概要
インスタントとはいっても「レシピ」は製作者のさじ加減次第なので、物によっては下手な正規品の爆発物よりも強烈なものに仕上がる場合がある。
中東辺りで問題になっている自動車爆弾(車爆弾)もこれの一種。
歴史は意外と古く、南北戦争時に南軍が砲弾に信管を取り付けたもの地雷代わりとして使用しており、第一次世界大戦時にも使われていた。
軍隊においても必要とあれば作られることがあり、例えばアメリカ陸軍戦闘工兵は補給が途切れたり装備の一部を失ったときのためにC4爆薬を中心とした爆薬キットと空き瓶や缶詰等の日用品を用いたIEDの製造方法を学ぶ。
作り方(作っちゃダメだぞ)
即席爆発装置と言われるくらいなので、そりゃあもう身近にあるもの組み合わせて作るのが基本。
しょぼいものは花火の火薬を使って作る手榴弾程度のものから化学肥料等から即席の爆薬を作り上げたり、大規模な物は不発弾を使ったり、盗んだ航空爆弾や迫撃砲弾などを使ったり、或いは紳士の爆弾よろしく爆薬をしこたま詰め込んで戦車すら一発でふっとばすような代物、自己鍛造弾や成形炸薬弾と同様の構造で並大抵の装甲では防げないものであったり、中に鉄釘や鉄球などの金属片を仕込んで対人殺傷力を上げたりするものまでなんでもあり。
ってか先ほど「作者のさじ加減ひとつ」と書いた通り、製作者の考え次第でなんでもあり。予測不可能。可能性は無限大。
自作ゆえに安定性といったものは正規品に劣り、設置中に自爆したり、製造中に爆発するといったことも起きている。
珍しい例では遠隔起爆装置に携帯電話を用いたものを輸送中に間違い電話により自爆した(と思われる)例もある。
なんでこんなものが問題なの?
IEDがヤバい理由、それは「どんなものかすら予測できない」ことである。
金属が殆ど使われていないから金属探知機に反応しない代物とかも余裕であるし、成形炸薬弾や自己鍛造弾をつかって並みの装甲では防ぐのが難しいもの、やたらめったら火薬を詰め込んでいて主力戦車やMRAP(Mine Resistant Ambush Protected、耐地雷・伏撃防護車両)等を一発で行動不能にするものだって普通にある。
重過ぎでかすぎで耐地雷性能以外を捨てていて用途が限定されるMRAPのような車両を運用する羽目になったり、爆発に車両自体は耐えても爆風で車体が打ち上げられて乗員が死傷したりと対策が追いついていない事態も生じており、負担が非常に大きくなってしまう。
起爆装置だって地雷同様の感圧信管から、有線や携帯電話、ラジコンのプロポ等による遠隔操作、腕時計等を利用したタイマー、センサーによって目標となるもの以外は無視するものもあったりと様々なものがあるから黙らせる方法を解析するのも一苦労。
心理的には結構侮れない兵器。
関連タグ
即席爆発装置 - 表記ゆれ。
暁美ほむら - 魔法少女になりたての頃は、自作爆弾を主に使用していた。
ワイリ - 仕掛けたり解除したり、仕掛けてあったものでお返ししたり。ワイリヤバい。
無人在来線爆弾 - シン・ゴジラで登場したビックリドッキリ兵器。これも一応IEDの一種と言えるが、当該項目を参照すればわかるが実はかなり凶悪な破壊力を秘めている可能性がある兵器。
腹腹時計 - かつて存在した過激派「東アジア反日武装戦線」が制作したIEDの製造法を解説した書籍。