合う)とはこういうことですか?」と、コンクリート柱にめり込むパンチを繰り出すルールーを物陰から見物し、「強いんだね」と感想を述べる。
- せっかくはなが用意したサプライズパーティーも、「必要ありません」と無機質な態度で台無しにしてしまったルールーに対し、ほまれは立腹していたが、さあやは「こういうのが苦手なのかも」と前向きにフォローしていた。
■第14話
- 今日は保育士のお仕事体験の日。前日に専門書でバッチリ予習したさあやは子供達の世話を上手くこなしていく。ところがルールーもこっそりさあやの本を読んでいたため、2人の間だけ周りが引くほどの真剣勝負に。
- 栄養学への踏み込み方、子供達が喜ぶ仕草、子供達の好みの把握、はなを困らせた子に対する興味の逸らさせ方……何をやっても持ち前の分析力で一歩上手のルールー。対抗心を煽られたさあやは「やりますわね!」と言い、しまいには困惑した子供の様子を伝えたはなに笑顔を向けつつ「少し黙っててくださる?」と一蹴する。
- 振り回される女子中学生をよそにいつの間にかはぐたんはハイハイ行進の先陣を切っていた。さあやは目測で体重移動を把握し次の軌道を予測するという、謎の芸当を披露。これに対しルールーも予測し見事的中、「ふふふふ……」と笑い合う彼女らは謎の友情をお互いにはぐくんだようだ。
- 絵本の読み聞かせ中疲れてしまい弛緩した表情がウケてしまい、今度はルールーと共に変顔対決。子供達を半ばそっちのけでヒートアップし様子を見に来たハリーに笑われた。
- そんなこんなで迎えたおやつタイムだが、ここで焦りから積み木につまづいてしまい手にしていたおやつを落としてしまう。我に返って恥ずかしがるさあやにほまれは、意外な一面を見て驚いたが負けず嫌い自体はいいことだと慰めるのだった。
- オシマイダー戦でバックの園児達を守りながら戦わねばならないという劣勢を強いられる。そんな中園児達を直接狙うオシマイダーの前にルールーが割って入った途端、オシマイダーの動きが止まる。その事にアンジュは何か気付いた様だが、何も言及せず、ただ、「赤ちゃん達をお願い!」とルールーに頼んだ直後、合体必殺技でオシマイダーを撃退。
■第15話
- ほまれに「そう言えばオーディションどうだった?」と何気なく話題を振られるが、「えっ?…あっ…」と視線が宙を泳ぎ、動揺を隠せず。
- ルールーと、キュアえみ〜るの扮装をした愛崎えみるの姿を見かけ、「まぁ!えみるちゃん、可愛いお衣装」と目を輝かせる。もちろん隣のほまれは「えっ?」と、そのセンスにたじろいでいた。
- はぐたんが初めておしゃべり。名前を呼ばれて大喜びするほまれに続き、「はぐたん、わたしは!?ねぇ、ねぇ、!わたしは?わたしは?」とリクエストすると、「しゃあや」と言ってくれて興奮の絶頂に。
■第16話
- はなと下校途中、急に雨に降られ、「とりあえず雨宿りできる所さがそ!」とダッシュするも、はなは不思議な男性を見つけてコースアウト。
さあや「せっかくいい雨宿り場所みつけたのに…」
- ルールーにプリハートを盗まれたほまれが変身できず、エールと2人で奮戦するも叩きのめされてしまう。
■第17話
- ハリーがルールーがアンドロイドであると述べた事に対して、「人に似せて造られた『ロボット』って事?」と返す。工学系への関心が強い彼女らしい言葉とも言える。また、ハリーが続けて、「ルールーはクライアス社のスパイで俺らを騙していた」との主張に、騙す気なら自分達を庇ったりしない筈とはな・ほまれ共々反発。「クライアス社は裏切者を許す組織やないで」と言うハリーに「ずいぶん詳しいね?」と問い掛けると、「わ、悪もんってのはそういうもんや!」とごまかされた。
- パワードスーツを繰り出して襲ってくるルールーに抗戦するも、機関砲弾の直撃を受けたエトワールを助けようと走り出したところを、「アンジュは人を助けようとするあまり、隙が生まれる」と分析され、背後からパンチを食らってしまった。しかし、抗う力は他のプリキュア同様残っており、その力はルールーの分析を凌駕する。
- 記憶が蘇りルールーが苦しむ間にフェザーブラストを繰り出し、エトワールのスタースラッシュとの連撃でパワードスーツの破壊に成功。その後も、フェザーブラスト&スタースラッシュの合体技で、ルールーの竜巻バリアを突破した。
- ルールーとの決着後、ルールーがパップルにもう従順な機械人形ではないと言い放った後、続け様に「帰った方がいいですよ。」とエトワールと共に彼女に撤退勧告し、パップルは撤退。
■第18話
- 「プリキュアになりたいので、皆さんの日常を見学させてほしい」というえみるの頼みにより、台本のセリフ回しを披露。以前のように、他人の目を意識するとぎこちなくなってしまう癖は解消されたようである。えみるは「女優さんなのです!」と無邪気に喜んでいたが、傍らのルールーが「心」という単語に反応したことに、さあやは気づいていた。
- はなの歌の練習の際、「歌は心を自由にさせる」と言うえみるの言葉にまたもルールーが反応したのを見て、「ルールーも一緒に練習しよう」と誘い水を向けるが、これが思わぬ事態を招いてしまう。ちなみにこのシーンまで、本日Aパートではほぼ眼鏡をかけっぱなしでした。
