※当記事は本編第40話の重大なネタバレを含みます。
閲覧にご注意下さい。
CV:多田このみ
概要
「HUGっと!プリキュア」に登場するキャラクター。
空から降ってきた不思議な赤ちゃん。「はぎゅ~」という口癖がある。
誕生日は10月21日。(プリティストアの公式Twitterより)
玩具販促においては、いわゆるプリキュア妖精のカテゴリとして様々なグッズが発売されているが、作中でのはぐたんはあくまで「人間の赤ん坊」である。
「はぐたん」という名前は、この赤ちゃんと現代で最初に遭遇した野乃はなの命名によるもの。「はぎゅ?」という声を聞いて安直に……もとい「ハグ」と解釈したことによる。(「アイ、アイ」「はー!」等、赤ちゃんの声をそのまま名前にしてしまうのは、プリキュアの伝統でもあるし)
この赤ちゃんのお世話役として一緒に現代日本へ来たハリハム・ハリーを含め名付けた者はいなかったらしく、以降名前として定着する。
ぱっと見ペットにでも付けそうな名前だが劇中では特に誰も問題視していないため視聴者からツッコまれることも。
(ただし後述の通り、はぐたんはクライアス社から命を狙われる超重要人物であり、このテキトーなネーミングがクライアス社の目を欺くためのカモフラージュの役割を果たしていたと言えなくもない)
外見は金髪の小振りなツインテールに、キュアエール・キュアアンジュの物と共通する髪飾りを付け、マスカラ風のアイラインに赤い瞳、とどことなく変身後のプリキュアを彷彿とさせる見た目。服装に関してはいつもはピンク色のシャツとアクア色のパンツ、ハートのついた涎掛けと黄色がかった白い靴下を着用しているが、第19話・第36話ではクマ耳付きのマント(玩具発売時の名称は「はぐたんおでかけくまさんケープ」)、第24話では水色の水着、第25話では浴衣などのファッションを披露している。
第3話以降は一般人に対し「ハリー(人間態)の子供」という設定で通しているが、本当の両親については不明(後述)。
ハリーはこちらの世界で開店した「ビューティーハリーショップ」を住居としているので、はぐたんも普段はそこで彼とともに暮らしている。なおハリーは第3話にてはなの両親と仲良くなっているため、話によっては野乃家に預けられている時も多い。
元気で人懐っこい性格で、人見知りはほとんどしない。泣き虫でもある。第1話でオシマイダーに遭遇した時は、戦意ある表情で四つん這いでにじり寄っていった辺り、赤ん坊らしからぬ行動もとっている。
公式設定によると、はぐたんが好きなものはミルク・はな・さあや・ほまれ。ハリーは泣いていい。ただOPではハリーと楽しそうに遊んでおり(というかハリーがオモチャにされており)、はぐたんはハリーを気に入ってはいる様子。また、第15話ではぐたんがプリキュア仲間たちの名前を初めて読んだ際、実はそれ以前からハリーの名前を呼んでくれていたことが語られており、「一番長くはぐたんの面倒を見ている」と言う役割の重みはちゃんと本人に伝わっているようだ。
ちなみにはぐたんはハリーのことは「ハリー」と呼んでおり、「パパ」とは呼んでいないことは付記しておく。
『キラキラ☆プリキュアアラモード』第49話(最終回)ではなとともに先行登場。キュアホイップとキュアエールのバトンタッチにも登場している。
幼さ故か第六感に優れており、この時はいちご山の長老の本体に気づいていた。また本編第9話のラストで農家の沼に隠れていたカッパや、第30話のラストでも木の枝から覗いている天狗の存在に気付いている。
プリキュア側のキーパーソンとして
第1話ではぐたんが現代日本にやってきた時、現代の時間の流れが数秒間だけ停止した。殆どの生物は時間停止と同時に自分達の活動も停止したため現象を認識できていないが、ごく一部の人だけはなぜか停止した時間の中でも止まることなく動けており、同時に赤ちゃんの泣き声を聞いた。
その声を聞いた人たちこそが後のプリキュア変身者である、はな・さあや・ほまれ・えみるの4人であった。(はな・さあや・ほまれは本編序盤、えみるは第40話で判明。ルールーが該当していないのは当時の彼女が現代にいなかったであろうことと、「プリキュアは最大4人」とされていたためであると思われる)
