概要
ヴェンデルとアリンガムによって家族を殺された過去を持つ模写魔法の使い手の少女。
しかし何らかの理由でラウルに変身して奴隷売買に協力していた(但し、協力しているのは表向きであり、裏では密かに魔族の奴隷達を逃がしていた)。
アリンガムによる奴隷達に対する非道な仕打ちを目の当たりにして嘔吐した際、本物のラウルが目の前に現れ、同じ復讐者同士として手を差し伸べられる。
大魔導師ヴェンデルに対抗する為の手段として、ラウルの体の中に自身の精神を取り入れられる。
当初は殺人に躊躇いを見せていた彼女だが、ラウルに背中を押されて奴隷達をいたぶっていた守衛達を殺していく中で次第に心が鈍り、解放された奴隷達からの感謝の言葉に快感を得る事で復讐に喜びを見出すようになる。
ラウルが作り出した魔空間闘技場では、ラウルに憑依した状態で父・チャールズの事についてアリンガムに訊ねたところ「死んだ奴の事なんてどうでもいい」と言われ、完全に怒りに目覚める。
その直後、奴隷魔族達を扇動し、アリンガムの服を脱がせて剣山のデッキブラシで痛めつけさせ、急所を踏み潰す。こうして、亡き父の仇を討ち、ラウルと精神を交代して体の中から彼のヴェンデルへの復讐劇を見物してたのだが、ヴェンデルの死亡回数が300回近くになり始めた頃、あまりのラウルの強さとチートぶりそして、ヴェンデルが手も足も出ない姿を見て、「私…この男に勝てるの…?」と動揺し始める。
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真実
以下、ネタバレ注意
幻の中で何度も死を経験した事でヴェンデルが廃人となり、ラウルとエイダの復讐が果たされる。それと同時に奴隷魔族達も完全に解放され、彼女は安堵の表情を浮かべる。
ラウルが魔法を解いて収容所に帰り、ラウルの体から自身の身体に精神が戻った次の瞬間、何を思ったのか、彼女はラウルの首筋にナイフを突き立てる。
彼女はラウルの事を一度も仲間だとは思っておらず、ラウルの手を取るのも屈辱でしかなかった。
彼女にとって、ラウルも復讐対象であったのだ。
「覚悟しろ!!!勇者ラウル」と声を上げた次の瞬間、目の前にいた筈のラウルの姿が消え、ラウルに担がれていた筈の廃人となったヴェンデルが自身の前に倒れ込む。
ヴェンデルの体を即座に避けるも、すぐにラウルによって魔法で体を拘束される。そしてラウルの口から意味深な言葉が出てくる。
「昔は純真無垢な魔族ちゃんだったのになあ」
自身の正体も、その正体を村娘の姿で覆い隠し、更に偽のラウルという形で覆い隠すという二重の模写魔法をかけていた事も、ラウルは全て知っていた上で彼女を味方に取り込んでいたのだ。
ラウルに全てを見透かされていた事を知り、彼女は正体を現す事にする。
牙と翼が生え、際どい衣装を纏った少女の姿が現れる。
嘗てラウルに討たれた魔王には妹がいた。彼女の正体はその魔王の妹テオドールだったのだ。
因みに、エイダ・テイラーという少女は確かに存在していた。父親をアリンガム達によって殺されたのも、本物のエイダの記憶である。
父親の葬儀の後、母親から事の真相を聞き、亡き父の遺志を継ぎ、アリンガム達の悪事を告発する事を決意する。
その為にまず、父親が助けた魔族・テオドールの様子を見に魔術医の下を訪れる。しかし、人間によっておぞましい仕打ちを受け続けてきたテオドールはエイダに対しても全く心を開こうとしなかった。
それでも諦めることなく何度もテオドールを訪ねる内に、次第にテオドールも彼女に心を開き始める。
そしてひと月が経った頃、母親から大魔導士ヴェンデルが弁護士をしている貴族を紹介してくれると聞かされて、テオドールを連れて王都へと向かう。
合流地点である山小屋まで向かう際、アリンガムの手下達が彼女達を捜索している所を見つけて咄嗟に藪の中に身を隠す。
そこでテオドールがエイダに化けて囮となり、手下達を撒いている隙にエイダが山小屋へと向かう作戦に出る。
「命を大切にして」とテオドールに語り掛ける彼女に、テオドールは「お互い命を大事に、それだけを考えよう」と返す。
作戦通りに手下達がエイダに化けたテオドールを追いかけている隙に山小屋へと向かうと、そこにはヴェンデルが待機していた。アリンガムの追っ手が来ている事をヴェンデルに伝えると、小屋の中へ入るよう誘われる。
だが、アリンガムとグルであったヴェンデルが彼女達に協力する筈などなく、全てが罠であった。
最初はエイダの母親に接触しようとしたが、自身が共犯者である事を母親に知られていたヴェンデルは咄嗟に母親に催眠魔法をかけてエイダとテオドールを誘い出す事にしたのだ。
そして、先に山小屋に到着していた母親と妹の遺体を前に、ヴェンデル達によって犯され尽くした上で殺された。
一方、追っ手を撒き、遅れてやって来たテオドールが山小屋の前にいたヴェンデルとアリンガムを見つけ、2人の会話を盗み聞き、全て罠であった事を悟る。
2人が去った後、恐る恐る山小屋の扉を開くと、エイダの無惨な遺体がそこには横たわっていた。
エイダの遺体に涙したテオドールは、エイダから全てを奪った奴等への復讐を誓う。