「水もしたたる良い男、カッパード参上ッ!」
CV:細谷佳正
概要
今作の敵・ノットレイダーの一員。
水色の肌とセミロングの緑髪を持つ河童のような風貌をしており、頭頂部の皿は時折光る。本人曰く、水陸宇宙両棲の種族であるらしく、宇宙空間でも宇宙服等を着用することなく自在に動き回れる。
そのためか、作中では地球外が舞台のエピソードの際に登場する頻度が高い。
自ら「水も滴るいい男」と称する通り、整った顔立ちをした優越感溢れるナルシストな性格で、会話をしながらポーズを取る癖がある。さながら本物のカッパのように体が水に濡れている時に最大限の力を発揮できるようで、戦いに挑む前に水浴をする様子もよく描かれている。海洋惑星であるプルルン星を舞台にした第28話では明らかに普段よりもパワーアップしていた(本人もすこぶる調子が良いといきりたっていた)。
また、これまたカッパの甲羅を模したような戦闘用ボディスーツを着用している。顔にはゴーグルのようなものをつけており、首につけているチョーカー型の翻訳機を用いることで地球の言葉を話すことが出来る。本人の発言から翻訳された言語からどこの惑星か把握する事も可能な模様。
高い実力を持つ武人だが、良くも悪くも根拠のない自信に満ちており、それは彼の長所でもあり短所でもある。
相手を侮る事はしないのだが「目の前にいるのは確かに強敵だが、自分はそれ以上に強い」と自分に酔いしれるタイプで、結局はそれが油断を生み足元を掬われる事はよくある。しかしそれで敗北しても「たまたま運が悪かっただけ」と解釈してあまり屈辱は感じないタイプでもある。メンタル的には打たれ強いと言えるだろう。
そしてプリキュアとの戦いに対して憎悪を持ち込む事は全くなく、むしろいつも楽しそうに戦う。テンジョウやアイワーンのようにプリキュアたちを見下すような態度はとらないが、彼女たちに本気を出させるためにわざと怒らせるような挑発的言動をする事はよくある。
また、戦うのが好きなためか、侵略そのものが目的の時でない限り、あるいは戦闘する対象(プリキュア)がいない限り積極的な戦闘は避け、非戦闘員の一般人を暇潰しのように無意味に攻撃しない(但し、戦いが始まればその場にいて巻き込まれる事には頓着しない)。
地球のことは文明が原始的としつつも資源に恵まれた星として評価しており、戦いの際に環境を傷つけることを避けている。一方、宇宙が舞台の話ではそんな配慮は一切なく地形を破壊するような豪快な荒れた戦い方も辞さない。
なお、下記で示されているようにカッパードは「違う星の住人同士が分かり合えるはずがない」という理念があり、それゆえに異星人同士の交渉は支配するか支配されるかの力関係でしか成り立たないと思い込んでいる。
一方、ノットレイダー自体が様々な星の住人の寄せ集めでありながら、カッパードは皆を平等に同志として扱っている。特にガルオウガに対しては本心から敬意を示しており、カッパードにとってノットレイダーという居場所は「違う星の住人同士でも分かり合える」ことが実現できている空間でもある。
だが、カッパードはそのことに全く気づこうとしておらず、自分の理念と本心とが矛盾を抱えている側面を持っている。
戦闘能力
戦闘員ノットレイを率いて戦う物量戦術を得意とするが、テンジョウのように後ろで控えて指揮するのではなく、自らが先陣を切って直接プリキュアと斬り合う武人。
緑色の双刃剣型のレーザーブレードを得物としており、組織の幹部だけあって高い戦闘能力を持つ。
本作ではプリキュア側に剣キュアがいないので、カッパードとの戦闘は肉弾VS白兵というプリキュアシリーズではあまり見られなかったパターンが展開されることになる。
また、皿に吸収した水を剣に纏わせ、大渦を巻き起こす「カッパード・ストライク」なる必殺技を持っている。敵の技に技名がある点についてもプリキュアシリーズでは割と珍しい。属性上有利なキュアソレイユを(てんびん座の力を受ける前までではあるが)追い詰めた。
