チャラリート
ちゃらりーと
「学校、青春、明日への希望に満ちている…… はぁ~、やだやだ」
CV:落合福嗣
アニメ『HUGっと!プリキュア』の敵キャラクターで、クライアス社の社員の一人。
公式サイトによると所属は「あざばぶ支社」で役職は「係長」。
最初に出撃の名乗りをあげ、キュアエール達プリキュアが最初に対戦する。
今時の若者風の出で立ちをした褐色肌の青年で、他の社員たちが正装に近い服装をしているのに対して、ただ一人ネックレスを身につけ黄色のベストに黒色のタンクトップを着用し、灰色のズボンに白い靴を素足で履いている(+冬場は黄色のファスナー付きパーカーを着用)というかなりラフな格好をしている(一言で言えばヤンキーかチンピラ風の出で立ち。髪型はなつかしのギャル男ヘアー)。
動画をちょっと見た程度でも「イケメン」と評されるくらいには整った容姿で、本人も自信がある様子。
オシマイダー発注時のバンクは、モダンバレエのようなパラパラのようなモーションでネガティブウェーブを照射し、オシマイダーを発注するというもの。独特な動きをすることが視聴者の間ではよくネタになっており、後のパップルやルールーもそれぞれ手順が違うため、彼独自の動きであることが判明している。
性格は軽く、良く言えば要領がよく世渡り上手、悪く言えばずる賢く利己的。基本的には飄々とした態度で、動揺しても口調まで崩れることはない。
たとえ自分より目上な人物でも馴れ馴れしい態度で接しており、一人称は「オレちゃん」(ごく稀に「オレ」ということもある)、二人称は「アンタ」、砕けた口調、敬語でも語尾に「~っす」と付けるぐらい、と一会社員にはとても見えないチャラ男である。
また、赤ちゃんの泣き声に不快感を覚えたり、学校などの青春や明日への希望に満ちている場所を嫌っているようで、そのような場面に出くわすとあからさまに不機嫌になる傾向がある(後に克服)
第11話でパップルが提出した稟議書の提案により大量のトゲパワワを照射され怪物化したチャラリートがオシマイダー化した姿。
強大な力を有しているほか、似たような組織の最後通告で生まれた怪物と違い通常のオシマイダーと比べるとわずかながらも知性が残っており、プリキュア抹殺とミライクリスタル奪取の為に街に破壊活動を行なう。
名乗り出た任務の遂行(第1話~第4話)
第1話時点であざばぶ支社のメンバーに与えられていた任務は「以前から活動しているとあるプリキュア」が持つミライクリスタル・ホワイトを奪うことであったが、手がかりとなる情報が一切ないことにほかのメンバーが頭を悩ませる中、チャラリートが自分に任せて欲しいと社長に対して直訴。それが認められ、ミライクリスタル・ホワイト探索の最初の責任者となった。
仲間を出し抜いて出世ができる千載一遇のチャンスを逃すわけにいかないと張り切る彼だったが、何か秘策があるわけでもない。とりあえずオシマイダーを暴れさせれば、逃げ隠れている「とあるプリキュア」が現れるかもしれないとトゲパワワの持ち主を探して街を歩き回り、オシマイダー召喚場所としてたまたま選んだのが野乃はなの通うラヴェニール学園であった。
それがきっかけて野乃はなが「新たなミライクリスタル」を生み出しキュアエールへと覚醒する。
本社から発注したオシマイダーをキュアエールに浄化されてしまうという想定外な出来事にチャラリートは撤退。この時に「始末書ものだ」とかなり焦っていた。
第2話では新たなプリキュアが生まれた事実を一切報告しないことで、とりあえず失態をなかったことにしている。
この虚偽がバレる前に、とりあえずは「新たなプリキュア」たちを自分の手で倒して彼女たちのミラククリスタルを奪い、その成果をもって出世の踏み台にしようと都合がいいことを考えており、現在は部下かつアルバイトのルールーに協力を仰ぐ(もしくはパシる)形でプリキュア打倒に動いている。
第4話ではルールーが分析したプリキュアの対策データに「新しいプリキュアでも現れない限り大丈夫」という明らかなフラグ発言をしたが、当の本人が過去のトラウマを克服できずプリキュア変身を逃してしまうという驚きのフラグブレイクが見られた。
もっとも、最終的にはキュアエールの必死な猛攻でオシマイダーは浄化されてしまったので、負けフラグまで折ることができたわけではない。
与えられた最後のチャンス(第5話)