- 心のこもらぬぎこちない歌い方を解消しようと悩むルールーに、「わたしも考え過ぎていいお芝居ができなくなるの。でもうまくできた時は、何も考えなくても胸の奥から想いが湧き出してくる。きっとそれが心。無理しなくていい、止めようとしてもあふれてくるのが心だから」とアドバイス。そしてえみるの励ましを受けて、えみるとルールーが一緒に歌う歌を聞いた時は「2人の心があふれ出す」と喜んでいた。
■第19話
- ファッションショーのお手伝いのため、みんなでデザイナー事務所を訪れると、今週から登場のケバい敵幹部のオバ……じゃなくて、吉見リタが現れる。みんながプリキュアであることを若宮アンリが、口を滑らせそうになったため、「あ~、あの、わたし達プリキュアの大ファンなんです!」と苦しい言い訳。
■第20話
- えみるとルールーのため、プリハートを増やせないか考える一同。さあやはミライパッドの力を借りながら色々調べ、はなは「どっかに売ってるとか?」と言うが、「はぐたんとハリーは未来から来たって言ってた、つまりプリハートは今の時代にはまだないのかも」というのがさあやの意見。
- はなが高熱を出して学校を休んだ理由が、えみるやルールー、そして週末にオーディションを控える自分やスケート予選会に臨むほまれのために、流れ星にお祈りしようとしていたためだったと聞き、感激。「えみるとルールーに何もできないのが悔しい」と言うほまれを「できるよ、2人の心を元気づけることはできる」と励ますも、「プリハートは作れなかったけど…」と小声で付け加え、ほまれに「作ろうとしたんだ…」と静かにツッコまれる。
- CMのオーディションの練習を見学するルールーに「オーディションとは大勢で1つの役を取り合うもの」かと聞かれる。言外に今の自分たちの状況を憂いてるのだと理解して「そんなに簡単に諦められないよ。夢なんだもん。その気持ちは抑えられない」と前置きしながら「全力でぶつかったライバルは、きっと親友にもなれる」とアドバイスした。
- オーディション当日。実は遠くのライブ会場にオシマイダーが出現していたのだが、さあやがそれを知ることはなかった。自分の夢を応援してくれる大切な仲間が、代わりに戦ってくれていたのだった。
- 結果は見事合格。劇中で確認できる限りは、本編開始後これが初めての芸能人としての仕事になる。
■第21話
- えみるから「プリキュアとして大切なのは何なのでしょうか?」と問われ、はなが「ガシ!ビシ!ポワァ~…ってことかな」と意味不明な擬音で応えたところを「信頼関係かな」とフォロー。前回、オーディションと予選会に出ている自分達を気遣って、はなが1人で戦ってくれたおかげで、結果を出すことができたさあやとほまれははなに感謝。
- 空回りするえみるとルールーは諍いを起こしてしまうが、「その怒りはルールーのえみるちゃんへの心が溢れ出ている証拠だよ」とルールーを慰める。
■第22話
- はぐたんが突如キュアブラックとキュアホワイトを召喚し一同騒然。とりあえずたこ焼きとポップコーンでもてなすが、この時たこ焼きを作ったのはさあや。手際の良さを要求される料理もこなせるようだ。
- ギターが壊れても気丈に振る舞うえみるのことが理解できず困惑するルールー。勿論気にしなくていいよということなので、それを優しく伝えるのだった。
- ギターを自ら作ろうというルールーに、ほのかとともに協力。作業場所として自室を提供する。彼女とほのかはパソコンの3DCGを通してデザインを担当しており、新旧の理工系女子同士、さすがに気が合うところを見せた。
■第23話
- えみるたちがはぐたんにミライクリスタルのアスパワワを与えていると、これで成長を促す役目を「歯固め(お食い初め)」にたとえた。相変わらず中学生らしからぬ博識である。
- 皆で夏休みの予定を立てようと持ちかけるはなだが、撮影があるため断る。先日オーディション合格を果たしたCMの企画は順調に進んでいるようだ。
- 会社の期待に応えようと満を持して出撃したダイガン……を背後から攻撃したドクター・トラウムの行動に驚く。いかに敵と言えど重傷を負ったダイガンを見捨てておけず「大丈夫ですか?」と真っ先に駆け寄りミライクリスタル・ブルーの力で傷を癒すが、「ありがとう…とても楽になった」と礼を述べたダイガンの身体は光に包まれ消滅してしまった。愕然とするアンジュやプリキュア一同を前に、トラウムは敵に情けまでかけられた彼を嘲笑する。そんな非情の仕打ちに、アンジュに代わってエールが怒りを爆発させるのだった。
■第24話
- 夏休み初日のイベントはナイトプール。さあやの水着はパレオ付きの露出をやや抑えたビキニで、髪のまとめ方も少し変えている。
- 元クライアス社社員と再会したり、猛オシマイダーが現れたり色々あったが、そんな中一命を取りとめたらしいダイガンが現れ、「おぉ!あの時の娘。その節はありがとう」と礼を言われた。前回、彼を救えなかったという無念の思いはあったようで、元気そうなダイガンの姿に心から嬉しそうな笑顔を見せていた。その姿に不安を抱えていたはなも笑顔になった。
■第25話
- 浴衣を着てはぐくみ神社の夏祭りへ。羽を描いた水色の浴衣に花飾りを着けたまとめ髪が上品かつ可愛らしい。
- 射的でルールーと第14話の如く競い合っているかと思いきや、実は彼女の指示を受けての協力プレイ。彼女と一斉射撃で見事命中し一緒にすごろくゲームをゲットした。
- 型抜きでハリーの腕が触れたことに動揺するほまれの表情を見て思案顔。流石女優、感情の機微に対して敏感である。
- ほまれ、ハリー、はぐたんの場所取り組とはな、えみる、ルールーの屋台巡り組に分かれさあやは一瞬迷った後はなたちに同行する。
