概要
女神異聞録ペルソナを1作目として現在まで続いているシリーズ作品。
元は女神転生の派生から始まったシリーズであり、真・女神転生if...の「ガーディアンシステム」がペルソナのシステムや世界観の原型となった。
シリーズ一覧
ナンバリング作品
女神異聞録ペルソナ
ナンバリング第1作。イメージカラーは「紫」。
1996年、女神転生シリーズ新作のPS用ソフトとして発表された。
「精神的成長に伴う悩みをモチーフとしたストーリー」「心の力で戦うRPG」というペルソナの持ち味を確立させた第1作となる。本作は女神転生シリーズ屈指の難易度を誇り、ゲームシステムもかなり複雑。バッドエンドへの分岐が早い段階にあったり、もう一つのストーリーラインを見る条件や隠しキャラの加入方法が難しいなど、全エピソードを見るには一筋縄ではいかない作品。
2009年4月29日にはPSPにてリメイク作品『Persona』が発売され、セーブポイントの増加など難易度は緩和されている。
外伝シナリオにあたる携帯電話用アプリ『女神異聞録ペルソナ 異空の塔編』は2006年に配信され、2024年にはSwitch/Steamでリマスター移植版が発売された。
本作は3Dダンジョンや戦闘での射程やフォーメーション等が採用された唯一の作品となっている。
※ちなみにPQシリーズやP5Tは番外編作品ではあるもののこれと類似のシステムが復活していたりする。
ペルソナ2
噂は現実となり、人は『罪』を知る
滅びの夢の先、待ち受ける大いなる『罰』
ナンバリング第2作。イメージカラーは「橙」または「朱色」。
1999年に『ペルソナ2罪』が2000年に『ペルソナ2罰』がPS用ソフトとして発売。
リメイク版は2011年4月14日に『PERSONA2 罪 INNOCENT SIN.』、2012年5月17日に『PERSONA2 罰 ETERNAL PUNISHMENT.』と、PSPにてそれぞれ発売された。
前作よりもシステムが簡略化された一方、ストーリーは「罪」と「罰」の2部構成となった。
『ペルソナ2 罪』で一応の完結を見せつつも謎を残し、続編の『ペルソナ2 罰』で真の完結となる。また本作では、噂が現実になる「噂操作システム」が新たに導入され「本当の理想とは何か?」といったテーマが提示された。
さらに、『女神異聞録ペルソナ』の登場人物も成長した姿で登場し、シリーズ3作の完結編的な位置づけの作品となっている。園村麻希、上杉秀彦、黛ゆきの、城戸玲司、横内健太(トロ)、南条圭、桐島英理子。このうち、黛ゆきのは罪の前半、南条圭&桐島英理子は罰での分岐シナリオでプレイヤーとして登場。上杉秀彦は、PS版罰に付属されているファンディスクでテレビ番組の司会をやっている。
そのほか、2007年から携帯アプリとして『ペルソナ2罪 LOST MEMORIES』が、2008年から『ペルソナ2罰 INFINITY MASK』が外伝シナリオとして配信されている。前者は罪のエンディングに関わるパラレルワールドが舞台で、後者は作中のどこか曖昧だが番外編となっている。
ペルソナ3
1日は、24時間ではない。なんて言ったら、君、信じるかい?
