作品解説
イラスト担当は荒野氏。
集英社のライトノベルレーベル「Dノベル」及び「ダッシュエックスノベル」にて、既刊4巻が刊行中。
コミカライズ版はニコニコ静画内の「水曜日はまったりダッシュエックスコミック」にて、2019年2月4日より連載開始。
コンテは半次氏、作画担当は坂本あきら氏が担当。
既刊は12巻。
なお小説家になろうに存在した原作は、コミカライズ版の連載開始と同時に削除された。「内容があまりに陰惨かつ一切の救いがない」というのもあるが、理由の一つとしてはあまりに過激過ぎて今後の展開によっては小説家になろうの規約違反となるおそれがあること挙げている。
あらすじ
異世界から転生した勇者ラウルは世界を魔物の手から救うべく立ち上がり、遂に魔王を倒した。
しかし、彼は他ならぬ彼が救った人間達の手によって大切な者達を奪われた上、身に覚えのない罪を着せられ処刑された。
死後、愛の女神の元を訪れた彼は、自らを陥れ、大切な者達を奪っていった人間達への復讐を誓い、女神に自らを生き返らせる事を要求する。その際、自らの中に眠っていた闇の力を覚醒させ、新たな肉体を得て再び大地に降り立つ。
そして、嘗て魔王を討伐した勇者が、今度は人間達に対して復讐の刃を向ける。
登場人物
主人公
本作の主人公で世界を魔王の手から救った勇者。
元々は異世界の住人であったが、愛の女神の手により勇者となって世界を救う為に転生する。
魔王を倒して世界を救うも、その後無実の罪を着せられ、処刑される。
そして、自分を裏切った者達を皆殺しにする為に愛の女神の力を借りて甦る。
復讐対象者
甦ったラウルの復讐のターゲット達。
元々はラウルが命を懸けて守ろうとした人間達であったが、彼を勇者として戦わせるために彼から大切なものを全て奪い、そして最後に彼を裏切り陥れた事でラウルに凄まじい怨みと憎しみを抱かせた。
嘗て慈愛と正義感に満ち溢れていた勇者ラウルが、その人格を破綻させてしまうまでの憎悪を抱く程、皆筆舌に尽くし難い外道ばかりな上に、勇者を処刑した後の現在に至っても尚、人とは思えない様な残虐非道な悪行を堂々と重ねている常軌を逸した異常者達である。
また、ほとんどが自分達の持つ高い能力や身分と言った立場、価値観を絶対視しており、それに胡座を掻いて他者から買う恨みのリスクを軽視しているが、ラウルは復讐の過程として彼等のその拠り所を完膚無きまでに打ち砕き、愚かな思い込みをしていたに過ぎなかった事を突きつけ、アイデンティティーを崩壊させ絶望のドン底に落としてから始末するという手段を取っている。また、殺害方法は彼らが実際に他者に行った殺人とほぼ同じで、正に「された事をやり返している」スタイルである。
また後に、ラウルの復讐対象は人類だけでなく、自身を勇者として人間界に遣わせて散々利用した挙句、見殺しにした神々も復讐対象であることが判明した。
人間界
王家とその配下
クルツ国王女。
誰もが見惚れる美貌の持ち主であるが、その本性は底なしの性悪女で、自らの美しさと王女という地位の高さを鼻にかけ、平気な顔で他人を蹴落とす様な冷酷無慈悲な性格である。
- 国王
クルツ国国王。王女ヴィクトリアの父。
巨大な魔導器具から生える無数のチューブに身体を繋がれたまま玉座に座っている。
邪魔な兄弟達を殺して国を牛耳ろうとする娘ヴィクトリアの野心を評価していたが、ヴィクトリアの思惑通りになる事を良しとせず、妾達にせっせと子種をばらまいて3人の隠し子を作っていた。
ヴィクトリアがサンドラに命じて自らの側近である大臣達を殺させたという(虚偽の)報告を受けると、容赦なくヴィクトリアを廃棄する冷徹ぶりを見せる。また、気に入らない意見を提案した側近の頭を魔法で破裂させるといった暴君的な側面も有している。
嘗てブラウン将軍達に命じてラウルの故郷であるバーデン村を襲わせた張本人であり、本来ならばラウルの復讐対象の一人である筈なのだが、何故か王国の反逆者である筈のラウルの謁見を許し、ラウルも特に危害を加える事なく彼に拝謁している。そして、無許可で奴隷売買を行っているアリンガムやヴェンデル、偽物のラウルを抹殺するようラウルに命じる。
そして、ヴェンデル達に復讐を終え帰還したラウルから詳細を聴き大いに満足し、更に捕まっていた魔族達を施設ごと焼き払ったっと聴き(ただし虚言)、魔族達を魔物と変わらぬ畜生だと見下していた。
現時点から察するにラウルとは利害の一致で手を組み、お互いに利用しあってる模様
とは言えラウルに気を許した訳ではなく、裏では反逆者ラウル討伐の為に自らの直属武装組織である国家魔導士達に招集をかけていた。
と言うのも、表向きでは互いに利用し合っている様に見えていたが、実はラウルは夜な夜な彼の寝室に忍び込み、動けずに横になっているのをいいことに窒息する寸前まで彼の鼻と口を塞いで呼吸を止めるという嫌がらせを行ってきたのである。
ラウルが王都を壊滅させて国家魔導士達を返り討ちにしている間、ブラッカム将軍等側近達と共に王城の地下に避難して今後の対応について会議を開いていた。
王立騎士団団長の女性騎士。
王女ヴィクトリアに対して絶対の忠誠を誓っており、彼女の望みとあらば、どんなに不条理で残酷な命令にでも従う。
将軍エルンスト・ブラウンを大黒柱とする一家。
- リーネ・ベネケ
国立薬学研究所の博士で、非人道的な人体実験を繰り返してきたマッドサイエンティスト。
国の英雄の一人として数えられているが、その実、研究の為ならば人命すら軽視する冷血な人物であり、これまでに多数の人間(その多くが罪のない子供)が彼女の実験の犠牲になってきた。
人間の身体を肥大化させ、理性を失った状態でひたすらに破壊を行う狂戦士ベルセルクを作り出す薬を開発する。ベルセルク化した人間は一時的に戦闘能力が著しく上昇するが、副作用からか異常な喉の渇きに苛まれ、服用から15分が経つと自壊してしまう。
嘗てラウルが魔物達から救い、彼に勇気付けられ、彼を慕って補給兵となったスラムの少年達を騙してその薬を飲ませ、死に至らしめた原因を作った事でラウルの復讐対象となる。
研究所に忍び込んでいたラウルの変装にいち早く気付き、ダ・コスタ卿やヨハネスを犠牲にして自分だけ助かろうとする狡猾さを見せるが、狡猾さではラウルの方が一枚上手だった。
そのラウルの策略に嵌って捕らえられ、自身が開発した様々な毒薬を飲まされては、毒の効果で悶え苦しみながらその解毒剤を作らされるという責め苦を延々と続けさせられ、嘔吐や失禁を繰り返した末に42本目の毒薬を飲まされたところで遂に力尽きる。