■第26話
- さあやの清涼飲料水のCMが巷では大評判。「一緒にシュワシュワしよ?」の台詞が街中のビジョンでも流れ、外に出れば囲まれてサインをお願いされるなど、すっかり有名人になっていた。
- しかし当のさあやの表情はいま一つ晴れず、「わたしまだ女優になるって決めたわけじゃないよ」と悩みを打ち明ける。多忙を極める母・れいらとはあまり話し合う機会がなく、同じ道に進もうとしている自分の事をどう思っているのか、迷惑をかけていないかと気に掛けていたのだった。「それなら直接聞いてみるに限る」とみんなに後押しされ、撮影所に行ってみることに。
- さあやの父・修司の案内でスタジオに入ると、一条蘭世に絡まれる。れいら主演のドラマ「女王のキッチン」にゲスト出演するとのことだが、けたたましい「オーッホッホ!」笑いにはぐたんが怯えて泣き出してしまう。そこへ現れたれいらが優しく語り掛けると、見とれたはぐたんはピタリと泣き止み、一同は大女優のオーラに感服。
- リハーサルだというのに、役柄の大鍋料子になりきり、アドリブで生のネギをかじるれいらに監督はご満悦で、さあやや蘭世もその女優魂に圧倒される。思わず今日の本来の目的を忘れかけて見入っていたが、ほまれに促されて、休憩時間にれいらに話しかける。
- 「迷惑掛かってない?」と問うさあやに、逆にれいらは「たとえ実力でつかんだ仕事でも『薬師寺れいらの娘だから』『親の七光りだから』、そう言う人は必ずいるわ。その覚悟はあるの?」と問い返す。まだ女優を将来の夢と明確に決めたわけではないさあやは「わからない…」としか答えることができず、「決して女優だけがあなたの道じゃないわ」と言い残して、れいらは立ち去ってしまう。
- 「迷惑だったのかな」と悄然としているところに、ドラマの監督がいきなり懐かしそうに抱き着いてきたり、年配の女性スタッフが親しげに話し掛けてきたりして、困惑するさあや。一同が言うには、さあやは赤ん坊の頃よくこの撮影所に連れて来られていて、スタッフ皆で世話をしていたとの事。出産直後で、女優業と母親の両立は厳しいとわかっていながらも、女優への熱意を見せるれいらのために、みんな協力してれいらを支え、さあやを育てていたのだった。自分がそんな多くの人の愛情に育まれていたと知って、さあやは胸を熱くする。
- さらに修司と監督は、休憩時間の間も役柄のために苦手な料理の練習をしているれいらの姿をさあやにこっそり見せる。ちょっと不器用だったけど、忙しい合間を縫って精一杯自分を愛してくれた母。その母がテレビの中で輝いている姿を応援していた自分を、さあやは思い出す。「お母さんのいる『向こう側』に行ってみたい」…それこそがさあやが女優の道を夢見た原点だったのだ。
- その撮影所にジェロスが現れ、蘭世のトゲパワワから猛オシマイダーが誕生。監督やスタッフ、れいらまでもがアスパワワを吸い取られて倒れてしまう。怒るさあやは変身して戦闘開始。しかし、自分以外全員返り討ちに遭い、残る自分に猛オシマイダーが突撃してきた瞬間、回復したマシェリがマシェリポップンで猛オシマイダーを上空に飛ばし、連携としてメロディソードから発する光で拘束して叩き付け、回復したマシェリ・アムールの手で猛オシマイダーは浄化。「ここにはたくさんの人達の思いが詰まってる、わたしもそれを応援したい!そして…いつかわたしもここに来たい!」さあやの中で、一つの答えが生まれていた。
- 戦いが終わり、ネギだけでフルコースを作り上げた大鍋料子の「わたし、何でも作れるので」の決めゼリフで撮影終了。実はそのフルコースは修司が作ったもので、一同が舌鼓を打つ中、さあやはれいらに「本当に女優になりたいのかははっきり分からない。でも一つ目標ができたの。いつかお母さんと共演したい、それが今のわたしの夢!」と宣言する。迷いから吹っ切れた娘の姿に安堵し「わたしのいるこの高みまで登ってこられるかしら?」と冗談めかして答えるれいら。さあやも「登ってみせるよ、絶対!」と笑顔を見せるのだった。
■第27話
- 内富士先生がハグマンで父親修行をする間、奥さん・ゆかの家事を手伝うことに。一息ついていると突然陣痛が始まり、タクシーで病院に向かうのに付き添う。
- 病院内では手を握って支えていたが、握り返す母親としての力強さに驚いた。出産の間は人一倍気にかけ、無事生まれたことを知り思わず立ち上がるほど喜ぶ。「命が生まれるって、大変ですね」と病院の先生・マキに話すも、「でも、この仕事最高だよ!」という彼女の言葉に思うところがあったようで…
- と、ここでトラウムが猛オシマイダーを発注し暴れさせていた。生まれたばかりの赤ちゃんがいる場所をめちゃくちゃにされてはたまらないので戦う……のだが寝ている赤ちゃんを起こしちゃいけないと「静かに!」と敵味方問わず一喝。
- 勿論正論だが、敵味方とも衝撃音がしないように静かに戦うというなんとも奇妙な絵面に。猛オシマイダーのせっかくのドリルも音が出るからと回転させられずトラウムは終始恨み節を履いていた。
■第28話
- ほまれが面倒を見ている保護犬のもぐもぐの様子が最近おかしいという相談を受けたさあやは、もぐもぐの行動分析から「それは恋だね」と眼鏡をスチャりながら宣言。しかもその相手がTVで活躍中のタレント猫のりりーちゃんであると断言し、ルールーからは犬と猫じゃ種族が違うと懐疑的に言われたがさあやは涼しい顔。種族の垣根を超えた恋だってありうるだろうことをさあやはすぐそばで見ているのだから。