ナンバリング第3作。イメージカラーは「青」。テーマは「死」。
『2』から6年の時を経て、2006年にシステムを一新しPS2用ソフトとして発売された。製作は『真・女神転生III-NOCTURNE』チームが担当し、プレスターンや全書など『真III』で好評だったシステムの多くが反映された。
翌年2007年4月には、本編に追加要素とアイギスを主人公とした後日譚「Episode aigis」を追加した『ペルソナ3フェス』が発売された。
本作では時間経過や人間関係がゲームシステム化された(カレンダー、コミュ)。敵やダンジョン以外の場面、つまり学園での日常生活の部分に大きくスポットが当てられるようになった。ダークでシリアスな印象が強かった『異聞録』『罪・罰』から、ポップで明るい演出を印象づける方向へ変化し、新規ユーザーの取り込みに成功した。とはいえ、メインストーリーには重々しい部分が色濃く残っており、本作はポップとダークが激しく混ざり合った実験的作品となっている。
本作を原案としたテレビアニメ『ペルソナ〜トリニティ・ソウル〜』が2008年1月~6月まで放映された。主人公や世界観は原作と大きく異なるオリジナルストーリーとなる。
2009年11月には、女性主人公を新たに追加したリメイク版『ペルソナ3ポータブル』が、PSPにて発売された。本作はペルソナ4の発売後に登場した作品のため、一部に4のキャラなどがゲスト出演している。ただし容量等の都合でフェスの後日譚「Episode aigis」は含まれていない。
2013年から2016年にかけては、劇場版アニメ『PERSONA3 THE MOVIE』#1~#4が上演された。
ペルソナ4アニメ化の流れに乗って制作された作品群である。ストーリーは原作から少しアレンジされており、主人公の精神的成長や原作で描写の少なかったキャラの補完が為されている。
2014年から2017年にかけては、舞台版シリーズ『PERSONA3 the Weird Masquerede』が上演された。1章と2章は劇場版に準拠した内容だが、3,4,5章は原作・小説版を掘り下げた内容となっている。また、男性主人公と同時にP3P女性主人公編が上演された。
2023年1月19日には『ペルソナ3ポータブル』のHDリマスター版が発売された。対応機種はNintendo Switch、Xbox Game Pass(※)、Xboxシリーズ、Windows、PlayStation®5、PlayStation®4、Steam。※月額サブスク方式でPC,スマホ,Xboxから遊べるサービス。
2024年2月2日にはフルリメイクとなる『ペルソナ3リロード』が発売。対応機種はP3Pリマスター版とほぼ同じだが、Switchは含まれていない。
リロード本編はオリジナル版+フェスの本編内の追加要素のフルリメイクの為、フェス後日譚やポータブルの女性主人公編は含まれていない。
しかし、リロード発売から1か月後、フェス後日譚だった「Episode aigis」リメイク版はDLC配信として発売されることが発表された。
一方で、女性主人公は開発期間とコストが後日譚リメイクの数倍かかることやペルソナシリーズ完全新作に取り組みたい等のことで、公式インタビューよると今後のリロードに実装される予定は無いとのこと。
そのほか、携帯電話専用のアプリとしては『アイギス THE FIRST MISSION』『ペルソナ3エム』が配信されている。前者は2024年にSwitch/Steamでリマスター移植版が発売された。
ペルソナ4
マヨナカテレビって、知ってる?
ナンバリング第4作。イメージカラーは「黄色」。テーマは「真実」。
2008年『ペルソナ3 フェス』発売から、1年3ヶ月という短い期間で、PS2用ソフトとして発売された。キャラクターデザインは『3』から引き続き、副島成記が担当しており、主要開発スタッフも前作と同一と、基本は前作の『3』を踏襲しているが、本作から時間経過の他に天気の概念も加わった。また前作のゲームシステム(ペルソナ育成や武器属性、コミュニティシステム関連など)も再構築され、遊びやすく進歩している。
世界観は『3』の2年後を想定しており、都会を舞台にした前作品とは反対に、田舎を舞台としている。抑圧された「もう一人の自分」の存在と向き合い、新たな「自分」を確立させるシナリオは評価が高い。
※自分のシャドウと向き合うという要素自体は2にもあったが、3でプレイヤー人口が増え、4の場合は序盤から展開されるため、「4を名作にした要素」として有名になったといえる。
