概要
スペイン語「guerrilla」が語源の単語。和訳では「遊撃戦」や「便衣兵」。
1808年のスペイン独立戦争でナポレオン率いるフランス軍に民衆が抵抗蜂起し、その戦闘作戦を「小さな戦争」という意味で生まれた。
本来の戦争では正規軍同士による戦いだが、ゲリラ戦では少数部隊が臨機応変に小規模戦闘で敵に消耗戦や神経戦、諜報活動、破壊工作などを仕掛ける。
ゲリラ戦をする戦闘員が非戦闘員の一般市民に化けたり、一般人が民兵としてゲリラ戦を仕掛けることもあり、敵にとっては戦闘員と一般人との見分けが困難になり、消耗が増したり、殲滅の名の下に虐殺に踏み切ることが多い。
歴史
第一次世界大戦ではロレンスがアラブ人たちにオスマン帝国へのゲリラ攻撃を指揮し、毛沢東率いる中国共産党は日中戦争や国共内戦でゲリラ戦法を駆使し、第二次世界大戦でも世界各地でレジスタンスやパルチザンが敵の占領軍や侵略軍に抵抗運動としてゲリラ活動を起こした。
大戦後には世界中の植民地で独立運動が活発化し、ホー・チ・ミンとベトコンはインドシナ戦争やベトナム戦争で、フィデル・カストロとチェ・ゲバラはキューバ革命でゲリラ戦法を展開。中東戦争でもパレスチナやアラブ側は近代的なイスラエルに対してゲリラ戦で抵抗。世界各地の赤軍派もゲリラ戦と称してテロを展開。
冷戦終結後、世界各地で紛争が多発し、地方だけでなく都市部でもゲリラ戦闘が起こっている。
国際法
ゲリラの定義は曖昧な点が多く、単なるテロ攻撃にもなる。劣勢な側にとってゲリラは敵に抵抗できる有効策であるが、一般市民と戦闘員との見分けが難しい場合、交戦権の認めるかの有無や捕虜となった時の扱いでも混乱が多い。
転じて
神出鬼没、変則的、臨機応変などの印象から、それらの意味として「ゲリラ」の語が用いられることが多い。局地的・短時間で大雨が発生する「ゲリラ豪雨」、許可が必要な建物や場所で許可なく撮影を試みる「ゲリラ撮影」「ゲリラライブ」など。