概要
ラウルの嘗ての仲間で大魔導師。褐色の肌の青年。
ナンパな色男であり、女性を誑かす事に長けている。
また、リンゴが好物らしく、よく齧っている。
彼の本性は、一言でいえば人間のクズの極み。
マコーリー村でラウルが捕らえられた時や、ラウルが処刑された時もその場におり、彼の最期を間近で見届けていた。
本性と野望
子供の頃に王都でいじめられていたラウルを助けた事で知り合い、彼の唯一無二の親友となる。成長してからはラウルの仲間として共に旅をし魔王討伐を果たしたが、本人は最初からラウルの事を仲間だとは思っておらず、自身の踏み台としてしか見ていなかった(前述の出会いのきっかけも、予めいじめっ子達を買収しての自作自演だった)。
彼の真の目的は、富・権力・名声の全てを手に入れてクルツ王国の頂点に君臨する事である。魔王を討伐して名声を手に入れる為にラウルに近づいてパーティーに加わり、商人カメロン・アリンガムとつるんで貴族達相手に商売をして大金を手にし、ヴィクトリアや国王といった既存の権力者達を失墜させようと企んでいた。(このことから、実際は彼こそがこの国の裏切者兼反逆者であった。)
魔王討伐後に虐殺が行われたマコーリー村ではサンドラやブラウン将軍に人質として捕らえられてラウルを投降させるが、勿論これは全てラウルを捕える為の茶番であり、彼もサンドラ達とグルであった(自身の野望の為、用済みのラウルを排除するという利害で一致したヴィクトリアをはじめとする王宮の者達と手を組んでいたが、内心ではヴィクトリア達の事を見下しており、王宮の弱みを握る為に利用していた。但し、国王は彼の野望を存じていたようで、わざと泳がせていた模様)。
更に、ラウルの姉・クレアが集団強姦されるのを見越して、グスタフ等腐り切った神官ばかりが集う教会をヴィクトリアに紹介していた(彼も一時期クレアに興味を持っていた様だが、彼自身は処女厨である為、妊婦になっていたクレアへの興味は失せていた)。
牢に繋がれていた処刑直前のラウルの元を訪れて上記の本心や真相を暴露し、彼を嘲笑った。(因みに彼がここまでラウルに対して残虐になれたのは、魔王討伐の道中、同じパーティーのクリスティアナから聖魔法をかけられた影響で、彼の中で絶望に染まるラウルの顔が見たいという欲望を掻き立てられていた為である。(ちなみにラウル同様にクリスティアナの事も心の底では見下していた模様。)但し、彼はクリスティアナに聖魔法をかけられる前から裏で悪事を行っていたので、元から性根が腐っていた人間である)。
サンドラの公開処刑の場にもヴィクトリアの護衛として立ち会う。が、実は立ち会っていたのは幻影であり、ラウルに幻影を見破られた後はそのまま姿を消す(上述の通り、彼は既存の権力者達の失墜を目論んでいた為、ヴィクトリアを守る気など更々なかったものと思われる)。
このように平気で仲間を欺きそして裏切り、多くの者たちを利用し、食いつぶした彼は今のところ、この作中一の外道でもある。
大魔導士への復讐
本体はクルツ国の属国、魔族領ホラーバッハ国におり、アリンガムの護衛も兼ねて奴隷魔族の売買に携わっていた。
また、アリンガムの専属会計士であるチャールズ・テイラーが自分達の悪事を告発しようとして殺された後、チャールズから悪事の全てを伝え聞いていた彼の家族も罠にかけて皆殺しにした(特に、長女のエイダ・テイラーに対しては犯し尽くした上で殺すという残虐性を見せている)。
アリンガムの下で一緒に奴隷売買に関わっていたラウルが偽物である事に気づいており敢えて泳がせていたが、その後本物のラウルが現れた際には焦りの表情を見せるも、「やられたことをやり返す」というルールを自らに課しているラウルが只裏切っただけの自分を殺せる筈がないとタカを括る。
その直後、ラウルの魔法により、アリンガムや奴隷魔族達と一緒に魔空間闘技場へと飛ばされ、特等席を用意される。
ラウルとエイダ、奴隷魔族達によるアリンガムへの復讐が始まると、雇い主である筈のアリンガムを助けるでもなく席に用意されたリンゴをかじりながら様子を見ていた。
アリンガムが惨殺されるのを見届けた後、ラウルから次のターゲットが自身であることを宣告される。その際にもラウルが自らに課したルールを盾にするが、最早頭のイカれた復讐者と化したラウルがルールを真面目に守るつもりなどないと宣言した為、急いで魔空間から脱出する。が、追いかけて来たラウルに捕まり、再び魔空間へと連れ戻される。
ラウル曰く、メンタルが弱く、その上見栄っ張りで他人評価が全てである為、精神攻撃に弱いらしい。その言葉の通り、ラウルが一騎打ちの様子を商売相手である貴族達や王都の民衆(主に彼を慕う若い女性達)に向けて中継すると、退くに退けなくなってしまう。
