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復讐もの

ふくしゅうもの

『復讐もの』とは主に『小説家になろう』をはじめとするWeb小説サイトで閲覧できる作品ジャンルの一つである。※画像はあくまでイメージ図です
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『復讐もの』とはどんな内容か?編集

読んで字の如く、『主人公が自分にひどい仕打ちをした者に復讐をする』という内容。

現在では、いわゆる小説投稿サイトを中心として隆盛を誇るジャンルのひとつと見なされるが、古くは『ハムレット』や『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』あるいは近年の韓国ドラマ各作の事例にも見られるように創作全般においてもポピュラーな古典ジャンルとも言える。


投稿サイトにおける『復讐もの』編集

作品によって主人公が復讐を決意するに至るまでの経緯が異なるのでそれらをここに記載する。ただし作品によっては設定が異なる場合もあるため、記載するのはあくまでも一例である。


※後述以外のケースも複数存在するので、それらのケースや後述のケースに更に詳しい方がいれば追記をお願いします。


①クラス異世界転移(異世界召喚)型編集

ある日、学生である主人公は自分達がいる教室丸ごと異世界転移(異世界召喚)してしまう。


そこで自分達を呼び出した張本人(主に『魔王などの世界を脅かす存在を倒すためにが呼び出すパターンが多い』)から事情を聞き、納得できないながらも、その張本人からソシャゲチュートリアルのような感覚で一人一つずつスキルを受け取るのだが、主人公の手に入れたスキルだけは他のクラスメイト達と比べて戦闘では役に立たなそうだったり、弱そうだったりととてもイマイチすぎるものになってしまう。


それに対して(強そうだったり便利そうなスキルを手に入れた)クラスメイト達は主人公を嘲笑して、呼び出した張本人すらも主人公に対してとても嫌そうな顔をする。当然主人公はスキル習得のやり直しの要求や抗議をするのだが聞き入れてもらえず、クラスメイト達や呼び出した張本人は『こんなダメスキルを持つ奴が役に立つわけがない』という完全な思い込みで、主人公を追放する。(そしてその主人公の行き先は『海底のように深い地下』や『地獄と言えるほどに環境の悪い別の場所』であることが多い)主人公は追放された先で、自分の手に入れたスキルの使い道効果などの詳細を知り、自分を裏切ったクラスメイト達や自分をこんな目に遭わせた張本人に復讐することを決意するのだった……。


中にはまとも且つ親しくて主人公が死んでしまい(と思っている)、生き別れになってしまった良き理解者の女子がいる場合、その娘との再会も目的の1つになっている。

だがそこが一服の清涼剤と安易に安心することはお勧めしない。理由は後述。


②勇者への復讐型編集

主人公は異世界で生まれ育った住人で、大切な幼なじみと共に平和ながらも楽しく暮らしていたのだが、だがある日、主人公と幼なじみの暮らすに、魔王討伐の使命を持った勇者がやってくる。


なんでも勇者の話では「幼なじみは強力なスキルや戦闘能力の持ち主で、魔王討伐にとても役立つ戦力になる」という…当然幼なじみと離れ離れになりたくない主人公は抗議するのだが、勇者には突っぱねられてしまい(中には暴力を伴う場合もある)幼なじみはそんな主人公を勇者から庇うため(もしくは主人公との平和な未来を守るために)勇者パーティに加わって旅立つことになってしまう。主人公は魔王が討伐されて幼なじみが無事に戻ってくることを願っていたのだが、(魔王討伐に成功した勇者パーティが主人公の住む村や町を訪れる等で)再会した時には幼なじみは勇者によって寝取られ心変わりしてしまい、主人公は自分の持つ(手に入れた)スキルを使って自分から幼なじみを奪った勇者への復讐を決意するのだった…

中には勇者の洗脳スキルで操られていただけで本心では必死に抗っていたなど救いを残そうとする作品もあるが、往々にして主人公からは知ったことかとあっさり殺される。


③勇者本人が復讐型編集

世界を救ったが周りに裏切られるか、代償に家族や兄弟等の大切な物を失ってしまう。


仲間の勇者達に奴隷扱いされる等、勇者本人にとって理不尽な展開や扱いをされる。前者の場合処刑されるが、不思議な力を手に入れて復活するか旅立ちの前辺りに時間が巻きもどる。後者は魔王等の最後戦いのの途中にこれまた不思議な力に目覚め、こちらも時間が巻きもどる場合もある。物語の中には主人公ではなく仲間が復讐に燃える勇者の場合がある。 ⇒ 復讐勇者