ダークネストによる強化後
「我が刃よ! とくと吸え、歪んだイマジネーション!」
第12話でノットレイダーの首領であるダークネストより力を与えられた事により、武器であるブレードがパワーアップ。
ネガティブな思いに囚われている人間から「歪んだイマジネーション」を抜き取りブレードに取り込むことで、自身の武器をブレードとは異なる形状に変形させて様々な能力を発揮することが可能となった。(ただし、アイワーンのダークペンのような「ポジティブな思いを強制的に闇に染めてネガティブにする」ことはできない)
変化した武器の形状は、「イマジネーションを抜き取った人物そのものの姿」か「その人物にとっての想像力を刺激する事物」のどちらかがモチーフとなっている。また、変形した武器には黒いハートマークが刻印される。これらの特徴はノットリガーと同じ。
イマジネーションを抜き取られた人物は意識を失うが、ノットリガーのように自我が武器に宿ることはないようだ。その人物を助けるには武器に対してプリキュアの浄化技を命中させねばならない。
武器が浄化された後はカッパードは継戦しようとはせず、「今日は武器がイマイチだった」と吐き捨てて撤退するのがお約束となっている。
なお、武器強化能力が与えられた第12話以降でも歪んだイマジネーションによる武器の強化を行わない時もある。なぜなら、ネガティブな気持ちに囚われてる一般人が都合よくみつかるとは限らないからである。
ただし、そのような状況でもカッパードがプリキュア達との戦いを選ぶということは、武器の強化をしなくても勝てる自身と算段があることを示しており、作中でもそういう話の時は彼が強気な理由が描かれる。
カッパードのブレードの変形形態
登場話 | 形状 | 能力 | イマジネーションを奪われた人物 |
---|---|---|---|
第13話 | サーフィンのボード | 波に乗る様な高速移動にそれの応用による障壁の展開 | 軽部タツノリ |
第17話 | フレイル | 端についている棍棒を振り回し、圧倒的な攻撃力を生み出す | ドラムス |
第23話 | 綿あめ | 振り回しで綿あめを飛ばして攻撃 | コピーフワ |
第26話 | ハサミ | 先端についている鋏で相手をグラッピング(劇中では未遂) | ヤンヤン |
第33話 | 剣と盾 | 剣撃と盾からの衝撃波攻撃 | イエティ |
第35話 | 桜花モチーフのトロフィー | 漆黒の桜吹雪を起こしての拘束 | 姫ノ城桜子 |
第37話 | キャンディの包み紙モチーフのメイス | 剛力による殴打 | 口論していた観星町の住人 |
第40話 | 弓矢 | 上空から無数の光弾を降らせる(ノットレイも巻き添えを喰らっていた) | 香久矢冬貴 |
第45話 | 三日月型の刃がついた鉾 | エネルギー弾/水の操作 | カッパード自身 |
過去
カッパードはノットレイダーの中でも資源に強い執着を見せ、また「違う星の住人同士が分かり合えるはずがない」と強く信じているが、その理由が第37話で断片的に明かされている。
宇宙のどこかに水の豊富な星があり、宇宙を旅する者たちにも無償で分け与えたことで、この星は宇宙のオアシスのような位置付けで発展していた。幼い頃のカッパードはこのオアシス惑星の定住者の家族の一員だった。
しかし、幸せな時間はそう長く続かなかった。外から来た異星人たちの間で水源の使用権を巡り争いが起こるようになり、最終的にイナゴのような見た目の異星人が水源を使う権利を合法的に獲得したのである。
それだけならまだいいが、彼らは非情にもこの星の水を全部吸い上げて自分たちだけのものとして独占してしまった。この星にもともと住んでいた住たちはオアシスが枯れ果て星が死んでいく光景を忌々しげに眺めるしかなかった。その中には幼き頃のカッパードもいた……。
