概要
ゲームボーイの小型版。
画面サイズはそのままに本体が全体的にひと回り小型化・軽量化。背面の斜めに切り落としたデザインもあって体感では数字以上に小さく感じる。
このサイズは任天堂のお気に入りのようで、以降ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・DSlite・3DSと横になったり折りたたみになったりしつつほぼ同サイズの機械が続いている。
加えて初代ゲームボーイの弱点であった液晶が改良された。画面が黄色く色づくイエローモードSTN液晶から、色づきを解消したFSTN液晶に変更。また、薄型化によって画面と外装の間の空間が狭まったことにより、画面上部に落ちる影が軽減された。
ただし本体の小型化に伴って使用電池が初代の単3型4本から単4型2本に削減されたことにより、稼働時間が35時間から8時間と1/4未満に大幅ダウンしている。
単3と単4で容量は2.5倍以上の違いがあるので、電力効率的には若干向上しているものの、価格面では単3と単4はさほど変わらないためランニングコストは大きく悪化している。
当初から価格は初代ゲームボーイよりも安い6800円であったが、2年のうちに5800円→3800円と二度価格を下げている(ゲームボーイカラーの発売が理由と思われる)。
機能面は概ね初代ゲームボーイと同じだが、小型化・コストダウンのために初期モデルではパワーランプが省かれていた。しかし、電池が消耗している事に気付かず、セーブする前に電源が切れてしまうという問題が多発したことから、後期モデルでは復活している。
通信ケーブルに関しても、当初は省く事で更に小型化できるのではないかと言われていたが、ソフト開発者側から猛反対を受けた結果、一回り小さいコネクタを搭載している。
そのため、今までの通信ケーブルはそのまま使えず変換コネクタを使うか新型コネクタ用の通信ケーブルを使う必要がある。
本機の発売と同時期に爆発的なヒットタイトルとなった『ポケットモンスター』シリーズの事を考えると、小型化しても通信機能を残すという判断は英断であったと言えるだろう。
基本的にこれ以降のゲームボーイカラーまでの機種は同じ周辺機器が使えるように統一されている。横井軍平が任天堂社内で開発に関わった最後の作品でもある。
横井が左手にゲームボーイポケットを持っている写真は彼が任天堂を退社する当日に撮影されたものである。
なお「ポケット」というネーミングは文字通りポケットに入るほど小さいという意味合いと思われるが、ポケットに突っ込んだ場合液晶画面に直に圧力が掛かる場合があり、故障の原因になるという事で実際にポケットに突っ込む事は説明書でもしないように呼びかけられている。
カラーバリエーション
- 販売当初
グレー
レッド
イエロー
グリーン
ブラック
- 1996年10月
シルバー
- 1997年以降
ゴールド
ピンク
クリアパープル
ゲームボーイライト
暗い所でゲームがプレイできない問題を解決するため、緑色のバックライト機能が付いた上位機。
価格は同じ6800円で、1998年4月に発売された。
電池は2本のまま再び単3に戻り、稼働時間がバックライトOff時で20時間とゲームボーイポケットの2.5倍に強化。
電池が大きくなったことによる背面の2連の出っ張りは少々不格好。ゲームボーイカラーでは1つの緩やかな出っ張りになりすっきりとした印象に改善された。
同年にゲームボーイカラーが発売されたためややマイナーだが、液晶画面が非常に鮮明になっており、バックライトのめちゃくちゃ鮮やかな緑と合わせて名機として語られる事が多い。
ゲームボーイファミリーとしては珍しく日本国内でしか発売されておらず、海外ではゲームボーイポケットがモノクロ機の最後である。
本体カラーは金と銀の2種類が発売されたが、限定・コラボモデルとして「手塚治虫ワールドショップ」のオープン記念バージョン(クリア2色)とポケモン映画とのタイアップバージョンの「ピカチュウイエロー」が存在する。