概要
本来、悪魔の召喚には高度な知識と莫大な霊力が要求され、魔法陣の構築や生贄の準備にも手間がかかる。
しかし、このプログラムはコンピューターの簡単な操作さえできれば、プログラムが召喚儀式を自動でエミュレートし、誰でも簡単に悪魔を呼び出す事が可能になる。
ただしあくまで「呼び出す」だけであり、召喚した悪魔を制御する機能はないため、素質のない者が使用したり強力な悪魔を安易に呼び出したりすると、その悪魔に襲われる形で自滅する恐れがある。
これが収められたコンピューターは通称COMPと呼ばれる。シリーズによっては悪魔との交渉をサポートしたり、悪魔合体をその場で行えるアプリが用意されていたりする。
ゲームシステムとしての悪魔召喚プログラム
特筆すべきは、この悪魔召喚プログラムは単なる設定に留まらず、ダンジョンの中や戦闘中など、
いかなる状況や場所であってもパーティ編成が可能とするゲームシステムに昇華した事である。
「補欠メンバーを連れ歩く」「敵に応じてその場でパーティを再編成する」「傷ついた仲魔を逃がしたりと無傷の仲魔と入れ替える」といったパーティ編成の戦略性を生み出し、他のゲームにも大きな影響を与えている。
なお召喚プログラムの設定上、パーティ入れ替えの恩恵が得られるのは仲魔のみで人間は位置替えしかできない。
シリーズによる違い
デジタル・デビル・ストーリー 女神転生(原作)
初出作品。高校生にして天才プログラマーである中島朱実が、魔術理論とコンピュータ理論の類似性を発見し、それを基に作成したプログラム。最初に呼び出された悪魔はロキ。
こちらの悪魔召喚プログラムはBASICで組まれており、10MBの容量だという(OVAではFORTRAN 77)。現在ではかなり少ない容量に思えるが、当時のPCではHDDが20MB程度なのでかなりの大容量である。
デジタル・デビル物語女神転生(ナムコ版)
原作小説を元にしたRPG作品で、本作にも悪魔召喚プログラムも登場する。
作中でもこれが使えるのはナカジマのみでありCOMPコマンドから利用する。
続編の女神転生Ⅱにも登場。前作と同じ中島によって制作されたものだが、これを主人公に授けたのはパズスである。
真・女神転生
謎の男STEVENが開発。
物質転送装置ターミナルが偶然魔界と繋がってしまい、その時のデータを基に作成された。
悪魔による地上侵攻に対抗できる者を増やそうとネットを通じてばら撒き、それを主人公が受け取るところから物語が始まる。
しかし、主人公のように使いこなせた人間は少なく、保持者の多くは召喚した悪魔に殺されている。続編の真・女神転生Ⅱではその点を反省したのか、使いこなせる素質ありと見た人間に直接渡している。
スピンオフの真・女神転生if...でも最初にばら撒かれた内の1つを主人公が受け取っている。
if..の番外編である魔界のジンではオカルト研一行の携帯電話に限定的な会話機能のみが使用できる不完全なプログラムが送られている。悪魔側の言葉は文章で表示され、こちらからは文章入力して送信というメールのような形で会話を行う。
真・女神転生Ⅲ
主人公が悪魔の力を得た人修羅と化し、プログラムの助力なしで召喚できるため、召喚プログラムは登場しない。
真・女神転生Ⅳ
STEVENが作成し、ネットにフリーソフトとしてリリースした。
悪魔討伐隊のスーツやサムライ衆のガントレットにインストールされている。
スマホでも利用可能であるため、真4Fの主人公等、人外ハンターや東京の人間はスマホで使用している。
悪魔合体が行える邪教の館もアプリとして内包されている。
余談だが、FINALの魔神ダグザは、壊れた端末を修理したり、プログラム内の悪魔情報を全て消去する事も可能など、悪魔召喚プログラムに直接干渉出来たほぼ唯一の悪魔である。
真・女神転生Ⅴ
ベテルに所属するとプログラムが配布される。スマホのような機器に入っているらしい。
真・女神転生VVでは敦田ユヅルや太宰イチロウが一時的にメンバーになった際に端末を操作して召喚をしている様子がわかる。
主人公はナホビノとなるため、プログラムなしで召喚ができる模様。
真・女神転生STRANGE JOURNEY
セクター・アントリアにて不可視の敵=悪魔に襲われた際、何者かによって司令AI・アーサーを介して調査隊員全員のデモニカスーツにインストールされる。これにより、悪魔の可視化及び駆除が可能になった。
初めて出会った悪魔は最初はモザイクがかかった姿でしか認識できないが、サーチシステムを使って対象をスキャンすれば、正しく認識できるようになる。
プログラムには悪魔との会話をサポートするシステムも備えられており、交渉によって仲魔契約を結び、共に戦闘を重ねて分析が進む。
悪魔合体システムももちろん搭載されており、ブルージェット号の司令AI・ヴェルヌから得た情報で判明する。
デビルサマナーシリーズ
矢来区にあるホテル業魔殿のオーナーで吸血鬼の錬金術師・ヴィクトルによって作成。
葛葉流召喚術を解析し、プログラム化したものとされている。
葛葉ライドウシリーズでは、その葛葉流召喚術を扱う為プログラムは登場しない。
ドラマ版デビルサマナーではダークサマナーやサマナーハンターは悪魔召喚プログラムを使用しないのでデビルサマナーのみが使用するが、作成元は不明。
ソウルハッカーズ2では主人公一行はAionによる独自の悪魔召喚プログラムを使っている。
デビルサバイバーシリーズ
1では主人公の従兄のナオヤが作成。クライアントサーバー形式を採っており、「悪魔召喚サーバー」で行われた結果を主人公達が持つ改造COMPへ結果を送っている。
2では憂う者が様々な人間に与えている。それ以前よりジプスでは独自の悪魔召喚の技術が使われていたが、憂う者が用意したものに乗り換えられたことから性能は高くなかった模様。
プログラム(真・女神転生のもの)
RESET;
SEI
CLC
XCE
CLD
X16
M8
LDX #1FFFH
TXS
STZ NMITIME
LDA #BLANKING
STA INIDSP
EL ELOHIM ELOHO ELOHIM SEBAOTH
ELION EIECH ADIER EIECH ADONAI
JAH SADAI TETRAGRAMMATON SADAI
AGIOS O THEOS ISCHIROS ATHANATON
AGLA AMEN
- 前半部分がプログラム本体の一部、後半部分は悪魔を召喚するための呪文(ヘブライ語)の一部。
- 呪文の意味は以下の通り
- 永遠なる主、ツァバトの神
- 栄光に満ちたるアドナイの神の名において
- さらに口にできぬ名、四文字の神の名において
- オ・テオス、イクトロス、アタナトスにおいて
- 秘密の名アグラにおいて、アーメン
- この「口にできぬ名、四文字の神」とは劇中の唯一神YHVHの事である。
余談
基本的にストック出来る悪魔は各悪魔1体のみである(例=魔獣ケルベロスが既に仲魔にしていれば、2体目以降の入手は不可能。但し、魔神転生シリーズでは極一部を除き、複数体のストックが可)が、敵の場合は『同一名称の悪魔』の複数召喚が可能になっている(恐らく、「敵の数を増やしたい」が「当時のプログラムで映せる敵の数の限界」の兼ね合い等の『ゲーム上の制約』が原因だと思われる)。
関連タグ
バイスタンプ:同じく悪魔を召喚する装置。制御が召喚者自身に委ねられる点でも同じ。