概要
88星座の一つで、トレミーの48星座にも含まれている古参。
あお向けでみずがめ座のツボから流れる水をがぶ飲みする魚という姿をしているが、なぜそんなにがぶ飲みしているのか、飲んだ分はどこへ行くのかは不明。
日本においては彼(彼女?)の口にあるフォーマルハウトが秋空唯一の1等星であることから、星座観察において重要な目印となっている。南の空をチェックだ。
由来
古くはバビロニアの時代から認識されていた星座で、48星座にも選ばれている。
うお座は怪物テュポーンから逃げようとしたアプロディーテと息子のエロスが変身した姿とされているが、みなみのうお座はいろいろな解釈があり、
- うお座の二匹の親の魚
- シリアの女神デルケトが湖に落ちた際に彼女を救った大魚
- 人間との情事を恥じ湖に身を投げ人魚となった女神デルケト自身(この時生まれた子供は中近東伝説の女王セミラミスであったとされる)
- みずがめ座のツボから飛び出た魚
等
ちなみにみずがめ座のツボは無限に水がわき出す不思議なツボらしいが、この中身は水ではなく神々が愛飲する酒「ネクター」とする解釈もある。つまりこの魚はアル中の可能性が微レ存……?
探し方
秋の星座だが夏の深夜くらいから探せる(その気になれば5月くらいから狙えるが明け方近く)。
比較的見つけやすいペガスス座やカシオペア座から探していくのがコツなのだが、南の空にポツンとやたら目立つ星があったらそれはコイツと思っていい。
そんなわけでみなみのうお座は近辺の黄道十二星座を見つけるうえで目印として重用する。やぎ座・みずがめ座・うお座の周辺には先述したペガススの四辺形以外目立つ星がほぼ無いからである。
なおみなみのうお座は結構形が整っていて、しずく型を横倒しにしたような並びをしている。しかしフォーマルハウト以外はすべて四等星以下であり、都会や住宅地では見えにくいかもしれない。
主要な天体
視等級1.16等星。地球からの距離は25光年。B星、C星を伴った連星。周囲には塵円盤を持ち、惑星もあるとされるが未確認。
名前はアラビア語の「大魚の口」に由来する。
ちなみにつる座の右翼にある二等星「アルナイル」は元々こいつの尾びれに当たる部位だった。