遺体はラウルによって荒野へと持っていかれ、十字架に磔にされ腐敗してミイラ化していった。
そして魂は地獄へ堕とされた様であり、ラウルが地獄を司る神に謁見した際、余興として地獄を司る神によってラウルの前に召喚される。
地獄でも未だに腹痛と吐き気に苦しめられている様であるが、何故か神による魂の解放は望んでいないらしい。
巨大化した神の標的として追われる身となった際にはラウルによって地獄の僻地へと飛ばされる。神によっていたぶられて窮地に追い込まれたブラウン将軍の前に、ラウルが用意した策である狂戦士化の薬を携えて現れる。
将軍に薬を飲ませた後、恐らく事前に実験で狂戦士化させたであろう堕天使を使役して神の足止めを図る。
ラウルがとある人物への復讐を終えて帰還し堕天使達から新たな神として迎え入れられると、新設される刑場において罰せられる為に堕天使達により連行される。
- ルーカス・エッカート
軍事司令官補佐。
優男風の見た目ではあるが、「戦場に送るなら200の兵よりルーカス1人を」と謳われる程、戦闘能力は高い。
金の亡者であり、大金と引き換えにベネケ博士の実験の犠牲になった者達の死体の処理を引き受けてきた(おまけページによると、金の為に人間をベルセルク化させる薬の開発にも協力していた模様)。
「軍事司令官補佐」という肩書ではあるが、彼の主な任務は暗殺である。その腕は確からしく、ラウル直属の部隊の兵士数百人を暗殺して多額の報酬を手にしていた。
手にした金は姉であるグレイシーへのプレゼントの為にも使われている。
「我らより弱く醜く貧しい人間は我らに利用されるために存在している」という驕り高ぶった思想の持ち主である。
研究所の護衛として王国から派遣され、ラウルが国立薬学研究所に潜入した際にはベネケ博士やダ・コスタ卿、ヨハネスと共に会議室で今後の対策を練っていた。
が、実は会議室にいた彼はラウルが闇魔法で変身していた姿であり、本物の彼は既にラウルによって殺されていた。
その死に様も決して生易しい物ではなく、研究所での「鬼ごっこ」が始まる前に久々に自宅へ帰った時にラウルの襲撃に遭い、ラウルの仲間達を殺した事で得た金貨を口から大量に詰め込まれて窒息死した。その上、姉の目の前で身体を破裂させられ、肉片と共に体内の大量の金貨が飛び散った(その様子はさながら金の入った貯金箱を壊すかの如くであった)。
死後には地獄へ堕とされた様であり、ラウルが地獄を司る神に謁見した際、余興として地獄を司る神によってラウルの前に召喚される。
一緒に召喚されたクリスティアナが目の前で石化されて粉々にされた事に一瞬驚くも、彼女が二度と蘇らない事を知ると、彼も地獄を司る神の前に駆け寄る。
余程地獄での刑罰が堪えられなかったのか、一刻も早く地獄の苦しみから解放される事を神に望む。そして神が彼の望みを叶えようとした時、ラウルによってその身を奪還される。
その後巨大化した神が残りの復讐対象者達を解放しようとした際、他の3人がラウルによって地獄の僻地へと飛ばされる中「躾がなっていないから」という理由で彼だけが拘束されたままラウルの手元に置かれる。
ラウルがとある人物への復讐を終えて帰還し堕天使達から新たな神として迎え入れられると、新設される刑場において罰せられる為に堕天使達により連行される。
国王から実力を認められた7人の魔導士。国王直属の武装組織である為、軍内部の複雑な権力構造とは一切関係なく自由に活動ができる。因みにバーナード曰、7人共同じ魔導士でラウルの嘗ての仲間だったヴェンデルよりも実力は上とのこと。
国王の命令でラウル討伐の為に招集され、ラウルの闇魔法に対抗するべく数百年間禁じられてきた黒魔術を使用する為の儀式を行う。
ラウルが勇者として活躍していた時には直接的にも間接的にも彼に関わった事がなく、当初は彼の復讐対象ではなかったのだが、ラウルが復讐者として蘇った後に彼の怨みを買う行動をとってしまったが為に復讐対象となった初めてのケースである。
- グスタフ
神官。
彼を含めたクルツ国の神官達は腐敗し切っており、必要以上の布施を信者から巻き上げ、贅沢三昧な暮らしを送って来た。また、布施を払えない者には「魔物に洗脳されている」と言いがかりをつけ、水責め、股裂きといった拷問にかけて殺してきた。
ラウルの姉・クレアをヴィクトリアに売り渡したのも彼であり、他の神官達と集団で彼女を何日も犯した。
ヴィクトリアの婚礼が行われる1か月前、死んだ筈のラウルが現れ、身ぐるみを剥がされて無様に命乞いをするも当然聞き入れてもらえず、自身が得意とした水責めの拷問によって命を落とす。クレアを輪姦した他の神官達と一緒に、その死体は教会ごとラウルの魔法で燃やされる。
彼から奪った祭服を身に着け、ラウルは神官に成りすましてヴィクトリアの婚礼の儀に潜入した。そして、同席した神官2人の首をはね、ヴィクトリアの前に姿を現す。
番外編「王女の部屋」によると、案の定、地獄に堕とされた模様。
- 神官達
グスタフ以外の神官達。
グスタフと一緒にクレアを連日輪姦した。
ラウルはその仕返しとして肛門や口に杭を打ち込んで殺し、教会ごと死体を燃やした。
- 門番達
王都の門を護る屈強な衛兵隊の男達。甦ったラウルの復讐の犠牲者第一号。
いずれも柄の悪い男達であり、ヴィクトリアの命令により、ラウルと関わりのあった女達を強姦して殺していた。
ヴィクトリアの婚礼の儀の1か月前に王都の門を警備していたところ、甦ったラウルが目の前に現れて驚きつつも取り囲む。
その際、上記の行いを悪びれもせず笑いながら自慢していたが、闇魔法の力試しとして地中から呼び寄せた氷の棘山によって全員串刺しにされる。
彼等の死体の周りには大量の血溜まりと水溜まりが出来上がり、王都に不吉な空気を生み出す事となる。
- 研究員達
国立薬学研究所に所属する研究員達。
ベネケ博士の助手として、彼女の人体実験を手伝ってきた。
優れた頭脳を持つ自分達こそ国を栄えさせ、頭脳の劣る者の命は消耗品だと考えている思い上がった連中であり、誰一人としてまともな心を持ち合わせていなかった。
研究所に忍び込んだラウルによって研究所内に閉じ込められ、骸骨となったエルンスト・ブラウン将軍を使った「かくれんぼ」に強制的に参加させられる。
ブラウン将軍に捕まった研究員達はラウルがくすねていた薬を飲まされ、ベルセルク化させられる。ブラウン将軍に加え、ベルセルク化した研究員に囲まれて逃げ道を失った他の研究員達も次々に捕まり、薬を飲まされる。