また第37話ではカッパードは観星町の噴水の前で互いに口論する地球人を見て、かつての記憶を呼び覚まして苦々しい表情を浮かべていた。
普段の彼ならば上質な『歪んだイマジネーション』を得られて喜ぶはずだが、おそらくこちらが本心なのだろう。
本編での動向
地球へと侵攻(第1話~第11話)
第1話と第2話で連続して登場し、その時点では詳細が不明だった敵組織ノットレイダーの顔として視聴者に印象付けた。
組織の目的を辺境惑星の少女星奈ひかるに語り、プリキュアの出現に動揺し、敗北を認めない捨て台詞を残して逃走するなど、テンプレ通りの初期登場幹部としての役目を忠実に果たしている。
第1話ではスタープリンセスたちが生み出したフワを手に入れるため、フワを守るララやプルンスを追って地球に襲来する。
しかしキュアスターが誕生し、「プリキュアとは楽しませてくれる」と手下のノットレイたちを差し向けるも、簡単に蹴散らされる。
覚醒したばかりのスターよりも、宇宙で戦い慣れている自分の方が有利と高をくくったが、「フワはわたしが守るんだから!」と攻撃を跳ね返され、「プリキュア・スターパンチ」を相殺しきれずダメージを負い、「ラッキーは2度も続かない」と捨て台詞を吐いて去って行った。
第2話ではどこかの湖で水分を補給することでエネルギーを蓄え(この際、テンジョウと連絡を取っている)、再びフワを奪わんとララ達を襲撃。
ノットレイ達にスターを足止めさせ、その隙にフワを奪おうとするが、スターはララに「プリキュアになって!」と叫ぶ。
前回の捨て台詞同様、「奇跡は2度も起きない」と否定するカッパードだが、プリキュアになりたいというララの想いに応えたフワが変身スターカラーペンを出現させ、二人目のプリキュア『キュアミルキー』が誕生。
再びプリキュアが生まれてしまったことに「ありえん!奇跡が2度も起きるなど!!」と狼狽するも、ミルキーに「2度じゃないルン!昨日は星奈ひかるの奇跡、今日の奇跡は私の奇跡ルン!」と突っぱねられる。
「ならば終わらせてやる!」と「カッパード・ストライク」でミルキーを仕留めようとするが、電撃を操るミルキーとは相性が悪く、「プリキュア・ミルキーショック」を右肩に受けて敗北。「濡れた体に電撃は堪える…」とまたも捨て台詞を吐いて撤退した。
第3話で前回受けたダメージを癒すためなのか、何故か上半身裸で滝に打たれていたところにテンジョウが現れ、「ガルオウガ様が、すぐに戻れと命じている」と告げられる。
フワ奪取に燃えるカッパードは「お前にフワを手に入れられるものか」と反発するが、テンジョウの狙いは別にあった。
そして第4話では本拠地の暗黒星雲に戻り、ガルオウガから主の覚醒とプリンセススターカラーペン奪取の命を言い渡される。アイワーンから高性能レーダー「ヒットレイダー」を貰い再び地球圏へ戻ろうとするも、地球軌道で策を練っていたテンジョウに制止され・・・
この第4話以降はしばらくの間、プリキュア達がいる地球圏はテンジョウが主に担当し、カッパードは宇宙に散らばるカラーペン探索の任務に出ることとなる。
だが、プリキュアたちがスターカラーペンの探索のためにロケットで宇宙に冒険に出るようになってからは、ペンの奪い合いとしてプリキュアと刃を交えるようになった。
第8話ではケンネル星のプリンセススターカラーペンを回収する為に出撃。この際、ケンネル星を「実に原始的な惑星」と馬鹿にしていた。
ここで同じくペンを探して現地にやってきていてでプリキュア達と遭遇。実に6話ぶりの戦いとなる。
その後てんびん座のプリンセススターカラーペンの処遇について言い争っているプリキュアとケンネル星の住民を尻目にペンを奪おうとするがあえなく発見され実力行使に出る。
ノットレイを駆使してペンを奪おうとするも最終的にペンはソレイユが手にすることとなり、彼女の放った「プリキュア・てんびん座ソレイユシュート」でノットレイごと吹き飛ばされた。
