概要
1992年発売のスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム/RPG。
1993年からPCエンジンSUPER CD-ROM2版、1994年からメガCD版、2001年からプレイステーション版、2003年からゲームボーイアドバンス版がそれぞれ発売された。
原作としての小説「女神転生」から完全に独立した世界観やストーリーが描かれており、以降のゲームとしての「女神転生シリーズ(及びペルソナシリーズ)」の礎となった作品。
プレイヤーの選択・行動によって属性が変化し、それによりシナリオやエンディングが異なっていくのが特徴であり、また魅力でもある。
単純に「ロウ=善」、「カオス=悪」と見られがちだが、それは秩序と混沌どちらのスタンスを重んじているかであり、そこに善悪は無い。
それまでのRPG作品に多かった「英雄譚」「勧善懲悪」といった王道から外れた作調が特徴的であった。
「勇者が魔王を倒し世界を救う」という英雄譚のアンチテーゼ的な位置にあり、固定観念の善悪だけでなく立場や状況によって見えてくるものが異なり、変化する。
答えは自分で見つけ、自分で判断する重要性に加え、「選ぶのは神や悪魔ではなく人間である」というテーマがシリーズの根底にあると言える。
シリーズの肝である「悪魔合体」は、魔法やパラメータの継承がないシンプルな仕様。
あらすじ
堂々巡りの回廊を彷徨う中、突如として立ちはだかる門。名を名乗る事でその強さを認められ、彼は前へと進んでゆく。
神の贄として磔にされた少年、打ちひしがれて悪魔に虐げられる少年、そして謎の集団によって生贄に捧げられる少女…………その名を呼び、少年は目覚める。そこはいつもと変わらない日常、母と愛犬と共に暮らす家だった。
しかし彼の持つPCには悪魔召喚プログラムなるプログラムと、悪魔が現れたという警告文が送られていた。母におつかいを頼まれて商店街へと向かう少年だったが、井の頭公園で殺人事件が起きた為に物々しい雰囲気が町全体を覆っている。
これをきっかけとし、徐々に日常が浸食され、非日常へと変わっていく。様々な事件や悲劇の果て、少年はあの夢で出会った仲間と共に、戒厳令が敷かれた東京を進み始める。
登場人物
メインキャラクター
※メインキャラはデフォルトネームなし
主人公にしてプレイヤーの分身。吉祥寺で母との二人暮らしをしている。父親は不明。隣に住む少女とは幼馴染で、父である医師にもたびたび世話になる。
夢の中で出会った少年達と共に、次第に壊れていく東京を彷徨う事になる。その中で母の悲惨な最期、ヒロインとの出会い、世界の崩壊、神と悪魔の複雑な思惑を体験していく事となる。
選択肢によってロウ・カオスいずれかに属性が変わっていき、それが物語に影響を与える。
その上で示される第三の道は……
ヒーローの夢に登場した少女。隣に住む幼馴染と同じ名前。
謎の集団により生贄にされようとしていたが、ヒーローが呼んだ名前が彼女に力を取り戻させた。いずれ未来で出会う事を告げた所で夢は覚め、初めて出会った時はゴトウに対抗するレジスタンスのリーダーを務めている。
ゆりこに捕らえられて公開処刑される所をヒーローたちに助けられ、以後は共に行動する。しかしICBMによる大破壊が起き、彼を助けるために転移魔法を唱えて金剛神界へと飛ばし、自らは死亡した。その後大破壊後の東京に転生し、以前と同じくヒーローに助けられ、再び行動を共にする。
ヒーローの幼馴染である少女と恋人同士である少年。ロンゲのイケメン。
夢の中では神への贄として磔にされていたが、ヒーローが名前を呼んだ事で解放され、出口を求めて夢の中で同行する。
失踪した恋人を探していたが何故か警察に捕まり、そこで身に覚えのない容疑で逮捕されたヒーローと出会い、共に行動する。
大破壊後の六本木にて、ヒーローを庇って命を落とす。しかしその献身的な行動が神に認められ、メシア教の聖地・品川の大聖堂にて復活を遂げ、メシアとしてロウ属性の代表者となる。
