概要
人類と世界を救済するものの総称。主に世紀末に人々が立ち行かなくなり行き詰まったときに、登場するといわれるものが多い。多くは何かしらの特別な能力を持つ。
救世主を英語で言うとセイヴァー(Savior)、ギリシャ語ではソーテールとなる。
各宗教の「救世主」
マシーアハ、メシア(メサイア)
ユダヤ教における救世主。「油を注がれた者」を意味する。ダビデの子孫から輩出される。「人の子」として神から与えられた権能を帯びて現れ、地上において神の統治を実現させる。一世紀のユダヤ人社会はローマによる支配に服しており、ローマを打ち倒しイスラエルを再建するという政治的メシアの出現が待望されていた。
クリストス、キリスト
メシア(油を注がれた者)をギリシャ語訳したもの。ユダヤ教におけるメシア像を継承しているが、被造物としてではない文字通りの意味の「神の子」であり唯一神の位格の一つである点が異なる。旧約聖書において塗油を施されたのは王、預言者、祭司であるが、イエス・キリストはこれら全ての要素を、さらに高みにある形で兼ね備えているとされる。
東方正教会圏では「クリストス」はクリスチャン人名として用いられている。
カトリック圏で「ヘスス(Jesus)」が人名として使われているようなものか。
マフディー
イスラム教でもイーサー(イエス)をマスィーフ(メシア)と認めているが、さらにマフディーという救世主的概念がある。「(神により)正しく導かれた者」という意味。ユダヤ教のメシアのように神の正義と統治を地上に確立させるために出現する。シーア派の十二イマーム派では十二番目のイマームであり、隠れイマームとして世から姿を隠しているというムハンマド・ムンタザルがマフディーだとされる。正教圏におけるクリストスのように、ムスリムの男性名として普通に使われている。
サオシュヤント
ゾロアスター教における救世主。アブラハムの宗教のそれのように世界の終末が迫るとき出現し、悪に染められた世界を覆し、正義にして永遠なるアフラ・マズダーの王国として建て直す。そのため「更新者サオシュヤント」とも呼ばれる。なお、複数いる模様。サオシュヤントが現れる時、世界は灼熱に溶かされ浄化がなされる。こうして起こる「最後の審判」ともどもセム系一神教によく似ている。
弥勒菩薩(マイトレーヤ)
こちらは称号ではなく個人名である。名前は「親愛、友情ある」という意味であり、他宗教における救世主とは語源が異なる。大乗仏教においては釈迦の入滅後56億7000万年後出現し、衆生を救済する弥勒菩薩のこと。上座部仏教のパーリ語経典では『転輪聖王獅子吼経』にのみ登場する。大乗経典とはかなり違った描写となっている。
かいつまんで言うなら彼自身は救済を行わず、人類が危機的な時代を乗り越え、社会を建て直し、
煩悩や飢えや老化を自覚できるようになり「無常」を説く教えを受け入れられるレベルに達した時、教化のために下生する。つまり阿含経では弥勒菩薩は「救世主」ではない。
カルキ
ヒンドゥー教における救世主で、ヴィシュヌの化身。我々がいま生きている「カリ・ユガ」時代の終わり、人類が堕落の極みにある時代に現れ、悪魔カリ(長音はなく、カーリーとは別人)ら全ての悪なるものを打ち倒し、新たな世界紀を開始させる。
創作における救世主(自称含む)
キャラクター
メカニック
ザ・ガンダム(ガンダムAGE-1の原型となった機体(機動戦士ガンダムAGE))