- 早速ミライパッドでりりーちゃんのことを調べ、彼女と共演できるCMのオーディションがあることを突き止める。このあたりはさすがに知性のプリキュアの面目躍如である
- オーディション本番、体力審査でどうしてもペースが劣ってしまうもぐもぐに『奥の手』なるものを発動する。ミライパッドでりりーちゃんの画像を出し掲げると、もぐもぐは並走していたほまれどころかライバルの犬全員をごぼう抜きする爆走ぶりを見せつけた。
- オーディションの最中にビシンが乱入して猛オシマイダーを発注。そしてハリーに種族が違うプリキュアと相容れられる筈がないと主張し、アンジュは「種族は違っても絆があるの!」と反論。
■第29話
- はなに連れられて、彼女の祖母・庵野たんぽぽが営む和菓子屋『たんぽぽ堂』に来た一同。カウンターの奥に蠢いていた毛むくじゃらの謎の生物(実はパーマをかけたたんぽぽの頭部)に皆が恐れおののく中、さあやだけは目を輝かせていた。未確認生物の類にも興味があるらしい。
- たんぽぽの和菓子ははなたちには好評だったが、昔の味を知るヨネさんという常連の老婦人は、味が落ちたと難しい顔をする。その原因が老化による体力の衰えだと推察。
- たんぽぽが亡き夫と作った希望饅頭なる和菓子を皆で作ることに。調理のため、長い髪を簡単にまとめたスタイルになる。
■第30話
- 今日はみんなで世界一周旅行。ガイド役のさあやは、旅のしおりまで自作する気合の入り様。タイムスケジュールも立案したらしく、ハワイに着いて記念撮影したと思ったら、「はい、そろそろ出発します。世界を満喫するためにはもう出発しないと」とバラエティ番組のようなノリで場を仕切っていた。その甲斐あって、ハワイ→アメリカ→アフリカ→フランス→イタリア→中国という、どう見ても無茶な強行軍を1日でこなしてゆく。
- 最終目的地の熱海に着くが、どうも空気が怪しい。「妖怪でも出そう」という雰囲気の中、唐傘を持った人影が近づいてきて、「からかさおばけ!」と一同が悲鳴を上げる中、またも1人だけ目を輝かせていた。旅館の主人の天狗伝説の話にも嬉々として食いつくなど、第9話の河童、先週の宇宙人に次いで、妖怪にも興味津々なのであった。
- トラウム戦では天狗に助けられる。
- エピローグではぐたんは天狗を見つけるが、気が付かなかった。
- 見つけたら彼女は天狗にお礼を言っていた。
■第31話
- エリという少女が現れて以来、はなの様子がおかしくなり、ほまれと2人で心配し合う。そんなある日、演技の勉強にもなるとほまれのダンスレッスンに付き合ってダンス教室から出た直後、偶然エリと出会い、逃げ出そうとする彼女を引き留めて、はなと彼女の過去を聞きだした。
- それは聞くだに辛い話であったが、被害者から間接的加害者に転じてしまったエリの苦悩を理解すると共に、はなが暗い過去をおくびにも出さず、明るく振舞っていた事を知る。そんなはなを愛おしく感じたさあやとほまれは、2人ではなをぎゅっとハグする。
- 謝りたいというエリの言葉を伝えるも、はなは逆に、自分のお節介が原因でエリに嫌われたのではないかと気に病んでいた。さあやは「勇気を出してもう一度エリちゃんの心に触れたとしても、うまくいくかどうかはわからない。けど、はなにはわたし達がいる!」と励ます。さあや・ほまれ・えみる・ルールーと、最高の友達に出会えた喜びで、嬉し涙を流すはなだった。
- ジンジンとタクミに立ち向かう中、プリキュアの仲間を思いやる心に反応しミライクリスタル・チアフルとメモリアルキュアクロックが出現。一人一人が絆と仲間への思いを叫ぶ中、さあやにとっての皆と築き上げてきた大切なメモリーとは「自分でも知らなかった自分に気付かせてくれたこと!」。そのみんなの思いは、新たな力チアフルスタイルに到達する為の鍵となる。
■第32話
- 猛オシマイダーがエトワールとハリーを捕えてドーム状に変形し、さらにビシンもその中に消えてしまったため、膠着状態になってしまい対処に苦慮する。攻撃しようとするマシェリを、「中の2人に影響が出るかもしれない」とアムールは制止するが、痺れを切らしてその壁面を叩き始めたエールとマシェリに対して、「逆にあえて少し刺激を与えたら2人を起こせるかも」というアンジュの意見には「一理ありますね」と同意。さすが知恵のプリキュアの説得力は抜群!と思いきや、その地味な攻撃にイラついた猛オシマイダーのビームで一同は童話のコスプレ姿に変身させられるカオス状態に。アンジュの担当はシンデレラで、もちろんオチ担当はエール。
■第33話
- ツインラブの活動は順調で、今やテレビでも取り上げられるほどになった。ところが視聴してた番組内でコメンテーターの1人から「中途半端」と評されえみるは大ショック。ほまれが「そんなことない」と苦言を呈しさあやも「うんうん」と同意するが……。
- 一度負った傷はそう簡単に癒えるものではなく、えみるはいつものように笑えなくなってしまう。急遽はなとペアで、ツインラブがやるはずだったアンリの密着取材の仕事を請け負うことに。
- 仕事はつつがなく進んだが、最後の最後でアンリがプリキュアのことをテレビカメラの前で話しそうになったため慌てて3人がかりで止める。
■第34話
- 野乃家の朝食中、はなのオムレツが宙を舞いハリーの口に入ってしまう珍事が発生した。はなの愚痴を学校で聞く一同だが、あまりの出来事なのでほまれと共に興味を見せた。
