概要
キューピッドが射てあなたの心臓に刺すと、見たものに恋してしまうという恐るべき道具。
形と用途
弓道やアーチェリーで使用する道具。手で投げるダーツの矢などもあるが、普通は弓と一対になって使われるものである。
矢を弓につがえて的を狙い放つ動作を「射る」という。
まっすぐな棒の一端には、尖った石や骨などでできた矢じり(鏃)が付いている。
狩猟用のものでは鏃は殺傷力を向上したものが多く存在している。
市販品でも特殊なものでは.357マグナム弾のような銃用弾薬を内蔵し、鏃の着弾と同時に接射するものもある。
主な種類
毒矢(どくや)
鏃に毒を塗り、その毒で相手を致死させる。
現在でも、南アメリカのアマゾン川の流域に住む少数部族が、ヤドクガエルの毒を利用した毒矢を使用し、射落とした獲物を麻痺させて捕らえる。
神話世界なら、ギリシャ神話のヘラクレスがヒュドラの猛毒を利用した矢で武功を立てている。
火矢(ひや)
鏃の根元に可燃性の物体をくくりつけ、それを燃やしながら相手に射かける。
殺傷以上に火災による建造物の破壊を目的としており、攻城兵器としての側面が強い。
また敵軍に油の入った壺や甕を投擲し、延焼を狙うといった複合戦術もある。
矢文(やぶみ)
矢に手紙をくくりつけ、相手への連絡手段として遠方から矢を放つ。
日本では少なくとも17世紀前後には流行していたとされる。
フィクションでも時代劇や古風な人物が、果たし状を送りつける演出でよく用いる。
鏑矢(かぶらや)
極東域の矢の一つ。
矢の根元に空気の対流で音が鳴る「鏑」というパーツを取りつけ、信号弾の一種として利用した。
甲高くよく響く音を鳴らす。
破魔矢
お守りとしての矢。
矢のつく言葉
素早い物の代名詞として、慣用句やことわざなどでよく使われる。
- 一矢を報いる……反撃をすること。
- 光陰矢のごとし……時の流れは速いということわざ。
- 嚆矢(こうし)……鏑矢のこと。開戦の合図に使われたことから、物事の始まり。
- 三本の矢……協力することの大切さを示す例え話。
- 矢状面……断面の分類。体の正面から縦に割った図。
別名・表記ゆれ
関連タグ
光陰矢のごとし 三本の矢 尻に矢 膝に矢を受けてしまってな...
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