キュアトゥモロー
きゅあとぅもろー
CV:多田このみ(ノンクレジット)
※以下は『HUGっと!プリキュア』終盤のネタバレがあります。
未来の世界でクライアス社と戦っていた4人のプリキュアのうちの1人。
ミライクリスタル・ホワイトの本来の持ち主にしてはぐたんの正体である。
第一話時点からその存在が仄めかされていた未来から逃げて来たプリキュアその人でもあり、第39話で(朧げな姿ながら)本格的にその姿と存在が公にされ、第40話で明確な姿と名前、そしてこれまでのドクター・トラウムとハリハム・ハリーからその行方や経緯が明かされた。
赤ん坊になった経緯
第40話では、トラウムとハリーからの視点という形でキュアトゥモローが赤ん坊になってしまった経緯が語られた。
未来世界でクライアス社は時間を止めるためにトゲパワワを蔓延させたが、それから間も無くして剣を手にした4人のプリキュアが現れ、未来を守るためにクライアス社に戦いを挑んできた。その4人の中にキュアトゥモローもいた。
しかし、最終的にはプリキュア達はクライアス社に敗れてしまう。仲間達はトゥモローに全てを託して倒れていったが(この際プリハートも託された)、そのトゥモローもまたクライアス社の捕虜にされてしまう。
捕虜にされたのは、生かすためではなくキュアトゥモローを一片も残さずに確実に「消し去る」ため。実はトゥモローは未来を育む女神・マザーハートの力を宿す特別なプリキュアで、つまり「止められた時間を再び動かす」という可能性を有する存在であった。
死を待つ身として檻の中に幽閉されたトゥモローの前に、まだクライアス社の一員であったハリーがやってくる。それはかつてとはちょうど逆の状況。
ハリー「ほんまに…未来が輝くって信じているんか」
トゥモロー「うん」
ハリー「仲間を……失ってもか」
トゥモロー「うん、約束したの。プリキュアは絶対に諦めないって」
トゥモローの揺るぎない瞳と言葉に、ハリーの迷いが吹っ切れる。かつて助けてもらったこと(後述)への恩返しという意味合いも込めてトゥモローを解放し、共にクライアス社から脱走することにした。だが最終的に2人はビシンに追い詰められてしまい、窮地を脱するためにキュアトゥモローはミライクリスタル・ホワイトに込められたマザーのすべての力を解放してハリーと共に過去の時代(視聴者視点での現代世界)へと逃亡する。ビシンの幽閉はこの逃亡劇に対する懲罰という側面があり、ビシンからは憎まれている。
この行為はやはり無理があったらしく、キュアトゥモローの体は赤ん坊に変わってしまった。そしてマザーの力を使い切ったミライクリスタル・ホワイトはその輝きを失ってしまう。さらには未来の世界と現代の世界が繋がった影響なのか、転移の瞬間に現代の世界がわずかの間だけ時間が停止した。
だが、野乃はな・薬師寺さあや・輝木ほまれ・愛崎えみるの4人だけはこの時間停止現象の影響を受けなかった。この4人こそが「止められた時間を再び動かす」という使命を担う新たなプリキュアの資格を持つものであった。
一方、プリキュアが全員いなくなったことで未来世界はクライアス社の計画が発動して時間を止められてしまう。だが、クライアス社にはマザーの力を宿すミライクリスタル・ホワイトを過去へ持ち去られたことへの懸念があった。マザーは「未来」を育む女神。その加護を完全に消し去らない限りは「未来を消し去った」とは言えない。マザーの力を宿したプリキュアは時間を再び動かす奇跡を起こす可能性がある。
クライアス社は西暦2018年のあざばぶ市に支社を建設し、この時代のどこかに存在するミライクリスタル・ホワイトを回収する業務を開始した(キュアトゥモローが赤ん坊になってしまったことをクライアス社側は知らなかったので、彼らも情報ゼロからの探索となっている)。
こうして本作の物語が始まるのである。
容姿
ピンクのワンピースに白いフリル、長い金髪を頂点で結っている。
際立った特徴がない分「他のプリキュア作品の主人公」に採用されてもおかしくないくらいの完成されたスタンダードなデザイン。
過去のプリキュアシリーズに登場した「金髪の桃キュア」(※)のイメージの最大公約数とも言えるかも知れない。
※『HUGっと!プリキュア』以前の作品に登場した「金髪の桃キュア」はキュアピーチ、キュアハート、キュアフローラ、キュアミラクルの4人となる。(黄キュアとされるシャイニールミナスも入れれば5人)
ちなみに、ネット上の声ではキュアフローラと似ていると言う感想が特に多いようだ。
トゥモローのシルエットデザインは、OPに出てくるマザーのデザインに寄せたものが意識されている。また、コスチュームについてははぐたんのいつも着ているベビーウェアを拡大解釈したものともなっている。それもあって、トゥモローは結構な長身でスタイルが良いにも拘らずどこか幼く見えるようなデザインになっている。