- ちなみにその時の反応は「すごい物理法則だね!」。口でキャッチしたハリーの方ではなく、ハリーめがけてきれいに飛んでいったオムレツの方に感動する辺り、さあやらしい。
- 放課後たこ焼き屋を手伝っていたはずのはながどこかへ走り去ってしまう。追いかけた先ではことりを助けようと池にダイブしてしまうはながいて、驚きながらも一安心。
■第35話
- 主演のドラマも大ヒット中で、本格的に女優への道を歩み始めたさあや。次の主演作「ドクターはいすくーる」の役作りのため、以前内富士夫妻の出産の時、お世話になった病院に勉強しに行く事に。当時の担当医・マキ先生の計らいで実地研修させてもらえるようになったため、早速みんなミライパッドで白衣モードにチェンジ。
- ルールーと一緒に産婦人科で研修するさあやは、川上あやという女の子と知り合う。あやの母・あゆみは今日、帝王切開による出産を行う予定だが、不安でナーバスになっていた。そしてあやも、もうすぐ弟が生まれるというのに、どこか浮かない顔。絵本を読んでいるふりをしていたが、その本が逆さまになっている事に気づかない程、気もそぞろだった。
- この際、その逆さまになっている本が気になって後ろからのぞき込み、本の向きに合わせて体を斜めにしていく内に、コケて顔をぶつけるという、いつもだったらはながやるようなドジをする様が可愛い。
- 一方でお母さんのあゆみも、自分が子育てに不器用であやの面倒をちゃんと見てあげられていないと悩みを抱えていた。そこに帝王切開への不安が重なり、第二子を自然分娩で産むことができない自分は母親失格だと落ち込んでしまう。さあやはネットで帝王切開に関する情報を集めて、彼女の不安を和らげようとするが、マキ先生に「ネットには有意義な情報もあるが、あのお母さんや赤ちゃんの情報が出ているわけではない」と諭される。情報はあくまで情報にすぎない。1人1人のお母さんや赤ちゃんに真摯に向き合う事こそが医師の仕事と知り、さあやは目から鱗が落ちる思いだった。
- 今回の話は、帝王切開への偏見と無理解が社会に蔓延しており、「自然分娩した人が帝王切開した人を見下す」という差別が根付いている問題を知らないと少しピンとこないかも知れない。だが、このことをネットで気軽に調べて「わかったつもり」になること自体への警鐘も含まれているだろう。
- 淋しそうにしているあやの話し相手をするさあや。最初は目を輝かせて大好きなママの話をするあやだったが、その表情は突如曇り出す。お姉ちゃんになるのだからと自分に言い聞かせてはいたものの、ママが自分だけのものではなくなってしまう事が辛くて淋しくてどうしようもなくなっていたのだ。「弟なんていらない!弟が生まれなければ、ママはあやのママでいられるのに」と泣きじゃくるあやを、さあやは優しく抱き締めた。
- 「ママはいつだってあやちゃんの大好きなママだよ。今は赤ちゃんに会うためにママは頑張ってる。あやちゃんも頑張っててすごいよ、もうすっかりお姉ちゃんだと思う。でも、悲しくなるまで我慢する事ないんだよ」と慰めるさあやの言葉と、「なかない、なかない」とよちよち歩きで近づいてきたはぐたんに接する事で、あやは落ち着きを取り戻した。あやはあゆみに抱き着いて、今までと変わらない大好きなママである事を再認識し、あゆみもまた、手術の事で頭が一杯になっていて、あやを淋しがらせてしまっていたのを謝る。愛情の通い合った母娘の姿に、さあやは胸を撫で下ろした。
- そこへドクター・トラウムが襲来。第27話での、この同じ病院の敷地内における戦闘の際、さんざん「静かに!」と叱られたのを気にしていたらしいトラウムは、騒音対策仕様の猛オシマイダーを繰り出してきた(ただし、今日戦っている場所は病院からだいぶ離れていたため、大して意味がなかった)。
- しかしいくら静かだろうと、迷惑は迷惑。いつもなら、エールが先陣を切る後から続いていたアンジュだが、今日は「あやちゃん達の邪魔はさせない!」と、真っ先に鉄拳やフェザーブラストの攻撃を加え、猛オシマイダーを一蹴。トゲパワワを病院から一掃した。
- 手術は無事終わり、弟に「お姉ちゃんだよ~」とうれしように語り掛けるあや。医者は母親や患者に寄り添う事が大切で、愛情が家族から母親へ、子供から新しい命へ伝わっていくのだと学んださあやは、マキ先生に感謝を述べる。するとマキ先生は「あなたがあやちゃんに向けた思いやりもね」と言い、出てきたあやも「さあや先生、遊んでくれてありがとう!」と笑顔で礼を言った。『先生』と呼ばれて戸惑い、自分はただの部外者だと否定しかけたさあやだったが、そのまま「またね!」とあやの小さな手と握手した。帰り際、「お医者さんって素敵な仕事だな…」と呟き、新たな未来の選択肢が増えた事による、明日への希望に胸を膨らませるさあやだった。
■第36話
- はなやキラキラ☆プリキュアアラモードチームと共にはなチームの一員としてプリキュア捜索に出かけたところ、「天使のシュワシュワウォーター!CMの子でしょ?」と、夢原のぞみという少女が声を掛けてきた。そのCMの曲は友人の春日野うららが歌っているのだとか。友達の夢を応援するというのぞみに、はなと似たものを感じるさあや。実は似ているどころか、のぞみははなと同じく探していたプリキュアの1人・キュアドリームなのであった。
■第37話