全員が薬を飲まされてベルセルク化し、ラウルに襲い掛かったり、ブラウン将軍の骸骨を破壊する程までに暴れまわったが、一部の研究員達はラウルによって返り討ちにされ、残りの研究員達も薬の効果により全員自滅した。
貴族等
- ダ・コスタ卿
何人もの国家治癒師を輩出してきた名家の当主であり、国立薬学研究所の責任者。
エルンスト・ブラウンの妻、ブラウン夫人の父でもある(つまり、アダムとコニーは彼の孫である)。
ベネケ博士をはじめとする研究員達の非人道的な人体実験を主に金銭や実験体の調達等でサポートしてきた(金銭に関してはアリンガムが主なパトロンとなっていた)。
兵士を道具程度にしか考えておらず、兵士を不死身にする技術開発をベネケ博士に依頼したところ、彼女から身体が朽ちてゴミ同然となる不死身兵の開発よりも、人間の個体の攻撃力を上げて敵を殲滅し、一定時間後に自壊する兵の開発を勧められ、その話に乗っかる。
こうして開発された人間をベルセルク化させる薬を、息子のヨハネスを通じて少年補給兵達に飲ませた事でラウルの怨みを買う。
立場の弱い者達をベネケ博士達の実験台として差し出す程の非道な人物であるが、娘一家が殺され、自身の命も狙われるかもしれないという事態になると怯え出す程、根は小心者である。
ラウルがルーカスに化けている事に気付いたベネケ博士の策略により、コーヒーに混ぜたベルセルク化の薬を飲まされるが、何故かいくら待てども何の変化も起こらなかった。
実はその時には既にラウルに殺されて死体となっており、ラウルの闇魔法によって、まるで生きているかの様に操られていただけだった。
尚、ラウルが魔法で操ってはいたが、ベネケ博士が特に違和感を覚えなかったことから、小心者なのは元からだったものと思われる。事実、コミックスのおまけ漫画においても、ラウルに殺される直前の本物の彼は息子を差し出して自分だけ助かろうとしたり、全てをベネケ博士の所為にして命乞いをしたりする等の小物ぶりを見せていた。
番外編「王女の部屋」によると、案の定、地獄に堕とされた模様。
- ヨハネス
ダ・コスタ卿の嫡男でブラウン夫人の兄。口髭を生やした中年の貴族。
父親の腰巾着としてベネケ博士達の非人道的な人体実験を共にサポートしてきた。
父親の指示の下、薬の効力の実験として森の魔物を殲滅させる為に少年補給兵達を騙してベルセルク化する薬を飲ませた実行犯でもある。
これだけ非道な事をしておきながら、父親同様、彼も自身の命が狙われるかもしれないと知ると怯える小物である。
父親と共にベネケ博士の策略によってコーヒーに混ぜたベルセルク化する薬を飲まされるが、こちらも既に死体であった為、何の変化も表れなかった。
ラウルによって殺害される直前の本物のヨハネスも、父親を差し出して自分だけ助かろうとしたり、ベネケ博士に全責任を擦り付けようとしたりしていた。将に「この親にしてこの子あり」だった。
番外編「王女の部屋」によると、案の定、地獄に堕とされた模様。
- オルコット卿
国王の側近である貴族の老人。
偽物のラウルが国境付近で魔族狩りをしているという情報を国王がラウルに与えた際、それが本当に偽物のラウルの仕業なのかと口を挟んだ事で国王の不興を買い、恐縮したところをラウルの闇魔法によって首を捻じ曲げられ殺された。ラウル曰く「俺を疑ったお仕置き」とのこと。
理不尽な理由だが、ラウルから見れば嘗て自身を死に至らしめた王都の人間は全て復讐対象である為、何の躊躇いもなく殺せた訳である。
ラウルの嘗ての仲間達
ラウルの嘗ての仲間で大魔導師。褐色の肌の青年。
また、リンゴが好物らしく、よく齧っている。
彼の本性は一言でいえば人間のクズの極み。
マコーリー村でラウルが捕らえられた時や、ラウルが処刑された時もその場におり、彼の最期を間近で見届けていた。
ラウルの嘗ての仲間で聖女。
表向きは可憐で清楚な美少女であるが、本性は所謂ぶりっ子。
ラウルの持つ闇魔法の力に対抗できる浄化魔法の使い手であり、サンドラ処刑の場にヴィクトリアの護衛として現れる。
魔王を討伐する前にヴィクトリアの元を訪れ、魔法でヴィクトリアの独占欲を駆り立てて、ラウルを堕落させてヴィクトリアの狗にするよう彼女を唆していた。
ラウルの身内
ラウルの亡き姉・クレアの夫でラウルの義兄。
ラウルがいなくなったクルツ王国で国王派とラウル教に分かれ、激しい戦闘が起きていた際、ラウル教の粘りに痺れを切らした国王派が彼をリーダーへと選ぶ。
普段は温厚そうな優男であり表向きでは自身から全てを奪ったラウルへの怨みを涙ながらに吐露するが、その本性は心優しいクレアの夫とは思えない程に傲岸不遜であり、周りを見下し陰で暴言を吐く下衆である。
その他の復讐対象者
- カメロン・アリンガム
クルツ国の属国、魔族領ホラーバッハ国において、国王に無許可で魔族の子供達を奴隷として売りさばいて多大な利益を得ている。
金儲けと貴族の後ろ盾欲しさの為にダ・コスタ卿が推し進めていた研究に多額の投資をしていたパトロンでもある。
手下に商品価値の無い奴隷をいたぶらせ、彼等の泣き叫ぶ声に興奮を覚える変態であり、捕らえた奴隷は商品としてだけではなく、自身の性のはけ口としても使っていた。将に生粋のド変態である。
売り捌いていたのは魔族に留まらず、ヴェンデルが無責任に孕ませた人間の女性も貴族の慰み物として売り払い処理していた。
また裏切者には一切容赦せず、自身を告発しようとした専属会計士のチャールズ・テイラーを残虐な方法で殺害した。それだけに留まらず、チャールズから自身の悪事を伝え聞いていた彼の家族までをも、ヴェンデルを使って口封じとして皆殺しにした。
戦闘能力は皆無であり、ラウルとエイダが守衛達を虐殺して奴隷達を解放していた時には最奥のホールで護衛であるヴェンデルの陰に隠れていたが、ラウルの闇魔法によってヴェンデルや奴隷魔族達と一緒に魔空間闘技場へと飛ばされ、闘技場の中央でラウルの前に立たされる。
ヴェンデルに助けを求めるも見捨てられ、ラウル(に憑依したエイダ)に扇動された奴隷魔族によって服を脱がされ、魔法で用意された剣山のデッキブラシで全身傷だらけになるまで身体をこすられ水を掛けられた上、エイダに急所を踏み潰される。更に内側に無数の棘が付いた筒状の物で自身の竿をしごかれた上、氷の刃で斬り落とされる。
その後も入れ替わり立ち代わりに奴隷魔族達による報復が続き、眼球を抉り出され、焼けた鉄で皮膚を焦がされ、四肢を切断される。
