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曖昧さ回避編集

  1. ギリシャ神話に登場する怪物本項で記述。
  2. ウルトラマンティガ』の劇場版に登場する闇の巨人。→俊敏戦士ヒュドラ
  3. 真・女神転生シリーズに登場する悪魔。本項で記述。
  4. クトゥルフ神話に登場する邪神。→ヒュドラ(クトゥルフ神話)
  5. 架空の半グレ組織。→比遊怒羅

概要編集

魔神テュポーンと半人半蛇の女神エキドナとの間に生まれた怪物。

九つのを持つの姿をしているとされ、名はギリシャ語で「水蛇」を意味する「ヒュドロス(Hydros)」に由来するが、異説も存在する(後述の余談を参照)。

一つの頭を斬り落とすと傷口から二つの頭が再生する、驚異の再生能力の持ち主。更に中央にある頭は他の首よりも太く逞しい上に不死であった。体内には強力無比な猛毒を持ち、そのに侵された者は全身を焼かれるような激しい苦痛の末に息絶えるとされる。

女神ヘラによって育てられ、アルゴスの街の近郊にあるレルネーの泉に陣取って、周辺の土地を荒らし回っていた(尚、アルゴスはヒュドラの同僚である)。

ちなみに、英語ではハイドラ(Hydra)と発音される。

非常に有名な怪物の1つであり、現代の創作物でも敵のモンスターとして頻繁に登場する。


第二の難行編集

英雄ヘラクレスは、後に「十二の功業」と呼ばれる数々の無茶振りの2つ目でヒュドラと戦っている。この戦いでヒュドラはヘラクレスのに巻きつき応戦するも、「傷口を火で焼かれると再生能力を失う」弱点を見抜かれて敗北。残った不死の頭も地中深く埋められ、巨岩を重石に乗せられて封印された。この時、巨大蟹のカルキノスがヒュドラを援護しようとヘラクレスに挑み掛かるが、あっけなく踏み殺されている(なお、カルキノスは “ヘラの指示を受けてヒュドラの援護に向かった” との伝承が散見されており、彼女の眷属と思われる)。

なお、ヒュドラとカルキノスは後にヘラによって星座に加えられ、「海蛇座」と「蟹座」になった。


かくしてこの試練はヘラクレスの勝利に終わったわけだが、ヒュドラは強力な禍根を残していった。退治したヒュドラの内臓もまた強い毒性を持っているのにに気づいたヘラクレスは、自分の矢にヒュドラの胆汁を塗りつけた。

その結果、ヘラクレスは強力な毒矢を獲得し、ヒュドラの仲間であったラードーンスチュパーリデスの怪鳥を退治するのに大いに役立った。しかし、ケンタウロスの賢者で彼の師匠でもあったケイローンをそので誤って射てしまう。ケイローンは不死であったために地獄の苦しみに悶え続け、最後は不死を返上し自ら死を選んだ

更にヘラクレス自身も敵の奸計に嵌った妻によって、衣服にヒュドラの毒を仕込まれた服を着てしまう。ギリシャ最大の英雄も毒の痛みには耐えきれず、自身の体を焼かせて天に昇った。

これによりヒュドラは復讐に成功した。

このヒュドラの矢は、自身の火葬の際に点火してくれたピロクテテスにお礼として譲渡され、後にトロイア戦争に参戦したピロクテテスが戦争の元凶のトロイア王子パリスを討ち取るのに役立ったとされる。

なお、ピロクテテスの陣営を補佐していたのは、ヒュドラの主人であるヘラでありまたも主君の敵を討つに至った。


余談編集

類似の神話の怪物ヤマタノオロチが複数の頭を持った大きな蛇な事もあり、類似の怪物としてゲームで登場させられる事もある。

亜種として炎を吐くパイロヒドラや、水属性のアクアヒドラキングヒドラなどが考案されている。


異説編集

名前の由来とされるヒュドロスだが、実はヒュドロスは「水蛇の男性系」で、ヒュドラは「水蛇の女性系」であるため、上記の説は微妙に噛み合っていない。

更に欧州の民間伝承では ナイル川に生息しワニの内臓を貪り尽くす大蛇の悪魔” の名前もヒュドロスであるが、これは単純に水蛇そのものの姿だからとされ、ギリシャのヒュドラとの関連性はほぼないと考えられている(出典は幻冬舎コミックス出版『図説 幻獣辞典』)。