そして第5話、隠蔽してきた新しいプリキュアの覚醒をルールーによってリストルに報告されてしまう。チャラリートはチクったルールーに恨み節をこぼしていたが、ルールーはチャラリートが本当にミライクリスタルを回収できるなら結果的には会社の利益になるとしてデータ分析に協力していただけなのである。でも結局は失敗した以上、これ以上彼のワガママに付き合うことは会社の利益に反すると判断したのだ。
チャラリートに何らかの懲戒処分を与えなければならないなとリストルが思案している中、チャラリート本人は「新しいプリキュアを倒して新しいクリスタルを奪う秘策があるので最後のチャンスが欲しい」と懇願。リストルは聞く耳を持たなかったが、その必死な姿に何かを感じたのかクライ社長は特例としてそれを認める。
チャラリートの秘策とは、前回プリキュア変身に失敗した輝木ほまれを素体にオシマイダーにすることだった。強い夢を持つものほど、それが失われた時の絶望は大きい。それはアスパワワを多く集積できる人間の希望の思いがネガティブな方向に反転すればより強大なトゲパワワを生み出すことに通じる。
プリキュアに選ばれるほどのアスパワワをもつほまれを、追い詰め絶望させてトゲパワワを生み出せれば、プリキュアに匹敵する力をもつオシマイダーを召喚できるとチャラリートは考えたのだ。
そして自身の計画は功をなし、ほまれの絶望から生み出されたオシマイダーはキュアエールとキュアアンジュを圧倒した。
だが、どんなに追い詰められても諦めないエールとアンジュの姿はほまれの中に自分もそうありたいという気持ちを生み出し、自らのトゲパワワに拘束されている状態でミライクリスタル・イエローを生成させ、第三のプリキュア・キュアエトワールがついに本当に覚醒することができた。
エトワールは自らの心が生み出したオシマイダーを仲間たちとともに浄化。チャラリートからするとクリスタルを奪うどころか3人目のプリキュアの覚醒を導いたことになり最悪な失態である。
さすがにいつものチャラさもなりを潜め、失意を胸に撤退するチャラリートだったが……
係長から降格(第6話~第10話)
そして続く第6話では、出社したチャラリートの席がすでになくなっているという事態に。
「俺ちゃんの机がない!」と叫ぶチャラリートにルールーは「机は倉庫に移動済みです」と事務的に一言。
続いてミライクリスタル奪取の任に就いたパップルが任務に向かう姿を見送りながら、チャラリートはただただ悲嘆するしかなかった。自ら「最後」と言ったチャンスを逸した責任はやはり大きかったのである。
なお、この回でプリキュアたちと初めて対面したパップルは、3人目のプリキュアが増えていることに「聞いてない」と驚いており、チャラリートは最後の最後までプリキュア情報について報告を怠っていた模様。
これを受けてか彼の「係長」の地位は現在空席となっており、放映後の公式サイトには「会社概要」のページでチャラリートにバツ印が付けられた他、新たに「採用情報」のページが追加され、「未経験者歓迎、係長経験者優遇」と記されている。
その後、彼の消息については語られず、解雇や最悪の場合処刑を危惧していた視聴者も多かったが、第10話のパップルの台詞で「左遷部屋」なるところへ送られていたことが明らかになった。かつての悪役企業のような処刑がされなかっただけ、まだ温情的な処分と言ってよいのやら…と思いきや。
崩壊の先で…(第11話)
その左遷部屋で何があったかは定かではないが、それなりの地獄を味わわされたらしく、第11話で久々に姿を見せたチャラリートは以前の陽気でチャラチャラした佇まいも掻き消えて、涙を浮かべてガタガタ震えながら「暗い…怖い…」と呟くだけの、精神崩壊寸前にまで追い込まれていた。
恥も外聞もなくすがりついて助けを乞うチャラリートに「あんたには後がない、今度こそプリキュアを倒すのよ」と言うパップルだが、そこはブラック企業のクライアス社。最後のチャンスを与えて華々しく決死の出撃…などさせるわけがない。パップルの計画は、心が壊れかけたチャラリートが強大なトゲパワワを内包していることに注目し、彼をオシマイダーにしてプリキュアを倒すというものだった。稟議書は承認され、ネガティブエネルギーを注入されたチャラリートはオシマイダーに変貌。
彼は汚名返上するどころか、クビが怪しくなってきた上司の名誉挽回の手駒にされただけ。文字通りの社畜と化してしまったのだった。
彼は街で暴れ、自我を失いミライクリスタルの奪取ばかりを叫んでいた。
プリキュアたちの攻撃もはねのけられ彼女たちは絶体絶命の危機に陥るが、キュアエールの「絶対に逃げずに立ち向かう」という覚悟にアスパワワが反応。プリキュアのための新たな力として、ミライクリスタル・ローズと「プリキュアの剣」が生み出された。