なお、ケンネル星は立派な毛並みがあることが美醜の基準となっているが、よりにもよって別の意味に捉えられかねないヘアスタイルのカッパードが来訪する事となったのは何とも皮肉な話である。幸いにもそのことについては一切触れられていないがこの星での彼の評価は火を見るよりも明らかであろう。
第10話では度重なる失敗をガルオウガに叱責され、テンジョウやアイワーンと共に冷や汗を流すも、『あのお方』から力を授けられ、3人揃って出撃。惑星クマリンでの戦いで、プリキュア達を圧倒した。
戦闘時、カッパードの攻撃のあおりで、宝石のように美しい惑星クマリンの自然が破壊され、「このような過酷な環境の星、価値はない。消えたところで痛くも痒くもない」と意に介さない彼に対し、キュアスターは「星にはその星の良さがある!厳しい星だけど厳しいからこそ綺麗なの!」と突っかかるが、その言葉を聞いた途端、余裕の笑みを浮かべていたカッパードの表情が一変し、「ぬくぬくとした環境で生きるお前が知った風な口を!」と激怒してキュアスターを叩きのめす。
テンジョウも「お子ちゃまにはわからないわよね」と同調し、侵略者である彼らにもそれなりの事情がある事をキュアスターは感じ取るが、カッパードにおうし座のプリンセススターカラーペンを奪われ、命からがら逃走する。そしてカッパードは手を緩める事なく、「この機に乗じ、行くぞ、地球へ」と地球を標的に定めていた。
続く第11話では、アイワーンが開発した合体ノットリガーの素体となる。圧倒的な力でプリキュアたちを追い詰めるも、キュアスターの想いに応え生まれたトゥインクルステッキで大ダメージを受ける。
ダークネストによる強化(第12話~第36話)
第12話でダークネストによる強化をえたカッパードは、上述のように武器強化能力を得る。
この後もカッパードは主に宇宙に散らばるペンの回収が主な任務として動いているようだが、たまに地球へ出撃してプリキュアから既存のペンを奪おうともしている。
プリキュア討伐をテンジョウだけに任せるのは荷が重いと判断されたのかもしれない
強化後の初陣は第13話。
休日の観星中学校でプリキュアたちが集まっていたところに襲撃し、彼女たちのペンを奪おうとする。
間違えて登校してきた軽部タツノリを素体にサーフボード型の武器を錬成しプリキュアを圧倒するが、ララの「まだ日直をしていない」という強い気持ちに押されまたも敗北。
第17話ではペンの反応を追いゼニー星へ赴く。ドラムスの屋敷にある警備を窓から突撃することで容易く突破する。中にいたドラムスを素体にプリキュアたちと応戦するも、ブルーキャットが咄嗟にカードを目隠しとして投げたため隙が生まれる。折角手に入れたおとめ座のプリンセススターカラーペンはキュアソレイユに奪還されるのだった。
第20話、第21話ではガルオウガからの指令として、惑星レインボーでプリキュアとの戦いに苦戦しているアイワーンの助っ人に参上。だが、当のアイワーンは他人の手は借りないと自らノットリガーとなり暴走。カッパードはそんなアイワーンを強い覚悟の表れと尊重し、彼女の意志通りに静観することに。
キュアコスモの覚醒やキュアスターたちの再変身などの大きなイベントの後、なんとダークネストがアイワーンの魂を贄にする形で喰らい尽くして憑依してくる。カッパードは仲間のアイワーンの自我が陵辱されたことにショックを受けるどころかダークネストの闇の力に感嘆。そしてアイワーンの意識が消えた=彼女の意志を尊重する必要はなくなったとして、静観の立場から一転して戦場に参戦。「ダークネスト様の御前、がぜん士気あがる!」と部下のノットレイ達ともども今まで以上の勢いでプリキュアたちに襲いかかってくる。
