概要
ネグロイドと呼ばれる人種で、サハラ砂漠以南のアフリカにルーツを持つ。肌が黒いのが大きな特徴。
主にアフリカ大陸に住み、原初の現生の人類の直系子孫と言われ、他の人種に比べ遺伝的多様性が高い(25万年以上前にアフリカで生まれた原初の現生人類はその後も長くアフリカ内にのみ生息していた。初めてアフリカの外に移住したのはそれからかなり後の数万年前とされる。こうした背景からアフリカに住む人類の遺伝的多様性はアフリカ以外の地域を全て合わせたものよりずっと高い)
ネグロイドという言葉の由来はラテン語の「ニゲル(黒)」である。
英語発音の「ニグロ(イド)」は現代では差別語として認識されており、縮めた「ニガー」は当事者以外が言えば強烈な侮辱語となる。そのため、似た語感である日本語の「逃げろ」や「苦い」を誤解されてトラブルになるケースも多い。
アフロアメリカンともいうが、これはあくまでアメリカでのこと。かつてはBLACK(ブラック)という呼び名を誇っていたこともあったが、上記の「二グロ」と同じく今では第三者は使わないことが望ましい。
現在ではジャマイカやハイチなどアメリカ大陸の国々にも黒人は多いが、彼らは大航海時代の奴隷貿易で連れて来られた奴隷の子孫である。
肌色以外にも厚い唇、広い鼻孔、縮れた頭髪、小さめな頭部などが特徴。
尚、芸能人やポルノ女優のイメージが強いため勘違いしがちだが、ナチュラルに直毛の黒人は存在しない。
チョコレート色の黒肌が目に付く特徴であるが、やや色の薄い褐色肌の者もおり、一口に黒人と言ってもその形質は多様である(前述のように遺伝的多様性が高いことも一因)。マサイ族のように手足が長く長身の者から、ピグミーのように平均身長が150cmに満たない小柄な者まで幅広い。
誤解されがちだが、肌が色黒な人種=黒人というわけではなく、インドやメラネシアなどの南アジアにも肌の色が褐色肌や黒肌の人々がいるが、彼らはコーカソイドやオーストラロイドであり、中東のアラブ人もコーカソイドに属する。
また東南アジアやポリネシアにも褐色肌の人々が多いが、彼らはモンゴロイドに属する。
黒人の身体能力
黒人の身体能力は、モンゴロイドやコーカソイドよりも高いという言説が見られるが、科学的には立証されていない。というのは、(病気等の医療的な理由を除いて)人種差異を研究することは今日ではタブーであるため。
ケニアの陸上選手では民族集団ナンディやイテンという地域の出身の人が目立つが、長時間歩いたり走り続けるという生活をする人々であり、幼少時からの環境によるところが大きい。
出身地が偏っていることから、同国人、同人種の人すべての性質として、彼らのような走る能力があると一般化できないことがわかる。
アフリカ大陸は広く、気候もそこで暮らす人々の生活スタイルも多様である。農業や漁業などのおおまかの職業の種類も他人種と同じである。
スポーツのそれぞれの種目というのは、人体の動作のある形を特化させルールを定めたものであ
り、例えば力作業が出来ればトップになれるというものではない。
体の弱い人が死亡しやすく子孫を残しにくいとしても、人種・民族全体にスポーツに有利な体になるように淘汰が働くわけではない。
黒人の有名人・偉人たち
スポーツ界の有名人・偉人
創作物における黒人
欧米のように黒人奴隷問題とは無縁でほぼ単一民族で構成されている日本では観光客以外で黒人を見かけるのは珍しく、馴染みが薄いこともあって黒人キャラクターはスポーツ漫画やアメリカ等の海外を舞台にした作品以外では登場することは殆どない。
現実の日本でよく見かける肌が黒い人々は南方の東南アジア・南アジア人であり、創作物で描かれる褐色キャラは唇が薄いなど、東南アジア系・インド系・中東系・ラテン系白人の風貌か、白人の色を反転したような(もしくはアフリカ系とのミックスのような)風貌をしていることが多い。
一方で近年の欧米では多様性やポリティカル・コレクトネスが推し進められた結果、原作では肌が白いキャラクターや白人の俳優が演じていたキャラクターを黒人の俳優が演じることが増えている。
しかし黒人が一切存在しなかったロード・オブ・ザ・リングの二千年前の過去を描いた力の指輪では主要人物の大半が黒人になったことで世界観を無視していると海外ファンに批判されたり、実写化されたリトルマーメイドのアリエルの配役が黒人女性に決まって今までのアリエルのイメージが壊れると批判されて炎上するなど度々物議を醸している。
また、Netflixが手掛けたドキュメンタリードラマの「アフリカン・クイーンズ:クレオパトラ」では世界的に有名なエジプトの女王クレオパトラは史実ではギリシャ系の白人であったにもかかわらず、黒人女性の俳優がクレオパトラ役を演じたことで、エジプトの考古学者達から歴史を捏造しようとしていると反発されて大炎上し、米テレビ史上最悪レベルの低評価を受けた。
