概要
ニンテンドーDSの後継機で、2011年2月26日に発売された。
名前のとおり、上部画面が裸眼3D液晶になっており、3D映像でゲームを楽しむことができる。
旧DS用ソフトに対して下位互換性を有するが、正確にいうと「ニンテンドーDSiとの互換性」となる。初期のニンテンドーDS用ソフトでは、ゲームボーイアドバンス用スロットまで使うゲームもあるため、旧DSとは100%完全互換とは言い切れない。
一部DSソフトではポーズ機能など3DS機能を想定していない挙動もあり、特定ゲームで発生する乱数が限られたパターンとなるなど、特殊な挙動が起こる場合もある。
希望小売価格：14,286円+税。発売当初の価格は税込25,000円で、任天堂携帯機としては最も高額となり、当時の据置き機Wiiより高い事態となった。発売後、日本ではそれなりに普及したが、海外では携帯機としては高額ということもあり出荷台数に反して販売台数は振るわなかった。この様な事情もあり、2011年8月11日より15,000円（税込）へ値下げされた。赤字覚悟ではあったが、年末に「マリオカート7」、カプコン「モンスターハンター3G」など有力ソフトが次々と発売されたため最大週間販売台数を記録した。
2012年7月28日にサイズバリエーションとして液晶サイズを190%に大型化したニンテンドー3DSLLが発売。価格は18,000円+税。
2013年には北米・欧州・豪州で廉価版ニンテンドー2DSが発売され、その約3年後の2016年に日本でも一部店舗で初代ポケモンをSDカードに内蔵したものを赤・緑・青・黄の4色で発売された。
2014年10月11日に上位機種であるNewニンテンドー3DSが発売。性能が向上し、数は少ないがNew専用ソフトが発売されるようになった。
2017年になると据置き･携帯双方の性質を有するニンテンドースイッチが発売された。この頃は3DSとの共存が考えられており、3DSでは新たにNewニンテンドー2DSLLが発売。ソフトも3D非対応が増えたとはいえ、それなりに充実していた。
2019年になると事実上の後継機であるNintendoSwitchLiteが発売された。これによって3DSシリーズはSwitchへバトンタッチとなり、新作ソフトが激減。だが本体製造は細々と続けられた。
2020年9月17日のeb紙面にて、3DS全機種生産終了が報じられた（ライバル機であるPSVitaは2019年に生産を終了しており、後継機発表はなし）。
旧3DS・旧3DSLL修理受付も2021年3月8日到着分をもって終了となる（当初は3月31日までの予定であったが、部品在庫関係で前倒しとなった）。
今のところ最新ソフトは、2019年12月23日に発売された「ドラゴンファングZ 竜者ロゼと宿り木の迷宮」であるが、2019年に発売したソフトはこれを含めて4本のみ。
DSiに引きき、本機もダウンロードソフトを購入することが可能で、その際はニンテンドーeショップというサービスを利用する。3DSダウンロードソフトやDSiウェア、パッケージソフトダウンロード版などがダウンロード可能。
バーチャルコンソール使用も可能で、こっちは主にファミコン・ゲームボーイ/カラー、果てはPCエンジンやゲームギアのタイトルまでもが再版・配信されており、当時の世代のゲームを遊んだことがない若い世代の任天堂ファンにも嬉しい仕様となっている。
後にNew3DS限定でスーパーファミコンのタイトルも配信された。
最初期の3DSの購入者限定であるが、「アンバサダー・プログラム」によってゲームボーイアドバンスのタイトルがバーチャルコンソールで配信されていた（限定配信のみで一般配信タイトルは現在なし）。
（※ただ、版権の都合で他社の漫画・アニメなどのキャラを起用したゲームがほとんど配信されていないのがネック）
2023年3月28日に「ニンテンドーeショップ」サービス終了。ダウンロードソフトやDLC購入ができなくなった。（任天堂のお知らせ）これをもって事実上3DSはほぼ全サービス提供が終了となっている（替えのバッテリー購入は現在でも可能）。
2024年4月9日に（一部を除き）オンラインサービスが終了。（ニンテンドー3DSソフト及びWii Uソフトオンラインプレイサービスに関する終了時期のお知らせ）インターネットサービス無料提供やオンラインプレイ成立が困難となったためと見られる。オンラインサービスの仕様がNintendoSwitchと根本から異なるのも要因である。
オンラインサービス終了直後の時点でも、家電量販店などの小売店では不人気タイトルのソフトの新品が叩き売りされており、当面はリアルでも姿を消すことはなさそうである。
仕様・旧DSシリーズからの強化点