上記の逆バージョンだが、一部は召喚や下記の転生にも統合する場合もある。


④転生者が復讐型編集

イジメや理不尽な社畜にパワハラ等による死んでから異世界に転生するよくある異世界転生物だが、前世同様あるいはそれ以上に酷い仕打ちで絶望し、転生した先で手に入れた力で前世と今世の世界(作品にもよるが復讐対象か全人類)を滅ぼす事を決意する。だが、流石に1人では実現は出来ないので、同じ目的を持つ仲間を増やすのを第1目標として始めることが多い。

大体劣悪な環境下にある魔族少女の奴隷が一人目の仲間


登場人物等の設定編集

主人公編集

作品にもおけるが、基本的に物語のプロローグで周りからひどい仕打ちを受けて無心状態又は死亡している。魔王との戦闘開始直前又はその後、転移後による能力による差別、死亡後に不思議な力に目覚めて生き返るか旅立ち(転移)の日かその数日前に時間が巻き戻る、転生後に転生後の家族や親しい人が皆殺しにされる等の展開を引き金に高確率で(自分の中の)人格や性格、信じていた世界観や価値等が歪み、復讐の火種が着くのである。

この時、復讐対象があくまで当事者なのか当事者の周囲にいる無関係な人間も巻き込むのかで評価は分かれる。


クラス転移で主人公と生き別れた少女編集

主人公が貰った能力がゴミと罵りられている所を庇うのだが、それも虚しく主人公は追放等で生き別れになってしまう。クラス中や主人公達を呼び出した張本人達は主人公の事を全く心配しないが、まともな少女は心のどこかで「主人公は生きていてまたいつか必ず会える」と信じており、再会が実現した場合は涙ながらに喜ぶ。その後は主人公一行に加わる事が多く、エピローグでは主人公と(ハーレムものも含まれているか否かに関わらず)婚約する場合が多い。

一方でもし主人公が彼女が理解者であると認識していなかった場合、他のクラスメイト同様復讐対象として恨んでいることもあり、再会を涙ながらに喜び駆け寄ったところを情け容赦なく惨殺される

酷い時は今際の際まで主人公に「力になれなくてごめん」などと優しく気遣うも「黙れ、貴様のような善人ぶった豚以下のクズは死ね!」と罵られ、結局少女の気持ちは主人公に伝わらないままという、何一つ報われない結末を迎える事になる。


主人公の家族編集

作品によっては回想シーンのみの登場や一切登場しない場合が多い。作品によっては主人公が突然行方知らずになって心配する常人だったり、主人公を虐待等をする毒親、転生ものなら前世よりやさしい新しい両親や兄弟等様々。前者以外は物語の展開次第(毒親の行為を思い出す・転生後の家族が殺される)で主人公の復讐のトリガーになったりする場合が多い。中には前世・元の世界に戻れる手段を手に入れたりする場合があり、毒親を抹殺する展開もある。異世界を舞台にした復讐ものでは主人公の兄弟が女性である場合が多く、彼女の仇をとったり、復讐の同行者になる、行方不明になって捜索するなど、基本的に主人公の味方になっている事が多い。


クラスメイト編集

主人公と共に召喚・転生された主人公の同級生達。稀に教師も巻き添えを食らう事もある。上記も書かれているが、主人公が手に入れた能力が役立たずのゴミスキルと罵って笑ったり見下したりする。その後は(状況等にもよるが)モンスターか主人公に殺される場合が多いが、作品によっては主人公は彼らの生死はどうでも良くなったり、罵倒をした事を水に流す等の意外な展開もある。


張本人(仮)編集

主人公達のクラスを異世界に呼び込んだ張本人であり、王族だったり神だったりと性別や若さ、種族等は作品によって異なる。

しかし『自分達の都合で主人公達を拉致同然に召喚し、無理やり役目を押し付けて主人公の得たスキルや職業だけを判断材料に追放する』という最低な仕打ちをするのがお約束である。