そして彼女たちはその声に導かれる形で、後にはぐたんと邂逅している。
そんな彼女たちの「未来を守りたい」という思いがはぐたんと共鳴したとき、「ミライクリスタル」が生み出されて彼女たちはプリキュアへと覚醒したのである。
第3話でハリーが語ったところによると、「はぐたんに8個のミライクリスタルのアスパワワを与えることができれば、未来が奪われた自分たちの故郷をもとに戻せる」ということ。
そしてミライクリスタルからアスパワワを抽出してはぐたんに与えることができるのは、プリキュアのみであるため、ハリーはプリキュアに助けを求めにきたというわけだ。
後述するようにはぐたんは魔法じみた不思議な力を発揮することもあるが、身体的にはごく普通の赤ん坊である。飛行能力なども持っていない。
食事を与えたりオムツを取り替えたりしてあげる必要がある訳だが、そういう「普通の育児」に関してはプリキュアでなくても可能である。そしてハリーとはぐたんの存在が街の人たちに認知されていることもあり、はな達だけでなく周囲の一般人達もはぐたんの世話をよく焼いてくれている。
本作のプロデューサーである内藤圭祐によれば、はぐたんの育児描写でもっとも注意しているのは「ワンオペ育児にしないこと」だとしている。
本作では、「育児の辛さや苦しさを試練として主人公に体験させ、それを乗り越えさせることで母性の尊さを描く」というアニメの育児描写の古典的演出はほぼ撤廃され、はな達もハリーもはぐたんの育児で大変ならば周囲の人たちにちゃんと助けを求めている。
はぐたんの育児をみんなで分担し共同することで、仲間達との絆がより高まるという方向性が本作の育児描写の根幹であり、その意味でもはぐたんはプリキュア側にとってのキーパーソンである。
秘められた謎
しかしはぐたんの本当の親は誰なのか、そもそもはぐたんがいかなる存在なのか等、誰もが気になることであろう事情は作中ではなかなか明かされなかった。
これは、事情を知っているハリハム・ハリーは様々な理由からプリキュアたちにはぐたんについての説明を避けているためだ。
本作では作中の物語が進むたびにはぐたんが「謎めいた存在」であることが少しずつ強調されていっており、視聴者視点においては「はぐたんの謎を追う連作ストーリー」と言う側面も持つ。
第3話でははなから「はぐたんのお母さんはどこにいるのか」という質問に対し、ハリーは明確な答えは出さなかったが、その代わりにはぐたんやハリーが住んでいた時代はクライアス社によって未来を奪われ時間が止められた状態になってしまい、自分たちだけが「ミライクリスタル・ホワイト」の力で現代へ逃げることができたとだけ説明している。
上述したようにハリーは「はぐたんに8個のミライクリスタルのアスパワワを与えることができれば、止まった時間が再び動き出す」と説明しているのだが、なぜはぐたんに時間を取り戻す力があるのかについては語っていない。
しかしどんな事情があるにしても、この時代では寄る辺のないはぐたんを放っておくようなことはできない。プリキュアたちは本当のことを中々言わないハリーには多少の不満を感じつつも、彼と協力してはぐたんをお世話していくことについては受け入れている。
また、はぐたんは両手を突き出し「は~ぎゅ~!」と叫ぶことで、頭につけられたハート型の飾りからアスパワワを放出して魔法じみた不思議な現象をおこすことができる(この飾りは普段は青いが、アスパワワを放出しすぎたり奪われたりして不足すると赤く点滅する)。
5年前のきゅぴらっぱ~とほぼ同じようなものだが、先輩ほどには不思議な力を連発はしない。
少なくともミライクリスタルのアスパワワをある程度は吸収していないとこの力は使えなかったようで、初めて発動したのは第10話。この時点では5個のミライクリスタルのアスパワワを吸収できていた。
この時はプリキュア中当時唯一浄化技を持つキュアエールが変身できず、プリキュア側がオシマイダーとの決着をつけられなくなった窮地に対し光の爆発を起こしてオシマイダーを瞬時に浄化した。