日本の漫画やアニメでは褐色肌のキャラクターが登場することはあっても黒人のキャラクターが登場することは稀だがその反面、海外では褐色肌のキャラクターを黒人の一つとして捉える傾向があり、『日本は黒人キャラのデザインに幅がある』と好意的に受け入れられている(アメコミでは下手するとホワイトウォッシュだと批判されるので、逆にこれでもかと特徴を強調した描かれ方をすることが多い)。
ゲームやアニメの英語吹替えでも褐色肌のキャラクターは黒人が演じるべきという声が強く、ギルティギアのラムレザル=ヴァレンタインは白人の声優から黒人の声優に変更され、機動戦士ガンダム 水星の魔女のスレッタ・マーキュリーに白人の声優が選ばれた際には非難の声が出た。
さらに海外ではここ数年の間にBLM運動が活発化したことで黒人の地位向上のために日本の漫画・アニメキャラクターを黒人に変更するBlacktoberが流行している。しかし、黒人ではないキャラクターの人種をそのような政治的な意図のために変更するのはそのキャラクターや作品に対する侮辱かつ文化盗用だと、ホワイトウォッシュは批判されるのにその逆のBlacktoberが許されるのはダブルスタンダードではないかという批判もある。
※ただし、このような版権キャラの黒人化については必ずしも全部が政治的な意図で行っているわけではなく、日本の二次創作界隈にも見られるような女体化や特定のキャラを「もしも○○だったら」というif設定によって別の属性として描くことがあるように、あくまでもそういう趣旨の二次創作として楽しむために行っているだけの場合もある。このため、日本の版権キャラが黒人化されているイラストがあるからといって、必ずしも政治的な意図やプロパガンダ目的で行っていると判断してはならない。
また、少しでも肌が色黒なだけで褐色肌や日焼けしたキャラクターを安易に黒人として認定する傾向には日本や海外でも批判されたり嫌悪感を持たれることも多い。これには海外の黒人当事者らのコミュニティからも一定数批判されており、同コミュニティやその他の黒人の地位向上団体に向けて「キャラの設定上、確実に黒人または黒人系と言えるキャラのみを黒人キャラと認識すべきだ」という形で抗議や注意の呼びかけがなされていることがある。
ちなみに白人や黒人はアジア人よりもメラニンの働きが弱いため、日焼けしても肌が赤くなるだけで黒くなることはないので、欧米圏ではアジア人が日焼けしたら肌が黒くなることを知らない人間が多い。
そのため、生まれつき地黒だったり黒ギャルなどの日焼けしているだけの日本人キャラクターですら(上記の理由で誤解されて)黒人扱いされるケースもある(例としてはイジらないで、長瀞さんの長瀞やBLEACHの四楓院夜一や僕のヒーローアカデミアのミルコなど)。
よって、褐色キャラと日焼けキャラを安易に黒人扱いするのは好まれず、批判を受けることもあるので黒人キャラは褐色キャラや日焼けキャラとは違うという区別と認識は必要である。
アメリカにおける日本のフィクション作品のファンからよく指摘されるのは、日本のフィクション作品は黒人をリアルさに拘らず魅力的に描くことを最優先するという点である。これは、アメリカのフィクション作品が黒人の描写のリアルさを追求するあまり魅力が失われている傾向にあることの対比である。そのためアメリカ人にとっては、日本のアニメはポリコレに対抗する最後の砦と言われる。一方で、黒人をリアルかつ多様性を尊重した描写で表現する技術も評価されており、決してエンタメ一辺倒ではない。
黒人のキャラクター
アフロサムライ(アフロサムライ)
アッシュ(ストレンジャーオブパラダイスファイナルファンタジーオリジン)
ガーターベルト(パンティ&ストッキングwithガーターベルト)
シャムス・コーザ(機動戦士ガンダムSEEDC.E.73STARGAZER)
J.D.モリソン(デビルメイクライ5)※初登場したアニメ版では白人だったがDMC5からは黒人に変更された。
ニック・フューリー(MARVEL)※オリジナル版は白人だがアルティメット版からは黒人に変更された。
バーディー(ストリートファイター)※初代作品では白人だったが続編で黒人に変更された。
マイルス・モラレス(スパイダーバース)※アフリカ系とヒスパニック系のハーフ
マルコ・ロドリゲス(餓狼 MARK OF THE WOLVES)
関連タグ
人種 ネグロイド アフリカ(系) アメリカ(アフリカ系アメリカ人) 奴隷 有色人種 エボニー
Blues HIPHOP ブラック/BLACK アフロヘアー