街を救うためにエールは剣を手にしてオシマイダーに斬りかかろうとする。しかしこのとき、エールの目に怯えるチャラリートのビジョンが一瞬だけ映る。それは実際には目で見たものではなく心で感じ取った幻覚のようなものだったが、エールはすんでのところで斬りかかるのを止めた。
だが当のチャラリートは、剣を構えて襲い掛かってきたエールへの恐怖心がトリガーになって、完全な暴走状態となる。ミライクリスタル奪取の任務さえ忘れ、ただ自分へのコンプレックスを露にして心情を明かしながらエネルギーを無尽蔵に放出していき、その体を収縮させていく。このままでは彼は跡形もなく消え去ってしまうかも知れない……
「いつも中途半端、なんにもできないなんにもなれない、オレには何の才能も無い…」
子供のように泣き叫ぶ彼の言葉には、飄々とした態度の裏に隠し続けていた本心があった。これまで学校や子供等、明日への希望に満ちた存在をあからさまに嫌っていたのも、コンプレックスの裏返しだったのかもしれない。
キュアエールはそのチャラリートの姿に、前話で変身不能に陥って苦悩していた自分の姿を見た。必要なのは剣ではないと悟ったエールは、チャラリートを優しく抱きしめ大量のアスパワワで包み込む。
最終的にはプリキュアの剣が形を変えたメロディソードの決め技、プリキュア・トリニティコンサートによって浄化される。
最後は「心があったけぇ… オレにも、未来が…」と呟いて、穏やかな表情のまま自我を取り戻していった。
浄化されたチャラリートの末路はここでは明かされなかったが、少なくとも、今回の出来事でチャラリートは心を救われたに違いない。(浄化された直後には1本の木が誕生しているが、第12話以降のオシマイダーも浄化後に木に変化したことから、トリニティコンサートの演出であることが判明した)
なお、同話のエンドカードでは「HUG VEIWER」なるYouTube風の画面で「おれちゃんおつかれチャン~☆」と題が付けられた動画にチャラリートの姿があり、はな、さあや、ほまれからはクランクアップの如く花束や鉢植えを渡されていた。
この演出から再登場の程は不明だったが…
退職、そして転職(第12話)
彼の行く末は視聴者から心配されていたが、翌第12話にて上記の「HUG VEIWER」らしき動画サイトで「チャラチャラチャンネル」なるものを立ち上げ、動画投稿活動をしていることが判明。あのエンドカードは彼の今後の伏線となっていたのである。
会社からは解雇されたと思われ、本編中におけるクライアス社からの最初の離脱者となった。外見こそ全く同じだが、よく見ると瞳のハイライトが増えているのが確認できる。
これをスマートフォンで見ていた主婦には「超イケメン!ちょっとチャラいけど」と気に入られており、中々の好感触である模様。現代にて元気でやっているようである。
現在のところチャラリートがクライアス社の害になるような行動をとっていないこともあり、幸いにもクライアス社側は彼を放置している。(これはむしろクライアス社の本質を大きく表してもいるが)
なお、本編ではこの後にルールーがプリキュアの正体を掴もうと出現場所や目撃証言のデータから分析して野乃はながキュアエールであることを掴み、彼女の家にホームステイするというスパイ活動を行うことになる。当然、ルールーは薬師寺さあやや輝木ほまれとも知り合うのだが、しばらくの間はほまれとさあやがプリキュアだということを気づくことはなかった。
しかし、プリキュア3人の覚醒に立ち会ったチャラリートは変身前のプリキュアの正体を3人とも知っているはずであり、少なくともほまれについては彼女の経歴まで調べて罠にかけたうえで、プリキュアに覚醒した場面に立ち会っている。
つまり、どうやらチャラリートは自分がプリキュアの正体を知っている事実を報告せずに社を離脱したということらしい。最後の最後までブレなかったというべきだろうか。
もっとも、クライアス社は「プリキュアを探す」ことが初期目的の組織なため、はな達の素性が早期に情報共有されていたら大変なことになっていただろう。プリキュア側にとってはチャラリートのお手柄と言えるかもしれない。
再会、新たなステージ(第24話~)
転職を最後に物語から長らく離れていたが、第24話で突如パップルと共にナイトプールを訪れた。
ハリーにイケメンというステージで一方的に張り合ったりえみるとルールーの活躍を笑顔で応援したりと、新たな人生を楽しく歩んでいることが窺える。