結果、その遺体は見るも無惨なボロボロの状態になる。
番外編「王女の部屋」によると、案の定、地獄に堕とされた模様。
- 手下の守衛達
アリンガムの手下である守衛達。何故か全員スキンヘッドで厳ついガタイの男達である。
奴隷魔族達に対する扱いは最悪であり、女、子供だろうが容赦なく痛めつける。
奴隷の少女を痛めつける現場にラウルに憑依したエイダが現れ、闇魔法で全員惨殺された。
- シム
弁護士。
薄毛でたらこ唇の初老の男であり、非常に口が汚く、他人を見下す横柄な態度をとっている。
弁護士としては無敗を誇っているが、実際は有利な証拠を捏造したり、逆に不利な証拠を握り潰したりして裁判で勝ち続けているという悪徳弁護士である。(また、勇者時代のラウルの処刑の際にもありもしない証拠を捏造し、彼を罪人に仕立て上げていたことから、彼もラウルの復讐対象者だった模様)
クリスティアナに対する断罪裁判の際、被告人クリスティアナの弁護人として法廷に立つ(因みに彼がクリスティアナの弁護を引き受けたのは国王の意向であり、また彼自身もクリスティアナと肉体的関係にあったと思われる)。
聖魔法を用いて人々を惑わせたとクリスティアナを告発する証人達の証言には物的証拠による裏付けがない事を挙げ、クリスティアナの無罪を主張する。
その直後、ラウルが証人として証言台に立ち、クリスティアナが聖魔法を使った証拠として磔にされたヴィクトリアを召喚する。
自身が買収した鑑定士にヴィクトリアを鑑定させるが、その鑑定士はラウルの闇魔法で洗脳されており、ヴィクトリアの身体から聖魔法の跡である魔力痕が検出される。
正確な結果が出た事に怒って鑑定士に掴みかかるが、その鑑定士はこれまでにも彼から金を受け取って証拠の捏造を行ってきたことを自白する。
突然の自白に焦りの表情を見せるが、すぐにラウルの仕業だと察し、鑑定士を鑑定する為の別の鑑定士の召喚を要求する。が、王都の鑑定士全てがラウルによって操られており、どの鑑定士もラウルにとって都合のいい鑑定結果しか出さなかった。
そんな中で鑑定士を買収した事を自ら認めるような発言をしてしまい、これまで築き上げてきた地位や名誉などを全て失いかねない状況に追い込まれる中、被告人であるクリスティアナに追いすがり、全てを否認するよう言い聞かせる。
そのクリスティアナから「救済」の名目の下、聖魔法で唆されて法廷の上の階へと昇る。
クリスティアナへの判決が下る前に、自ら命を絶つことで「無敗の弁護士」のままでいられると唆された彼は喜び勇んで窓を破って飛び降りる。
窓の下は崖となっており、飛び降りた彼はそのまま転落死した。
これまでの悪行が積み重なった結果、死後には地獄に堕とされて強欲の刑場にて罰を受けていた。地獄でクリスティアナに再会した際には、彼女の身体を求めてしがみつく。
- ノール村の村人達
クルツ王国の辺境に位置するノール村の住民達。村長以下、村人全員が復讐対象である。
- 王都の市民達
王都で暮らす有象無象の一般市民達。老若男女問わず大半が上からの情報を鵜呑みにする愚民共であり、性根の腐った外道共である。
ラウルが偽りの罪で処刑される際も、誰も彼の無実を信じようとせず、彼に対して石を投げたり罵詈雑言を浴びせたりして彼が無惨に殺されるのを見物していた。またラウルだけでなく、サンドラやブラウン将軍の配下の騎士達、そしてクリスティアナの処刑も見物していた(尚ラウルとは違い、彼等は実際に罪を犯している)。
ラウルが蘇ってヴィクトリアの結婚パレードを台無しにした後、ラウルが王都の周囲に結界を張った事で外に出る事が出来なくなり、同時に死ねなくなる呪いもかけられた事で勝手に死ぬ事も許されなくなる。ヴィクトリアへの復讐が終わった後、死ねなくなる呪いは解かれたようだが、結界は残されたままであり、相変わらず王都の外には出られないままであった。
ラウルが地獄を訪れている間、王都では洪水や疫病と言った災厄に見舞われ、多くの市民達が犠牲となる。
一部の市民がこれをラウルによる呪いだと考え出すようになり、ラウルに懺悔して許しを請う「ラウル教」の教徒となる。彼等は次第に過激な布教活動を行う様になり、王都に混乱を齎すようになる。
もう一方の市民は長い事ラウルの噂を聞かなくなった事からラウルは死んだものだと判断し、ラウルや暴走するラウル教の教徒達を憎み国王による国の立て直しを希望する「国王派」を形成する。
こうしてラウル教と国王派に分かれた市民達は内戦を引き起こし、王都は荒れ果て、多数の死傷者が出る大惨事となる(どちらにも属していない市民達もいたが、そういった市民達は「ラウル教徒ではない」という理由でラウル教徒達に殺されたり犯されたりした)。
王都で激しい殺し合いが続く最中、突如として地獄から帰還したラウルが現れる。
ラウル教の人間達は歓喜するが、ラウルにとっては両派の争いなどどうでもよく、只復讐を完遂するつもりだったのでラウル教の味方をする気など更々なかった。
ラウルは地獄から召喚した堕天使達を使って市民達を連行し、ラウル教、国王派分け隔てなく彼等に対する審判を始める。地獄を司る神から奪った能力を用い、ラウルによってまず自身が処刑された当時に刑場で処刑に参加していたかどうかを調べられ、続いてその者の魂の汚れ具合を調べられる。
処刑を楽しみ尚且つ魂が汚れていると判断された者はラウルによって地獄行きを宣告され、堕天使達によって地獄へと連れて行かれる事となる。だが、生きた身体のままでは地獄に引きずり込む事は出来ないらしく、堕天使達によって身体を潰されたり、握り潰されたり、岩で圧し潰されたり、引き千切られたり、串刺しにされたりと様々な方法で惨殺される。屍からその者の魂が抜けだし、堕天使が魂を捕まえてようやく地獄へと連れて行くことができるようになる。例え幼い子供であろうと裁きは免除されず、老若男女皆等しく裁かれる事となる。
審判によってその場で地獄行きとなる市民達が多数出る一方、審判で生き延びた市民達はラウルが用意した2つの柵の中へとそれぞれ仕分けられる。
この様にラウルが審判を続けた結果、市民達は3つのグループに仕分けられた。
1つ目は上記の通り、その場で地獄行きを宣告された者達。
2つ目はそもそも処刑を見物していなかった者達。
3つ目は処刑に参加したが、魂はそこまで汚れていない者達。
一通り審判が終わった後、ラウルは3つ目のグループに分けられた者達に対して荒廃した王都の代わりに新たな居住地を用意する。そこは働く事無く己の欲望を満たせる夢の様な街であり、これをラウルからの褒美だと受け取った市民達は皆喜んでその街へと移住する。