- ドリームスターズ+αのプリキュアたちが攻撃してもトラウムは一向に降参しないどころかますますパワーアップし、しまいには地球を覆い尽くさんばかりの怪物に変貌した。更に大量のオシマイダーが現れ、キュアエールの想いに応えて参上したプリキュアオールスターズが立ち向かう! アンジュはシャイニールミナスやキュアサンシャインらと共にバリアで防御。
■第38話
- ビューティーハリーでハロウィンパーティーの話題になり巨大メカの仮装をしたいという希望を語った。
- 未来から来たハリーとルールーはハロウィンが何なのか知らず、はなも上手く説明できない。さあやがミライパッドで調べ「古代ケルト人のお祭りで『亡くなった人の霊が帰ってくる』と考えられていた」と説明すると、全員すぐ納得。
- 衣装の準備をするため全員で手分けして作業する。ミシン担当のさあやとルールーは案の定対抗心を燃やし明らかに過剰な量の布を縫いまくるのだった。
- ハロウィンパーティー当日、皆それぞれ仮装用の衣装に着換えていた。さあやは結局悪魔にしたようだ。実はこの衣装、5人とも普段と真逆の意味合いを持っている
- ハロウィンパーティー会場で発生した、ダイガン発注の怪物との戦闘は、アンジュが先陣を切ってダイガンの戦意を挫き、勝利に貢献した。
■第39話
- リストルの手で異空間の迷路に閉じ込められてしまった。アンジュはエトワールと合流しようと上から指示するが、ペンローズの階段(上り階段が途中から下り階段になるアレ)だったので一向に距離を縮められず無限ループに陥る。
- ラストから次回予告にかけて、父親と名乗るトラウムに困惑するルールー。そんな彼女に『アムール』という名字に込められた意味を解説しようとする。ちなみにフランス語で「愛情」の意。
■第40話
- ドクター・トラウムが取り出した小型の人形タイプ映写機に案の定食いつき、「何それ!?可愛い~!」と目を輝かせて、ほまれに「マジで?」とツッコまれる。
- はぐたんの正体が未来のプリキュア・キュアトゥモローと知って驚くも、その時ほまれが複雑な表情をしたのを、さあやは見逃さなかった。また、「そうか、はぐたん…未来に帰っちゃう…」とほまれが呟いた時、ちらりとハリーに視線をやって淋しそうな顔をしたことに気づいたのもさあやだけである。
■第41話
- ルールーたちが異なる時代を行き来するのはほぼ無謀だと知り、いずれ別れの時が来ると気づいた一同。さあやは薄々分かっていたが、やはり現実として直面すると動揺を隠せない。
- 一際ショックを受けたえみるが精神を病み無感動になってしまう。何とか笑ってもらうべくほまれと二人羽織に挑戦。女優魂全開で「熱くない大根を熱いフリして食べる」ネタをわざわざ解説しながら披露するが「普通に食べた方がいい」と返され撃沈。
■第42話
- 大会本番当日、アンリは会場へ向かう途中交通事故に遭い大怪我を負ってしまう。わけもわからずざわつく会場だが、ミライパッドを見ていたさあやはいち早くネットの速報で真実に気づいた。
■第43話
- 大会を前に、例によって些細なことからハリーと口喧嘩になった末に、ビューティーハリーを飛び出してしまったほまれ。はな達は怪訝な顔でその背中を見送るが、さあやだけはその真意に気づいていた。
- 海を眺めて物思いに沈むほまれに「ミライクリスタルはわたし達の心。ほまれの心はキラキラ輝いてる。好きな人のことを考えて、いつも心配してるほまれは可愛いよ」と声をかける。黙っていようとは思っていたが、大会を間近に控えた上に、ハリーがいつか未来に帰ってしまうという話を聞いて以来、ずっと悩んでいたほまれを見ていられなかったのだ。告白しないのかと促すが、ほまれは心の整理がつかず、まだ迷っていた。
- そこへ当のハリーが登場。うろたえまくった挙句、「あああ…あの!た…大変!用事を思い出した!またね、ごゆっくり~!」と棒読み演技をしつつ、一応気を効かせた形で退場。
- 大会当日、落ち着きのないはなを「わたし達がワタワタしたらダメだよ」と窘める。そしてみんなで示し合わせて、ほまれとハリーを二人きりで合わせることに。迷ったまま演技に臨むより、勇気を出して何らかの答えを出す方が、ほまれのためになると考え、みんなで彼女の背中を押したのだ。しかしある程度予想していた通り、ハリーはほまれの告白を断った。泣きじゃくるほまれをはなは抱き締め、さあや・えみる・ルールーももらい泣き。
- しかしその荒療治により心に区切りがついたほまれは、見事優勝。その夜さあやは、次回出演作の脚本に向き合っていた。遂に母れいらとの共演がかなう。ほまれに続き、今度はさあやが自分の夢を掴む番がやってきた。
■第44話
- さあやと母れいらの共演作「薔薇の騎士と姫の夜明け」がクランクイン。赤ん坊役のはぐたんのケア係としてマキ先生も招かれており、準備は万端。姫に扮したさあやは、女騎士団長役のれいらを前に「緊張しているけど、わたし全力で…」と言いかけるが、スタジオに潜んでいたリストルが謎の装置を起動させると、一同は映画の中のファンタジー世界に転送されてしまった。
- ルールーの解析によれば、ここはクライアス社の作ったVR空間で、みんなの気持ちと連動しているので、物語が終われば出られるはずとの事。既に役に入り込んでいるれいらがノリノリになっているとあって、はなを監督として撮影がスタート。
