母の愛は深く、悍ましい。
概要
「となりのヤングジャンプ」にて2023年5月5日から連載されている漫画作品。既刊3巻。
愛する息子を亡くした母親が、平凡な主婦から美しく苛烈な復讐者へと変貌し、陰惨ないじめで息子を死に追いやった5人の高校生を追い詰めていく復讐もの。
あらすじ
どこにでもいるごく普通の主婦・流真里は、夫や最愛の息子・桐崇と絵に描いたような幸せな日々を過ごしていた。
しかし、学校では岡谷望を中心としたグループから陰惨ないじめを受けていた桐崇は母親を心配させまいと必死に耐えていたが、ある事件で命を落としてしまう。
最愛の息子を目の前で失い、桐崇が生前遺していた遺品から息子の死の真相を知った真里は復讐を誓う。
2年後、離婚して過去の自分を全て捨てた真里は、明星真里亞へと名を改め、自分から最愛の息子を奪った5人が通う高校の養護教諭として、5人への断罪に動き出す。
登場人物
主人公
- 明星真里亞(あけぼし まりあ) / 流真里(ながれ まり)【旧名】
本作の主人公、37歳。
2年前までは気の小さい普通の専業主婦だったが、一人息子の桐崇をいじめによって失ったことから、息子の仇討ち、もとい元凶である5人の同級生への断罪を決意。
夫と離婚し旧姓に戻るだけでなく、名前の改名、全身の美容整形により別人の風貌に変わり、保持していた養護教諭の資格を利用し聖春高等学校に潜入。
表向きはどんな生徒にも優しく接する「保健室のマリア様」を演じ、その裏では着々と復讐を遂行していく。
真里(真里亞)の家族
- 流桐崇(ながれ きりたか)
真里の一人息子。家族思いの心優しい性格で、母親である真里からは「キリくん」と呼ばれ、深い愛情を注がれていた。
聖春中学校在籍時、岡谷たちにいじめられていた同級生の湯田を庇ったことで新たないじめの標的になってしまう。14歳の誕生日である12月5日の深夜に崖から真下の道路へとダイブさせられた挙句、現場に駆けつけた母親の目の前でトラックに轢かれ死亡。岡谷たちの偽装により「自殺未遂を図った直後の交通事故死」として処理される。
母親を心配させたくないがために誰にも相談できずにいたが、いじめの告発を行うため証拠となるデータを残しており、日記と併せてそれらの存在を知った真里に復讐を後押しさせることになる。
- 流諦一郎(ながれ たいいちろう)
真里の(元)夫。41歳。職業は刑事で階級は警部。
仕事上家庭を顧みることができず、その結果桐崇が自殺したものと思っており、息子の死に負い目を抱いている。
息子の自殺は諦一郎の虐待が理由であると同僚から在らぬ疑いを掛けられ、現在は真里と同様に荒んだ生活を送っている。
断罪劇に関する捜査を担当するが、その犯人が元妻であることも一連の元凶が岡谷であることも知らない。
復讐対象
- 岡谷望(おかや のぞむ)
いじめグループのリーダー格。現在は高校2年生。
グループのメンバーからは心酔されており、桐崇は彼ら4人を「狂信者」と評していた。
表向きは父親と同じ精神科医を目指す容姿端麗の美少年だが、裏では大人たちに気付かれないようゲーム感覚でいじめを行い、ターゲットが苦しむ姿を見て歓喜する外道。
桐崇が死んだ際にも、他のメンバーが慌てる一方、「(完全に屈服させる前に死なれたことで)勝ち逃げされちゃった」と呟くほどのサイコパス。
- 小和瀬翼(こわせ つばさ)
第一のターゲット。陰気かつ嫌味な雰囲気で、自身に抵抗しない弱者を脅し、強者に媚びへつらう典型的な小悪党。
- 式見くみる(しきみ くみる)
第二のターゲット。グループの紅一点であるツインテールの少女。鬼怒川とは幼稚園の頃からの幼馴染で、岡谷に強い恋心を寄せている。
幼稚園の頃から気に入らない女子に嫌がらせをしては先生によく怒られていたが、現在では飯島とつるんで美人局やオヤジ狩りを行っており、被害者から金品を巻き上げていた。
- 鬼怒川強(きぬがわ つよし)
第三のターゲット。粗暴な性格をした長身のヤンキー。式見とは幼稚園、岡谷とは小学校の頃からの幼馴染。