しかしこの際ハリーは血相を変えてはぐたんを止めようとしており、それにも応じずオシマイダーを浄化してしまった後、はぐたんは体内のアスパワワを使いきったことで熱を出し、暫くは目を覚まさなくなっていた。
幸い続く第11話にて、はな達の看病や彼女達の心音を聴かされたことによりアスパワワがある程度回復し、目を覚まし元気になっている。
第19~20話では、プリハートが残り1つしかないことで愛崎えみるとルールー・アムールのどちらかしかプリキュアになれないというシリアスなシチェーションの中で、はぐたんだけはつたない言葉で「いっしょ」と出てくるたびに呟いていた。そして第20話クライマックスで、えみるとルールーが「一緒にプリキュアになりたい」と心の底から願ったとき、はぐたんが第10話同様の謎の力を発揮。第1話同様の時間停止現象が発生すると、謎の女性のシルエットが現れてえみるとルールーをハグしたかと思うと、プリハートが分裂するという奇跡が起こった。これにより2人はキュアマシェリとキュアアムールへとそれぞれ覚醒した。
ちなみにこのシルエットの女性は毎週のOPで出てきているにも拘らずこの時点まで本編で全くの未登場だったため、本作における大きな謎の1つとなっていた。
そして翌第21話の終盤では、新たな武器を手に入れたがっているキュアマシェリを見た後、どうしようか悩んでいるハリーを見て、3度目となる力を発動。キュアブラックとキュアホワイトを召喚してエール一行を驚かせた。だけど一番驚いたのは視聴者だろう(何の予告もなかったサプライズだったので…)
なお、第20・21話ではともに第10話のように倒れることはなかった。第10話時点ではぐたんが吸収したアスパワワはミライクリスタル3個分、第20話では6個分、第21話では8個分である。この数の違いのためと見るのが自然だろうが、敵の浄化には力を強く使うという考え方もできる。また、第20・21話ではえみるとルールーの「前向きな気持ち」から生まれた願いを叶えるために力を使っているので、第10話のようにはながネガティブモードだった時にはぐたんが自分だけの意思で力を使ったのとは事情が違うのもあるだろう。
なお、第20話でキュアマシェリとキュアアムールが覚醒したことで8個のミライクリスタルがプリキュア達の手元に揃った。これで初期の目的である「8個のミライクリスタルのアスパワワをはぐたんに与える」が叶ったことになるが、次に何をすればいいのかについてハリーは何も言及していない。ハリーが何も言わないのでプリキュア達はいつものように日常を過ごしているが、翌第21話におけるハリーのモノローグで、本来ミライクリスタルが8個集まればはぐたんは元の姿を取り戻すはずなのに、はぐたんに目立った変化が起こっていないことにハリーが内心困惑していることが判明した。
第23話でクライアス社社長ジョージ・クライがはな達が住まう現代世界の時間を一時的に止めてしまった時、プリキュアさえ静止した世界の中ではぐたんだけは動けていた。そしてクライもその理由はわからずに興味を示した。クライアス社のトップでさえそうなのだから、はぐたんの正体は本当にハリー以外は知らないということであり、その秘密がいかに重大かが窺える。
第31話ではプリキュアたちがチアフルスタイルに変身するが、この時はぐたんも同時に衣装が変化し、浄化技発動時には発射時にエール達と共に参加している。
なお、ハリーはこのスタイルの存在を知らなかったようだ。
第36話では、いつかの時間軸(少なくともプリアラ組成人後)のいちご坂でドクター・トラウムが禁断の時間操作能力を使ってキラキラプリキュアアラモードの6人を追い詰めていることを察知し、戦場にいるすべてのものを「この場所と時間」に転移させてしまう。そしてこれを皮切りにTV版プリキュアオールスターズ回が前後編で始まるという2度目のサプライズに。