キュアスターを一方的に痛めつけ「惑星クマリンで牡羊座のペンを取り返せなかったせいで、お前たちは今追い込まれているのだ」と煽るが、ボロボロのスターは強い意志を秘めた瞳で立ち上がる。カッパードはその胆力に武人の誇りを感じ素直にスターを褒めるも、スターの瞳にカッパードの姿など写っていなかった。だってスターはただダークネストに意識を支配されたアイワーンを助けるために立ち上がったのだから。
最終的にアイワーンが救出され正気を取り戻した際は、それ以上の追い討ちはせず潔く撤退した。このときにアイワーンも共に帰還するように促したものの、アイワーンは今回の屈辱的な敗北でおめおめ組織には戻れないとしてそのままノットレイダーを脱退する。
第23話ではプリキュアたちからペンを奪うため久々に地球へ(第13話から10話ぶり)。しかしコピーフワの増殖でプリキュアたちがパニックになっているところにやってきたため、フワの奪還に作戦を切り替え、なんと実際に捕獲してしまう。そのままさっさと撤退すればいいものを、新戦士であるキュアコスモ と一戦交える誘惑には勝てなかったようで、閉じ込めていたフワをわざわざ解放し武器錬成の素体にして「助けたかったら自分を倒せ」という感じでプリキュアたちの相手をした。そしていつもどおりにプリキュアたちに逆転されるわけだが……
第26話ではサマーン星へ向かってスターロケットで航行中のプリキュアたちを追撃。
プリキュアたちはカッパードとノットレイ部隊を追い払うべく宇宙空間での戦闘を余儀なくされ、スター以外はその経験がなく終始カッパードが有利だったが、プリキュア側はチームワークで経験のなさをカバーしカッパードを撤退に持ち込ませた。
しかしこの戦いでプリキュアたちのスターロケットのブースターは大破してしまい、その修理のためにプルルン星へ行くことになった。
そのプルルン星の中核部でロケットの修理をしているところに、再びカッパードが来襲する(第28話)。プルルン星は水の惑星であるためカッパードはいつもよりも力を出せると語っており、どうやら彼は周囲に水分が多ければ多いほど強くなる様子。必殺技のカッパードストライクの連打でプリキュアたちを苦しめたが、キュアソレイユとキュアセレーネの想定外のコンボ技を受けて撤退される。
サマーンにあるかに座のペンを回収する任務自体はテンジョウが受け持っていたので、この後はサマーンへは向かわず地球圏に戻り、最後のペンとなるうお座のペンの回収任務につくことに。
第31話でアステロイドベルトを高速で移動していたペンをどうにか見つけ出すがその速度ゆえにUFOで追いかけるのが精一杯で捕獲ができなかったところに、その座標を伝えるようにガルオウガから連絡があり、その通りにするとペンの前方すぐに転移ゲートが開き、ペンはそこをくぐってガルオウガの手元へと回収される。そこは月面で、ガルオウガはキュアスターと交戦中であった。
この話の冒頭でガルオウガは部下に任せるのではなく自らがプリキュアからペンを回収するとダークネストに直接言っていたのでカッパードは手出しはせず観戦に徹していた。最終的に宇宙空間で生身で行動できないガルオウガが、ダークネストからもらったパワーの増強の時間切れで撤退を余儀なくされた。
この第31話終盤でフワがユニコーン形態になってからは、ダークネストからの優先任務がフワの奪取となる。と言ってもカッパードのやることが何か変わるわけではないが、今までとは逆に地球を舞台にする回での登場が多い傾向となった。
第33話ではフワの余計なお節介に手を焼いたイエティのストレスを利用して武器化。フワはこの話でイエティに迷惑をかけたと後悔し、責任感を芽生えさせる成長のきっかけとなった。