極めて粗野かつ暴力的な性格だが、「友達」を何よりも大切にしており、彼らに危害が及ぶとなれば、相手が誰であろうと容赦しない。
- 阿直六太(あじき むった)
太めな体型で、マイペースだが少々神経質な性格の持ち主。本人曰く「人に興味がない」とのこと。
学園関係者
- 真聖春高等学校学園長
岡谷達の高校の学園長を務める男性教員。本名不明。
表面上は明るくクリーンなイメージのある男性だが、本性は女性に対してセクハラばかり行っている変態。
しかし、復讐遂行の為に全てを捧げた真里亞にとっては操りやすい愚か者としか思われてなく、貞操と引き換えに学園への潜入を成功させることとなった。
- 八島(やしま)
小和瀬に目をつけられて万引きをしてしまい、その証拠動画をネタに脅されていた女子生徒。
小和瀬に脅され暴行を受けていたところを真里亞に助けられ、遠回しながらも自分が万引きをしてしまった事実を彼女に打ち明け、励まされる。真里亞からは桐崇の面影を重ねられ、最初の復讐のターゲットとなる小和瀬への断罪を後押しさせるきっかけを作った。
小和瀬への断罪後は真里亞からの励ましもあって、少しずつ立ち直っている。
- 厚木(あつぎ)
岡谷のグループのメンバーのクラス担任を務める男性教員。
生徒思いの温厚な性格の持ち主。真聖春高等学校の教師陣の中でモラルと良心を持ち合わせる唯一の人物で、真里亞と同様に学園の腐敗した教師陣に不信感を抱いている。自身が受け持つクラス内(主に岡谷のグループのメンバー)の問題を何とかしようと、真里亞に相談を持ちかける。
その他
- 飯島晴人(いいじま はると)
式見とつるんで、オヤジ狩りを行っていた半グレの男。
式見からの依頼で真里亞を襲うが、逆にラブホテル跡地で調教され、籠絡されると真里亞の策略もあって彼女からの断罪を受ける式見をあっさりと見捨てた。
その後、用済みという事で真里亞に殺されそうになるが、本来のターゲットでは無い事もあって見逃される。
しかしその直後、真里亞による調教の現場に身を潜めてその全容を見ていた湯田の襲撃に遭い、階段からの転落事故で意識を失っている間、そのまま湯田によって山中に生き埋めにされ、死亡。
- 湯田晃宏(ゆだ あきひろ)
桐崇の中学時代の同級生。元々は学年トップの優等生で、桐崇とも親しかったが、実は彼よりも以前に岡谷のグループによるいじめの標的にされていた被害者。
岡谷のグループによるいじめが原因で不登校になり、自分を庇ってくれた桐崇が新たないじめの標的にされたことを察するも、再びいじめられることを恐れ、見て見ぬふりをしてしまう。
桐崇の死後、彼の告別式で偶然岡谷に再会し、「自分は何をしても岡谷からは逃げられない」という恐怖から自主退学をして以降、岡谷の影に怯える情緒不安定な引きこもり生活を送っていたが、自分の人生を狂わせ、桐崇を死に追いやったにもかかわらず平然と学校生活を送っている岡谷たちの姿を見て殺意と復讐心に目覚め、「練習」として小動物の解剖に手を出していたが、いざ岡谷たちへの復讐に動こうとしても、過去のトラウマから実行に移せなかった。
しかし、真里亞による復讐劇の全容を目の当たりにし、後に彼女の素性を調べ上げ、自分と同じように岡谷たちへの復讐に動いていることを看破すると、桐崇への贖罪として彼女の復讐に協力しようと真里亞を崇拝するようになる。
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ミスミソウ、十字架のろくにん…本作同様、いじめの末に家族を奪われた主人公が壮絶な復讐に動き出すサスペンス作品。
復讐パパ…本作同様、いじめの末に我が子を奪われた親が壮絶な復讐に動き出すサスペンス作品。こちらはいじめで娘を失った父親が復讐に動いている他、タイムリープ要素も入っている。
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