中には魔王を倒せば元の世界に帰れるというのも真っ赤な方便で、用済みになれば即座に冤罪をでっち上げて処刑する事も少なくない。

最終的には主人公に報復された際に「恩を仇で返しおって」的外れそのものなことを主人公に言うのがお約束である。

この場合、異世界の人間の民度が下がる事で相対的に魔族側の民度が上がる。


魔王「元々我々魔族の領地を人間が侵略したのだ」


主人公「ふざけやがって、人間は皆殺しだ!」


はあるある。


勇者編集

前述の『勇者本人が復讐型』のように主人公がこの要素を持っている場合もあるが、それ以外の主人公以外の登場人物が勇者である場合は、悪徳勇者そのものな外道であり、選民思想をはじめとする自己中心的な理由で主人公に危害を加えたり、主人公から恋人関係にある女性を奪う(或いは嫌がらせのために眼前で犯した末に嬲り殺す)、主人公の家族を虐殺したり主人公の故郷を滅ぼす等の勇者の肩書に相応しくない最低な悪事に手を染めるのが定番となっている。


なお、勇者は『異世界召喚されて勇者の称号を授かる者』もいれば『家系や血筋等の生まれついての勇者である者』も存在する。


該当する作品一覧編集

※他にもご存知の方は記事のある作品に限り、五十音に従って加筆をお願いします。ラノベ以外にも漫画・コミカライズも該当すれば記載可(映画・ドラマのみの作品は除く)。

タイトルの横のアルファベットは該当するケースを意味する。

A:クラス異世界転移(異世界召喚)型

B:勇者への復讐型

C:勇者本人が復讐型

D:転生者が復讐型

Z:その他(この記事の一覧に載ってないケース)


作品名該当するケース備考ラノベ作品
イジメカエシ/イジメ返しZ現代社会での復讐もの×
回復術士のやり直しB、C勇者が勇者に復讐するという内容
かみがみ〜最も弱き反逆者〜B
彼は『これ』は復讐ではない、と言ったZ現代社会での復讐もの×
ゴブリンスレイヤーZ姉を殺したゴブリン達への復讐の意味もある
殺されて井戸に捨てられた聖女がチート怨霊になりましたB〇(書籍版無し)
十字架のろくにんZ現代社会での復讐もの×
信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!Z追放ものの要素もある
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。A
転生吸血姫と元勇者、人類を蹂躙する上記の該当ケースがフルに含まれている〇(WEB版のみ)
二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩むC
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまでA
はめつのおうこくZ魔女の弟子による復讐もの×
復讐教室Z現代社会での復讐もの×(原作は小説)
復讐の教科書Z現代社会での復讐もので、入れ替わりの要素もある×
復讐パパZ現代社会での復讐もので、タイムリープの要素もある〇(WEB版のみ)
復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双するC
豚の復讐B異世界転生した主人公がその世界で勇者となったクラスメイトに復讐するという内容のため、Aの意味も少し含む(クラスごとの異世界転移ではなく、クラスメイト全員がそれぞれ異世界転生をしている)×
聖母の断罪Z現代社会での復讐もの×
ユーベルブラットZ自分を裏切った英雄達への復讐もの×
湯沸かし勇者の復讐譚C〇(書籍版無し)
四度目は嫌な死属性魔術師DAの意味も少し含む(クラスごとの異世界転移ではなく異世界転生)

関連タグ編集

小説家になろう 復讐 復讐勇者 因果応報(自業自得) 無慈悲

追放もの:『主人公を酷い目に遭わせた者が報いを受ける』という点が共通している。

クラス転移:作品ジャンルの一つ。前述の『クラス異世界転移(異世界召喚)型』は全てこれに属する。


ざまぁもう遅い:小説のタグに高確率で付いている。

命乞い:自分達へ復讐するために現れた主人公に追い詰められたクラスメイトや張本人が用いる手段。詳細は個別記事を参照。

ゴミスキル:主人公が得たスキルへのクラスメイトや張本人が用いる蔑称。しかし貶されてしまうのは上辺の情報からの偏見によるもので、その真価を知った主人公の大きな助けとなるのは共通している。

敗者に相応しいエンディング:言い方を変えると復讐相手にとっての当然の末路

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