2011年10月から2012年3月まで、本作を原作としたテレビアニメ『Persona4 the ANIMATION』が放映され、2014年7月からはペルソナ4 ザ・ゴールデンもアニメ化された。
原作ゲームほぼそのままの世界観でペルソナ作品が地上波アニメとなったのは、この4アニメ版が初である。
2012年6月14日にはPSvitaでのアッパーバージョン『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』が発売された。
2020年6月14日にSteamにてPC版が発売され、2023年1月19日にはHDリマスター版が発売された。対応機種はNintendo Switch、Xbox Game Pass、Xboxシリーズ、Windows、PlayStation®5、PlayStation®4、Steam(他機種での追加要素に合わせたアップデートの実施)。
ペルソナ5
Take your Heart あなたの心を頂戴する
ナンバリング第5作。イメージカラーは「赤」。テーマは「反逆」。
当初はPS3のみで2014年冬発売予定だったが、PS4版も同時発売することが決定。最終的な発売日は2016年9月15日に決定し、『P4』から8年の時を経て発売された。
2019年10月31日にアッパーバージョンとして『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が発売。2023年1月19日にはHDリマスター版が発売された。対応機種はNintendo Switch、Xbox Game Pass、Xboxシリーズ、Windows、PlayStation®5、Steam。リマスター版では、PS4版で有料だったDLCが全て無料で利用できるようになった。
世界観は『4』の後を想定しており、架空の田舎町を舞台にした前作品とは反対に、実在する大都会「東京」を舞台としている(四軒茶屋のように地名がそっくりそのままでないパターンもある)。他にも、主人公たちの立場が『4』の「連続殺人事件の犯人を追う側の捜査隊」とは反対の「検察や探偵などから追われる側の怪盗団」となっている。
基本システムは前作の『3』や『4』を踏襲しているが、魔法属性のフレイ系やサイ系、エイハ系、コウハ系の復活や武器は近接武器と遠隔武器の2種類になること、悪魔交渉システムの復活など『女神異聞禄』や『2』のシステムも導入され、シリーズ20周年記念作品として正統進化を遂げている。また、「コミュ」から「コープ」に変更され、絆を結ぶことよりも協力関係を結ぶことに意味合いが変更されている。
2016年9月3日に特番アニメ「PERSONA5 the Animation -THE DAY BREAKERS-」が放送された。ゲーム本編内のメメントスミッション「窃盗団」を詳しく描いた作品となっている。
2018年4月から2019年3月までTVアニメシリーズとして「PERSONA5 the Animation」が放送開始された。こちらは無印版本編ストーリーをなぞった物で、一部オリジナル要素やロイヤルで追加される要素の先行公開があった。
派生・外伝作品
P4Uシリーズ
2012年3月1日にNESiCAxLiveにて、P3・P4キャラが登場する格ゲー『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』が稼動開始。同年7月26日にPS3&XBOX360での家庭用移植版が発売。
ストーリーの時系列としては、ペルソナ4の続編となる。4のエンディングから翌年のゴールデンウイークで、P3メンバーはP3から3年後となり成長した姿で登場する。物語は途中でいったん終了し、下記の続編へとつづく。
2013年11月28日には、続編である『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』が稼働開始。家庭用は、PS3のみで2014年8月28日発売。
こちらは前作の続きで、同じく4のエンディングから翌年のゴールデンウイークの出来事。ついに黒幕やラスボスが明かされることとなる。
ペルソナQ
2014年6月5日に3DS用ソフトとしてP3・P4外伝という位置づけのRPG『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』が発売。
時系列は3・4それぞれの文化祭当日で、両者が同じ異世界に迷い込むというストーリー。
P3側視点、P4側視点の2つのストーリーが存在する。
