概要
天才プログラマー・中島朱実の戦いを描いた『デジタル・デビル・ストーリー』三部作と、それから4年後の物語『新デジタル・デビル・ストーリー』六部作で構成されている。
1986年3月に徳間書店・アニメージュ文庫で書き下ろされた第一作『女神転生』は翌年にOVA化。
メディアミックス作品として、日本テレネットからパソコン用アクションゲームが、ナムコからファミコン用RPGが発売された。その後、ファミコン用RPGは開発元のATLUSによって原作小説とは無関係にさまざまな機種でシリーズ化され、『女神転生シリーズ』として現在も続いている。
文庫版は絶版となったが、2004年よりアトラスの携帯電話サービス「メガテンα」にて、文庫版を加筆修正したデジタルノベルが配信された。また、2005年から翌年にかけて、大幅に加筆修正した『愛蔵版 デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』全三巻がブッキングより復刊されている。
「コンピュータープログラムで悪魔を召喚する」という設定のアイディアは、西谷が電機メーカー勤務の会社員だった頃に支店から実現不可能な発注を受けた時に発した、「オンラインで悪魔でも送り付けてやろうか」という冗談半分の暴言に起因する。
ストーリー
1980年代後半、天才高校生プログラマー・中島朱実は、いわれのない逆恨みで自分に危害を加えた高見沢京子と近藤弘之に復讐するため、自ら作成した「悪魔召喚プログラム」で北欧神話の悪神ロキを召喚する。
ロキの力を借りて復讐を果たし集団催眠で学校を支配する中島だったが、悪魔召喚に際して正しい契約の手順を踏んでいなかったため、ロキは彼の支配を離れ暴走してしまう。転校生の白鷺弓子に憑依したイザナミ神に救われるもののロキを倒すまでには至らず、かろうじて逃げるが致命傷を負った弓子は命を落としてしまう。イザナギ神としての前世の記憶を取り戻し、弓子がイザナミ神の転生した姿だと知った中島は前世の妻でもある弓子を蘇らせるため、飛鳥にあるイザナミ神の墳墓・白鷺塚へ向かう。
そして、他の悪魔たちへの「悪魔召喚プログラム」の伝播を恐れるロキもまた、製作者である中島を抹殺するため、ネットワークを利用して飛鳥へ転移し彼の後を追うのだった……。
余談
女神転生という名称はイザナミの転生した姿である弓子を指しての言葉である。
悪魔召喚プログラム、生体マグネタイト等、以降のRPG女神転生シリーズに継承されていく主要な設定は、この小説から生み出されたものである。
主人公である中島の名前については西谷史の幼少期に出会ったいとこの名前から無意識のうちに決めていたとのこと(関連ツィート)。
また、西谷史はゲーム『真・女神転生』を題材にした小説『真・女神転生 エル・セイラム』も書いている。
真シリーズの舞台が東京のため勘違いされやすいがDDSの舞台は奈良である。