| CPU | ARMv6系統 2コア+ARM9 1コア | ARM9はバックグラウンド処理や旧DS(DSi仕様)の互換機能を担当する |
|---|---|---|
| GPU | DMP PICA200 | |
| メモリ | 128MB FCRAM | |
| 解像度（上画面） | 800×240ピクセル（3.53インチ） | 実質的な解像度は400×240ピクセル 裸眼立体視のために「右目用」と「左目用」の領域に分けて表示されている |
| 解像度（下画面） | 320×240ピクセル（3.02インチ） | こちらは裸眼立体視非対応 |
| メディア | 3DS/DSi/DSカード | |
| ストレージ | SD（HC）メモリーカード 最大32GB |
CPU/GPU強化
GPUはディジタルメディアプロフェッショナル（DMP）PICA200を採用。
MAESTROというDMP独自のアーキテクチャを採用しており、プログラマブルシェーダー定番機能（例としては光や影の効果など）をハードウェアの機能で表現することで、綺麗なグラフィックを描きつつ消費電力削減を実現している。
画面解像度変更
解像度は旧DSシリーズから約1.6倍へ引上げられている（上画面は3.53インチにサイズアップ）。
DSシリーズとドットバイドットではなくなるため、旧DSソフトを実行する場合は、拡大するか原寸で表示するかを選択する（デフォルトは拡大。STARTボタン若しくはSELECTボタンを押しながらソフトを起動すると原寸で表示されるが画面が小さくなる）。
なお旧DSシリーズと異なり上下画面は非対称となっており（上画面が横に広い）拡大表示に設定しても左右に余白が出来てしまう。
タスク切替
ゲームを実行中でもメニューを呼出し、中断することが可能、中断中にインターネットブラウザやメモ帳、各種お知らせリストを実行可能（従来のDS用ソフトでは中断することが出来ず、終了するかを聞かれる）。
アナログスライドパッド採用
従来のDS用ソフトでも、8方向スティックとして操作が認識される。ゲームによっては十字ボタンより快適に操作出来る場合がある。ずっと使っているとカバーゴムが破損し取れやすくやっている人もいる様子。
ジャイロ/モーションセンサー採用
本体の傾きや加速度を検知することが出来る様になった。
無線通信機能強化及びセキュリティ向上
p2p通信及びWi-Fi通信速度向上。
Wi-FiセキュリティもDSi上級者設定で用いられているセキュリティレベルに最初から対応している（ただし、DSソフトで通信する場合は旧来のWi-Fi設定が適用され別途設定する必要がある）。
ステレオ立体視写真（MPOファイル）・ステレオ立体視（3D）動画撮影機能
AVIファイル・微速度撮影可能・3000枚まで撮影可能。
「ニンテンドー3DSサウンド」でMP3/AAC音声再生が可能となった
主流MP3にも対応したことで音楽の保存が簡単となった。3000曲まで認識可能。
SDメモリーカードを標準装備
本体の購入時に4GB(初期モデルは2GB)が付属している。32GBまでのSDHCカードを認識する。
充電ベイの標準装備
3DSからは充電台に対応するようになった。
しかし、3DSLL以降は充電用ケーブルと共に別売りとなったので注意。
マイク端子変更
旧来のDSシリーズでは独自規格の四角いマイク端子であったが、本機以降はスマホなどで使われている汎用4極ミニプラグとなっている。
ネットブラウザ標準搭載/強化
3DS専用ソフト実行中ならば、ゲームを一時中断して実行可能。画像保存が可能となった他、カメラ等で記録されたJPG画像をPixivへ直接アップロードも可能であった。ただし、現在はPixiv側仕様変更に伴い3DSブラウザでは表示すら一苦労なので現実的ではない。
赤外線通信ポートの搭載
ゲームボーイに搭載されていた赤外線通信ポートと異なり、他3DSとの通信には利用されず、専ら拡張コントローラ入力インターフェースやNFCリーダー/ライター接続用として使用される（拡張スライドパッド）
ただし、赤外線通信という都合上、NFCリーダー/ライターを介してSuica等を使用した支払は不可能となっている（めがみめぐりのように利用駅履歴参照程度なら使用可能）。
ポケモンXYなど一部ソフトでは、ローカル通信の際に赤外線通信が採用されている。
リージョンロック
3DSからは本格的にリージョンロックが採用され、ニンテンドー3DSソフトは販売国の本体とソフトリージョンが一致しないと起動すらしない（メニューで認識は一応するものはある）。
ニンテンドーDSソフトに関してはソフトラベルに『NTR-××××-××××』と記されたコードのものは一部を除き海外版でも起動する。『TWL-××××-××××』のものはリージョンロックがされ海外版は起動出来ない。このTWLのコードがあるDSソフトは3DSで起動するとDSiで起動している扱いになるため、DSiのみで使えた機能が使える。