楽園の様な街の中で市民達は各々欲望の赴くままに生活していたが、彼等の欲望は止まる事なく膨らみ続け、自らの欲を満たす為に互いにいがみ合い、遂には大規模な殺し合いにまで発展する。
その時、突如として街は消え、元居た王都に戻される。そして彼等の目の前にはラウルと堕天使達が再び現れる。
実はラウルが用意した街は幻であり、時間も感覚を狂わされて、3か月を街で過ごしたつもりが実際は1時間くらいしか経過していなかった。
審判の結果許されたと思い込んでいた市民達だが、彼等は公開処刑に参加して楽しんだ者達であり、ラウルの復讐対象である事に変わりはなかった。但し、魂の汚れ具合が微妙だった為にそのままの状態では地獄へ送る事が出来なかったので生かされていただけだった。
彼等を後腐れなく確実に地獄へと送る為、ラウルは幻の街の中で彼等を堕落させ、魂を汚させていたのだ(つまり、本当の意味で無罪放免となったのは2つ目のグループに分けられた市民達だけだった)。
こうして現実に戻された市民達はラウルの再審判により、恐怖と絶望に怯えながら地獄に送られる事となった(彼等に比べれば、災害や疫病、内戦で死んだ市民達の方がまだ救いがあったのかもしれない)。
神界
神々等
物語の舞台である世界の創造主達。
ラウルを世界を救う勇者として送り込んだが、人間達によって冤罪で処刑される彼を神様会議の場で全会一致で見捨てる判断を下した。
その名の通り地獄を支配している神。
屈強な巨体を有しており、頭部には一つの目と2本の角が生えて胴体には口が3つ付いている等見た目は魔物そのものである。
冷酷無慈悲な性格で人間を酷く見下している。また、地獄で悪人を裁く神とはいえ勇者時代のラウルを散々利用し、見殺しにしてることから実際は自身も邪神のような存在である。
地獄を無断で訪れた挙句に好き勝手して回ったラウルを罰するべく、部下である堕天使達を遣わせて自身の前に連れて来させる。
- 酒の神
- 美の女神
- 豊穣の女神
- 戦を司る神
- 絶対神
敵対者
本来はラウルの復讐対象者ではないが、国家の命でラウル抹殺を承諾し、宣戦布告した者達。
軍関係者
- ブラッカム将軍
ブラウン将軍亡き後、後任の将軍に就任した褐色肌の大男。虎の頭を模した鎧が特徴である。
本人曰くブラウン将軍ほど甘くはないらしい。その言葉が示している通り、おぞましい儀式を目の当たりにして逃げ出そうとした生贄の人間の頭を片手で握り潰したり、ラウルに対して国家魔導士達をけしかける事を提案して失敗に終わった国王の側近達の責任を取らせる形で彼等を逆さ吊りにして皮膚を剥ぐという仕置きを行うほど性格が残忍である事は確かである。
前任者であるブラウン将軍とは王立魔法学園の幼稚舎時代からの付き合いであるが、自分が皇位を抱いた女性がみんなブラウンを好きになった事、ブラウンが成績1位で自身が万年2位に甘んじていた事、ブラウン夫妻が健全な2人の男児を授かったのに対して自分の妻は子が授からなかった事、長い付き合いにもかかわらずブラウンが自分を結婚式に招待しなかった事でブラウンに対する憎悪(というか妬み嫉み)を募らせていた。この様にブラウンに対しては異常な対抗心を抱いており、側近達への仕置きを行っていた最中、ブラウンの名を口にした一人の側近の身体を拳で貫く。
国家魔導士達によるラウル討伐が失敗に終わった後、ラウルを城へ案内し、国家魔導士達をけしかけた事に対する国王の謝罪の品としてヴェンデルやブラウンといった復讐対象達の親族をラウルの前に差し出す。ラウルに差し出す前に、国を危機に陥れる様な人間を輩出した責任を取らせるという名目で親族たちに対して調教と言う名の拷問を行っていた。
現時点でラウルとの因縁は確認できないが、国王側の人間である事は確実なので敵対者として分類する。また、褐色肌でブラッカムという名前(または苗字)であることから、ラウルの嘗ての仲間であり復讐対象だった魔導士・ヴェンデルの縁者と思われている。
神の下僕
- 憤怒、冷徹、絶望
地獄を司る神の側近。
一つの巨大な胴体に三つの狼の頭を持つ地獄の怪物であり、三つの頭にはそれぞれ「憤怒」「冷徹」「絶望」と名がついており、各々が自我を有している(但し、お互いにそりが合わず喧嘩ばかりしているらしい)。
また能力もそれぞれ分かれており、憤怒は炎を吐き、冷徹は冷気を吐き、絶望は石を操る能力がある。頭部は回転が可能となっており、正面を向いた頭部が能力を使えるようになっている(因みに胴体の主導権は絶望が握っている)。
地獄を司る神の前に現れたラウルの罪状を読み上げるが、余りにも罪が多く、話を聞くのが面倒になったラウルに対して怒りを露にする。
その後、神の指示によりラウルを痛めつける為に彼に対して戦いを挑む。
各々の能力でラウルを追い詰めようとするが悉く失敗し、逆にラウルに追い詰められて仲間割れが勃発してしまう。
そして三つの頭が争っている間に、ラウルの魔法によってバラバラに解体されてしまう(神ではない為、人間のラウルにも殺す事が出来た)。
その他
- グレイシー・エッカート
ルーカスの姉。
弟を溺愛しており、あわよくば弟と…などと考えている程のブラコンである。
弟同様に金の亡者である。「我らより弱く醜く貧しい人間は我らに利用されるために存在している」という弟の考え方を支持しており、弟が稼ぐ金が暗殺やベネケ博士の手伝い等で得たものだという事も承知している。
ルーカスが久々に家に戻って来たある日、ルーカスのお陰で手にすることができたドレスや宝石で着飾った姿を見せてあげようと彼の部屋を訪れたところ、ラウルがルーカスを殺害している現場に出くわす。
愛する弟を殺したラウルに復讐するべく(弟が過去で行ってきた数々の非道な悪事を棚に上げて)、国家魔導士達による黒魔術発動の為の生贄となる。
だが、その生贄の儀式というのがただ命を差し出せばいいというものではなく絶望にもがきながら死んでいく必要があり、魔導士長の前に跪いた彼女は首を切れ味の悪い鉈で時間をかけて挽かれる。
そして長い時間をかけてようやく首が胴から落ちた。
その他の登場人物
中には上記の連中とは大違いの善良なものも多いが、エミールとドロリス、一部の魔族達、一部の堕天使達以外のほとんどはいずれも復讐対象者たちによって悲惨な最期を遂げている。
協力者
現時点ではラウルの唯一の協力者。
