概要
英語だと「Booby trap」。
"Booby" はカツオドリのことで、(当時は)人慣れしていなかったために簡単に捕まえられたことから転じて間抜け者の意味となった。
以下、その一例。
- 食料、弾薬など、敵が戦利品や記念品としそうなものに爆弾を仕掛ける。
- 遺棄された銃器や軍刀等に爆弾が仕掛けられており、引き金を引いたり鞘から抜いたり、動かそうとすると爆発。
- 森の中等、見通しの悪い場所に落とし穴が掘られていたり、岩や丸太が落ちてくる罠が仕掛けてある。
- 草むらの中に短いスパイクが仕掛けてあり、気付かず踏みこむと足に突き刺さる。
- 偽装されたワイヤーなどに引っかかってしまうと、その場所へ向けて設置された短機関銃や弓矢などが作動して攻撃される。手榴弾などの爆発物の場合もある。
- 敵兵や動物の死体に爆弾を仕掛け、回収や除去に来た者が動かすと爆発する。
- 床板の下に地雷や銃弾が設置してあり、板を踏むと作動する。
- 地雷(偽物の場合も有り)の下にさらに地雷や爆弾を仕掛けてあり、除去したと思って通った場合や、上の地雷を除去したりした場合に爆発する。
- 兵士に見せかけた人形が立ててあり、敵兵が蹴り倒したりすると罠が作動。
- 扉を全開にすると扉が信管に当たって爆弾が作動する。
- 棚の戸を開けると爆弾が作動する。
- 旗や傾いた額といったものを動かすと爆弾が作動する。
- かかってきた電話をとると爆弾が作動する。
- 押収したコンピューターを解析しようとすると爆発したり、起動や解析をしようとするとそれを示す信号が別の装置に送信されてそちらで罠が作動。
- 椅子や便座に座ると爆弾が作動する。
- 仕掛けられた爆弾の解除の為に近づくと、別の爆弾が作動する。
- 飲料のビンや缶を持ち上げたら底がくりぬいてあり、中から安全ピンが抜かれた手榴弾が落下。
- 基地の周辺に住み着いている動物の様子がおかしいからと近づいたら、仕掛けられていた爆弾が爆発。
- 飛行場などに膨大な爆薬が埋設されていて、占領後に復旧され運用再開されてから爆破。配属将兵や装備に打撃を与える。
- 対戦車障害物などに爆弾がセットしてあり、除去しようとすると爆発。
- 防御や妨害の為のバリケード類を除去すると、その下に埋めてある地雷などの安全装置も解除されてしまい、うっかり通ると罠が作動。
- 穴の奥に毒や病原体が仕掛けてあり、欲望に駆られて挿入すると死傷。
- 体重計などに爆弾が仕掛けてあり、体重を測ろうとすると爆発。
- 暖房などのボイラーに細工してあり、作動させると爆発するなどする。
- 住民が逃げた家で略奪しようと、タンスなどを開けると罠が作動。
- 井戸や、置き捨てられた酒などに毒が入れられており、安易に飲むと死傷。
- 感染症患者収容所の偽表示があり、占領した側は急遽洗浄処理や将兵の検査などを余儀なくされる。
・・・etc.
とにかくちょっとしたことでトラップが作動するため非常にストレスになる。逆にこれを利用して何事も起きないことでストレスを与えることもある。
その為、戦場に落ちているものは基本的に触ってはまずいし、普段から見るものにも注意を払わないといけないのである。
上記では爆弾を使った罠が多いが、これを生物兵器や化学兵器に置き換えても成立する。
以上の例を見て「卑怯だ」「それが人間のすることか」と感じた人もいるかもしれないが、結局は現実の戦争において「いかに敵を殺すか」「敵を少しでも消耗させるにはどうすればいいか」「敵の進撃を遅らせるにはどうすればいいか」といった事を徹底して突き詰めていったらこういう結果になるというだけの話なのである。
特定通常兵器使用禁止制限条約(CCWC)により規制されているものの、罰則がない事から無視される、非締約国やゲリラ等には関係ないといった事から効果が薄いというのが現状。