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  1. 西遊記』の登場人物。本稿で解説。
  2. 最遊記』の登場人物。→沙悟浄(最遊記)
  3. ゴゴゴ西遊記』の登場人物。→沙悟浄(ゴゴゴ西遊記)


沙悟浄(さ ごじょう)は、中国の冒険小説『西遊記』の登場人物である。

沙悟浄



概要

元々は天界に措いて、天帝側近として仕える高位の神将捲簾大将(けんれんたいしょう)」。
天界の宴席にて天帝秘蔵の玻璃のを破壊してしまい、その罪で下界に落とされ、水怪と成り果てて人畜を食い殺す日々を送っていた。
然し観世音菩薩の教化を受けて改心し、後に玄奘三蔵法師に弟子入りして取経の旅に同行、をサポートした。
ふたりの兄弟子(孫悟空猪八戒)と比較するとその活躍は割と地味で、兄弟子ふたりが立ち塞がる妖魔を相手にしている時も、専ら三蔵の身辺保護を任される事が多い。また、双方共に我が強く、喧嘩の絶え間が無い兄弟子達の仲裁に立つのは悟浄の役目である。
とはいえ真面目一直線の性格というわけではなく、初対面の八戒に「刻んで料理してやる」と言ったり、三清に成りすまして聖水を妖怪に授けるという兄弟子二人の悪事を止めるどころか進んで加担したりなど、案外にワルな側面もある。

武器は三日月形の刃のついた降妖杖、或いは降妖真宝杖。兄弟子二人の武器と異なり木製で、月で桂の巨木を永遠に伐る罰を受けている樵「呉剛」が伐った枝を、道教にて神格化された工匠「魯班」が加工した、誉れある逸品である。石突にはシャベル状のが付いている。

取経が成った後、釈迦如来から「金身羅漢」(こんしんらかん)の称号を授かった。

首飾りについて

数珠繋ぎにした髑髏をかけているが、この髑髏は全て天竺への旅の途上で力尽きた玄奘の前世のものである……のは、深沙大将の逸話。
沙悟浄の髑髏については「沢山の人を食って骨は河に放り込んだが、九人の取経僧の髑髏だけは水に沈まないので持っていた」と本人が言うに留まり、その由来についての言及はない。
玄奘が十度の転生を経た神僧であるという点と「九人」という点を結びつけることも出来るものの、妖魔が玄奘を狙う主たる理由は「十度の転生の内で一度も女性を近づけないことで溜め込まれた精気が含まれた肉を食えば不老不死となる」であり、転生の内で沙悟浄に食われた=精気を奪われたことがあるとすれば、この設定と矛盾することになる。また、玄奘が取経の旅で受ける八十一の難は彼の前世が人間に転生することからが始まりとなっており、転生の後に沙悟浄に食われたとするならば当然「難」に含まれるはずであるが、原典にその記載はなく、この点とも噛み合わない。
恐らく、沙悟浄の原型は確かに玄奘の髑髏を下げた深沙大将であるものの、『西遊記』が現在の形に成型される何処かの段階で髑髏の由来については欠落したのであろう。
なんであれ玄奘は死した同門の徒の助けを得て天竺への旅を続けることが出来たのである。


余談

日本では悟浄の事を河童の妖怪として表現する事が多い。これは原典に措いて、悟浄が水怪に身をやつした事に因むイマジネーションに基くものである。原典では「藍色の肌、振り乱した赤い髪、光る眼、鋭く尖った歯」が特徴とされ、体色から「竈(かまど)の神様」に間違われる事が多い。
本場中国では通常、赤い髪(どこかで見たような設定である)をおどろに伸ばした色黒で背の高い屈強な男(派生作品によってはを蓄えた風貌)として描かれるが、特に何の妖怪であるかの明言は存在しないに等しい。これまで研究家によってヨウスコウワニ説、ヨウスコウカワイルカ説など様々な「正体」が提案されている。
実在の玄奘の旅の過程をつづった大唐西域記では玄奘の祈りに応じて仏教の守護神である深沙大将が現れたというエピソードがあり、この深沙大将こそが沙悟浄の最初のモデルといえる。

また、中島敦は常に地味キャラとして描写される沙悟浄の視点から西遊記を描いた「悟浄歎異」「悟浄出世」を執筆している。しかし、その一方で地味キャラ故にアレンジが出来やすいという強みもあり、日本での翻案作品では様々なキャラクター描写がなされている。ちなみに、日本での「沙悟浄=長身痩躯」のイメージは堺正章主演のドラマ版岸部シローが演じた影響も少なからずある(例えばイケメン4人の珍道中で知られる『最遊記』では先述した通りの赤毛であるし、『ジャングルの王者ターちゃん』では色黒の巨漢であるアナベベターちゃんが「さしずめ沙悟浄」と茶化しているなど、チビデブというステレオタイプなイメージが先行しがちな悟空・八戒に比べて統一感はあまりない)。
香取慎吾版のドラマでは内村光良が演じ、こちらではを使用している。

武器の降妖杖は、鏟(サン)と呼ばれる、農業用スコップが原形の実在する武器がモデル。
さらに言うと、悟浄のものは「月牙」と呼ばれる三日月型の刃の付いた「月牙鏟」と呼ばれるものに相当する。鏟は本来、禅僧が遊行に際して護身用や遺体の埋葬に持ち歩くもので、仏門に入った悟浄のために誂えた武器とも言える。

沙悟浄をモデル・由来とする主なキャラクター


関連タグ

孫悟空 猪八戒 三蔵法師
西遊記

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