概要
ベトコン(Việt Cộng / 越共)とは、1960年に結成された民兵によるゲリラ組織「南ベトナム解放民族戦線」の俗称。
南ベトナム(ベトナム共和国)の体制側が「ベトナム・コンサン(Việt Nam Cộng sản / 越南共産 = 共産主義のベトナム)」を略して呼び始めた蔑称が由来。
南ベトナムを支援していたアメリカ合衆国もこれに倣って「VietCong」と呼んでおり、略称の「VC」からNATOフォネティックコードの英語コードを参照して「Victor Charlie」と呼ばれ、更に略して「Charlie(チャーリー)」という通称がある。
(映画「地獄の黙示録」の名セリフ「Charlie Don't Surf(チャーリーは波に乗らない)」の由来)
日本では報道経由で「ベトコン」が定着した。
第一次インドシナ戦争(ベトナム独立戦争)でフランス植民地からの独立を求めて戦ったベトミン(ベトナム独立同盟会)を前身とした組織で、南ベトナムのゴ・ディン・ジエム大統領による激しい弾圧に抵抗する形で結成された。
北ベトナム(ベトナム民主共和国)の国家主席ホー・チ・ミンの指示により隣国のラオスとカンボジアの国境を超えて兵站を輸送するホーチミン・ルートが構築され、支援を受けたベトコンは南ベトナムの治安維持部隊やアメリカの軍事顧問団と戦った。
アメリカとの連携を嫌ったゴ・ディン・ジエム大統領がクーデターにより暗殺され政情不安に陥る中、アメリカは本格的な軍事介入を行い第二次インドシナ戦争(ベトナム戦争)が勃発。
戦争中は北ベトナム軍(ベトナム人民軍)と連携してサイゴン政権及びアメリカ軍などと戦った。
正規軍では無いため、軍服等の規定が無いと言って良く(ブラックパジャマと呼ばれる黒い服があったがベトナムの一般的な野良着と何ら変わらない)民間人を装って南ベトナム軍や、それを支援するアメリカ軍、韓国軍の兵士を襲撃した。
アメリカ軍と韓国軍は関与が疑われる村落に対して無差別虐殺を行ったため、国際社会から批判されて戦争の意義を失っていく。
ベトコンは北ベトナム軍との連携による大攻勢でアメリカ軍を追い詰めるも5万人以上の犠牲者を出し、その後は正規軍が中心の戦いになっていく。
南北統一後は役割を完遂したとして軍事部門はベトナム人民軍に吸収、組織そのものはベトナム祖国戦線に合流する形で解体した。
別名・表記ゆれ
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