慈悲深い性格であり、人間達を魔王の手から救うべく、ラウルを勇者として転生させた張本人。ラウルの事を密かに愛している。
しかし、魔王を討伐したラウルを、人間達が無残にも殺したことで心を痛める。
死後、再び自らの元に訪れたラウルから人間達に復讐する為に自らを生き返らせる事、彼の中に眠る闇の力を解放する事を要求され、一度は断るも、「俺への気持ちはその程度か」と煽られ、愛するラウルの気持ちに応える為に彼の望みを叶える。
だが実は…。
マゾヒストの気があり、ラウルになじられる事を乞い、ラウルの責め苦に遭うヴィクトリアを羨ましく思っている。
以上の事から、ラウルからも「頭のイカれた変態」と思われている。
ヴェンデルとアリンガムによって家族を殺された過去を持つ模写魔法の使い手の少女。
しかし何らかの理由でラウルに変身して奴隷売買に協力していた(但し、協力しているのは表向きであり、裏では密かに魔族の奴隷達を逃がしていた)。
アリンガムによる奴隷達に対する非道な仕打ちを目の当たりにして嘔吐した際、本物のラウルが目の前に現れ、同じ復讐者同士として手を差し伸べられる。
- 堕天使達
地獄を司る神に仕える無数の堕天使達。神の命令により地獄に無断で侵入したラウルを連行しに来る。強引に連行しようとしたところ、数体がラウルの魔法で消滅させられて圧倒的な力の差を見せつけられる。怖気づいたところ、元々神の下へ向かうつもりだったラウルの指示により丁重に神の下へと連行する。
地獄を司る神からはこれまでに気まぐれや八つ当たりで殺されたりと度が過ぎるパワハラを受けて来た。
その後、地獄を司る神がラウルに殺されるとラウルを新たな神として迎え入れて下僕となる。
ラウルが王都の市民達に対する審判を行う際、審判の手伝いとしてラウルによって地獄から召喚される。
王都内の市民達をラウルの前に運んだり、地獄行きの判定が下された市民達を様々な方法で殺害し、身体から抜け出た魂を地獄へ連行する。
魔族
- 魔王
魔族領ホラーバッハ国の王。勇者時代のラウルによって倒されたとされている。因みに女性である。
魔王の妹。
詳しくはこちらから。
- ダミアン
ホラーバッハ国文官長。
女性と見間違うような顔立ちをしている。
先代魔王と人間の母親の間から生まれたテオドールを幼少の頃から見守ってきた。
- キリル
ホラーバッハ国騎士団長。
先代魔王と人間の母親の間から生まれたテオドールを幼少の頃から見守ってきた。
テオドールに国の再興の為に立ち上がるよう説得する。
- 奴隷魔族達
魔族領アウエルバッハ国の魔族達。羽と角が生えていて耳が尖っているのが特徴。また、そのほとんどは力の弱い女子供ばかりである。
ラウルが魔王を討伐した後、アリンガム達によって捕らえられ、奴隷として売りさばかれる(因みに男の奴隷は全員去勢されている)。中にはアリンガムや彼の手下達によっていたぶられて命を落とす者も多数存在した。
ラウル(と、彼に憑依したエイダ)によって彼等をいたぶっていた守衛達が殺されて拘束が解かれると、ラウルに扇動される形で、これまで自分達を虐げて来たアリンガム達に対して反乱の狼煙を上げる。
ラウルが作り出した魔空間闘技場において、募りに募った怨みを晴らす為、アリンガムの服を破いて真っ裸にし、剣山のデッキブラシで全身傷だらけにする。
エイダによってアリンガムが去勢された後、入れ代わり立ち代わりでアリンガムに仕返しし、遂に彼の息の根を止める。
解放後は港湾都市トルート奪還の為に暗躍している。
ラウルの家族
- クレア・ロス
ラウルの姉。旧姓エヴァンス。ラウルと共にクルツ国のバーデン村で姉弟仲良く育つ。
村が襲撃された際にはラウルと一緒に近くの森で狩りに出ていた為無事だったが、故郷と母親を失う。
その悲劇から年月が経ち、バーナードと結婚してお腹に子供を授かる。
神の敬虔な信徒であり、勇者としてラウルが旅に出る際には教会で弟の無事を神に祈っていた。
ラウルが魔王を倒した後、ラウルの心の拠り所を全て奪った上で彼を我が物にしようと企むヴィクトリアに命を狙われる事となる。教会の神官であるグスタフに売り飛ばされる形で捕らえられ、お腹の子諸共、教会で串刺しにされて殺された(殺される前には、王女の命令でグスタフ等神官達によって教会で何日も輪姦されていた)。
彼女への仕打ちに対する復讐として、ラウルは魔法でヴィクトリアの生殖器を破壊し子供を産めない身体にした。
また、グスタフ等神官達を殺した後に花を手向け、忌まわしい教会を魔法で燃やした際、ラウルは彼女の幻を見て語り掛けていた。
夫バーナードが結婚詐欺師であった事もラウルの調査を通じて知っていたが、バーナードの心が歪んでしまったのは愛に飢えていたからだと考え、彼に真心を捧げる事で正しい心を取り戻してくれることを願っていた。だが、彼女が生きている間にも死んだ後にも、彼女の真意が夫に伝わる事はなかった。
ラウルが王都の市民達への復讐を終わらせた後、廃墟と化した王都に何故か死んだ筈の彼女がラウルの目の前に現れる。
ラウルを生まれ故郷であるバーデン村まで案内し、母親や少年補給兵達と共にラウルと楽しく過ごすが、それらは国家魔導士達が見せた幻惑であり、実際の彼女は黒魔術によって操られた腐乱死体であった。
その後、国家魔導士達に操られてラウルを剣で突き刺すが、ラウルに身体を貫かれて動きが止まる。
ラウルが国家魔導士達とバーナードに復讐を遂げた後、ラウルの魔法で他の遺体と共に浄化される。
- ラウルの母
ラウルとクレアの母。夫はなく、バーデン村で女手一つで2人の子供を育ててきた面倒見の良い母親である。
ブラウン将軍達がバーデン村を襲撃した際、村の子供を庇って将軍に殺される。その上、将軍に腹の肉を喰われた後、腸がむき出しの状態で村の大木に死体を吊るされた。
甦ったラウルはブラウン将軍にあてつける為、彼の妻を殺して母親にされたのと同じ様に腸を抉り出した状態で木に吊るした。そしてラウルに敗北した後、自身と息子の命乞いをするブラウン将軍に対して、ラウルの母親の身に起こった事を思い出させた上で復讐を果たす。
王都の市民達への復讐を果たし終えたラウルがクレアの案内によってバーデン村を訪れた時、家からラウルを出迎える。それからラウル達と共に村で過ごしていたが、それらは全て国家魔導士達が見せた幻であり、彼女も実際は黒魔術で操られた腐乱死体であった。
その後、国家魔導士達に操られてラウルを拘束するが、ラウルの魔法で動きが止まる。
ラウルが国家魔導士達とバーナードに復讐を遂げた後、ラウルの魔法で他の遺体と共に浄化される。