- しかしはな達から見ればさあやの演技は十分素晴らしいものだったが、平民役として乱入してきた一条蘭世は「他の事に気を取られて芝居の世界に入り込めていない」と痛烈に批判する。れいらにも「芝居に心が感じられない」と言われてしまい、さあやは「いつも不器用で嫌になる…」と落ち込んでしまう。心に引っかかっているある思いにより、さあやは演技に集中できていなかった。
- その悩みをはなとほまれに打ち明けようとした時、ルールーとえみるが藪をつついてドラゴンを出現させてしまい、一同は逃げ惑う。そこへダイガンが「姫!お守りいたす!」と颯爽登場。「わたしが来たからには5分で!」と大見得を切るも、わずか3秒の新記録で踏みつぶされてしまった。
- 命に別状はなく、マキ先生に手当てされながらもダイガンは「あの時と同じようにわたしの心は癒された。君はわたしに新しい夢をくれた、ありがとう」と礼を言う。「新しい夢」が人の生き方や目標を変える。嬉しい言葉ではあったが、それこそが今、さあやの抱える最大の悩みだった。
- マキ生に「ずっと産婦人科のお医者さんになるのが夢だったんですか?」と尋ねるさあや。意外にも最初は外科志望で、研修医時代に内科や外科を回っている内に産婦人科という仕事に「出会っちゃった」のだという。生命が生まれる瞬間、母親に礼を言われる喜び…「どんな道を選んでも後悔はする。だからその時その時、心に正直に生きようってわたしは思ってる」という彼女の言葉を聞いたさあやの中で、一つの決意が固まった。さあやは「フレフレわたし!」と自分自身に気合を入れる。
- 撮影が再開し、今度のさあやの演技は「最初からこの芝居をやれってんですわ!」と蘭世も認める程の入魂の演技だった。だが、労いの言葉をかけてきたれいらにさあやは遂に打ち明ける。「わたし、お母さんに話さないといけないことがある…わたし、この撮影が終わったら女優をやめる!」
- れいらは愕然となり、驚いた蘭世にもなぜなのかと詰め寄られるが、さあやは医者になりたいとはっきり口にする。「両方できませんの?」と食い下がるも、「わたしは器用じゃないから、きっと両方中途半端になってしまう。そんな気持ちで蘭世ちゃんの前に立てないよ!」と言うさあやの堅い決意を感じ取った蘭世は、涙を浮かべながら「わたしは世界を代表する女優になるから、せいぜい悔しがりなさい!」と彼女なりのエールを送り、さあやも「未来で蘭世ちゃんの前に立った時、なりたい自分になったって言えるように頑張る!」と答え、その姿は姫から、マキ先生と同じ医師の衣装に変わっていた。さあやの「なりたい自分」の姿だった。
- 「さあやの人生はさあやのもの、好きにしたらいいわ」とその決意を認め、離れた場所で「さあやが自分の夢を見つけた、それはうれしい事…」と自分に言い聞かせるように呟くれいら。しかしその背後に現れたリストルは「さすがは名女優、心を隠すのがうまい」と、彼女の本心を見抜いていた。娘の巣立ちが淋しくてたまらない彼女の心に生まれたトゲパワワは増幅させられ、猛オシマイダーが出現する。
- 猛オシマイダーははぐたんを攫って自らの内部に閉じ込めた。変身して戦おうとするも、その中に母の姿を見たアンジュは攻撃を中断、エールとエトワールのサポートを得て猛オシマイダーの中に飛び込んでゆく。
- さあやが生まれてからの思い出の数々を眺めながら、「愛おしい娘の巣立ち…なのに、どうしてわたし応援できないの?」とれいらは苦悩していた。さあやは駆け寄ると「わたしの今までの夢は、お母さんの見ている世界を見てみたい、だった。その世界に触れる事ができたから、新しい夢が見つかりました。わたしはお医者さんになってみんなを癒したい、笑顔にしたい。お母さんがお芝居で大勢の人を幸せにしているように」と、改めて自分の夢と決意を母に語る。「大きく…なったわね」と、娘がもう立派に成長し、自分の元から旅立つ時なのだと理解したれいらを、さあやは抱き締める。「お母さん、生んでくれてありがとう…」
- 心からの感謝を伝え、はぐたんを連れて脱出したアンジュは猛オシマイダーを浄化。救い出されたれいらも今度は「フレフレさあや…!」と娘に応援を送った。
- 現実世界に帰還し、撮影再開。れいらの女騎士団長は「これからもあなたの前には困難が待ち受けるでしょう」と台本とは違うセリフを口にするが、監督はそのままカメラを回させ続ける。「けれど、今の気持ちを忘れないで。夢を、明日を、まっすぐ見る瞳があなたの強さなのです」という母の言葉に、「はい、わたくしは新たな道を進んでいきます。夜明けは今!」と、さあやも自分の言葉で力強く答えるのだった。
■第45話
- トナカイかぜで思うように動けないサンタの手伝いをすることに。トラウムが連れてきたメカトナカイを見て「かわいい」と目を輝かせる。それを見たほまれは引いていた。
- 自宅に戻り部屋で捜し物をしていると、これから撮影に向かうれいらから少し早めのクリスマスプレゼント。それはれいらが台本に監督からのアドバイスを書き留めるのに使っていた万年筆だった。そして「女優として登場人物の心を理解しようと頑張った経験は医者になった時にも役立つはず。さあやは患者さんの心に寄り添えるお医者さんになれるわ」とれいらは励まし、母娘はハグし合った。
- 家から持ってきたのはコンセントに差し込む形の赤いランプ。これをメカトナカイの鼻に差し込んで赤鼻のトナカイになったとご満悦。
■第46話
- 晴着姿でお正月。みんな揃ってお餅を食べる中、さあやは持参した「超激辛Dead or aliveソース」をかけて食す。仲間にも勧めるが流石に大食いのルールー含め皆拒否。
