カラドボルグとは、ケルト神話に登場する魔剣(魔法剣)の一種である。
概要
ケルト伝承の英雄、フェルグス・マック・ロイの愛剣。
フェルグスはクー・フーリンの剣の師匠にして、盟友である。
その名は『稲妻(硬い稲妻・稲妻の一撃)』を意味し、一説にはカリバーン(エクスカリバー)の原形ともいわれ、それに並ぶ名剣であるともされる。
登場は『クアルンゲの牛捕り』で、フェルグスがアルスターを義憤から裏切って敵軍であるコナハトに付き、「クーリーの牛争い」にて怨敵であるクルフーア王を前にした時である。
目の前にいるクルフーア王をカラドボルグで討ちとろうとするも、同じくコナハトに寝返ったクルフーア王の子息に嘆願されてこれをやめる。
その後フェルグスは、クー・フーリンとの盟約に従って戦場を去ったという。
このとき一度だけカラドボルグが魔力を発揮して振るわれるのだが、その力と言うのが刀身が一瞬にして無限に伸びるというもの。それなんて星薙の太刀?
この力でフェルグスは、フルクーア王の首の代わりにその場から見える虹の間にあった丘の頭三つをこの剣でぶった切ったというから、凄まじいリーチと切れ味である。
アルスター王フェルグス・マク・レーティ(上記のフェルグスとは別人)が持つ剣としても登場し、竜の怪物ムルドリスを退治するという話もある。
フィニアンサイクルにおいては愛の神オェングスが所持していたが、戦いの果てに折れて二つに分割されてしまい、以後はフィオナ騎士団のオスカーが引き継いだ。このサイクルでの名前は「ゲル・ ナ・グコラン」と呼ばれている。
創作作品のカラドボルグ
Fateシリーズ
遠坂凛のサーヴァント・アーチャーが使った武器の一つとして登場。
正式名称を「偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)」といい、『偽』『Ⅱ』の文字通りアーチャーにより、自らの能力に合うように魔改造が加えられている。
ドリルのように捩じれた刀身を持ち、矢として撃ち出すように用いる。
その真名を解放してやることで、螺旋剣は空間をも貫く無敵の徹甲弾と化す。
ちなみに本来のカラドボルグは剣光を虹のように伸ばす魔剣で、表記は『虹霓剣』。
円卓の騎士の一人ガウェイン卿の持つ『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』の原型にあたる。
また、ウルスターに縁のあるものがこの剣を使った場合、クー・フーリンはゲッシュにより一度敗北する宿命にある。
また、プリズマ☆イリヤにて、クロエ・フォン・アインツベルンがさらなる劣化版「偽・偽・螺旋剣(カラドボルグⅢ)」を使用している。
フューチャーカードバディファイト
「偽王剣カラドボルグ・レプリカ」が登場。そのデザインは細長いドリル状で、フレーバーテキストにも螺旋剣と書かれている辺り、Fateのカラドボルグが元ネタになったのではないかと思われる(カラドボルグは他の作品では大抵両刃の剣として登場するため)。
仮面ライダーセイバー
仮面ライダーソロモンが使う大いなる剣。⇒カラドボルグ(仮面ライダーセイバー)
また、仮面ライダー最光の聖剣『光剛剣最光』の刃部分「カラドルークス」の由来であると思われる。