なお動画投稿者としての進捗は、数か月活動していて再生数は未だ3ケタ台(最大283)という厳しい状況下。本人は全く気にしておらずむしろ「ニューカマー」と張り切っており、今後に期待といったところだろうか。
ルールーがプリキュア側にいることや彼女と共にプリキュアになったえみるの存在についても特に驚いた様子は見せなかったため、同話で初めてはな・さあや・ほまれをプリキュア変身者と認識していたパップルとは情報を交換していた模様。
パップルが立ち上げた芸能事務所に自分も所属しており、その事務所のタレントとしてえみるとルールーを引き入れようとしたため、今後はこのあたりの縁でプリキュアと深く繋がっていくことだろう。
第25話では再生数を例えに出して再度勧誘するが結局断られ、資金稼ぎのため夏祭りの屋台で稼ぐことに。
チャラリートは型抜き屋で、更にはなたちの記念撮影のカメラマン役にも応じている。
シャッターを押す際「チャラリーズ!」と独自の掛け声を発した。
第27話ではチャラリンクスなる新作の帽子を買いにハグマンへ出かけるが、なんと開店前に来てしまう。
その結果森太郎の案でハグマンを手伝った際は得意のダンスで培ったフットワークで意外にも器用に働く要領の良さを見せた。
クライアス社の社員時同様に赤ちゃん嫌いは治っていなかったのだが、なし崩しにはぐたんをだっこした際はダンスの経験で腰がしっかりしていることから安定した姿勢をキープできることが判明し、はぐたんも上機嫌。チャラリートもはぐたんの反応に機嫌を良くし「悪くないじゃんYo!」とデレデレになり、赤ちゃん嫌いを克服した。
その後、ハグマンの手伝いを共にした内富士先生の子供の出産に最後まで付き合う義理堅さもみせた。
第28話ではMAAのタレント犬ハルのオーディション参加を見届けに来た。
その最中猛オシマイダーが会場で暴れ出したため自分たちも逃げるが、この時あろうことか関係者全員転んでしまった社長を置いて全力ダッシュする。当然パップルから恨まれることになり、後で何らかの罰が与えられただろうことは想像に難くない。
第42話では、スケート大会に出る若宮アンリをどう応援すればよいか思案していたはなに声をかける。動画の視聴者から送られてくるコメント、そして第11話のエール=はなとの一件を引き合いに出して「頑張れなくなった時に、今までもらった『頑張れ』が効いてくる」と、応援された側としてはなの背中を押した。
なお、この際はなのことを「ちゃんはな」と呼んでいた。
この後、アンリは想定外の悲劇でスケート生命を絶たれることになるが、はなは「私、何て言えばいいかわからないよ」と本音を漏らしながらも、アンリをただ必死に応援していた。本人が耳を塞ごうが構わずに。それは、チャラリートが背中を押してくれたからこそできたことなのだろう。そしてはなの必死な応援が一度限りの奇跡のプリキュアを生み出すことになる。
第47話にてクライアス社の本格的侵攻に立ち向かうべくMAA全員で助太刀する。
チャンネル登録してくれた25人のファンのため、チャラリートは得意のダンスを活かした身体さばきで猛オシマイダーをいなした。
「サンキュー… ちゃんはなのフレフレ、オレちゃんの心に残ってる。大人だってなんでもできる! なんでもなれる!」
第49話の描写から、2030年時点ではまだ小学生だと判明した。
キュアトゥモローがはぐみと同年齢かつ14歳時点でクライアス社と対峙すると仮定した場合、本編中の彼は概ね見た目通り20代半ば程度と推察される。
中の人
演じる落合福嗣はプリキュアシリーズ初出演。
中堅以上の声優の配役が多いプリキュアの敵役の中では数少ない若手声優でもある。
落合自身もちょうどプリキュアシリーズのメイン層の年齢に当たる年頃の(放映年度に4歳と2歳)娘2人を持つ父親だが、悪役は小さい女の子には好かれないのか、第1話放映後「チャラリートは嫌い」と言われてしまったそうである。(twitterより)
ただ、大きいお友達、特にお姉さん方には「美形チャラ男」「この外見と口調ながら社畜」ということで第1話から人気が高く、twitterでトレンド入りはもちろん不穏なサジェストが表示されるなど早くも話題となっていた。
また、父・落合博満氏からは本作を見た感想として「まずは見積り書出すのが先だぞ」と言われたとの事。
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