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ホルモン

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ほるもん

複数の意味のある単語。多くの場合は、体内の特定の器官で合成・分泌され、体の中を循環して別の細胞で効果を発揮する生理活性物質のことを指す。

曖昧さ回避

  1. 内分泌器官で合成・分泌され、別の決まった細胞でその効果を発揮する生理活性物質⇒ホルモン(生化学)
  2. などの、正肉以外の可食部位(心臓肝臓といった臓器、アキレス腱などのすじなど)のこと。いわゆるモツ、畜産副生物のこと。詳しくは後述。
  3. ロックバンドマキシマムザホルモンの正式な略称。2.に由来する。

食品としての「ホルモン」について

鳥獣肉のいわゆる「モツ」のことで、生体から皮や内臓を取り除いて採取した枝肉とその枝肉から切り分けた正肉(骨や余分な脂肪などを取り除いた食用肉のこと)以外の可食部分、畜産副生物のことを指す。

「モツ」同様おおむね臓物全般のことを示すが、日本畜産副生物協会においては舌(タン)やスジ(アキレス腱)、軟骨、頬の肉なども「副生物」に含んでおり、「ホルモン」にはこれらも含まれる(アメリカでは枝肉に分類されるハラミサガリ、つまり横隔膜も、日本ではホルモン扱いである)。

焼肉店や精肉店などでは(地域ごとに微妙に呼び名が異なるが)、特に小腸大腸を「ホルモン」と呼ぶことが多い(基本的には小腸を「ホルモン」と称する)。

モツ煮やホルモン焼肉、レバー炒めのような「ホルモン料理」というのは戦前から使われている表現であるが、この「ホルモン」は生理活性物質の「ホルモン」に由来し、「ホルモン分泌を促進させるような、体に活力を与えられる栄養のある食べ物」という意味で呼ばれるようになった。

なお、当時は精のつくような食材を使った「スタミナ料理」のことを大きく「ホルモン」と称していたようで、スッポン料理などもホルモン扱いであった。

なお、普通の正肉と違って安く仕入れることができるため、関西弁の「放る(※ほおる、関西弁で「捨てる」)もん」に由来するという説が1970年代から言われるようになったが、戦前から使われていることが明らかになるにつれて、徐々に言われなくなっている。

たとえば2021年刊行の三省堂国語辞典第八版では「ホルモン焼き」の由来で「放るもん」の説を誤りとしている。

ちなみにホルモンでは産地の表示はタブーというか、全く意味がない。神戸ビーフだろうが国産牛だろうが内臓の味に差違はほとんどなく、むしろホルモンにとって大事なのは屠畜直後の鮮度だからである。

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