3DSパッケージソフトは出っ張りが付いているため、DSシリーズには物理的に挿入出来ないようになっている。
カプコンのモンスターハンター4や大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Nintendo_3DSなどインターネットブラウザで使われているメモリ領域までゲーム処理のために使われるソフトも存在する。この場合はソフト起動中、ネットブラウザの使用が出来ず、ソフト起動・終了時に強制再起動が掛かる。
Newニンテンドー3DSはメモリが強化されインターネットブラウザとの併用が可能。またソフト起動・終了も強制再起動が掛からずスムーズに行える。
製造時期による差異
3DSは製造時期により、初期型と後期型に大別可能。
日本においては、3DSは11種ものカラーバリエーションが展開され、任天堂ゲーム機としては歴代最多である（オリジナルカラーのみ）。しかし、全てが同時製造されていたことはなく、ここに製造時期による違いを見ることが出来る。
初期のカラーであるアクアブルー・コスモブラック・フレアレッド・ミスティピンク・アイスホワイト・コバルトブルーは、上蓋の塗装に透明感があり、グラデーションがかかっているのが特徴。ゲームカードスロット周りのパーツは銀色。ボタン類はフィルム塗装によって光沢のある仕上げとなっているが、このフィルムは剥がれやすいとの意見が多く見られる。
後から登場したライトブルー・グロスピンク・メタリックレッド・クリアブラック・ピュアホワイトは、対応するカラー初期型を置換える形で2013年から登場した。上蓋塗装はムラがない仕上がりで、良く見るとカメラレンズが少し小さくなっている。カードスロット周りは、本体カラーに合わせた塗装となっている。ボタンはフィルム塗装を止め、普通の色付樹脂となった。初期型を修理に出すと、このタイプのボタンとなって戻って来ることがある。
このような違いが見られるのは、コストダウンによるものであると推測される。
3DSでのお絵描きソフト
2013年7月までは3DSで絵を描くのは絵心教室かいつの間に交換日記であったのであるが
2013年8月までにうごくメモ帳3D、colors!3D、お絵描き工房プラスと続け様に配信され(colors!とお絵かき工房プラスに至っては同日配信)
お絵描きソフトは3DSのタッチペン機能を活かして充実して来ている。
内蔵ネットブラウザでPixivへの直接投稿も可能。ただし、前述通り現在では現実的ではない。
シリーズ
- ニンテンドー3DSLL 3DSの大画面仕様。
- ニンテンドー2DS 3DSの廉価版。
上位モデル
- Newニンテンドー3DS 3DSのマイナーチェンジ版。
- Newニンテンドー3DSLL New3DSの大画面仕様。
- Newニンテンドー2DSLL New3DSLLの廉価版。
余談
プロセッサについて
かつてはNvidiaのTegra2を採用する予定であったが当時のプログラマブルシェーダーは電力効率が悪かったためお蔵入りとなり、プログラマブルシェーダーではないがハードウェアの機能でそれらしく表現出来るPICA200が選ばれたという逸話がある。
ちなみにTegraについては後にニンテンドースイッチで採用された。
立体視について
実は任天堂歴史の中で立体視に挑戦したのは3DSが初ではなく、ファミコン3Dシステムやバーチャルボーイそしてゲームキューブで既に実現していた。
…が3Dシステムは高価・目への負荷が大きく、バーチャルボーイは当時のトレンドであった3Dポリゴンのゲームの波に呑まれ、ゲームキューブ立体視機能は当時立体視環境を揃えるのに莫大な財産を注ぎ込まなければならなかったためにあまり流行らなかったという経緯がある。
3DSが発売され[2011年当時はエンタメ業界で3Dブームが巻き起こっており、映像コンテンツや家電など色々なコンテンツが3D化されていた。ゲーム業界でもPS3やPCゲームが3D立体視機能を持つソフトが現れ始めたため、任天堂は4度目となる立体視に挑戦したのであった。
ちなみに、既に社長を引退していた山内溥がニンテンドーDSプロトタイプを試遊した際に「飛び出さへんのか?」と発言したことがあったらしく、3DS立体視機能ヒントとなったともされる。
関連タグ
任天堂 携帯ゲーム機 3DSLL ゲームボーイ ゲームボーイアドバンス
ニンテンドーDS→ニンテンドー3DS→（Newニンテンドー3DS）→NintendoSwitchLite
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