第35話は生徒会長選挙でひかると争っていた姫ノ城桜子をターゲットにして武器化。想定外の絶大な力を発揮したことにカッパードは、キュアスターに「よっぽどお前はあの女に嫌われていたようだな」「歪んでいる、実に歪んでいる」と歓喜の感を述べる。しかしスターはそれは違うと真正面から否定し、相手のことをわかってない状態で嫌うも憎むもない、自分も桜子も本当はまだそんな状態なんだとして、だから自分も相手を嫌う前に相手のことを知りたいと反論。その言葉はカッパードにとって心をざわめかせるものだったようで「敵とわかり合う事になど意味はない!」といつもの余裕を失いつつ叫んだ。そんなカッパードに怯まずスターが自分の思いを貫こうとしたとき、ひかるのスターカラーペンダントから光が溢れ出し、カッパードの攻撃が全て無効化された。
だがこの時点ではそれがトゥインクルイマジネーションの覚醒だったとはまだ誰もわからず、カッパードは困惑の中撤退することになる。
過去との対峙、プリキュアとの対話(第37話~第45話)
第37話では観星町の仮装コンテストに巻き込まれる羽目に。
実際パッと見はとてもよくできたコスプレの人間に見えるため評判は良く、たくさんの住人から写真撮影をお願いされていた。なお戸惑いながらも撮影時にはばっちりキメ顔をしている。
しかし仮装の出来を比べののしり合う一部の住人の姿には思うところがあり、彼らの歪んだイマジネーションを武器化したカッパードは怒りと悲しみが混じった複雑な表情を浮かべていた。
また、すっかり中学校のみんなと馴染んでいるララに「地球人にでもなったつもりか!?」と八つ当たり半分に厳しい言葉をぶつける。戦いに敗れた後にもララに対し「いずれ、裏切られるぞ」と捨て台詞を残し撤退した。
地球人と深く交流を持つサマーン星人に、かつて異星人に母星を蹂躙された過去を持つカッパードには思うところがあるのかもしれない。
……その後、仮装コンテストでなんと『カッパと愉快な仲間たち』として優勝するも、既に去った彼は知る由もなかった。
そして第40話はカッパードの予言が的中する。冬貴の罠によってララが宇宙人だという噂がクラス内に蔓延してしまったのだ。もちろん証拠はない。しかしここ最近学校周辺で起こっていた失神事件のこともあり、一度感じてしまった疑念がクラスメイトたちの歪んだイマジネーションを増幅させ、ララは周囲から孤立してしまう。
そしてその歪んだイマジネーションに目をつけたカッパードが放課後の学校に侵攻し、クラスメイト達に襲いかかろうとした時、ララが立ちふさがる。
「だから言っただろう、いつか裏切られると!異星人同士がわかりあえるはずなどない!」と同情と怒りの混ざり合った複雑な感情で叫ぶカッパード。もはやララにできることなどない。もしもララがここで変身してしまえば、クラスメイト達は異質な力を持つララをもはや怖れるしかなくなるだろうから。地球での生ぬるい生活に甘えていたララがそれを捨ててしまう選択をできるわけがない…
だがララは「わたしの事はわかってもらえなくても、わたしにとっては大切な友達ルン!」と躊躇することなく皆の目の前で変身。クラスメイト達のイマジネーションを吸い取ろうとするカッパードの攻撃から盾になって守る。
「わからんな、なぜお前が地球人を守る?」と訝しむカッパードに、「確かにわたしはサマーン星人ルン…でもわたしは……わたしは2年3組・羽衣ララルン!」と痛みを堪えつつ返す。地球人とか宇宙人とかの次元ではなく、今はただクラスメイトの1人としてみんなを助けたいだけだと。
カッパードは苛つき、「その守ろうとしている者達の歪みにやられるがいい!」と、改めて歪んだイマジネーションを吸い上げようとするが、クラスメイト達はそんなララの姿を恐れず見守りながら、口々に応援しだす。もはやみんなの中に歪んだイマジネーションはなかった。ララの本心はクラスメイトたちの心に勇気を与えたのだ。カッパードは代わりに調査のため観星中近くに来ていた冬貴からイマジネーションを奪い、ノットレイも巻き添えにするほどの猛攻を見せるが、クラスメイト達の言葉がララの勇気にもなり、彼女はトゥインクルイマジネーションに覚醒。カッパードは撤退を余儀なくされるが、この一連の出来事はカッパードにとっては認めるわけにはいかなかった。種族の違うもの同士がわかり合うことができるというなら、自分がこのような目に遭っているはずがないからだ。