やけになってラウルに対し最高位の炎魔法を仕掛けるも全く効かず、ラウルによって魔力を全て吸い上げられてしまう。それでも貴族達が見守る中で虚勢を張っていたが、直後にアリンガムがされたのと同じ様にラウルによって裸にされ、巨大な剣山のデッキブラシで全身を傷だらけにされる。
一方的に痛めつけられる様子を見て女性達が抗議の声を上げるが、ラウルはヴェンデルのとある悪行を暴露する。
因果応報の末路
実は、彼は魔王討伐の旅先で出会った女性達に手あたり次第に手を付けており、中には彼の子を身籠った女性もいた。しかし元より遊び程度であった彼は責任を取る気など毛ほどもなく、アリンガムを介して孕ませた女性を貴族達に売り渡し、貴族達の慰み物にした上で腹の子ごと密かに始末していたのだ。
自らのクズっぷりをバラされ、保身に走った貴族達からは見捨てられ、女性達からは掌を返されて軽蔑の目で見られながら「去勢」の大合唱を浴び、精神を大きく削られる。
魔法でラウルに抵抗しようとするも不発に終わり、完全に心が折れた中で今度は巨大なハサミがラウルによって用意される。
アリンガムの遺体から搾り取った血液等の体液が入ったバケツに顔を付け、3秒間バケツから顔を出したら去勢されるというルールを設けられ、必死になってバケツに顔を付けていたが、飽きたラウルによってハサミで陰部を切り取られる。
激痛によるショックやバケツに顔を突っ込んでの窒息という要素が相まって、間もなく死亡した。
と思いきや、次の瞬間「死亡回数1」という謎のカウントの下、何故か生き返っていた。
実はこの時既にラウルの幻惑魔法かかっており、幻の中のラウルから更に幻惑魔法をかけられ、終わらない死を何度も体験させられる事になる。つまり死を経験しているのは幻の中での話であり、現実では本人はまだ生きている。が、度重なる痛みや苦しみにより、彼の精神は次第に崩壊してゆく。
そんな中、ラウルから0.1%の確率で幻惑魔法から抜け出せるチャンスを用意したと告げられるが、勿論これは罠であり、その様なチャンスなど端から存在していない。より長く彼に「死」を経験させたいラウルは、脱出できるという「希望」さえ与えれば「絶望」する事はないと考えていた。そしてラウルの思惑通り、ありもしない希望に縋りながら、彼は幻の中で死亡回数を重ねる事となる。
復讐を果たし終えたラウルが魔法を解いて元の世界に戻った時には既に廃人と化しており、「復讐コレクション」として展示される為にラウルによって回収される。
その途中、とある人物がラウルに襲い掛かかった際、ラウルがかけた幻惑魔法で身代わりにされ、その人物によってナイフでメッタ刺しにされる。遂に本物の肉体も致命的な傷を負ってしまったが、ヴィクトリア同様に死ねない呪いをかけられている為死んではいない様である。
大魔導士として自分の才能や栄光を鼻にかけ、王家の失墜を企て、自分が国の頂点に君臨しようと野望を抱いていたヴェンデルだったが、実際は心の底で王女共々見下していた国王の手の上で踊らされていただけに過ぎず、逆に自分が利用され処分されたのであった。そして、最期は嘗て自分が踏み台として裏切り、嘲笑ったラウルによって『報復』という生き地獄に堕とされたのであった。
また自身を最強の大魔導士と言い放っていたが、後に自身をも上回る7人の魔導士が登場している。(しかも彼らは王家直属の組織で、王家失墜を目論んでいたヴェンデルの事を知ればどちらにしろ彼らに粛清されていただろう。)
経験した死に方
ラウルの幻惑魔法によって、彼は実に様々な死を経験する事となる。
いずれも想像を絶する惨たらしい死に方であり、その回数は驚異の2644回以上。
作中で描かれている死に方は以下の通り。
- アリンガムの体液が入ったバケツに顔を突っ込んだまま陰部を切り取られ、股間から血が噴き出でたまま死亡
- ラウルが殺した神官達に身体を押さえつけられ、肛門から金棒を突っ込まれて串刺しにされて死亡
- 突然腹が膨れ上がり、巨大な赤子が腹を破って飛び出てきて死亡
- 空中で磔にされ、無数の剣に身体を斬り刻まれて死亡
- 幼少期のラウルの手を取った瞬間、身体が爆発四散して死亡
- 将軍の部屋で対談中、ブラウン将軍によってステーキにされて死亡(※これは番外編での話)
数が余りにも多過ぎる為にその多くは割愛されているが、いずれにしても恐怖と激痛に満ちた死に方しかしていないものと思われる。(ラウルの復讐によって命を落とした、エルンスト将軍やサンドラ、そして後に嘗ての仲間だったクリスティアナ達が数々の悪事で地獄に堕ちている事から仮に死んだところで、この作中一下衆な悪事を行った彼は当然のごとく地獄堕ちは確定である。)
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