概要
複数台のゲームボーイやゲームボーイアドバンスのコネクタに繋ぐことで、プレイヤー同士の通信が出来る周辺機器の事。ゲームボーイと同時期に発売され、通常は2人用だが4人用アダプタを用いる事でゲームによっては4人対戦も可能だった。
開発経緯はゲームボーイを制作するにあたって、クリアランスが出来た事や開発スタッフの間で「面白そうな事が出来そう」という発想から、本体側面に専用コネクタが設けられ生まれた(コスト面でも問題なかった)。
のちの1996年に登場したポケットモンスターシリーズの大ヒットにも一役買っているのは周知の事実。
以後もしばらくは通信ケーブルは形を変えてプレイヤーの間でお世話になっていた。
ゲームボーイポケット〜カラー時代
後のゲームボーイポケット、ゲームボーイライトといった新種でも通信ケーブルは使用可能だが、小型化の代償としてこれまでのケーブルのコネクタが使えなくなってしまった。そのため通信には専用の通信ケーブルかアダプタを新たに買い直す必要があった。
ゲームボーイから9年ぶりの次世代携帯ゲーム機ゲームボーイカラーでは無線化の一環として新たに赤外線通信用のポートを取り入れたが微弱なデータしか交信出来ず、通信対戦やポケモンの交換はポケットからのものが使いまわされた。
ゲームボーイアドバンス時代〜終焉
2001年のゲームボーイアドバンス(SP)では赤外線ポートは撤去された。とうとう旧来の通信ケーブルも使用不可となり(ただし、GBもしくはGBCのソフト同士をGBAで通信する場合は旧来の通信ケーブルが使える)、専用の規格の通信ケーブルでの運用となる。この通信ケーブルはケーブルの中間点にコネクタが設けてあり、ここに別のアドバンス用ケーブルを差し込む事で外部アダプタなしでの3人以上の通信が可能であった。
ケーブルの端子は形状が違う為、ポケットからカラーまでの機種には物理的には刺さらない。
のちに周辺機器として「ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ」が発売されたが、対応ソフトにしか使えないという限定仕様のため、通信ケーブルの需要は続いた。
2004年12月に発売されたニンテンドーDSではついにワイヤレス機能が内蔵式になり、周辺機器を使わずに無線通信が可能となったことで、通信ケーブルの時代は終わりを告げる事となった。
ゲーム内の道具
ポケモンの通信交換が不可能なポケモン不思議のダンジョンにおいては、道具として「つうしんケーブル」が登場し、使うと進化できる。
LEGENDSアルセウスでは「つながりのヒモ」という道具が登場。こちらはポケダンシリーズと違って、プレイヤー同士の交換が可能だが、一人でも通信進化が可能となった。
余談
実は任天堂の携帯ゲーム機で通信ケーブルを採用したのはゲームボーイが初ではない。過去に「コンピューター麻雀 役満」なる液晶麻雀ゲーム機で対戦する際に使用するものが存在していた。
ゲームボーイ(ポケット・カラー含む)のコネクタ部分には6つの端子があるが、使用されているのはVCC, Clock, Data In, Data Out, GNDの5つであり1つは未使用。
通常の通信ケーブル(ポケット専用含む)ではVCCを除く4本しか結線されておらず、端子もこの4つしか存在しない。「4人用アダプタ」では内部のチップへの給電のためVCCも接続されている。ゲームボーイポケット専用変換コネクタは未使用を含む6本すべて結線されている。
また、アドバンスではGBCモードとGBAモードではコネクタ部分の通信に使われる端子がそれぞれ異なる仕組みになっている。
ポケモン第1世代は最初からソフトではなく通信ケーブルがバカ売れしたことで関係者に人気があることが認識され、ミュウプレゼントなどによりそれは確信へと変わっていくことになった。