概要
色いっぱい、だからおもしろい
日本では1990年、北米・欧州・南米では1991年、オーストラリアでは1992年に発売されたセガの携帯ゲーム機。
スペックはセガマークⅢ/セガ・マスターシステムとほぼ同等であり、任天堂のゲームボーイを若干上回る性能を備えている。
別売りのTVチューナーパックを装着すると携帯テレビにもなる。
また、日本で発売された携帯型ゲーム機で初めてカラー液晶を搭載。
テレビCMではイッセー尾形が「君のは白黒?」と語る比較広告がされたが、
海外ではゲームボーイその物を登場させ、ゲームギアの方が性能が高いという露骨な比較広告が展開された。
しかしカラー液晶は生産コストが高く、おかげで発売当時価格が19,800円(北米では150ドル)と、12,500円(約90ドル)のゲームボーイよりも高値になった。しかし、同時期に販売されていたPCエンジンGTが44,800円(250ドル)、AtariLynxが29,800円(180ドル)だったという事を考えれば破格の安値だったとも言える。
ただ、カラー液晶は現在主流のTFT液晶がまだ高かったことから、モノクロ液晶と同じ技術を用いたSTN液晶が使用され、そのため残像が酷く、バッテリーもバックライトの消費電力が激しく為単三乾電池6本で約3時間程度しか持たなかった。
その為、消費電力が激しい蛍光管製のバックライトをLEDに交換する改造をする事で、連続稼働時間が約48時間以上に引き伸ばす事が可能な模様。
重量は約500gと初期ゲームボーイ(約270g)のおよそ2倍と重いが、当時の技術を考えるとこれでも軽い(後年のゲームボーイライト以降は100g台後半)。重量のイメージが掴めない人はニンテンドースイッチの携帯モードが約398g、有機ELモデルの携帯モードが約420g、Liteモデルが約275gと考えると分かりやすい。
ソニックとぷよぷよが移植されたことや価格差もあってかPCエンジンGTやAtariLynxには勝利したものの、携帯ゲーム機市場ではゲームボーイ一強の状態で敗北してしまった。
しかし、それでも世界台数1000万台以上の売上を達しており、15年間にわたって携帯ゲーム機史上の王座に君臨したゲームボーイシリーズの競合機としては最も善戦した携帯型ゲームハードと言える。
ソニーのPSPの登場までは、任天堂以外の携帯ゲーム機としては最も普及していた。
1996年3月からはゲームギア販売をTOY事業部(現:セガトイズ)が担当している。
方向ボタンを改良してアニメ版「バーチャファイター」のキャラクターを配した本体デザインに変更した上で、名称を「キッズギア(KID'S GEAR)」に変更して発売した。「ドラえもん」、「怪盗セイント・テール」等のキャラゲー主体のラインナップなど低年齢層をターゲットにした販売路線に転換したが、当時の携帯ゲーム機市場は低迷していた事もあり芳しい結果は出なかった。1996年末には口コミで売上を大幅に増やした「ポケットモンスター」に太刀打ち出来ず、セガは携帯ゲーム機事業を撤退した。
セガはタッチスクリーンに対応した高性能な次世代携帯ゲーム機の開発も計画していたが、ゲームギアよりも更に高価になることもあって後継機は出されることはなかった。
しかしマレーシアやインドなどのアジア地域ではゲームボーイと同様、未だに根強い人気を誇っている。
キャッチコピーは「いつでもどこでもカラーが楽しいゲームギア」。
良くも悪くも未来に生きていると言われるセガを象徴するようなハード。
互換性
実質的にセガマークⅢ/マスターシステムと同等なのでそれらのソフトは一部を除いてゲームギアでも動く。ただし、それらとはカートリッジ形状が異なるので変換器を間にかませる必要がある。
FM音源ユニットやマイカード(PCエンジンのHuカードと同等)のソフトは使えないが、専用アダプターなどを自作するなどして動作させるユーザーも居る模様。あとカラー液晶の解像度がゲームギア分しかないため、画面はおそろしく潰れて表示される。
変換器はオーストラリアでは純正オプションとして販売されていた。
ゲームギアのソフトの中にはマークⅢのソフトをそのまま移植したものもある様子。
なお、メガアダプタと同等の非ライセンス品である「ギアコンバーター」にゲームギアのスロットがあるが、ほぼまともに起動しない。
これはあくまでレトロフリークのカートリッジ吸い出し専用であるため。
現在におけるゲームギア本体の問題点
使用されているコンデンサの経年劣化で映像や音声が出ない、
当時の古い技術による液晶ディスプレイは見づらい・目に悪いといった問題が発生している。
これを解決するため、分解修理方法を解説したサイトが多数存在しており、
後者に至ってはバックライトごと液晶を交換するという手段が取られている。
その際に一部の交換キットには、外部出力端子が増設出来るようになっている物も存在する。
ただし液晶交換を行うとTVチューナーパックが動作しなくなってしまう弱点も存在する。
2021年現在はサブ基板を丸ごと交換できるようになり、コンデンサ交換の手間が少し減っている。
又、メイン基板も互換基板が開発されており、メインチップ以外は全て互換品が存在している。
バーチャルコンソール
ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールにゲームギアがラインナップされている。ちなみにドットバイドット表示にすると、何故かゲームギアの画面と違って正方形に近い画面比率になるのだが、実はゲームギアは少し画面が長方形寄りの液晶であって現在の液晶でのドットバイドット表示そのものが本来の画面比率であるらしい。
主な発売ソフト