四つ葉町での戦いの際はトラウムの仕掛けにより町の時間がそこにいるプリキュアも含めて止められそうになったが、はぐたんはその攻撃をまるで予知したかのように数秒前に察知し、不思議な力でバリアを作り出して魔法つかいプリキュアの3人やキュアピーチといった「ミライクリスタルを持たないプリキュアたち」の身を守った。
第39話ではリストルの罠により窮地に陥ったハリーを救うため、ミライクリスタル・ホワイトの力を自らの意思で解放。マザーハートを顕現させる。
それによってプリキュアたちが得た新たなるバトルフォーム・マザーハートスタイルの力でリストルを撃退したが、クライアス社側はこのことで「プリキュア達と一緒にいる赤ん坊」の正体に気づいてしまう。ジェロスとビシンははぐたんに憎悪をむき出しにし、やる気まんまんであった。
ことここにいたり、ハリーもこれ以上はぐたんのことを隠していても意味はないとして、プリキュア達にはぐたんが何者なのかを教えた。
第44話ではクリスマスやサンタさんの話題になったのを聞いてか、また召喚芸を披露、今度は本物のサンタクロースを呼び出してしまった。
正体
第40話でハリーによって明かされたその正体は、未来の世界で戦っていたプリキュアの一人キュアトゥモローである。
クライアス社との追手から免れるため、マザーハートの力を使い、未来世界から現代へのタイムトラベルを敢行したが、最後の力を使い果たしたキュアトゥモローは現代にたどり着くと同時に赤ちゃんの姿となっていた(これが第1話の「はな達が感じた時間停止」「はなとの邂逅」に繋がっていく)。
このような突発的な背景にも拘らず、はなと出会った時点でハリーがミルクやオムツを既に持っていた理由は不明。(まあ、そこに突っ込むのは野暮かも知れないが)
クライアス社がそもそもこの時代にやってきたのはキュアトゥモロー及びミライクリスタル・ホワイトを追ってきてのことなので、実に第40話までその正体をハリーは隠し続けることに成功したことになる。
そしてこの40話以降、クライアス社ははぐたんの捕獲を狙うようになった。
かつてはキュアトゥモローを「消し去る」ことで後顧の憂いをなくそうとしていたクライアス社だったが、社長のジョージ・クライはトゥモローが発育途中の赤ん坊に戻ってしまったことに面白みを感じており、この子に未来への希望ではなく絶望を教えこめば、元の姿に戻った時にどのような存在になるのだろうかと興味を抱いている。
ハリーが当初の目的にしていた「ミライクリスタルを8個集める」ということは、ミライクリスタルのアスパワワを失ったことで乳児化したのだから、ミライクリスタルのアスパワワを与えれば元に戻るという単純な発想ゆえである。
8個と数を指定したことについては、そもそもハリーが持ってきたプリハートが4つしかないので、この時代で新しいプリキュアを選んでも、4人にプリキュアが2つずつのクリスタルを生み出す=8個が最大、という計算だったのだろう。未来世界のプリキュアは全員がプリキュアの剣を持っていたので、プリキュアは1人につき2個のクリスタルを有する(変身用と武器用)というのがハリーの中での基本認識だったことは間違いない。(なので、31話で「3つ目」とも言えるミライクリスタル・チアフルが新たに生み出された時はハリーは驚愕していた)
ハリーの予想を超えて10個以上のミライクリスタルが集まり、そのアスパワワを与えられるたびにはぐたんは不思議な力を取り戻しつつある。しかし残念ながら元の姿に戻る気配はまったくない。(普通の人間の赤ちゃんよりかは成長速度は早いようではあるが)
結局、ハリーははぐたんの正体については知っていても、どうやって元の姿に戻せるかは未だにわかってないのである。
そして本編が最終回を迎えても、はぐたんは赤ん坊のまま未来へ帰還した。少なくとも現代にて元の姿に戻ることはなかったが……。(はぐたん成長・行動記録49話へ)
はぐたん成長・行動記録
本作は育児もテーマになっている物語であるがゆえに、はぐたんははな達の愛情を受けてスクスクと育っていく。つまり作中で成長過程がちゃんと描かれている。