色別分類としては上記の容姿から桃キュアとする意見と、白の要素も目立つのとミライクリスタル・ホワイトの関係から白キュアに含まれるという意見で分かれている。
ハリハム・ハリーとの関係
かつてハリーは同族を救うためにドクター・トラウムと契約をし、生体兵器の被験体としてクライアス社に囲われていた。つまりハリーとキュアトゥモローは元々は敵味方の関係である。だが、ハリーが故郷の滅亡によって未来に深く絶望したことで、トゲパワワが過剰暴走してしまったことがある。その結果、理性を失い目に付くものを手当たり次第破壊する化け物となってしまい、手を焼いたクライアス社はハリーを拘束し幽閉してしまった。その時、単身クライアス社に乗り込んでアスパワワの力でハリーのトゲパワワを抑え込み人間性を取り戻してあげたのがキュアトゥモローである。
トゥモローは過去の苦しみをなくすことはできないが、明日を一緒に作ることはできると言い残し、その時はそのまま去っていった。ハリーはこの時からずっとトゥモローのことを気にかけるようになり、そして上述したように彼女がクライアス社の捕虜になった時に、彼女を助けるために裏切りを決意するのである。
ハリーのトゥモローに対する思いについてはハリハム・ハリー本人の記事に詳しいが、恋愛感情である。
一方、キュアトゥモローがハリーに対してどういう思いなのかはわかっていない。わかっていないから、ハリーはトゥモローに自分の思いを伝えたいと願っており、そのためにはぐたんの姿になった彼女をもとに戻そうとしている。
ちなみに『アニメージュ』2019年1月増刊号での座古明史と佐藤順一の両シリーズディレクターへのインタビューでは、「(ハリーがほまれの気持ちに気づいていないのと同じように)トゥモローもハリーからの思いに気づいていないのでは」「あなたを助けただけで、そんなつもりじゃなかったのって感じかな」とされている。ただしこれははぐたんの姿になる前のトゥモローの視点である。
つまり彼女が元の姿に戻った時、はぐたんの姿だった一年間の記憶や思いが引き継がれているか鍵になるところだろう。自分を育ててくれたハリーが大きくなった自分に告白してくるシチュエーションはなかなか複雑なものもあるかも知れないが(ある意味では究極の光源氏計画なのか?)。
トラウムが作った発明品「未来へ帰るくん」を使って、はぐたんはハリーと共に「彼女が生まれた未来世界」へ帰っていった。
だが、はな達の活躍によって「クライアス社が存在しない歴史」へと分岐したため、この機械を使ってはぐたん達が帰るのは単純な未来の世界ではなくパラレルワールドである。つまり、二度と交わることができない別の歴史の流れへとはぐたんは旅だっていったのだ。
だがそれでも、はなは「いつか、また会える」と約束した。
そしてその「はぐたんが生まれた世界」の様子が最終話で少しだけ描かれる。
時間を止めていたジョージ・クライが浄化されたことで、時間が動き出しており、日の光に照らされ風も吹いている。
そんな中、元の姿に戻っているキュアトゥモローが人間態のハリーと一緒にいた。
トゥモローが何かに気づいたように「ママ」と呟く。
すると、場面は暗転し、トゥモローが帰った世界とは別の歴史を辿ったはな達の世界の2030年に映る。
そこでは、はなに赤ん坊が生まれていた。
その子は、はぐたんに瓜二つの顔をしていた。
ちなみに、ハリーがトゥモローにちゃんと気持ちを伝えたのか、その返事はどうだったのかは明かされず。
ただ、元の姿に戻ってからも二人は一緒にいる関係なのは間違いない。
声優について
EDクレジットには表記されていないが、『アニメージュ』増刊号にて、はぐたんの声優を務める多田このみが当てていることが明かされた。
キュアトゥモローがノンクレジットなのはメインキャラであるはぐたんの表記が優先されている為。
同記事での多田の発言によれば、オーディション段階ではぐたんだけでなくキュアトゥモローの台詞もあり、資料にもはぐたんの正体がトゥモローだということも記載されていたという。
プリキュアに変身した後の姿しか描かれていないイラストに対して、本編での基本的な姿である『はぐたん』のタグを付ける行為は、変身前の姿のイラストだけを見たい人にとっては検索妨害になってしまうので、そのような行為は避けるべきである。
また、はぐたんしか描かれていないイラストに対して、変身後かつ本来の姿である『キュアトゥモロー』のタグを付ける行為に関しても同様に避けるべきである。
中にはもちろん、変身前後の姿の両方のタグが付けられている事を気にしない人もいるだろうが、検索の際に気になるという人もいるため、そのような人への配慮としてタグの使い分けをしっかりと行う事が推奨される。
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