概要
本来、労働組合は経営者の横暴から労働者の権利を守る、労働者の働きやすい環境を作る為の存在であるが、実際は労働組合法で禁止されているにもかかわらず、経営者が労組に介入してその実権を握る事も多い。
そうなると、経営者のやることなす事にイエスマンとなり、労働者に対してはむしろ弾圧をするという行いをする。
このような形だけの労組を御用組合という。
御用組合は経営者に従属し、綺麗な言い方をすれば労使協調だが、実際は経営者のやりたい放題を追認する労働者の敵というレベルである。
また、経営者や権力と癒着して富裕な暮らしをする労組関係者(特に労組幹部)を労働貴族という。
類義語は黄色組合、対義語は紅色組合。
御用組合は日本労働組合総同盟(同盟、旧民社党の支持母体)の系列に属する組合が多く、同盟が日本労働組合総評議会(総評)と合併して日本労働組合総連合会(連合)となった現在でも、民間企業の労組の多くは御用組合の傾向が強い(これに対し、官公庁労組は紅色組合が多い)。
1990年代以降、長引く不況の中で、公務員よりも民間企業の方が労働条件の悪化が激しかったのは、民間労組の多くが経営者のリストラに迎合したことと無縁ではない。
また、1970年代以降、労働運動への攻撃が激しくなり、労働運動の弱体化を目的とした民営化・非正規化が強行されるとともに、かつては紅色組合の色合いが強かった全逓(郵政省)や国労(国鉄)の組織は切り崩され、その後身組合は経営者に迎合する御用組合と成り果てている。
御用組合は名の知れた大企業でも珍しくなく、日本の労働者の癌となっている。
団体交渉(春闘)で業績に関わらず常に弱気な要求をしたり、労組に属さないはずの会社幹部が組合活動に介入するような会社は御用組合である可能性が高い。
関連タグ
主な御用組合
日本プロサッカー選手会(JPFA/Jリーグ、日本サッカー協会)