概要
点火不良や信管の故障等、様々な原因で爆発しなかった爆弾や弾頭、手榴弾など。
当然の事ながら物自体に変わりはなく、腐食等により安定性を欠いた更に危険な状態となっている可能性も有り、ちょっとした衝撃で爆発する可能性も十分有り、とっても危険。
実際にガス爆発などの事故で不発弾が誘爆という事も起きている。
爆弾やミサイルの場合は目標へと到達さえ出来ていれば不発であっても命中によるダメージはあり、フォークランド紛争で不発だったエグゾセ対艦ミサイルの推進炎により火災を起こしたHMSシェフィールドのように別の被害が発生している例もある。
また、同戦争のHMSアンテロープのように不発弾処理の失敗により被害が生じることもある。
不発銃弾の場合、ジャムによる動作不良が生じるのに加え、遅発などにより事故の原因となる事もある。
浅い角度で打ち込む、柔らかい砂地などの信管が作動しづらい場所へ落とすなど、扱う側の問題で不発となる事もあるが、基本的に不良品だが、工業製品である以上はある程度はこのような不発弾は発生してしまう。
特に空中散布を行うクラスター爆弾で出てくることだが、意図的に不発弾を作り出して地雷とするという珍説があるが、意図して一定以上の確率で不発弾となるようにするのは不可能であるし、兵器としてそんな不安定なものは使用できるはずがない。
意図して不良品を作り出すのはそれ以前の問題であるし、そもそも地雷をばら撒くつもりであれば最初から空中散布型地雷を使用すれば良いだけである。
一般的な日本人の不発弾のイメージ
太平洋戦争中の空襲にて日本の彼方此方に爆弾や砲弾が落とされ、それが爆発せずに埋もれていたのが工事現場や山中で発掘される事が極稀にある。
特に沖縄は沖縄戦で撃ち込まれた不発弾が未だ多く眠っている。
1992年11月、大分市のバイク屋で謎の爆発事故が発生し、当初はガス爆発と思われていたが、金属が発見されて不発弾が突然爆発したと断定したという事例がある。
ちなみに海外だとベルリンをはじめドイツの各都市、ヴォルゴグラード(独ソ戦当時の名称はスターリングラード)のような激戦地や、バトルオブブリテンで爆撃されたロンドンなどで現在でも時折発見される。
またベトナム戦争で米軍の日本本土空襲以上の爆弾が投下されたベトナムでも(報道されないが)発見され、残存地雷同様の問題となっている。
というより近代戦の戦場になった場所では多かれ少なかれ存在するというべきだろう。
不発弾を見つけたら
見つけたら決して触れずに110番して警察に通報するようにする。
決していじったり持ち帰ったりしない。パーツを持ち帰って空港で怒られる者もいる。
2003年には当時毎日新聞に所属していた記者がイラクからお土産として持ち帰った不発弾(クラスター爆弾の子弾)がヨルダンの空港で爆発し、空港職員を死なせてしまう事件が発生している。
この記者は逮捕されたが恩赦で短期間に釈放され、会社を懲戒解雇されている。
日本国内でも、演習場などから掘り出した不発弾を持ち帰り、自宅で爆発したと言うことも起きている。
不発弾は警察から自衛隊に処理を依頼される。
自衛隊内では専門の訓練を受け「不発弾処理き章」を得た者で構成される「不発弾処理隊」があり、依頼があった際には出動し、自治体や警察が周辺の住民を避難させた上で処理する。
兵器以外の不発弾
ごく稀だが、花火大会における打ち上げ花火でも不発弾が発生する事がある。これは打ち上がったのに空中で何らかの原因で火薬(星)に引火しなかった為だとされる。なお、こちらの不発弾も決して近付いてはならない。遅延で破裂する事があるからである。