概要
本来、営業活動においては顧客に商品を売ることで利益を得るものであるが、過剰なノルマ設定等によって従業員が自らの身銭を切ってノルマを達成せざるを得ない事が多い。
労働基準法違反
大前提として、ノルマ未達成分を買い取らせること自体が労働基準法16条違反の「犯罪」である。「みんなやってる」「これが普通」「どこも一緒」と言われて鵜呑みにして納得すれば絶好のカモ社畜のいっちょあがりである。
労働基準法第16条「使用者は、労働者の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」→「ノルマ未達成は不履行にあたるから罰として買い取れ」という意味。もちろん違法。もちろん給料からの天引きでもダメである。
ノルマ の記事も参照。
歴史・事例
元々は郵政省・郵政公社時代から行われていた年賀状・暑中お見舞い用くじ付き葉書や各種ゆうパックの販売ノルマ未到達分を、職員が身銭を切って購入していた事を指し、小泉純一郎による郵政民営化によって更に露骨に行われるようになった。
日本郵政ではノルマと言わずに期待値と言い換えているが、実際にはノルマそのものであり、正社員はおろか非正規雇用の契約社員又はアルバイトにもそれを強要し、問題となっている。
しかし郵政関係の労働組合が御用組合と化している事から、改善の可能性は絶望的である。
更に、こうした「社員に身銭を切らせて購入させる」ケースは各種小売業でも普通に行われている。
とりわけスーパーマーケットやコンビニ業界での自爆営業にあたる「売れ残りの食品を下っ端の正社員やパート、アルバイトに強制的に購入させる」行為は、前述の葉書と併せて毎年毎年特定の時期になると多発してニュースになるのがもはや風物詩と化しており、何年経っても一向に減らない。
そうして手に入れた商品は、自分で消費するか、家族などに分けて消費するのが普通だが、家族がいなかったり、他人に分け与えたりするのに適さない商品の場合、いよいよ単なる金銭の取られ損になってしまうことになる。
保険会社
保険会社も自爆営業が横行していることで有名である。
新人営業マンがまず身近な存在として身近な家族などを勧誘し、家庭の財布を当てにするのは、営業入門として見れば一理はある。しかし、中には他人の名前だけを借り、営業マン自身が保険料を払うと言うような自爆営業が行われている。
もちろん保険会社が公式にこういう手法を推奨しているわけではないのだが、こうでもしないと達成できないノルマが課されてしまうのだ。
車
単価が高いもので言うと車の場合もある。
車のディーラーがノルマ未達の場合に自分で車を買い換えたり、親兄弟などの親戚に買い換えてもらう場合などがある。
最悪の場合、ほとんど乗ってないのに「買い換え」を迫られたりして新品同然の車が新古車として市場に出回ることも多々あり、かつてはそんな現状を「異変」と評されたこともある。
なお、車のディーラーの場合はそれ以外でも過剰労働による過労死といった他の問題も度々ニュースになることもあるなど、会社や店舗によって異なるだろうが過酷な労働環境に身を置いている者もいる。
労働者自身の信用を失う
「頼むよ!今月ノルマがヤバいんだよ!」なんて家族(兄弟・親)・友人・後輩・親戚・知人・近所に営業して回れば、売られる側から見ればただのウザいセールスマンでしかなく、「定期的にやってくる面倒な人間」「ノルマを達成できず泣きつく人間」として認知されてしまい、信用を失うことにもなりかねない。
仮に売り上げても会社に利益だけ取られ、評価はされても昇給や昇進はたかが知れており、自身は労力の割に信用を失うばかりでメリットがない。
有名なもの
以下に、特に有名なものを少しだけ紹介する。
その他
もちろん強制的に購入させる行為は違法どころか恐喝罪・強要罪などの犯罪になり得る。
しかし、「強制なんて人聞きが悪い。いい商品だから自主的に買ってくれただけですよ」等と言い訳されてしまうと、中々摘発が難しいのが実情である。
そもそも、ノルマ未達成分を買い取らせること自体が労働基準法16条違反の「犯罪」である。
関連タグ
バレンタインデー ホワイトデー 土用丑 ハロウィン (上記以外での自爆営業の有名どころ)
掎角一陣(Fate/GrandOrder):イベントストーリーにて、物理的に自爆営業というネタが登場している。