第45話ではダークネストの「最終作戦」が近づく中、カッパードはその最終作戦に内心では不信感を抱いていた。
その不信を感づいていたダークネストは、先にフワを奪えば最終作戦の発動は必要なくなるとして、「これが最後だ」として出撃を命じる。
カッパードは全てに決着をつけるため、部下を連れずに1人でひかるの前に現れ、フワを賭けて対決を挑む。
カッパードは今はプリキュア達の周囲の連中が種族の垣根なく仲良くやれていることに、かつての自分も子供の頃はそうだったと思い返しつつ、だがそんなものはいっときのことでしかないと経験者ゆえの弁を述べながら、キュアスターを追い詰めていく。
「人は変わる。イマジネーションなどすぐ歪む。それなのにお前は…『大好き』『キラやば』…いつもいつもそればかり!そんなものは無力!終わりだ…!」
憎悪をたぎらせ圧倒的な力でスターを蹂躙し、変身も解除された。そこに仲間達が駆けつけてくれたおかげでとどめは刺されなかったが、仲間達もカッパードの猛攻に倒れていく。ひかるは自分の無力を嘆き、自分がトゥインクルイマジネーションを見つけられていればこんな無様な姿は見せないのにと悔しがる。そんなひかるに「見つけられるはずがないだろう、お前ごときが。この宇宙の現実も知らず、異星人同士が理解できるなどと、綺麗事を言っているお前ではなぁ!」とカッパードは罵声を浴びせる。
黙りこくるしかないひかるだったが、だが、ララを始めとする仲間達がひかるがひかるであったから、自分たちはひかると繋がれたとして、ひかるらしさを悔やむ必要はないと反論する。
その言葉に、ひかるは自分が「キラやば」の言葉で表現していた気持ちを始めてロジックとして理解する。ひかるは「知りたい」のだ。「わたし、知りたい…宇宙の事、みんなの事…もっと知りたい!それにカッパード、あなたの事も!」それを聞いたカッパードは「知るだと?ぬるい環境で育ったお前に何がわかる!?」と逆上するが、ひかるは「うん、そうだよ。わからない…でも…だから、わたし…あなたの輝きも、もっともっと…知りたいの!」と叫び、そして一粒の涙がスターカラーペンダントにこぼれた。
それはひかるにトゥインクルイマジネーションを覚醒させ、再びキュアスターに変身。
カッパードの攻撃を受け止め、「怖くない。あなたの事が少しわかったから」と穏やかに言う。「ほざけ!お前らに何がわかる!」と怒り狂う彼に対しても、「他の星の人の事、信じられないかもしれない。でもさ、私の事やみんなの事もわかってほしい。知ってほしいの!怖がらないで…!」と説得を試みる。プライドを傷つけられたカッパードは、「オレが…恐れているだとーっ!?」とカッパードストライクを放つも、スターパンチが見事打ち砕いた。
そしてスタートゥインクルイマジネーションで敗北した彼に、スターは笑顔で手を差し伸べる。その曇りなき瞳に救いを求めるかのように、思わず手を伸ばしたカッパードだったが、ワープホールに吸い込まれて強制帰還させられてしまった。そしてダークネストは「お前の激しい歪み…憤りを滾らせるのだ!」と彼の体に謎のエネルギーを注ぎ込んでゆく…。
最終決戦とその結末(第46話~第49話)
ダークネストの最終計画とは、構成員全員に自分と同じ鎧を着せることで強化し、スターパレスへ総攻撃をかけることであった。この鎧は着たものの「歪んだイマジネーション」を増幅し戦闘力を強化する力があるが、その歪みに飲み込まれてしまうと理性を失い暴走するリスクもある危険なものだった。
だがこの計画は、ノットレイダーの勝利のためではなく、用済みとなった彼らをここで自滅させるためのダークネストの卑劣な裏切りの計画だったのである。なぜなら、ダークネスト……いや、その正体である蛇遣い座のプリンセスの真の目的はこの宇宙を消滅させることであって、現在の宇宙を支配しようとするノットレイダーの野望とは本質的に噛み合わないものだったのだから。