キャラクターデザインは3・4と同じく、副島成記が担当しており、主要開発スタッフも同一。
ただしシステムは同社の世界樹の迷宮のターン制戦闘やFOEを採用している。
ペルソナQ2
正式タイトルは『ペルソナQ2 NEW CINEMA LABYRINTH(ニューシネマラビリンス)』で2018年11月29日に発売のニンテンドー3DS用ソフト。前作のP3・P4メンバーに加え新たにP3P・P5勢も参戦。
シリーズとしては続編ではあるが、ストーリーは前作から独立しておりPQ2のみプレイでも問題はない。また、本作は前作と異なり、ストーリーはP5視点だけに固定されている。
主要開発スタッフは前作から一新されており、キャラクターデザインはP4Uパッケージ絵やP5カットイン絵などを担当した織部花子が担当している。
ダンシング・オールナイトシリーズ
ペルソナ4 ダンシング・オールナイト
2015年6月25日に発売されたPSvita用ソフト。
特捜隊をはじめ菜々子やオリジナルキャラ、初音ミクもコラボ登場し、カッコよく踊る音ゲー。
ストーリーは本編から半年後の夏休み後を舞台としている。
ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト
2018年5月28日にペルソナ5版と同時発売されたペルソナ3のリズムゲーム。
対応機種はPS4とPSvita。なおPS4版のP3D&P5D同梱版をセットで購入するとPS4版P4Dダウンロードコードが特典として付いてくる。
S.E.E.S.等おなじみのメンバーのカッコいいダンスが見られる。
P3P女性主人公は登場しないが、P3Pのベルベットルーム住人テオドアや楽曲は登場する。
ストーリーは明確でないが、おそらく決戦前の夢の中のようだ。
ペルソナ5 ダンシング・スターナイト
2018年5月28日にペルソナ3版と同時発売されたペルソナ5のリズムゲーム。
ロイヤル発売前の作品のため芳澤かすみは登場しないが、そのほか無印時点での怪盗団やベルベットルーム住人は登場する。
ストーリーは明確でないが、おそらくエンディング前の夢の中のようだ。
ペルソナ5スクランブル
正式タイトルは『ペルソナ5 スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』。
2020年2月20日に発売されたコーエーテクモゲームスとの共同開発されるシリーズ初のアクションゲーム。
対応機種はプレイステーション4とニンテンドースイッチ、2021年2月23日にはSteamにてPCにも対応した。
時系列はペルソナ5本編の翌年の夏休み。怪盗団はキャンピングカーで旅行する予定だったが、もう発現しないはずのパレスのような異空間「ジェイル」に迷い込んでしまい、改心のため全国を奔放するというストーリー。システムとしては無双系ゲームで、3Dマップを飛び回り大勢の敵をなぎ倒すという方式。
ペルソナ5タクティカ
2023年11月17日に発売されたシリーズ初のシミュレーションRPG。
対応機種はGAME PASS・Xbox SeriesX / S・Windows・PS4・PS5・SWITCH・STEAM。
ペルソナ5本編のエンディング手前のストーリーで、いつもと違う異世界と喫茶ルブランが繋がってしまうという展開。イラストや3DはPQシリーズのようなデフォルメでカートゥーン風になっている。パズルゲームのような操作感だが、トライバングルという総攻撃の代わりとなる独自システムが登場する。また、DLCストーリーでは明智吾郎やロイヤルから登場した芳澤かすみも登場する。
Persona5:ThePhantomX
ペルソナ5の世界観をベースとした、スマートフォン・PC向けRPG。中国・PerfectWorld社とのライセンス契約による、シリーズ初の海外スタジオ制作作品。ただし新主人公のデザインやメインストーリーはアトラス制作で、全般的にセガとアトラスで監修を施している。
『5』本編とは異なる世界・メンバーで構成された、新たな心の怪盗団の活躍を描く。舞台は引き続き東京となっているが、学校が下北沢、主人公宅が雑司ヶ谷にあるなど行動範囲が広がっている。
P5X世界はパラレルワールドだがP5世界の影響を受けており、P5の「心の怪盗団」も重要人物として登場し、謎が徐々に明かされていくストーリーとなっている。
中国など一部アジア地域ではオープンベータテスト等先行配信として2024年4月からリリースされており、日本版は2025年中にリリース予定となっている。