SEGA製
- コラムス
- スーパーコラムス
- スーパーモナコGP
- アイルトン・セナ スーパーモナコGPII
- ペンゴ
- 対戦麻雀 好牌
- ワンダーボーイ
- G-LOC AIR BATTLE
- ウッディポップ
- ミッキーマウスのキャッスルイリュージョン
- ジョーモンタナ フットボール
- THE GG忍
- THE GG忍II
- アウトラン
- スペースハリアー
- ソニックシリーズ
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ2
- ソニック&テイルス(海外ではソニック カオス)
- ソニック&テイルス2(海外ではソニック トリプル トラブル)
- ソニックドリフト
- ソニックドリフト2
- Dr.エッグマンのミーンビーンマシーン(海外版ぷよぷよ)
- テイルスのスカイパトロール
- テイルスアドベンチャー
- ソニックラビリンス
- Gソニック(海外ではソニック ブラスト)
- ベア・ナックル 怒りの鉄拳
- ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌(レクイエム)
- モンスターワールドII ドラゴンの罠
- シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国へ
- シャイニング・フォース外伝II 邪神の覚醒
- シャイニング・フォース外伝 FINAL CONFLICT
- タントア~ル
- イチダントアールGG
- ファンタジーゾーンGear オパオパJr.の冒険(SEGA/シムス)
- エイリアンシンドローム(SEGA/シムス)
- エアリアルアサルト
- バトルトード(SEGA/レア社)
- GPライダー
- タロットの館
- レミングス
- ガンスターヒーローズ
- ダイナマイトヘッディー
- ゴジラ 怪獣大進撃
- リスター ザ・シューティングスター
- バーチャファイターMini
- パンツァードラグーンMini
- バットマン・リターンズ
- GGアレスタ2(SEGA/コンパイル)
- ぷよぷよシリーズ(SEGA/コンパイル)
- なぞぷよ
- なぞぷよ2
- Dr.エッグマンのミーンビーンマシーン(海外のみ)
- 魔導物語シリーズ(SEGA/コンパイル)
- 魔導物語I 3つの魔導球
- 魔導物語II アルル16歳
- 魔導物語III 究極女王様
サードパーティ
- F1(DOMARK社(日本未発売))
- パックマン(ナムコ)
- ギャラガ'91(ナムコ)
- 対戦型大戦略G(システムソフト)
- GGアレスタ(コンパイル)
- モータルコンバット(アクレイム)
- モータルコンバットII 究極神拳
- NBA JAM(アクレイム)
- NBA JAM トーナメントエディション
- LUNAR さんぽする学園(ゲームアーツ)
- スーパーゴルフ(シグマ商事)
- チェイスH.Q.(タイトー)
- ハレーウォーズ(タイトー)
- ラスタンサーガ(タイトー)
- フェイスボール2000(リバーヒルソフト)
- ワールドダービー(CRI)
- マジカルパズルポピルズ(テンゲン)
未発売ソフト
SEGA製
- アレックスキッド
- ゴールデンアックス
- エイリアンストーム
- スペースハリアー3
- 対戦カンフー
- フロッガー(SEGA/KONAMI)
- アンパンマン
- シャイニンング&ザ ダクネス 外伝
- ボナンザブラザーズ
- パズルX
- ミステリー
- アウトラン・ヨーロッパ(SEGA/U.Sゴールド)
- ヤングインディ・ジョーンズ
- ザ シンプソンゾ バートVS.ザ スペースミュータンツ
- 妖怪伝ひすい丸 梵天の剣
- NBA BASKET BALL
- NFL FOOTBALL
- TEAM WILLIAMS
サードパーティ
- ラジ吉伝説(マイクロキャビン)
- ガンマ(GENKI)
- ラビリンスストーン(ゲームアーツ)
- イッチー&スクラッチー グリグリ大追跡(アクレイム)
- モンスタートラック(アクレイム)
- ジャッジドレッド(アクレイム)
セガ・ハード・ガールズ
CV:田中美海
黒いパーカーを着こんでおり、前髪の色がロゴマークのように向かって左から赤緑青になっている。
疲れやすい体質で、ぼそぼそと喋る。
ゲームギアミクロ
2020年10月6日には、小型化した復刻版「ゲームギアミクロ」が発売された。ソフトは内蔵されており、カートリッジを挿すことはできない。ボディカラーはブラック・ブルー・イエロー・レッドがあり、それぞれ収録ソフトが異なる。収録ソフトは以下の通り。
ブラック
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- ぷよぷよ通
- アウトラン
- ロイアル・ストーン ~開かれし時の扉~
ブルー
- ソニック&テイルス
- ガンスターヒーローズ
- シルヴァンテイル
- ばくばくアニマル 世界飼育係選手権
イエロー
- シャイニング・フォース外伝 ~遠征・邪神の国へ~
- シャイニング・フォース外伝Ⅱ ~邪神の覚醒~
- シャイニング・フォース外伝 ファイナルコンフリクト
- なぞぷよ アルルのルー
レッド
また、アレスタコレクションの限定版には、「ゲームギアミクロ ホワイト」が同梱された。詳しくはアレスタコレクションの項目にて。
外部リンク
SEGA RETROでのゲームギア 紹介
セガ・ハード・ガールズ公式サイトでのゲームギア 紹介
MASTER GEAR CONVERTER - 純正マスターギアの資料