うみへび座
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うみへびざ
全天で最も巨大な星座。
エウリュステウス王から10の困難を乗り越えよと言われ、さっそくネメアのライオンを倒してきたヘラクレスは、続いてネメアのライオンの叔父である大毒蛇ヒュドラを倒して来いと命じられる。
邪神エキドナと魔王テュフォンの間に生まれたヒュドラは、一息であらゆる生物を全滅させるほどの毒霧を吹く、九本の首を持つ怪獣であった。さすがに一人で倒すのは厄介だと思ったヘラクレスは甥のイオラオスを連れ、ヒュドラの住むレルネー沼に向かった。
ヘラクレスは毒を吐く前に首を斬り落としてしまおうと考え、剣を振るってヒュドラの首を叩き落としたが、首を斬る度に切り口から首が倍になって生えてきてしまい、キリがない。そこでイオラオスは松明を作り、切り口を片っ端から焼いて再生を阻害した。
これを見て大巨蟹カルキノスが、ヘラクレスの脚を挟み切ろうとしたものの、気づかれることなく一撃で踏み潰され絶命。8本の首を全て焼き尽くされたヒュドラは、不死身の生命力を持つ中央の首でヘラクレスに挑みかかるも、大岩で押し潰されて動きを封じられ、封印された。
一部始終を見ていた女神ヘラ(ヘラクレスの父である大神ゼウスの正室で、不義密通で生まれたヘラクレスを憎悪している)はヒュドラとカルキノスをそれぞれ天に上げ、海蛇座と蟹座にしてやった。
本来九頭の蛇であったにもかかわらず星座では首が一つしかないのは、不死身の首だけが残った結果だという。
ちなみに、エウリュステウス王は後に「実質イオラオスが倒したようなもの」とこの功績を棒引きにしている(同様に5番目の「アウゲイアスの牛小屋掃除」も「目先の利益欲しさにやったから」とダメ出しして帳消し)。
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