概要
上司とは、自分より役職や立場が上の存在であり、会社や組織において勤続年数や功績、会社への貢献と共に立場が上がって上司となり、新人や後輩たちの模範や道標になること、部下や現場の意見を汲み上げたり状況に応じた情報収集、臨機応変な指揮が求められる。
しかし、ブラック上司とは、そう言った模範になるどころか、逆に新人や後輩たち(場合によっては同僚なども)を追い詰め、退職や自殺、人手不足に追い込み品質低下など結果的に足を引っ張っているような、上司として求められる資質に欠いた存在である。
そもそも出世とは、功績や経験を会社が評価し、それを活かしてより大きな仕事を任せるべくその人への裁量を増やし、それに伴う労力を果たせるよう部下や後輩へ指示する権利が与えられる訳なのだが、その権利と裁量の拡大を私物化する者や増えた責任から「会社のため」に強行に走って横暴になる者、部下を動かし、会社内の評価やその後の動向を掌握する優越感や万能感に溺れたり、権力が増して多少の過失も守ってもらえるためにパワハラやモラハラ、果てはセクハラを公然と犯すようになったりと、上司となり過ちが咎められなくなって逆に害悪な存在になりかねないと言う負の面がある。
原因
まがりなりにも「会社のため」と言う大義名分が存在するので正当化に走りやすく悪質に陥っていることに気付きにくかったり、自覚の希薄に繋がりやすい。そのため無茶を頼むのはしょうがないことを曲解し、キャパシティオーバー、長時間のサービス残業や自爆営業などの負担を課したり、果ては犯罪の教唆なども命じる問題に繋がりやすい。
更に、上記の優越感と万能感は、言い換えれば会社内でしか通じない=会社と役職がないと威張れないため、その地位にしがみつき、会社の存続に異様に執着することも少なくない。
また、会社としてはブラックではないのに、こういった存在の下に就いたことにより新人たちが不当に酷使され、結果的に退職に追いやられブラックだった、ブラック企業のレッテルを貼られると言う問題も生じている。
最近では“ブラック上司=無能”というイメージも強いが、それはあくまでレッテル貼り。
ブラック上司の中には能力のある者もいれば、無い者もいる。
例えば、組織で働く人間およびその組織を動かす者としては確かに有能で知性的な実力派だが、他人を使うことに関しては“自分と同じだけの能力や成果を配下に求めたり、自分に才能と実績があることが認められているからこそ下の者に対して尊大に振る舞っている”というパターンもよくある話。個人としては有能な部類なので昇進するも、立場が下の者への指示の出し方や気配りということに関心が薄い、あるいは全く無いためブラック上司化する、というわけである。
もちろん、実績や評価すら成り行きで得られた幸運か本来ならまともに評価すべきではない過程で得たものに過ぎない、最悪の場合縁故採用で業績どころかノウハウすら皆無というマジで下手な部下より能力を持たないガチの地雷もたまに?だが存在する。
元より上司向きではない
自分の仕事だけに集中出来る部下の頃や現場向きの性質に特化し、管理職や他者との連携やスケジュールなどの、都合と折り合いをつける管理能力や調整能力、指揮官としての能力に欠く、またごますりや天下りで現場を知らずポストに就いた場合など上司としての資質がないタイプもいる。
上司として指示をしたり判断を下す立場になると、目の前の自分の職務や都合だけでなく全体の流れやプロットの把握、他者の都合も考慮した上で人を動かす必要があり、例えば作業中の部下に突然の仕事を任せたり指示する場合、その部下は一度今やっている作業を止めたり切り替えるために片付けや今の仕事に区切りをつけたりする必要が生じることは多い。そのため、片付け等のすぐに動けない時間や都合などを考慮することが出来ずに、自分の想定からのロスを部下の非として扱ってしまうような場合、表面上は𠮟責や嫌味のない人物ではあっても部下からしたら働きにくく割を食らわされるので、人格は悪くないのに慕われない(慕う価値のない)上司となってしまう場合もある。
更にこう言った自身への客観性が欠落していると、言葉の選び方が下手なために、何かあった際に「どうしてこうなった?」と質問して、その背景や事情を説明しようとして「言い訳をするな」と質問の仕方に準じた返答をしただけなのに、自分に耳触りが良くない言葉で適切な対処やリカバリーより自分の感情の発散を優先するタイプもいる。
優秀であるがゆえに昇格してしまい、上司の立場と責任を押し付けられる、それまで指揮できていた人間が消えることで瓦解してしまう場合もある。
フィクションのブラック上司
テンプレートとして、他人を自分の出世や功績のための踏み台かその障害としか思っておらず、功績のためなら同僚ですら犠牲を意に介さない、出世の対抗馬の足を引っ張る、面子のために部下や現場への不便や不備を押し付けなどをする。
必ずしも敵サイドのみではなく、正義・味方サイドにもおり、その場合はなまじ敵ではないだけに安易に排除する事が難しく余計なしがらみや枷となりやすい。
また、簡単に作れるコメディリリーフとして登場させやすく、いじられ役とセットにすればギャグを挟みやすい。人気や笑いとなるかは別の話にして。
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関連タグ
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ほうれん草のおひたし…ブラック上司にはできないことに定評がある概念。詳細はリンク先を参照。
モンスター上司……悪質なハラスメント上司に苦しむ主人公たちが彼等への報復殺人を計画するコメディ洋画