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概要

言語を紙に書いたり石や木などの物体に刻んだりして記録するために用いる記号である。文字の誕生により、それまで口頭でしか伝わらなかった言語は時間的・空間的な隔たりを介しても形として残せるようになった。そのため現在は話者がいない古代の言語であっても文字での記録があれば解読できるケースがあり、綴りの変化などから現代語と古典語での口頭での発音の遷移などもある程度推測が可能だったりする。


文字は現在から5〜6000年前のメソポタミアシュメールによって生み出されたのが最古と推定されている。文字出現以前の言語は資料に乏しいため不明確なことも多いが、遅く見積もっても現生人類がアフリカを出て世界に拡散し始めた5万年前には言語があったと考えられ、文字は言語自体の歴史からみればかなり後になって生まれたものと言える。


文字の種類

文字は英語やスペイン語・フランス語などで用いるラテン文字のようなメジャーなものからイヌクティトゥット語などで用いられるカナダ先住民文字などのようにマイナーなものを含め多数存在するが、大抵の場合は各言語ごとに何の文字を使うのかが決まっている。


ただし、言語的にほぼ同じ言葉であっても宗教・国家・政治の違いによって違う文字が使われるケースもある。例えば、ヒンドゥー教徒の多いインドヒンディー語イスラム教徒の多いパキスタンウルドゥー語は言葉としてほぼ同じだが、前者はデーヴァナーガリー、後者はアラビア文字ベースの文字を使い、言語名も通常別で呼ばれる。また、同様にアラビア文字をベースとするイランペルシャ語タジキスタンタジク語も本質的には同じ言語だが、後者はソ連の一部だったためロシア語と同じキリル文字を使うようになった。


ギリシャ文字からラテン文字キリル文字が生まれたり、漢字からひらがなが生まれたりしたように、文字には親子や兄弟・親戚に相当する関係がある。ラテン文字とキリル文字のように似ているものもあるが、例えば一見してラテン文字とは似ているようには見えないアラビア文字もギリシャ文字の親にあたるフェニキア文字を祖先としており、親戚にあたる。……というか、インド系の諸言語の文字や、諸説あるが朝鮮のハングルを含め、こんにち使用人口の多いメジャーな音素文字(後述)はほとんどみんな元を辿ればフェニキア文字を祖とする親戚と考えられている。


ただし、文字の系統関係とその文字を使って書かれる言語それ自体の系統関係は必ずしも一致しない。たとえば、漢字は歴史的に中国語日本語朝鮮語ベトナム語で使われてきたが、これら4言語は文法・音韻の面ではすべて別々の系統である(中国語はシナ・チベット語族、日本語は日琉語族、朝鮮語は朝鮮語族、ベトナム語はオーストロアジア語族)。


表音文字と表語文字

文字をタイプで分類すると、音だけを表す表音文字と、言葉がもつ意味それ自体がひとつの字になる表語文字とに大別される。


表音文字には子音・母音それぞれの音素を別個に書く音素文字と、音節ごとに文字が異なる音節文字がある。たとえば「KA」と「か」は音として同じものを表しているが、「KA」がKという子音とAという母音を分けて書いているのに対し、「か」は音節1つを1文字が担っている。音素文字の場合は、子音が同じで母音が変わるとき、「KI」と母音字だけが入れ替わればよいが、音節文字の場合は「き」のように「か」とは全く関係のない別の字に丸ごと変わってしまう。


なお、音素文字は母音を全て独立した文字として表記する「アルファベット」(※)、原則子音だけを表記する「アブジャド」(日本語で例えれば全文をktkrのように記す)、子音字に補助記号を付けることによって母音の有無や種類を切り替える「アブギダ」にさらに分類される。


以上それぞれのカテゴリの代表的な例としては下記である。

  • アルファベット: ラテン文字、キリル文字、ギリシャ文字など
  • アブジャド: アラビア文字、ヘブライ文字など
  • アブギダ: デーヴァナーガリー、ベンガル文字、ゲエズ文字(エチオピア文字)、タイ文字など

(※学術的に厳密な呼び方であって、一般的な文脈ではArabic alphabetとかJapanese alphabet(kana)のようにこの定義に合わないものでもアルファベットと言われることがある。また、日本語で単にアルファベットというと多くの場合ラテン文字のことを指す)


メジャーな表音文字の多くは音素文字であり、音節文字は比較的マイナーである。1億以上の使用者を持つ日本語の仮名は音節文字のなかでは圧倒的に使用人口が多い。他の音節文字としては中国少数民族の彝語(イ語)の文字や、米国先住民のチェロキー語の文字がある。


表語文字は原始的な絵文字や象形文字により近い概念であり、漢字(中国)・ヒエログリフ(エジプト)・楔形文字(メソポタミア)のように、古くからの文明に端を発するものが多い。表語文字で今でも多数の人間によって現役で使われているのは漢字くらいである。


文字の例

日本語ひらがな カタカナ 漢字(現代では新字体

中国語漢字中華人民共和国シンガポールでは簡体字香港台湾では繁体字が使われる)、ピン音注音符号(台湾のみ)

タイ語タイ文字(シャム文字)

インドネシア語ラテン文字(ローマ字) ジャウィ文字

ベトナム語 :漢字 チュノム字喃クオック・グー(ラテン文字表記)

その他アジア言語ジャウィ文字 ハングル デーヴァナーガリー チベット文字

中東言語アラビア文字 ペルシア文字 ヘブライ文字

欧州系言語ラテン文字(ローマ字) キリル文字 ギリシャ文字

古代象形文字 甲骨文字 梵字 ヒエログリフ 楔形文字 ルーン文字

指文字(手話とは異なる) 点字 顔文字絵文字記号に近い)


創作作品の文字

架空文字」の記事を参照。


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