概要
去勢とは、主に手術によって行われるものを指すようだが、一般的に知られている範囲では、医療的な方法をとらない場合でも去勢と呼ぶ場合がある。
また、去勢を行うことでホルモン分泌を抑え、攻撃性の喪失や不用意な生殖をしないようにする というものが知られている。
去勢は家畜やペットに対して行われるものとして広く認知されているが、人間に対して行われることもしばしばある。
たとえば豚は食味のため仔豚のうちにほぼ去勢し、牛や羊は人間が制御しやすくするために去勢を行う。
首に鈴をつけられた去勢羊をベルウェザーといい、彼らは羊飼いのために群れを次の牧草地へと導く役割を果たす。
とりわけ競走馬は去勢することによって筋肉のこわばりや激しい気性が改善し、好成績を残す例もある。
中には、古い時代に刑罰や特殊な理由として、人間(主に男性)に去勢を行うこともあった。
中国では宮刑と呼ばれ、西洋では神話を基に去勢が行われていたとも言われる。また宦官たちは自ら去勢していた。
しかし、去勢された人間は自分の家族などを持つ事が少なくなる為、自己中心的な性格になる傾向がある。中でも宦官は後宮に自由に出入りできたうえに皇帝をそそのかして悪政を広めるなど、必ずしも良い結果には成らなかった。
男性器に対する去勢
主に男性器(雄性器)を去勢する と言うと、精子を製造する精巣(睾丸)を除去することをさす。
陰茎(男根)を切除することも去勢と呼ばれることも多いが、しばしば陰茎切除のみの場合は『羅切』、精巣と陰茎どちらも除去することを『完全去勢』と呼ぶ。
また精巣は通常ふたつ備わっているため、片方のみを去勢することを『半去勢』とも呼ぶ。
陰茎は海綿体に無数の毛細血管が通っており、単純に陰茎切断を行うと出血が多く、処置を誤れば死に至る。
また、男性ホルモンは精巣から分泌されるため、陰茎切除は物理的な生殖行為を不能とするのみにとどまる。
このことから、古い時代から現代まで、陰茎切除より精巣除去の方が多く行われている。
去勢と混同されがちな避妊手術に「パイプカット」と言うのがある。パイプカットは精巣と精液を分泌する器官「精嚢」を結ぶ管を切り取り精子を流れなくする手術である。なので勃起も射精も手術前と同様で男性機能は残ったままである。ただ精液に精子が含まれなくなってしまうので生殖機能は失われる。
ただし去勢したからといって、性欲まではなくならない。よって性犯罪者への刑罰としては意味がない。
女性器に対する去勢
子宮の除去に関しては開腹手術が必要な為、現代でも難易度が高い事からあまり行われていない。
それが昔なら猶更で、女性器を縫合したり、焼けた鉄を突っ込んで使い物にならなくする粗雑な手法が取られていた。
勿論死亡率も高い為、代わりに女性の髪を削ぎ落して尼僧にしたり、乳房や鼻を切除して女らしさを奪う方法もあった。つまりは精神的去勢と言える。
一部では貞操帯を着ける手段もあったが、衛生面や取り付ける手間などがあって余り広まらなかった。
pixivにおける去勢
SM要素を多く含む、特殊性癖の一つとして認知されている。
性器に対する行為のため、露出を免れないことや、多くが強制的な去勢(暴力行為)に該当するため、R-18またはR-18Gのタグがつけられる。
シチュエーションは女性→男性の去勢行為として描かれる作品の割合が多く、様々な道具もしくは自身の体を用いて去勢する描写がみられる。
作品によっては流血描写もある。
関連タグとして玉潰しがあり、こちらは陰茎を含めた去勢ではなく、精巣除去、破壊の描写にとどまるイラストにつけられ、分類される。
男性器除去とまでいかないものを、同じくSMタグとして金的、金蹴り、玉責めなどのタグが存在する。
ちなみに性転換絡みの行為も兼ねている場合、去勢された後の男性に女性器が造られているものはcuntboyと呼ばれる属性に当てはまる。
関連タグ
キュベレー…フリギアで崇拝された太母神。去勢と深い関係を持つ。
キュベレー(LoV)…上記の神を元ネタとするキャラクター。女神であり、彼女の熱心な男性信者達は自ら去勢をして、それを奉納する儀式を行うということが公式に明記されている。