迷彩服に眼鏡の、ややギークっぽい少年。
夢の中では倒れたところを悪魔に虐げられていたが、ヒーローが名前を呼んだ事で解放され、不本意ながら夢の中で同行する。なお本人は「このまま眠っていたかった」として感謝どころか敵意を向けてくる始末。
吉祥寺でオザワ率いるチーマーにリンチを受けていた所を、ヒーローとロウヒーローに助けてもらい、それを機に共に行動する。
常に力を求めており、大破壊後にオザワに勝つために悪魔と合体。決着をつけた後はヒーローの甘口なやり方に不満を持ち、パーティを離脱。以後はカオス属性の代表者となる。
サブキャラクター
ヒーローの夢の中で登場した妖艶な女性。一人水浴びをしていた所を見られるも、いずれまた会う事を告げて消えてしまう。
その後、ヒーローの前に現れては意味深な言葉を残し去っていく。そしてゴトウの命令でヒロインを拉致し、公開処刑を行おうとするがヒーローたちによって妨害。悲しみと怒りを抱えて退散する。
大破壊後も変わらない姿で再登場し、ヒーローに対し接触を図る。その正体は……
パスカル
ヒーローが飼っているシベリアンハスキーの雌。
母親の死後、共に東京を巡る。その際に(何故か)悪魔合体が出来魔獣ケルベロスへと姿を変えるも、途中ターミナルで別れてしまい、大破壊後のTDL(東京デスティニーランド)で再会。再び仲魔になる。
悪魔召喚プログラムと警告文を送った張本人。車椅子の男。
たびたびヒーローの前に現れてはアームターミナルの性能をバージョンアップしてくれるが、大破壊後の世界でも30年前と変わらぬ姿で登場している。色々と謎がある人物。
不良グループのリーダー。カオスヒーローを目の敵にし、手下と共にリンチをしていた。
ゴトウの権力に惹かれて彼に取り入り、ヒロインと同名の女性を誘拐し、その裏では悪魔使いの能力も磨いていた。大破壊後も生き延び、悪魔の力をもって新宿を支配。老人の姿で現れるが召喚したタケミナカタによりヒーローたちは敗北、力を求めて悪魔と合体したカオスヒーローを加えた再戦で倒された。
東京に悪魔を呼び出し、クーデターを企んだ一等陸佐。モデルは三島由紀夫。
市ヶ谷の駐屯地におり、レジスタンスのリーダーであるヒロインを捕まえようと彼女と同名の女性を誘拐したり、彼女を公開処刑しようとしたりしていたが阻止。その後ある理由から、ヒーローに協力を申し出る。
トールマン
アメリカ合衆国駐日大使。東京に悪魔が現れた事で派遣される。非常に胡散臭い日本語をしゃべる。
ゴトウを倒すようヒーローに協力を求めるが、その正体は北欧の雷神トール。どちらについても「神の名のもとに東京を浄化する」という名目でICBMを落とし、大破壊を引き起こした。
大破壊後、ヒーローの前に現れた金髪の男性。
行く先々で謎のメッセージを残していくが、その正体は言わずと知れたあの御方。真の解放を目指し、神と戦うため工作活動を行っていた。
システム
東京を移動する時は2Dマップ、建物に入ると3Dダンジョンになる。
ヒーローとヒロインの2人がDYING(瀕死)、DEAD(死亡)、STONE(石化)状態になると仲魔がいてもゲームオーバーとなり、三途の川の画面の後にタイトルに戻るので注意。
ゲーム起動時に1/65535確率で起こると言われてるすぐにけせの都市伝説は有名。
用語
本部は品川大聖堂。神を敬いメシア(救世主)の出現を信じている教団。
本部は上野。自然と一体化を重要視しており、悪魔と共存しようとしている。
ロウ(Law)
秩序や規律など「法」を重視する。
ニュートラル(Neutral)
どちらにも属さずバランスが求められる。
カオス(Chaos)
全てが平等で「混沌」を重視する。
関連作品
真・女神転生 エル・セイラム
デジタル・デビル・ストーリー 女神転生の原作者・西谷史氏が『真・女神転生』を原案とした小説。原作者がゲームを題材にしノベライズした稀な作品。