- はながこれからのイベントを楽しみにする中カレンダーに出てきたイメージにてひな祭りのお内裏様はなと揃ってお雛様なさあやの姿が。
- ほまれと共にのびのびタワーに向かってはなと落ち合おうとするのだが、その当人と連絡が取れない。「食べ過ぎて寝ちゃったのかな?」と思いながらさあやがミライパッドを見てみると、地図上ではすぐ近くのエレベーターにはながいることを示している。駆けつけるとそこにはジョージと対峙するはなの姿。ジョージは去り、はなが崩れ落ちるのを見て彼女の事を気遣う。
■第47話
- 猛オシマイダーがリストルによって大量召喚され大ピンチ。ハートフェザーで対処するも、圧倒的な物量の前に破られてしまう。
- クライアス社内部でジョージはエールに未来をあきらめさせるべく彼女だけを檻に閉じ込め、アンジュたち4人をトゲパワワの触手で拘束、拷問する。苦痛の悲鳴を挙げる仲間達の姿を見せつけられ続けたエールの体からはトゲパワワが生じ始める。「これ以上みんなを苦しめたくない、だから… 時を…」と降伏しようとするが、アンジュは「何言ってるの!プリキュアは諦めない!」と叫び、渾身の力を振り絞って拘束を振りほどく。
- この時のアンジュはエールを激励するというより、怒りをあらわにしており、作中を通じてアンジュがここまで声を荒げたシーンはこれが初めて。これは未来を諦めようとしたエールへの叱咤と同時に、彼女にそういう選択をさせてしまった不甲斐ない自分自身への怒りもあったのだろう。
- 自由になったアンジュはエールが閉じ込められている檻を壊そうとする。檻に触れた手を凄まじい痛みと熱が襲うが、苦痛に呻きながらも笑顔でエールを激励する。それは第2話で、まだはなと出会って間もない時に言った言葉だった。
「私にできないことがあなたにはできます! あなたにできないことが私にはできます! 力を合わせれば、素晴らしいことが、きっとできるでしょう……!!」
■第48話
- 暗黒空間の中で結晶体の棺に閉じ込められていたが、決して屈しないエールの叫びに呼応してミライブレスが輝くと、アンジュ達は暗黒空間から脱出できた。そして世界中の人々の応援を背に、巨大魔人と一体化したジョージを浄化する。
■第49話(最終回)
- はぐたん、ルールー、ハリーとの別れの日が近づき、はなの発案で「みんなでデート」。ホームセンターでは相変わらず大型ドリルを手に取って目を輝かせ、えみるとルールーも少々感化されていた模様。ホラー映画らしき映画をみんなで観た時も、驚くはな、怯えるほまれやえみるを余所に、一人だけ拳を握りしめて興奮するという謎のテンションだった。
- いよいよみんなが未来へ旅立つ時、ルールーとの別れに涙を流すえみるをルールーがハグすると、はな・さあや・ほまれも2人をハグした。ほまれの「甘いものばっかり食べちゃダメだよ」という言葉に続き、さあやは「ルールーはごはんも好きだから大丈夫」と天然なフォロー。「変なの」と5人は笑うが、皆の目には涙も浮かんでいた。
- 時は流れ2030年。さあやはあざばぶ総合病院で産婦人科医になっていた。そこにはなの陣痛が始まったという知らせが入り、「いよいよだ」と笑顔を見せる。さあやははなの担当医。念願の医師になり、親友はなの出産に立ち会う。それはさあやの長年の夢が叶う時でもあった。
- 生みの苦しみに叫び声をあげるはなを励ましていると、帰国したほまれも駆け付けた。2人が見守る中、はなは女の子を出産する。その子の名は『はぐみ』……
映画
- ほまれとともに電車に乗り遅れ2時間も遅刻。ハリーからは文句を言われる。
- ようやくはぐたんのお花畑デビュー…というところで謎の怪物・ウソバーッカの来襲を受け仲間たちとともに変身し戦うも、ウソバーッカのウソ攻撃でプリハートが石化して変身が解除。ほまれとともにウソバーッカに取り込まれる。
- 取り込まれた先で宇佐美いちかを除いたキラキラ☆プリキュアアラモードメンバーや魔法つかいプリキュア!の十六夜リコや花海ことはと出会う。特に剣城あきらには壁ドンされている。
- ミデンの攻撃を受け小さくなったアンジュははなのことを忘れてしまい終始「おうち帰りたい」と訴え、母親の姿を探していた。あげくはなの元から逃げ出し、話題のソフトクリームを取材しているテレビクルーを見つけると、「怖いお姉さんに追われている」と保護を求めてしまう。とはいえ、「テレビの人たちはお母さんの知ってる人」という発言から、本編で語られた家族との絆が垣間見られる。
- 奮闘するエールを応援していくうちにミラクルライトが出現し、元に戻りエールに加勢。チアフルスタイルにフォームチェンジしミデンを撃退。
- 終盤ではミデンの正体に気付いて思わず熱く語り、しまいには早送り処理がされる一幕も。
- 予告映像では不安がる『スター☆トゥインクルプリキュア』のキュアスターをエールやエトワールとともに励ますシーンが描かれている。
- 同作品ではプリキュアスターズシリーズでのはぐプリのメインでの登場が同作品で最後となった。
- はぐプリからメインキャラクターとして選抜され、ウィングチームとして行動。『トロピカル〜ジュ!プリキュア』以降の14人(夏海まなつ(キュアサマー)からプリンセス・エルちゃん(キュアマジェスティ)までの14人。)14人と初共演。
- 途中でこの事件の首謀者を思い出す。