概要
マビノギ四枝(※1)を中心にウェールズ地方に伝わる神話や物語を纏めた書物の事で、収録されているエピソードの中にはケルト神話や後のアーサー王伝説成立に影響を与えたものも含まれる。
アーサー王伝説との関係
後世のアーサー王伝説とは登場人物の名前がやや異なっており、以下の名前が現在のアーサー王伝説の登場人物に対応している。この他にも登場人物の能力や人間関係が現在知られるアーサー王伝説から著しく異なっている部分があり、顕著な例としてケイ卿(ここではカイ)が巨大な鮭に乗ったり、手から熱を放射する、敵に絶対に治らない傷を与える、長時間潜水できるなどのちに円卓最強とされるランスロットもびっくりなチート騎士になっていたりする。
マビノギオンに収録された話のうち、「キルッフとオルウェン」では主人公「キルッフ」がアルスル(アーサー王)の親戚という扱いであり、彼の協力を得て巨人王イスバザデンの出す課題をクリアし、イスバザデンの娘であるオルウェンと結婚するという流れになっている。余談ながら、アーサー王の愛犬カヴァス、魔猪トゥルッフ・トゥルウィスはこの「キルッフとオルウェン」が出典である。
対応表
マビノギオン | アーサー王伝説 | 備考 |
---|---|---|
アルスル | アーサー王 | エクスカリバーはカレドヴールフとなっている。 |
オウァイン | ユーウェイン | 主役エピソードあり |
カイ | ケイ | |
グウェンホヴァル | グィネヴィア | |
グワルフマイ | ガウェイン | |
ベドウィル | ベディヴィアまたはベディヴィエール | 隻腕という設定はこの頃から存在していた |
ペレドゥル | パーシヴァル | 主役エピソードあり |
注釈
(※)「ディヴェド大公プイス」、「スィールの娘ブランウェン」、「スィールの息子マナウィダン」、「マソヌイの息子マース」の四編の事。
他の作品では
- Fateシリーズ:この作品におけるアーサー王伝説はマロリー版などをベースにしている一方で、カヴァスやトゥルッフ・トゥルウィスなどマビノギオンの要素も折衷されている。
- マビノギ:韓国のゲーム会社NEXONが運営するMMORPG。ケルト神話をベースにしており、名前の由来も「マビノギオン」であると推測される。
- 真・女神転生:女神アリアンロッドが登場している。
- 中二病でも恋がしたい!:丹生谷森夏ことモリサマーが記した黒歴史ノートの名前として登場。漢字で書くと「闇聖典」。メイン画像もこの闇聖典が描かれたものを使用している。