概要
『デジタル・デビル物語 女神転生』、『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』のゲームシステムや世界観を継承しつつ、設定等の見直しを行い一から制作されたシリーズ。
旧約はナムコブランドで発売されたが『真・女神転生』からは正式にアトラスブランドとして発売された。
現代の都市を主な世界に置いた作風、仲間との思想的な価値観による決別など、従来の勧善懲悪観とは違うハードな世界観とシナリオは多くのユーザーに支持され、アトラスの看板タイトルとしてシリーズ化。後に『ペルソナシリーズ』等の各種派生作品を生むに至る。
他にもアニメや漫画、小説等様々なメディアミックスを展開した。
作品同士の関係
シリーズを通し、悪魔(仲魔)のキャラクターデザインは共通している場合が多い。ジャックフロストはその代表例。
一方おなじみのキャラクターでも、作品によって独自のデザインで変更されもする。
『真・女神転生』と『真・女神転生Ⅱ』のように時系列上で直接的な「過去と未来」の関係になっている作品もある一方で、直接的に地続きとなるわけではないが、歴史が分岐したパラレルワールドであると解釈できる作品もある。
『真・女神転生』でクーデターを起こしたが、『デビルサマナーシリーズ』では計画が漏れて逮捕されてしまったゴトウ一等陸佐、『真・女神転生デビルサマナー』のキーキャラクター葛葉キョウジの霊が『ペルソナ2』に登場する探偵・轟大介に憑依している例などがその一例としてあげられる。
『真・女神転生if...』の女性主人公は原作ではデフォルトネームすら無かったものの『真・女神転生カードゲーム』において内田たまきの名前で出演しており、彼女を『女神異聞録ペルソナ』と『ペルソナ2』の同姓同名のキャラクターと同じキャラクターと考える説が有力になっている。
『真・女神転生Ⅴ』ではある場所にあるターミナルのデザインが同じだったり、とある人物から「東京受胎」の単語が出てきたりと『真・女神転生Ⅲ』との関係が示唆されている。
派生作品であるペルソナシリーズにおいては、『ペルソナ3』・『ペルソナ4』では『真・女神転生』にも出てきた「デスティニーランド」の存在が言及され、『ペルソナ5』では舞浜にある「デスティニーランド」に実際に行くことができる。
尚『真・女神転生』での表記は「東京デスティニーランド(T.D.L)」であり、マップでは元ネタと思しい東京ディズニーランドの所在地である千葉県浦安市舞浜の方(東京都心から東側)と、かなり寄った位置にある。
この他にシリーズの枠を超えて存在する用語としてメシア教とガイア教があり、特にガイア教は真Ⅰと真Ⅱとの直接的な時系列の繋がりが明言されていない『真・女神転生Ⅲ』と『真・女神転生Ⅳ』にも登場している。また真Ⅳでの大天使たちの姿は真Ⅰ・真Ⅱ・真Ⅲでのそれとは大きく異なっている。
シリーズ一覧
2021年現在、「真IV」を除いたナンバリング作品(+if…)は全てニンテンドースイッチで揃う。
ナンバリング作品
真・女神転生
記念すべきシリーズ1作目。全ての起点となり基礎をつくった作品。
とある事件が起きる中、悪魔召喚プログラムを手に入れた主人公が2人の仲間と共に東京を駆け巡る。物語上で発生する選択肢(主人公の行動や発言など)によって「LAW(秩序)」・「NEUTRAL(中立)」・「CHAOS(混沌)」と属性が変わり物語終盤で固定化され、それによりラスボスやEDが変わってくる。全シリーズの中で最も多くのハードに移植されている作品でもある。
ニンテンドースイッチではニンテンドースイッチオンラインに加入すると遊べる「ニンテンドースイッチオンライン スーパーファミコン」にSFC版がラインナップに入っている。
真・女神転生Ⅱ
シリーズ2作目。
前作から数十年後、メシア教が支配している「TOKYOミレニアム」が舞台。主人公のアレフが体制の裏側に触れる事でストーリーは進んでいく。前作と同じく属性次第でシナリオが分岐する。PlayStationでリメイクされた際にキャラクターのイラスト、パッケージイラスト、一部の悪魔イラストが新たに金子一馬氏によって書き下ろされた。