関連イラスト編集

ヒドラHydra

ヒュドラヒドラ

ヒュドラヒュドラ

ヒュドラヒュドラ


真・女神転生シリーズ編集

真・女神転生Ⅴ』に登場する悪魔。種族は「邪龍」。

東京タワーに現れる悪魔で、近づくものを見境なしに攻撃する暴れっぷりで周囲の悪魔から「塔の悪魔」として恐れられている。

プレイヤーが最初に戦うことになる大ボスだが、序盤とは思えない強さでプレイヤーの屍の山を築いた。

勝利することで合体が解禁されるが、初期レベル53なので実際に合体できるのはだいぶ先になる。

専用スキルに「蛇毒の息」を持つ。効果は敵全体に中威力の呪殺攻撃と確率で毒を付与。


DLC「女神の修行」を導入していると女神アルテミスがヒュドラ退治の噂を聞きつけ現れるようになる。


なお、ヤマタノオロチとの特殊会話も存在する。



その他の創作におけるヒュドラ編集

名前としては「ヒドラ」表記のものが多い。

多頭蛇の怪物そのものの他に、ヒュドラがモチーフのキャラも紹介する。


仮面ライダーX編集

ヒュドラをモチーフにした神話怪人水蛇ヒュドラーが登場。

首は一本のみだが再生能力を持っている。


聖闘士星矢編集

うみへび座聖衣を装着する聖闘士ヒドラの市が登場。

籠手に収納された毒牙「メロウポイズン」を武器とし、この部分は折れても新しく再生する。


タクティクスオウガ編集

Lサイズユニットとしてヒドラが登場。

3本の首を持ち前足が無い。通常のドラゴンは地水火風のエレメント(属性)に応じた一種類のブレスしか吐けないが、ヒドラはエレメントに関係なく4種全てのブレスを使用可能。


天装戦隊ゴセイジャー編集

終盤の敵怪人ダークヘッダーの一体としてヒュドラとアイギパーンをモチーフとしたヒドラパーンヘッダーのロー・オ・ザー・リが登場。

4つのヤギの頭にドリル状の角を持つ。


ドラゴンクエストシリーズ編集

ドラゴン系のモンスターとしてヒドラが登場。

5つの首と4本足を持つ。上位種にやまたのおろちキングヒドラグランドラゴーン黒蛇鬼アクラガレナラーヴァドラゴンが存在する。


ヒロイック・エイジ編集

「英雄の種族」の一体としてヒュドラがモチーフのレルネーアが登場。

高い再生能力と猛毒が武器。この毒はあらゆる物質を崩壊させるのみならず、再生・再構築さえも可能とする。

名前の由来はヒュドラが潜んだレルネーの泉から。


サンサーラ・ナーガ編集

サンサーラ・ナーガ2』の水の階層の海底および空の階層の「風鳴りの谷」地上部に出現する、樹木を思わせる身体を持つ亜竜の一種で、今作にはとある存在が登場することから3つ首の姿である。

なお一作目には刺胞動物のほうがモチーフのヤドカリヒドラが登場している。


半熟英雄シリーズ編集

エッグモンスターとして登場。どちらかと言うとラミアに近く、骨を砕いてダメージを与えつつ行動不能にする巻き付きと水で全体攻撃をするウォーター。対3Dからは敵兵士を操り同士討ちさせるラブソングを習得。


ヘラクレス編集

ハデスがヘラクレスを倒すために用意した怪物で、谷底から現れた。最初は頭1本の状態でヘラクレスと戦って丸呑みにしたが、体の内側から一刀両断された。しかしこれは前半戦で、後半戦はお得意の再生能力を使って頭を増やし続けてヘラクレスを追い詰めたが、ヘラクレスの咄嗟の閃きにより、雪崩のように降り注ぐ岩の下敷きになって倒された。

関連タグ編集

モンスター クリーチャー 怪物 魔物 妖怪 神獣 幻獣

ギリシャ神話 ヒドラ/ハイドラ(表記揺れ)

/ヘビ //ドラゴン 多頭/多頭竜


類似の怪物編集

ヤマタノオロチ/八岐大蛇 オロチ 九頭龍 ナーガ/ナーガラージャ キリム


キャラクター編集

ヒドラ(DQ) ヒドラパーンヘッダーのロー・オ・ザー・リ ヒドラの市 サザンドラ カミツオロチ(どちらも八岐大蛇がモチーフのポケモンだが、英語名に「ヒュドラ」が使われている)

ハドラー:当記事の怪物が名前の由来になったキャラクター。

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