嘗ての仲間達
- 少年補給兵達
村に物資を運ぶ補給兵の少年達。
元々は魔物によって住んでいた村を破壊され、親を失い、スラムで身を寄せ合って生きてきた少年達である。
魔王討伐より一年前、そのスラムが魔族の奴隷商人達によって攻め入られ、多くの住民が虐殺された上、彼等も商品として捕らえられる寸前であった。
そこへ情報を聞きつけたラウル達が助けに入り、奴隷商人達を討伐。彼等を危機から救った。
それでも彼等が失ったものは余りにも多く、少年達の内の一人が、救出が遅れたラウルを涙ながらに責め立てるが、ラウルから彼の生い立ちを聞かされて勇気付けられる。そして皆を守りたいという決意を胸に、補給兵に志願する。
補給兵としての初仕事としてノール村に物資を運ぶ際、彼等を指揮していたヨハネスに騙され、ベネケ博士が開発したベルセルク化する薬を飲まされる。
薬の効力を試す為、そして森の魔物を殲滅させる為にベルセルク化させられた彼等は喉の渇きに苦しみながら何とかノール村まで辿り着き、村人に水を求める。だが、金を持っていないという理由で無慈悲にも水を与えてもらえず、薬の効果で全員自滅してしまった。
甦ったラウルは彼等の仇を討つ為に国立薬学研究所、そしてノール村を訪れる事となる。
王都の市民達への復讐を果たし終えたラウルがクレアの案内でバーデン村を訪れた際、奴隷商人によって両眼を潰された少年兵の弟テディを含めた全員でラウルを出迎える。それからラウルに剣術の稽古をつけてもらいながら村で過ごしていたが、それらは全て国家魔導士達によって作られた幻であり、実際の彼等は黒魔術によって操られた腐乱死体達であった。
その後、国家魔導士達に操られてラウルを拘束するが、ラウルの魔法で動きが止まる。
ラウルが国家魔導士達とバーナードに復讐を遂げた後、ラウルの魔法で他の遺体と共に浄化される。
- 傭兵達
嘗てラウルのパーティに属していた20人の男達。
ラウルが魔王討伐の命を受けてすぐの頃に傭兵を募集していた時、腕に自信はあるものの身分や出自が卑しい自分達が選ばれる事はないだろうと大衆食堂で愚痴を溢していたところ、身分や出自を問わず、人々の役に立ちたいという彼等の思いを酌んだラウルによってスカウトされ、メンバーに加わる。
それから順調に魔王討伐の旅を進めてゆき、仕事にあぶれて食堂で腐っていた時と比べてずっと活発になっていたが、3か月後にクリスティアナが仲間に加わって以来彼等からは覇気がなくなり、1人、また1人と抜けてゆき、遂に20人全員が離脱してしまった(その内の1人は離脱の直前に「愛の為には死を…」と酷くやつれた状態で呟いていた)。
実は全員クリスティアナから出自を恨んでいた頃の心の隙を突かれ、聖なる交わり(という名の乱〇パーティー)の後、主から命を与えられたにもかかわらず感謝しない事について主に謝りに行くよう聖魔法で唆されていたのだ。
経緯は不明だが、その後死を迎えた彼等は地獄へと堕とされ、色欲の刑場で巨大なケルベロスに喰われ続ける刑罰を受けていた。
- ラウル隊の兵士達
ラウル直属の部隊に属していた兵士達。その規模は数百人にものぼる。
しかし全員ルーカスによって暗殺された。
現在のところ、ルーカスの姉・グレイシーの回想でのみ存在していた事が確認されている。
その後、復讐者として蘇ったラウルはルーカスを殺害し、彼らの仇を討つ。
その他
オークレール公爵の嫡男で伯爵。ヴィクトリアの結婚相手。
- ドロリス・オークレール
オークレール公爵夫人でエミールの母。ふくよかな体形の持ち主。
息子に対してはかなり甘く、度々ラウルの復讐劇に巻き込まれて泣き叫ぶエミールを優しく宥めながら抱擁する。
エミールがラウル教の教祖に祭り上げられた後も、ただひたすらラウルに懺悔するばかりのエミールをサポートする。
ラウルが市民達に対する復讐を行っていた際、ラウル教の拠点である神殿内にも堕天使達が雪崩れ込んだが、何故か彼女とエミールだけが堕天使達によって連れ去れずにいた。
しかしラウルが2人を特別扱いする筈もなく、神殿に現れたラウルによってエミールと共に彼女も審判を受ける事となる。その際、必死になってエミールの命乞いをするが、そもそも2人共ラウルの公開処刑に参加していなかった為ラウルの復讐対象とはならなかった。
また魂も全く穢れていなかった為、無罪となった他の市民達と共にラウルに連れられて巨大な空飛ぶ船へと案内され、ラウルが空中に用意した楽園へと移住する。
楽園では新たにラウルによって連れられたクルツ国民達の案内係を買って出る。
- モルトケ村の姉妹
鉱山村モルトケ出身の幼い姉妹。
母親は既に亡くなっており、病気の父親に代わって町へ商品を卸しに出て帰る途中に道に迷ってしまい、ノール村を訪れる。
ノール村の一家の親切心に甘える形で一晩泊めてもらう事となったのだが、実はそれはノール村の村人達の罠であり、ベッドで眠っていたところを襲われ、首を絞められて殺される。その上、持ち物を全て奪われ、カツラ用に髪を切り取られた挙句、土に埋められた。
その後ラウルが土を掘り返し、彼女達の死体から記憶を読み取り、闇魔法で妹に変装してノール村を訪れ、村人達の罪を暴いた。
一方その頃、彼女達の父親は行方不明になった娘達を心配してモルトケ村の門から毎日2人の帰りを待っていた。ラウルに誘導されたノール村の村人達がモルトケ村を訪れた際、ノール村の村人に成りすましたラウルからノール村で起きたおぞましい出来事を聞く。姉妹を誘い込んで殺した一家の妻が奪って身に着けていた姉のリボンがその証拠となり、残酷な現実を知る事となる。その後は自衛も兼ねて愛する家族を奪ったノール村への復讐を果たした。
登場して僅か一話で殺されてしまったが、2人揃ってコミックス3巻の表紙を飾る。
因みに、彼女達が埋められた場所にはラウルが墓を建て、ノール村の村人達に奪われていた懐中時計を供えた事がコミックス4巻の描き下ろしページで確認できる。
- クリスティアナの両親
聖女クリスティアナの両親。
幼き日のクリスティアナから「家族や人類が幸せになる為には信仰の妨げとなる人間を排除しなければならない」と唆され、その言葉の通りに多くの人間を殺した後、家ごと焼身自殺した。
しかしそれで幸せになれる筈もなく、死後には地獄に堕とされ、強欲の刑場において燃え盛る吊り橋を渡り、橋の真ん中で地獄の怪物によって金棒で叩き落され、煮えたぎる血の池に落とされた後再び岸に戻されるという責め苦を受けていた。