登場した当初は言葉もちゃんと喋れず移動もハイハイだったが、設定画では普通に立っている姿が最初から用意され、実際に販売されているはぐたんのぬいぐるみ玩具では赤ちゃん言葉で喋るギミックがある。本編中でもこのあたりまでは成長によって成し遂げられている。
■第7話
ビューティハリーでビーズを作っていたら、はなに『はぐたん、上手』と褒められた。このビーズのブレスレッドがはな・ほまれ・さあやの絆の証となる。
はな・ほまれ・ハリーとともにオーディションを受けているさあやの緊張をほぐすためにハイハイで会場を訪れる(ただし半ば乱入だったので、3人と1匹は当然オーディション会場を追い出された)。
■第8話
初めてのつかまり立ちに成功。
■第11話
「まぁま!」と言えるようになる(しかし第12話にて、はな、さあや、ほまれのみならずたこ焼きにも言っていたため対象を母親と認識した訳ではない模様)。
■第12話
歯が生えており、離乳食を食べられる時期になった。
■第14話
保育園にて、ハリーが保育士さんにした挨拶の言葉を真似ようとしている様子がうかがえた。またちゃんとした言葉にはなっていないが、イントネーションは再現できている。
■第15話
ほまれ・さあやを舌足らずながら名前で呼べるようになる。ハリー曰く、実はそれ以前から自分のことも名前で呼んでもらえていたとか。そしてはなの名前呼びはお預けにされた。
■第16話
終盤にてルールーがパップルに回収された際、目に涙を浮かべながらルールーの名を叫んでいた。
敵である事を知らなかったとはいえ、同じ時間を共に過ごす内に彼女の事も何時しかはぐたんは好きになっていた様だ。その直前、敵の攻撃でルールーがショートした時に「いや~っ」と泣き叫んでいた所からも、相手の痛みを悲しんで涙を流す優しさ、思い遣りの心が育まれていたのは確かだろう。そしてシリアスな場面で申し訳ないがはなの名前呼びはまたもお預けにされた。
■第17話
激闘の末にはなと和解したルールーの元へ歩み寄り、「よちよち(よしよし)」とその小さい手で頭を撫でてみせた。はぐたんの中で育って来た思い遣りの心の結実と言えよう。これが最後の引き金となってルールーは堰を切った様に声を上げて泣き、彼女が人間らしい心を得る最後の一押しとなった。
余談だがこの回で「なかよし、よちよち」と2語文を話せるまでになっている。
■第18話
「ふれ~ふれ~、えみゆ~」とまたまたはなを置き去りにしてえみるの名前を呼ぶ。もうはなは泣いていい。
■第20話
キュアマシェリとキュアアムールをそれぞれ「ま~しぇ!」「あむむ!」と呼んだ。プリキュア名まで呼べるのになおも置き去りにされるはな。
■第21話
おぼつかない足取りながらもよちよち歩きを始めるようになる。これを機に、座ったりだっこされてない場面では立つのがデフォルトになっている。
■第23話
いつの間にかデジタルカメラの使い方を学習しており、データ内には大量の自撮り写真が入っていた。それを見たほまれたちはメロメロ。
そしてジョージに連れ去られそうになり、プリキュアたちに助けを求めたときには、ほまれ・さあや・えみる・ルールーを名前で呼んだのに対して、はなに対してはあくまで「ママ」と呼んでいた。これが意味することは一体……?
■第25話
輝木ほまれ主役回。ビシンによって怪物化したハリハム・ハリーを救うためにほまれが大活躍する話だが、この話では作中で初めてハリーの名前を呼ぶシーンが描写された(第15話でハリーの名前を呼んでいたことは明かされていたが、実際に描写されたのは初)
この話では、はぐたんは終始ほまれではなくハリーのことを応援するような感じが多かったのが特徴的でもあった。
■第28話
種族が違っても仲良くなれるということをテーマにしたお話であり、エピローグシーンではそのことを示すためにルールーがえみるにハグをして、それに触発されるかのように、はぐたんがハリー(ハムスター態)に熱いハグをして、ハリーは超焦っていた。このテーマにしてハリほま要素が予想以上に薄いことに色々な意見もあったが、はぐたんがそういうオチをつけるならば仕方ないと言えるだろう。というか、やっぱりはぐたんは割とハリーのことを…?