メガテン関係の作品には珍しく、悪魔召喚プログラムが登場しない。
登場人物
- 岳玲子
- ヨゼフ学園に通う女子高生。聖母マリアの転生らしく、そのためにバールの軍勢に狙われ過酷な運命を強いられる。
- 太宰春子
- 玲子の同級生。預言者エリシャから短剣トミムを授けられその使い手となる。
- 神童克彦
- 牧師の息子の高校生。母が自分が助けた老人に殺されたことで神を信じてなかったがこれはバールの策略であった。
- 石川憲一
- 玲子の隣の家に住む小学生。何らかの理由で所持しているサッカーボールが神宝ウリムとなり戦力となる。
- クロ
- 玲子に近づいてきた謎の黒猫。実は獅子王アンリと呼ばれる存在で、ウリムの力で黒獅子の姿になることが可能となった。
- 鈴木竜二
- 超常現象の評論家。明治神宮の森でエリシャ達を目撃してから特殊な力を宿す。
- 鈴木冬美
- 竜二の妹。兄同様の経緯で特殊な力を宿すようになる。
- ケビン
- 初めて悪魔の存在を証明したプロテスタントの牧師。その経歴から米軍と共に悪魔討伐に参加する。
- 高屋親王
- 現世に蘇った歴史上の人物。からくり人形の使い手。
- 小野篁
- 現世に蘇った歴史上の人物。強力な霊能能力の持ち主。
- 江藤新平
- 明治時代の政治家。現世に蘇り都知事の前に現れる。
- バール
- 石川安奈
- バールの巫女として選ばれた憲一の妹。バールから与えた力で破壊と殺戮を引き起こし、最終的には「人の遺伝子に潜む邪悪なモノが進化を重ねこの世に送り出した新しい種族」と形容されるほどの邪悪な存在と化した。
- 大沢俊之
- バールの下僕として選ばれた6人の小学生の1人。小学生たちのリーダー格として行動するが段々自らのやってることに疑念を持つようになる。実は救世主になりうる存在であることが最終盤で判明する。
- ハンニバル
- バールの手で蘇ったカルタゴの戦士。バールの忠実な配下と化しており象部隊を指揮する。
- ミデアンのバラム
- バールの配下の死霊。最初に安奈に接触し悪行を手引きした。
- ルイ
- バンド「エル・ドッグ」に所属するバンドマンにして首相の秘書官を務める男。だがその正体はメガテンシリーズおなじみのある悪魔。
- ソドムのベラ、ゴモラのビルシャ、アデマのシナブ、ゼボイムのセベル
- ルイの配下の魔人たち。ルイはこの他にもある悪魔と思わしき蠅も使役する。
真・女神転生 東京黙示録
アスキーコミックにて連載されていた漫画。全4巻。作者は御祇島千明。OVA化もされた。
「真・女神転生」を下敷きにしているが、キャラクターやストーリーは漫画オリジナル。
「偽典・女神転生」とも関連性があり、成長したとあるキャラクターが登場するなど、未回収の伏線の一部が回収されている。
「デビルマン」に影響を受けたというエログロ描写が多い。
登場人物
- 相馬小次郎 CV:緑川光
- 小林章人 CV:檜山修之
- 八神咲 CV:三石琴乃
- 日下茉莉花 CV:小森まなみ
- 三浦陽介 CV:森川智之
- 久鬼武彦 CV:山寺宏一
- 澁澤京子 CV:椎名へきる
- ガキソン CV:梅津秀行
- 相馬三四郎 CV:大島一貴
余談
メインキャラたちに特定の名前は設定されてない。
しかし開発者たちの間では
ザ・ヒーローは「フツオ」、ヒロインは「フツコ」
ロウヒーローは「ヨシオ」、カオスヒーローは「ワルオ」
とそれぞれ呼ばれており、いつの間にかそれが広がり、ファンの間でも愛称として呼ばれる様になった。
関連動画
スーパーファミコン版
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発売した機種:スーパーファミコン PCエンジン メガCD プレイステーション ゲームボーイアドバンス ニンテンドースイッチ(ニンテンドースイッチオンライン スーパーファミコン)
略称:真Ⅰ
外部リンク
VC 真・女神転生 バーチャルコンソール版サイト