「真Ⅰ」同様に「ニンテンドースイッチオンライン スーパーファミコン」にSFC版がラインナップされている。
真・女神転生Ⅲシリーズ
シリーズ3作目。
真Ⅰと真Ⅱの物語の根幹にあった「悪魔召喚プログラム」や「COMP」の観念を無くし「マガタマ」という新たなシステムを導入。真Ⅰや真Ⅱとのストーリー的な繋がりは無く完全に独立している。
主人公は入院した教師のお見舞いに訪れ、そこで東京が球状になり閉じてしまう「東京受胎」に巻き込まれる。その際に悪魔の力を与えられて人修羅となり、異界「ボルテクス界」へと変貌したトウキョウを旅していくことになる。
2020年10月29日にHDリマスター版が発売。
シナリオの所々に新しいボスが追加され、アマラ深界へと行けるようにもなっており新たなエンディングや登場悪魔も追加されている。同じ悪魔を狩るデビルハンターとして「デビルメイクライ」から「ダンテ」がゲスト出演している。
ダンテのパートを自社キャラクターである「葛葉ライドウ」に差し替えて再構築した作品。その為一部のイベントやムービーが変更されている。
余談だが、上記のHDリマスター版はクロニクルエディションがベースになっている。
真・女神転生Ⅳシリーズ
シリーズ4作目。
真Ⅲのプレスターンバトルや『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』(SJ)のクエストモードがあり、新要素としてもガントレット(サムライ衆の証である籠手型の携帯端末でCOMPの発展形)で様々なことができたり、選択戦闘で2回全滅するとメニュー画面に難易度設定が追加されたりしている。歴代シリーズのBGMの使用やSJの設定が一部流用されてはいるが、直接的な繋がりはない。
舞台は中世ヨーロッパのような国王と修道院が統治する国「東のミカド国」。従来の東京(トウキョウ)とは関係のない形でスタートするが、シナリオを進めていく内に「東京」という存在が明らかになり、そこで主人公は衝撃の真実を知ることになる。
真Ⅳの世界観をベースにした続編。真Ⅳ終盤頃から始まり、前作と異なる新しいストーリーが描かれる。前作で出た様々な要望がフィードバックされ、バランス調整や新システム、新規悪魔などが盛り込まれている。FINALとあるが、これは「真Ⅳの集大成」であって、シリーズ自体が終了するわけではない。
真・女神転生Ⅴ
シリーズ5作目にして最新作。
2021年11月11日、全世界同時発売。
前作『真ⅣF』からは5年ぶり、『真Ⅲ』以来18年ぶりとなる据置機向けメガテン。
ある日、トンネル崩落事故に巻き込まれた主人公は魔界と化した東京「ダアト」で目覚める。
ダアトで悪魔に襲われた際に、謎の男「アオガミ」と融合し「ナホビノ」と呼ばれる存在となり、天使と悪魔の戦いに身を投じることとなる。
外伝作品
真・女神転生if...
物語の時間軸はⅠとほぼ同じで、STEVENが悪魔召喚プログラムをばら撒いた時にそのプログラムによって高校自体を魔界へ飛ばした所から物語は始まる。旧作Ⅰ以来の2Dマップがない作品。今作の「ガーディアンシステム」がのちにペルソナの観念として昇華されパラレルワールドへの道を開いた。
「ニンテンドースイッチオンライン スーパーファミコン」でナンバリング作品ではないがラインナップされている。
真・女神転生NINE
物語は真・女神転生の主人公たちが金剛神界にいる間のストーリーで、東京を襲ったICBMから難を逃れた人々が地下に移り住み、彼らへ娯楽の為に提供されたネットワーク「イデアスペース」を舞台としている。Ⅱには続かず、途中からパラレルになる。
偽典・女神転生
真・女神転生の主人公たちが金剛神界にいる間のストーリーでPC版故か、かなり自重しない18禁のエログロが満載だが評価が高い。
真・女神転生IMAGINE
ケイブが開発・運営は移管済み
Windows機用の本格的なオンラインゲーム。近未来東京にてⅠとⅡの間でNINEの空白の10年が舞台だが、次第にパラレル色が強くなった。
プレイヤーは「デビルバスター」となり自分の分身たるキャラクターを作成し悪魔召喚プログラムを使うという設定は女神転生Ⅱに登場したデビルバスターというゲームの発展形ともいえる。当初はNINEのオンライン対応版として製作を開始したが開発が難航したため、別物として再スタートを切った。現在はサービスを終了している。