■第30話
世界各国でその国々の衣装に着替えコスプレを披露(中には風でスカートを煽られるマリリン・モンローなんてきわどいネタもあった。幼子とはいえ大丈夫なのか…)。
また話の終わりでは「(天狗の姿を見つけ)てんぐー! てんぐー!」「手ぬぐいならもろうてきたで」「ちゃう! ちゃう!」というやり取りをハリーと繰り広げたが、何気にこれまではおぼつかなかった会話がバッチリできている。しかし関西弁なのは、ハリーと一緒にいる時間が長い影響なのか……。
■第31話
はなが自身のトラウマを克服、前へ進めるようになった結果、メモリアルキュアクロックとミライクリスタル・チアフルが出現。プリキュア5人がチアフルスタイルへと変身した際、自身もそれに類似した姿に変身した。その後ミライクリスタル・チアフルを与えられ、更に成長した。
■第33話
「アンリ、おちゅかれ」と言った。更に「だっこして」とも言い、言葉の成長が着実に進んでいることをうかがわせる。
■第34話
朝食の席でルールーにおにぎりを作ってもらう。もう離乳食でない固形物も食べられるようだ。
■第35話
整形外科でほまれに対し「ほまえ~!きばりやっちゃ~!」と声援を送る。やはりというか、言葉遣いにはハリーの影響を受けている模様。
また弟が生まれると自分は必要とされなくなってしまうと、追いつめている女の子を元気づける場面を見せる。
■第36話
後半パートにてほまれチームの妖精と交ざり、別の世界から来た赤ちゃん妖精の先輩であるシフォンとの初共演、及びにシフォンに加え春の映画の「スーパースターズ」で共演をしたはーちゃん=花海ことはとの夢の3ショットが実現をした。
プリキュア探索行の際はおでかけくまさんケープでおめかしし、「モフルンふわふわ!!!」を言った。
だがそのおかげで、オシマイダー出現時に変身しようとしたみらいとリコからモフルンに間違えられるというハプニングが。この時はぐたんは笑顔で「ちゃうちゃう~!」と関西弁でツッコミを入れている。
終盤でトラウムの時間停止攻撃を察知した時は咄嗟にキュアフェリーチェの足に隠れる。根源的に母性の強い存在だと感じたのだろうか?
■第38話
ハロウィン祭りではしゃぐはな達によって可愛らしいコスプレを次々に着替えさせられ写真を撮られまくるが、戸惑ってしまいついには疲労困憊になってしまう。はな達ははぐたんを着せ替え人形のように扱ってしまったことを反省し、はぐたんが憧れるものの仮装をさせてあげるべきだろうと「はぐたんは何になりたい?」と尋ねる。すると着たい衣装を決めていなかったはぐたんは、懸命に考え込んで「ぷいきゅあ!」と笑顔で答えた。はなたちは具体的にはどのプリキュアの衣装を着るのか気にすることなく、はぐたんのリクエストに応える。その夜はぐたんは世にも珍しいプリキュアの衣装を着用する。
■第39話
ダンスを覚え、メロディタンバリンを鳴らしてごきげん。今回はリストルの手でプリキュア達が異空間に閉じ込められるハプニングがあったが、その時もメロディタンバリンとはぐたんの訴えが功を奏した。
■第40話
上述したようにはぐたんの正体がキュアトゥモローだと明かされる。びっくりしたはなが「ええ?!? はぐたんが…」と叫んだ時に「ぷいきゅあ⁉︎」と二の句を繋ぐ。はなが気を取り直し「キュアトゥモロー?」と聞き直すと、はぐたんは「あーい!」と笑顔で答え、サプライズ成功にご満悦な様子だった。
ハリーから聞かされたキュアトゥモローの過去はなかなかにシリアスでヘビーなものだったが、赤ん坊になってしまった今のはぐたんにそんな重い気持ちはないようだ。
■第42話
はなが絵描きさんにお仕事チェンジして自分のキャラソンの鼻歌交じりにアンリの衣装デザインをしていると、はぐたんは応援うちわを振りながらその鼻歌に合わせて「ふえーふえーがんばえー!」と合いの手を入れる。
■第43話
ワールドジュニアの大会に挑むほまれをみんなで応援。はなに抱っこ紐で担がれる中、緊張したりフレフレしたりするはなとはぐたんの表情と動きが完全にシンクロしっぱなしだった。
