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概要

左右のこめかみに剃り込みの入った坊主頭に丸眼鏡をかけた、インテリ風の黒人男性。

主人公の女性武器商人ココ・ヘクマティアルの私兵で、部隊内ではリーダーのレームに次ぐ古参のベテラン隊員。

爆弾関連の豊富な知識と技術を持ち、部隊内では爆発物への対応をほぼ一任されている他、デルタフォースにも所属していた事から、残存する敵勢力の掃討(後片付け)で活躍。

また、他のメンバーが狙撃を行う際の観測手を務めることもある。

性格は温和で、目上や年長者には敬語を忘れず、メンバー最年少の少年兵ヨナにも丁寧に接する。

なお、社会的常識の乏しいヨナへの「授業」では語学を担当している。

本名はウィリアム・ネルソンと言い、あだ名の由来は「ワイリー・コヨーテ」。

アニメ版声優は乃村健次氏。

経歴

代々建築に関わってきた家系に生まれ、自身もバージニア工科大学で建築学を学んでいたが、何を間違えたのか軍人の道を歩みだし米軍少尉に就任。建物を建てる側から吹き飛ばす側になったというブッ飛んだ経歴の持ち主(大学へ在籍していた頃に建築爆破学の論文を書いており、それが軍関係者の目に留まったのかもしれない……)。

そうして湾岸戦争に第18空挺軍第20工兵旅団所属の工兵として駆り出され、当時デルタフォース大尉だったレームたちと共にイラクの化学兵器工場の爆破作戦に参加。

当初は米軍の最精鋭部隊から指名を受けたことで大いに戸惑い、彼らの完璧な仕事ぶりに圧倒されていたが、工場の防衛部隊が壊滅し、いざ自分の出番が来ると態度が一変。

敵の生き残りが放った銃弾が頭を掠めてもまるで意に介さず作業続行し、施設破壊には完全に不足していた手持ちの爆薬に工場内にあった250ゲージ化学爆弾を連結させ、さらに建築学の知識も活用、大規模な建物の要所を破壊し、自重で圧壊させた(なお、この際の負傷が原因で右こめかみの一部分に頭髪が生えなくなり、“バランスを取るため反対側も剃った。”というのはこの頃の思い出話のネタのひとつとなっている)。

その技術、応用力、胆力をレームたちに絶賛されたことで大きな自信を付け、また自らもデルタフォースの戦闘技術に魅了されたことで戦争終了後はさらに軍人として研鑽を積み、デルタ入隊の狭き門を突破。

しかし憧れの対象だったレームがすでに退役していたことで、彼もまた軍を辞めてココの私兵に志願し、彼女を狙う爆弾魔たちを相手に大活躍することとなったのである。

と、ここまでなら、高度な知識と技術を持つ百戦錬磨のベテラン工兵、といった風情なのだが……

ヤバい

彼の爆破技術を知る者たちは、口をそろえて上記の言葉を言う。

最高クラスの兵士であるレームでさえ「ワイリヤバい」と何の語彙もなく言い切るほど。

というのもこのワイリという男、爆弾を前にするとスイッチが入ったように人が変わり、遊ぶようにそれをいじくっては華麗な爆破技術を周囲の者たちに披露するのである。

元々戦闘工兵で爆破のエキスパートのお墨付きで様々な任務に就いていたので、ココの私兵に入った段階で既に超一流の爆弾技術を持っていた。

湾岸戦争でレームに手際をベタ褒めされたのをきっかけに「よりクールな爆破を皆に見てもらいたい」という思いに取り憑かれ、「爆破で遊ぶ癖」を持ち(レーム自身も自身がワイリの手際を褒めたのが発端だと自覚している)、ココがまだ駆け出しの商人だった頃の護衛任務では、彼女を狙う爆弾魔のことごとくを、「相手の爆弾を逆利用し、自爆に見せかけて爆殺する」という「そのまんま返し(レーム談)」で始末。

地元警察は当然、現場の近くで怪しい笑みを浮かべる丸眼鏡の男を容疑者に挙げたが、爆発した爆弾は犯人のもので証拠はなく、爆死したのも犯人だけで一般人の被害も一切ないため追求できず、その間にもこうした経験によってワイリは爆破技術をさらに磨いていく。

その極地の1つが、老朽化したホテルが丸ごと吹き飛ぶ威力の爆弾を「チョロいですね」と一蹴するように解除した後、威力と範囲を調整して再設置。犯人が起爆しないことを訝しんで様子を見に来たタイミングで起爆し、6階建てのホテルを5階建てにしてしまうという神ワザ的な爆破となった。レームからこの出来事を聞いたヨナからは「それは酷いね」と引く程であった。

これには当時常に不機嫌な表情だったココもゴキゲンになり、いよいよノンストップとなってイカレた爆破テクを披露し続けたであろうワイリは更に爆弾の技術に磨きがかかり一流の爆弾魔の腕すら超えて、部隊内で、超やり手の武器商人ココに続く2人目のFBIブラックリスト入りを果たしたのである。

それは作中の回想だけでなく現時間でも遺憾なく発揮されており……

漫画5巻では、ソ連製D-30砲用の12mmフレシェット砲弾を改造してIED(即席爆発装置)を作って地中に仕掛け、奪還対象人物を乗せた車の前後を走るトラック2台のみを吹き飛ばすというピンポイント爆破をやってのけた。

そして物語のクライマックス直前となる9巻ではさらにはっちゃけており……

敵が砂漠の道路に仕掛けた罠を風景を見ただけで察知し、伏兵が潜んでいる中、一人で堂々と近づいてカンと経験を頼りにドンピシャで発見。

それをわずか10秒ほどで解除し、敵がココ達から先制攻撃を受けて混乱しているわずかなスキに持ち去って姿を隠した。

さらにそれを銃撃戦の最中に調整し、伏兵に気づかれぬよう接近して再設置した後、爆弾があった場所にスキップするような小走りで戻る。

そして敵が気づき、爆弾を起爆させようとしたタイミングで「HAHAHA★」と笑いながら作動。敵の主力部隊を壊滅させた(その後、他の隊員達に生き残りを連れてくるよう頼んだことから、ある程度死なせない程度にまで調整した可能性もある)。

最後は敵が民間人に爆弾をくくりつけて送り出した非道……な人間爆弾を、民間人を道路脇の死角に誘導させ、敵が気づいて作動させようとするわずか数秒の間に「HAHAHA★」と解除。敵のボスにくくりつけて残存兵に送り返した後、目を笑うように細めながらスイッチをカチリ……

これらの爆破テクと昔話によってヨナは完全にビビってしまい、途中でのワイリから飲み物を貰おうとした時には、ヨナはワイリに怯えて貰ってすぐにワイリから離れてしまっている。その後ワイリのやり口を目の当たりにしたことで、ついいつものごとくやらかしてしまったワイリはもう授業を受けてくれなくなるかもと危惧したが、ヨナは表情を無くした顔で「ワイリの授業だけはちゃんと受けるようにしないと……ヤバいから……」とこぼし、杞憂に終わるもガックリと肩を落としたのだった。

アニメ版では更にヤバい仕返しが追加されている……

計画については……

ココが密かに行っていた恐るべき計画「ヨルムンガンド計画」を知った時は、自身が職人気質なこともあって、その技術をココの役に立てるべく「計画」に参加し、自身の持つ技術がココに必要とならなくなるまでココの側に居ると言う選択をした。

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