このあたりの真相と顛末は、蛇遣い座(プリキュア)の項目へ。
第47話では鎧の力をリンクさせることで蛇遣い座によって操り人形と化してしまったノットレイダーの構成員たちに対し、プリキュア立ちはその鎧のみ浄化することで解放させ自由の身にさせる。そして蛇遣い座から離反したノットレイダーの皆はプリキュア達と共闘を約束し、星空連合の艦船で蛇遣い座が居座るノットレイダーのアジトへと向かうことに。
だが、カッパードからすればそれはあくまで呉越同舟の関係でしかない。馴れ合うつもりはない中、
ひかるとララがおにぎりを勧めてきた。得体の知れない未知の物体を口にする気にならず、カッパードは素っ気なく「水でいい」と断るが、ひかるは「そう言わずにさあ~!おいしいよ!」とグイグイ迫る。押し切られて恐る恐る一口食べると「美味い!」。ひかるが笑顔で「ねっ、キラやば~っ☆でしょ?」と言うと、今までのように否定する事もなく、「ああ…」と微笑むカッパード。
カッパードが自分の考えを変えたわけではない。だが、ひかるのことを否定せず受け入れただけだ。
だけど、それが「つながる」こと。違うもの達が違うままつながる。ようやく、その第一歩となったのだ。
蛇遣い座との決戦では、プリキュア達に敵本陣への道を開けるために先陣を切って縦横無尽の活躍をしていた。
最終話では、連合からノットレイダーに与えられた無人の惑星をわずか15年で自然と水が豊かな惑星に開拓したことを驚愕するララやトッパーに対し、「はっ、当然! 我らを見くびってもらっては困るな」と超ドヤ顔で自慢していた。
余談
モチーフと名前の由来
名前の由来は「かっぱらう」と「河童」を掛けているものと思われる。
なお、一説には“河童は宇宙人だという説”が存在しているので、そこからモチーフが選ばれた可能性もある。
因みに東映動画の黎明期、初の宇宙物SF「宇宙パトロールホッパ」のメインキャラクターが河童型の宇宙人で、これは当時、現在のISASで開発されていたロケットが「カッパ(ギリシャ文字のK)ロケット」という名称で、これに引っかけてデザインされたと言われている。
また、ひかるは前作「HUGっと!プリキュア」最終回に先行登場した際、奇遇にも本物のカッパに遭遇している。
中の人について
担当声優の細谷佳正氏はプリキュアシリーズ初出演。
ニチアサキッズタイム作品では「仮面ライダーOOO」に登場したアゲハヤミー以来の出演となる。
中の人ネタ
細谷は機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズでオルガ・イツカ役を演じたために、こんなネタも散見される。
関連イラスト
曖昧さ回避
画像中央が- アニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』に登場する敵キャラ。本項で記述。
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プリキュアシリーズ内の関連キャラ
ジュリオ:2作前の敵幹部。最初にプリキュアと対峙する敵組織の幹部であり、一般人からエネルギーを吸い取って自分の武具を強化し、プリキュアと直接戦闘するところが共通する。
他作品の関連キャラクター
テペト星人/宇宙パトロールホッパ:河童似の宇宙人の大先輩。
阿久津真武…さらざんまい(作中にカッパが出てくる)のキャラクターで、同一CV。
彼方のアストラ…中の人がメインキャラを務める宇宙を扱った2019年夏アニメ。ヒロイン役にフワの他にプリキュア2名が出演。更にはストーリー後半にてもう一人加入する事となった。
ダリューン…同一CVの猛将繋がり。こちらは終始味方。5作前のラスボスの中の人も演った経験あり。