しかし、大泣きするほまれをはなが慰めていたときだけは、事情がよくわかってないらしくキョトン顔。少し不安そうにはなの脚をちょこんと握っていた。
赤ん坊である「はぐたん」からすると当たり前の反応と言えるが、この事情の張本人の視点で見た場合はなかなか複雑なシーンでもある。
■第44話
さあやが母れいらと共演する映画「薔薇の騎士と姫の夜明け」に赤ん坊役として出演することに。映画出演がよっぽど嬉しかったのか、今回はやたらめったら喋る。
劇中3回の撮影もそれぞれ「いけてる~」「だいじょうぶよ~」「げんきなった~?」と別の台詞。アドリブできるんじゃと思わせた。
ちなみにリストルの策略で映画の内容を元にしたVR空間に入り込んだのだが、その時ハリー共々子連れ狼ならぬ子連れねずみになる。はぐたんはしっかりと乳母車に乗って「ちゃーん!」と言っている。……子供たちはともかく、その親でも元ネタ分かる人はいるんだろうか(最も知られている萬屋錦之介版のテレビドラマが1973?1976年の放送。直近でも北大路欣也版が2002~2004年である)。
そして上述のサンタ召喚の後には「みんなでくりすます、いぇい!」とウインクも。
■第46話
新年揃って晴着姿でご挨拶。「あけおめ~!」「ぷいきゅあ~!」とニコニコご満悦。
新年会ではハリーの回すコマに興味津々。
はながジョージと対峙し、精神的な疲れからか崩れ落ちたのでビューティーハリーで休むことになったのだが、はぐたんもはなのことを思って「げんきないない?」と声をかける。はなは「元気あるある!」とはぐたんを抱きしめた。そしてほまれの提案でお泊まり会になり、「はぐたんもいっしょ~!」とご機嫌に。
しかし翌日、最後の侵攻を行い、巨大化したジョージによってはぐたんは囚われの身となってしまう。
■第49話(最終回)
未来に帰還する日。最後の想い出作りでみんなで遊びに出かけるが、プラネタリウムを出たとき「おほしさま?」とはぐたんが嬉しそうに叫ぶ。何事かとはな達がはぐたんの目線を追うと、そこには星とハートの飾りがついた白いペンが落ちていた。よっぽど気に入ったらしくそのペンを拾ってもらってご機嫌。
その後、不慮の事故により誕生したオシマイダーとプリキュアが戦っているとき、横で応援していたはぐたんがそのペンを落としてしまう。反射的に拾いにいこうと飛び出すはぐたん。するとちょうどオシマイダーの攻撃の導線上に入ってしまう。エールがとっさに庇おうとするが間に合わず絶体絶命の危機…と言う時に、新たなる星のプリキュアに助けられた。
戦闘後にはぐたんは、お礼のつもりなのかプリキュアとして共闘したその少女に「どーじょ」とペンを差し出す。するとまばゆい光が溢れ出し、そのペンはハートの飾りにはぐたんが描かれたペンとなった。
いろんなことがあったが、最後の思い出作りの日も終わり。
日が沈む夕刻、別れの時が来る。
無邪気に「みんないっしょ」とお喋りするはぐたん。しかし、未来へ帰るための機械「未来へかえるくん」に、はな、さあや、ほまれ、えみるが乗らないのを見て、別れを察したのか泣き始めた。
その様子に、笑顔で別れようとしていたはなも我慢できず号泣。それでもはなは「はぐたん、絶対また会える! だから、いっぱい食べていっぱい遊んで大きくなるんだよ」と約束した。
はなとはぐたんは最後まで泣きながら、互いの姿が消えるまで見つめ続けていた。
……そして時は流れて2030年。
大人になり、結婚し、妊娠していたはなの出産の日。
はなが痛みに耐えながら出産に挑んでいる様子が丁寧に描かれる中、それと平行する形でその日における仲間達の一日の様子が次々に描かれるという演出がなされる。
その最後のシーンで、元の姿に戻っているキュアトゥモローがのびのびタワーの上でハリーとともに佇んでいる様子も映し出された。
トゥモローは何かに気づいたかのように空を仰ぎ、ここからは見えもしないし手も届かない誰かに対し、笑顔で「ママ…」と呟く。すると、どこか遠くから生まれたばかりの赤ん坊の泣き声が聞こえた気がした。
はなは一人の女児を無事出産した。
はなは「ずっと前から決めていた名前がある」として、その赤ん坊に「はぐみ」と名付ける。
