概要
その名の通り鶴をかたどった星座で、はくちょう座に似た十文字の並びをしている。
ただし古代ギリシャ以前からあったはくちょう座と違い、つる座は1598年に作られた地球儀で「Krane」、「Grus」と記されたのが最初(ちなみにどちらも「鶴」を意味し、それぞれオランダ語とラテン語)。
それから5年後にヨハン・バイエルという天文学者が発刊した本「ウラノメトリア」にて紹介されて世に広まり、1922年の国際会議でも無事通過したことで現在に至る。当初は鷺座とかフラミンゴ座とか呼ばれていたが、何だかんだでつる座で統一された。
新入り星座は余ったスペースの穴埋めのように作られたものが多いため「こんなん分かるかい!」と言いたくなるような変な並びになりがちなのだが、その中では珍しく結構忠実に並んでいる。
見つけ方
みなみのうお座の下方向にあるので、まずはフォーマルハウトを目印にしよう。季節は秋。
つる座自体も2等星を2個、3等星を1個擁するためそこそこ見つけやすいが、地平線上の低い位置にあるので大抵の地域では上半分程度しか見えず、全体が見られるのは九州より南。
主な星
- アルナイル
青白い2等星で鶴の左翼。
アラビア語で「輝くもの」という意味だが、元々はみなみのうお座の尻尾らへんにあたるエリアの星だったので「魚のしっぽの明るい星」というなんとも微妙な由来を持つ。
低い位置にあるため日本では九州より南でもないと見えず、見えても大気の屈折によってやや赤っぽくなる。
- つる座ベータ星
グライドとかティアキ(Tiaki)とか呼ばれる赤っぽい2等星で、最近ティアキが正式名になった。ポリネシアでの呼び名が由来。
赤いのは赤色巨星、つまり年老いた星だから。つる座のお腹あたりにある。
- アルダナブ
3等星。鶴の頭にあるが意味は「しっぽ」。
これはつる座がなかった当時にプトレマイオスが「みなみのうお座の尾びれ」としていたため(だからかつてのみなみのうお座はもうちょい大きかった)。
つる座の星では一番高く上るので大抵の地域では真っ先に目につくだろう。
関連タグ
→南天の鳥星座たち