ラウルに連れられて地獄を訪れていた娘クリスティアナの顔を見るなり、騙されたと彼女に対して憎悪を向け、罵詈雑言を浴びせながら掴みかかる。するとクリスティアナに突き飛ばされて再び血の池に落ちるが、他の亡者達と共に池から飛び出て再度クリスティアナに迫る。
- チャールズ・テイラー
エイダの父でアリンガム専属の会計士。
ラウルが魔王を討伐して以降、アリンガムの金の動きに違和感を覚えるようになる。
ある夜、邸内で見かけたアリンガムの動向に不信感を抱いて後を付けたところ、アリンガムとヴェンデルが陰で奴隷売買に手を出していた事、アリンガムが地下室で魔族の少女達を性のはけ口として利用し、いたぶっていた事を知る。
魔族の少女達に対する余りの仕打ちを目の当たりにして義憤に駆られ、辛うじて息が残っていた2人の少女達を地下室から運び出す。
1人は瀕死の状態で魔術医の下へ運ばれたが、もう1人は途中で亡くなり、彼女の遺体を持って家に帰り、妻にアリンガム達を告発する事を伝え、王都へ向かう。
少女の遺体を証拠に王都へと向かっていたところ、アリンガムの手下達に捕まってしまい、馬に足を縛り付けられて地面に引きずられながらアリンガムの下へと連行される。
そして翌朝、全身をバラバラにされた状態で箱詰めにされ、彼の自宅前に放置される。
尚、娘達の為に彼の死は周囲に「落馬事故」として彼の妻によって伝えられた。
- アレックス
ラウルが作った楽園に連れられて移り住んだ住民の一人。2人の子供と共に楽園へと来たが、妻は来ることが出来なかった。
妻の安否を気にして自分達を解放するよう行動を起こす事を他の住民達に訴えていた。
審判の日にラウルの前に跪くと、魂の穢れが水晶に反映され、ラウルによって楽園からの追放を宣告される。
実は彼の妻は病で寝たきりになった彼の父を殺害しており、彼が妻の安否を気にしていたのは父親を殺害した妻を自らの手で復讐したいと願っていた為であった。
そして皆を解放するよう訴えていたのは、自分だけが地上に戻るのは不公平だからという余りにも身勝手な理由からであった。
その身勝手で醜い本性が露になると子供達も彼から遠ざかってしまい、足元に現れた大穴に堕とされて楽園から追放された。
- 復讐対象者達の親族
ヴェンデル、ブラウン将軍、ベネケ博士、サンドラ、クリスティアナといったラウルがこれまでに復讐してきた者達の親族達。
国を危機に陥れた者達を輩出した一族としてブラッカム将軍によって捕らえられ、酷い拷問を受けた末に国王による詫びの品としてラウルの前に差し出される。が、親族に関心が全くなかったラウルによって彼等につけられていた手枷足枷が外される。
地名
クルツ国
物語の主な舞台となる王国。
嘗て魔族と争っていたが、勇者ラウルの活躍により魔王が倒されて平和が訪れる。
しかし、国を救った筈のラウルを用済みとして無実の罪を着せた上で処刑した事で、甦った彼による復讐が始まり、再び不穏に包まれる事となる。
- 王都
王城アウエルバッハ城があるクルツ国の首都。
王族をはじめ、多くの貴族や市民が暮らす。
ラウルがヴィクトリアの結婚式に乱入した後、ラウルによって結界が張られ、住民達は皆王都から出る事が出来なくなる。
ラウルが地獄へ行ってから2か月半、「国王派」と「ラウル教」に市民が分かれて内戦が勃発する。
その最中、地獄から帰還したラウルにより大半の市民達が地獄送りとなり、街は壊滅状態となる。生き残った市民達もラウルが作った空中の楽園へと移住した事により、王都は完全にゴーストタウンと化す。
- マコーリー村
ラウル一行が魔王討伐の前に立ち寄った村。ラウルが懇意にしていた。
ラウルが魔王を倒した後、ヴィクトリアの命令によりサンドラ達によって焼き討ちに遭い、村人全員が殺された。
更にその罪を、村の子供との約束を果たしに訪れていたラウルに擦り付けた。
- バーデン村
ラウルが生まれ育った村。
ラウルが幼い頃、魔物の襲撃によって焼き討ちにされ、ラウルとクレアを除く村人全員が殺された事で滅んだ。
しかし実際は、王の命を受けたブラウン将軍達によって焼き討ちにされていた。
- ノール村
クルツ国の辺境に位置する村。
詳しくはこちらから
- モルトケ村
ノール村の隣に位置する鉱山村。
度々住民が失踪する事件が起きている。
- アルトマン
クルツ国の静養地。
国立薬学研究所がある。
- バール
クルツ国の主要都市のひとつ。
魔族軍による侵攻が行われていた最中にラウルが訪れ、魂が穢れた人間と穢れていない人間の選別が行われる。
穢れていない人間達はラウルが作った楽園へ向かう事が出来たが、穢れた人間達は魔族軍の攻撃により戦死した。
- グラッドストン
- ガスコイン
- ダヴェンポート
- リッジウェイ
クルツ国の主要都市群だが、魔族軍の侵攻により陥落した。
バールと同様にこれらの都市でもラウルによる審判が行われたものと思われる。
- 楽園
ラウルが空中に作った真の楽園。魂に穢れのない者達だけが住める。
以前ラウルが魔法で作り出した堕落の街とは違い、綺麗な環境の下で基本的に自給自足で生活する。
また住民には週に一度、北の神殿において魂の穢れ具合を審判する義務が課される。
そして審判によって魂が穢れていると判別された住民は楽園を追放される。
ホラーバッハ国
魔族領。嘗て魔王が支配していた国。
しかし、ラウルによって魔王が討たれるとクルツ国の属国となり人間達が住む様になる。
更に、アリンガムによって魔族が次々に捕らえられて奴隷として売り捌かれる事となる。
- トルート
ホラーバッハ国の港湾都市。
奴隷魔族達の収容所があり、奴隷の売り買いが行われている。
冥界
- 地獄
人間が死後に訪れる3つの行き先のうちの1つであり、罪深き者達が堕ちる場所である(あと2つは神の国と転生)。
七つの大罪に合わせた刑場が設けられており、亡者達はそこで責め苦を受け続ける事となる。
また、地獄では聖魔法が扱えなくなる。
- 神の国
その名の通り、神々が住まう国。
死後の人間が訪れる行き先の内の1つであるが、そこへ行ける人間は滅多にいないらしい。
神々の王たる絶対神を含む12柱の神によって構成される神様会議によって、この世の万事が決定される。
また、神の国の宝物庫には神殺しの鎌が納められている。
関連タグ
ダークヒーロー 殺人鬼 神殺し 復讐譚 / 復讐もの ダークファンタジー エログロ R-18G
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