概要
ゲームボーイの上位互換機。名前のとおり液晶画面がカラー化している他、赤外線通信機能を持つ。
1998年10月21日発売だが、対応第1号は1998年9月発売の『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』だったりする。専用タイトルは本機発売から約半年後の1999年4月23日に発売された『トップギアポケット』が最初である。
なお、本来はゲームボーイ→ゲームボーイポケット→ゲームボーイライト→ゲームボーイカラー→ゲームボーイアドバンス
ではなく
ゲームボーイ→ゲームボーイポケット→ゲームボーイライト→ゲームボーイアドバンスとなる予定だったらしい。
機能
反射型TFT液晶を使っているため、モノクロ時代からすると残像がかなり少なく視認性が格段に上がっている。
モノクロのソフトは擬似的なカラー表示になり、起動時に各種ボタンを押すと様々なカラーパターンに変更できる。
液晶の構造が反射型なので、改造して液晶の裏側にバックライトを仕込む事ができない。
起動時の画面もカラー化に伴い変更されており、「GAME BOY」の文字が表示され、その文字の色が左から右に変化して青に変わる、というものになっている。これは次世代機のゲームボーイアドバンスにゲームボーイ用カートリッジを挿した時も同じ。
スペック
- 32768色中同時56色(スプライト3色×8パレット・背景4色×8パレット)のカラー表示
- 赤外線通信
の他は基本的にゲームボーイと同じ…と思ってはいないか?
- CPUのクロック周波数が4MHzから8MHzへ倍増。
- ワーキングRAMが8kBから4倍の32kBに。
- VRAMが8kBから16kBへ倍増し、背景面に同時に使用できるキャラクタ数が256(画面内切り替えで384)から512(同768)に。
- 背景面はキャラクタごとに上下左右反転やスプライトとの表示優先度変更が可能に。
- カラー対応で背景面もパレットを複数持てるようになったためパレットアニメーションが可能に。
- DMAが追加されて高速な画面書き換えが可能に。
- 通信ポートに高速モード追加、最大なんと64倍速に。
と様々な点で強化されているのだ。
そして忘れてはならない重要な点は、これら全てをゲームボーイとの互換性を保ったまま行っていること。
ゲームカートリッジ
- カラー・モノクロ対応カートリッジ
形状はこれまでのと同じだが、ソフトの色は黒に変更。
ソフトの発売がゲームボーイカラー発売前だったテリーのワンダーランドは初期出荷分はソフトの色が灰色である。
- カラー専用カートリッジ
スケルトンになり、初代ゲームボーイのカートリッジ脱落機構の切り欠きが無い。形状もカートリッジ上部のゲームボーイロゴ部分の凹みから隆起タイプになり、ゲームボーイカラーのロゴに変更されている。
初代ゲームボーイでは電源すら入らないが、ポケット以降のモノクロ機種で起動するとカラー専用ソフトであるメッセージの画面が出る。
なお、カラー専用カートリッジにはこれまでのカートリッジケースが付属しなくなっている。理由は不明。なお、カラー専用カートリッジもこれまでのカートリッジケースにきちんと入る。
- 振動カートリッジ(モノクロ/カラー対応・カラー専用)
カートリッジに小型振動モーターを搭載したカートリッジであり、振動機能を使うには単4電池1本が必要になる。なお、数タイトルのみの採用にとどまったが携帯ゲーム機に振動の要素を採り入れたのは初である。
余談
- 通信ケーブル・外部バッテリーはゲームボーイポケットのものがそのまま使える。
- 赤外線送受信口の採用で電源スイッチがこれまでの本体上面の左部から本体右側面の上部に変更された。
- しかしそれは序章に過ぎなかった…。その後任天堂の携帯ゲーム機の電源の位置は下面左→右側面下→前面左上→右側面上→前面左下→前面右下→下面右と飛び回ることとなる。
- TFT液晶に変更された為、これまであったコントラスト調整ダイヤルの廃止・・・かと思われがちだが実は内部の基板上にあり通常はユーザーが弄れないようになっている。
- 電池ボックスが隆起したデザインになっている為、それまでのGB用チートツールがそのままだと物理的に挿さりにくくなっている。また、チートツール対策も施されていた模様。
- ソフトの中にはカラー以前のソフトの場合はモノクロ液晶を前提としたものがあり、ゲームボーイカラーで擬似カラー化設定によってはゲーム中の仕掛けが一目でバレてしまうものがあったりする。
- 韓国では本ハードから現代電子に代わり大元C&Aから販売されるようになった。
- 起動画面でのモノクロソフトの色調変更機能は、状況再現における乱数制御手段として利用される場合がある。
ゲーム業界に与えた影響
初代ゲームボーイはあえてモノクロ液晶かつバックライトを搭載せず、バッテリーの駆動時間を長くなるようにした事で、ゲームギア・PCエンジンGTに対して優位に立った。
ところが、バンダイがワンダースワン、旧SNKがネオジオポケットで参入してきたところ、この両者が「モノクロ液晶搭載の携帯ゲーム機」だったため、今度はカラー液晶のゲームボーイカラーがモノクロ液晶の新規参入ゲーム機を迎え撃つ事態となった。
この頃になるとカラー液晶も安価に導入でき、バッテリーの駆動時間の問題も解決していたためモノクロ液晶の優位性はほぼなくなっていた。そのためワンダースワンもカラー化を余儀なくされた上、ネオジオポケットは発売時点でカラー版ネオジオポケットカラーのリリース予定を発表せざるを得なくなり、短期間での商品展開にユーザーを困惑させてしまう結果になったのである。
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