真・女神転生 STRANGE JOURNEYシリーズ
新システムとしてミッションが追加され、他にもゲームをクリアしたセーブデータを読み込むことで様々な要素の追加された周回プレイを楽しむ事も出来る。また従来のシステムも健在で、ⅠやⅡにあった思想を示す概念も復活した。今作は全く新しい女神転生となっており、副題は「奇妙な旅」を意味する。
- 真・女神転生 STRANGE JOURNEY
南極に突然、全てを原始に分解しながら広がる「シュバルツバース」が発生し、その空間に国際的な共同調査団を派遣する事となった。主人公はその中の日本人調査隊員として調査に参加することになる。調査隊員は環境に適応する為に「デモニカスーツ」を常時装着している。思想軸であるLAW-CHAOSがシナリオに復帰した。
- 真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY
STRANGE JOURNEYの新要素を入れた追加リメイク版。
D×2真・女神転生リベレーション
アトラスの『真・女神転生シリーズ』を原作とした、セガゲームス開発によるスマートフォン用ゲームアプリゲーム。ある日、ゲームアプリ「悪魔召喚アプリ」を手に入れた主人公は「デビルダウンローダー(D×2)」として2つのD×2集団の争いに巻き込まれてしまい、やがて人類存亡をかけた戦いへと続いていく。
派生作品
女神転生派生作品一覧を参照。
余談
数多くの宗教・神話・伝承から悪魔を採用しているのが本シリーズの最大の特徴だが、近年では知的財産権等の理由から、新規の悪魔の収録が年々少なくなっている。
その最中、2021年11月11日発売の『真・女神転生Ⅴ』にて、遂に恐れていた事件が起こった。
『ヴィシュヴァ・ヒンドゥー・パリシャド(世界ヒンドゥー教協会)』の会長にして政治家であるRajan Zed氏が「アトラスを抱えるセガサミーを訴える」と発表された。
同氏曰く「ヒンドゥー教の『神々』を『悪魔』とするのは冒涜である」「他者の信念を矮小化し、コミュニティ全体を嘲笑するようなビジネスを行うべきではない」と発言している(尚、同氏は過去に『真・女神転生ⅣFINAL』や『終末のワルキューレ』においても、同様の発言をしていた)。
現状は大事には至っていないものの、今後の成り行き次第では、本シリーズの縮小・終焉も有り得る為、推移を見守りたい。
……但し、真・女神転生シリーズは(デザイン以外は)極力史実に沿って神格・悪魔を用いる作品であり、むしろこちらの企業の作品群の方が、『名前』以外の史実の有無の無視・独自解釈による変更が酷いのだが……(主にアドラメレクやアロケル、グラシャラボラスにパンデモニウム、フォカロルetc……)。
また、Rajan Zed氏は真・女神転生シリーズ以外にも上記の通り、終末のワルキューレでも同様の発言をしている事実から、一部の関係者筋から「自身が所属する協会の売名行為に過ぎない」と冷ややかに見られてもいる。
関連タグ
会社 | ATLUS |
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ジャンル | RPG、S・RPG、T・RPG |
スタッフ | 岡田耕始、鈴木一也、金子一馬、増子司、雨宮慶太、韮沢靖 |
世界観 | ポストアポカリプス、世紀末 |
舞台 | 東京、魔界、仮想空間、東のミカド国、軽子坂高校、帝都 |
システム | 月齢、悪魔合体、マガツヒ、サマナー |
施設 | 邪教の館、業魔殿 |
装備 | アームターミナル、デモニカスーツ |
魔法 | 女神転生シリーズの魔法一覧 |
交渉品 | マッカ、生体マグネタイト |
仲魔 | 天使、悪魔、妖精 |
キャラ | STEVEN、魔人アリス、ルイ・サイファー、YHVH、サタン(女神転生) |
属性 | LAW、CHAOS、NEUTRAL |
組織 | メシア教、ガイア教 |
NL | 真・女神転生シリーズ男女CP |
BL | 真・腐神転生 |