「よろしくね、はぐたん」
そして最終カットで映し出されたその赤ん坊の姿は、はぐたんそっくりなのであった。
こうして、本作の物語は幕を閉じた。
……つまりはそういうことである。
なお、「キュアトゥモローがいた未来」と「はぐみの誕生した2030年」が同じ世界線上にあるかは明かされていないが、メロディソードの有無から考えても2つは直接的につながった世界ではないと思われる。(そもそもキュアトゥモローがいた未来につながるなら、この後にクライアス社がまた世界を不幸にすることになり、エールたちの活躍が報われなくなる)
しかし上記の描写、はぐたんが本編通してはなを「まま」と呼んでいたことを考えると、世界線が違おうとトゥモローの母親もはなであったと思われる。
(トゥモローの母親についてはアナザーはなの項目も参照)
「はぐみ」の名前の由来はもちろん「はぐたん」だろうが、「育み」から来ているとも思われる。
なお、はぐたんが「元の姿」に戻る条件が何であったのかは結局作中では明かされないままであった。
しかしはぐたんの成長速度は普通の人間の赤ん坊よりもはるかに早かったので、もしかするとハリーが元の姿になるまで地道に子育てしたのかもしれない…?(はなも「いっぱい食べていっぱい遊んで大きくなって」と約束してましたし)
余談
中の人について
担当声優の多田このみ女史は『魔法つかいプリキュア!』の長瀬まゆみ役以来のプリキュアシリーズ出演。
多田女史は赤ちゃんの声真似を特技に挙げており、キャスト発表時のコメントで赤ちゃん役をずっと演じたかったので起用された時は夢が叶ったと喜んだそうである。
放映終了後に刊行されたコンプリートブックでは彼女を起用した経緯について、佐藤順一SDが「赤ちゃんの演技をしてもらった時、定番のおぎゃーとかほぎゃーとかの方が多い中、いろいろ研究している人が何人か居て、その中から多田さんを選びました」としている。また同じくSDである座古明史は「多田さんの演技にはよだれを含んでいるようなシズル感(じゅるじゅる感)がある」と彼女の赤ちゃんの演技を評価している。
エイプリルフールにて
はぐたんが言葉を喋るようになったのは上記の通り第14話からだが、第9話のアバンではな達プリキュアメンバーと同じく前回のあらすじ紹介を担当している。
当時はまだ言葉を喋れなかったので、あらすじ紹介は「は~ぎゅ」「はぎゅ~」のみで進行。しかもこの紹介、字幕等による通訳や他のキャラクターが乱入する等のツッコミも一切入らなかった。ちなみに文字放送字幕では「きゃあ! ひひ~ は~ぎゅ、は~ぎゅ、だぁ!」などのように音声を忠実に文字化していた。
この第9話は本作内ではコメディ要素の強い回であり、はぐたんのあらすじ紹介はのっけからのシュールギャグとして扱われていた。
なお、放送日は4月1日とエイプリルフールであった。この日は東映アニメーション側の公式サイトがはぐたんに乗っ取られてしまい、メニューの文字までもがはぐたん語表記になっていた。
余談だが、2018年4月1日はプリキュアシリーズを製作するABC朝日放送が放送持株会社制への移行に伴いテレビ部門が「朝日放送テレビ」・ラジオ部門が「朝日放送ラジオ」に「分社化」された日でもあった。(それと同時にテレビ放送のコールサインも変更。)そんな中で当日の第9話はABC朝日放送分社化後かつ「朝日放送テレビ」としては初の自社製作の全国ネット番組であった。このためはぐたんは新生「朝日放送テレビ」としての全国ネットのトップを飾るという、地味に凄い偉業を成し遂げている。
関連タグ
- HUGっと!プリキュア
- 赤ちゃん
- シフォン(プリキュア)、アイちゃん(プリキュア)、はーちゃん(プリキュア):プリキュアシリーズにおける赤ちゃんキャラつながり。いずれも重大なネタバレに関わる存在である。
- エル:5年後の作品に登場する妖精枠に入った人間キャラクター繋がり。ただし、異世界人かつ特殊な出自を持っている点は異なる。
- ハナちゃん:SDが共通するニチアサアニメの赤ちゃん。
- ちびうさ/セーラーちびムーン:未来から逃げて来た幼女つながり。SD繋がり。